Trademark Appeal Case
めっきの普通名称性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−1016(T2019−1016/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「KSGめっき」の文字を標準文字で表してなり、第6類、第37類及び第40類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成29年8月9日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における平成30年6月18日受付の手続補正書により、指定商品及び指定役務が補正された結果、最終的に、別掲のとおりの商品及び役務となったものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1685419号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「KSG」
登録出願日:昭和55年6月13日
設定登録日:昭和59年5月29日
最新更新登録日:平成25年12月24日
書換登録日:平成16年11月24日
指定商品:第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石」
(2)登録第5462128号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「KSG床システム」(標準文字)
登録出願日:平成23年7月1日
設定登録日:平成24年1月13日
指定役務:第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」
(3)登録第5558384号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「KS-G」及び「ケイエスジイ」の各文字を上下二段書きしてなるもの
登録出願日:平成24年9月4日
設定登録日:平成25年2月15日
指定役務:第40類「金属の表面加工・表面改質・表面処理,その他の金属の加工,金属の加工に関する情報の提供,切削工具の摩耗防止コーティング加工,材料処理情報の提供」
(4)登録第1678209号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:「KSC」
登録出願日:昭和52年4月13日
設定登録日:昭和59年4月20日
最新更新登録日:平成25年12月24日
書換登録日:平成16年11月17日
指定商品:第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石」
(5)登録第2477163号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「KSC」
登録出願日:平成1年12月27日
設定登録日:平成4年11月30日
最新更新登録日:平成24年7月24日
書換登録日:平成14年11月20日
指定商品:第7類「金属加工機械器具」のほか、第7類に属する商標登録原簿に記載の商品
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「KSGめっき」の文字からなるところ、その構成中の「めっき」の文字は、「金属の薄層を他の物(主として金属)の表面にかぶせること。」等(「広辞苑第六版」岩波書店発行)を意味する語で、本願の指定役務中の第40類「溶融亜鉛すず合金めっき,亜鉛すず合金めっき,溶融めっき,溶融合金めっき,金属めっき,亜鉛めっき,すずめっき,めっきを伴う合成樹脂被覆,その他のめっきを伴う金属の加工,めっき装置の貸与」(以下、「めっき関連役務」という。)との関係においては、金属の表面加工の普通名称と理解されるものであり、本願商標に接する取引者、需要者をして、「めっき」の文字部分は、役務の質を表示したものと認識させるにとどまり、該文字部分は、役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
そうすると、本願商標は、上記しためっき関連役務との関係では、その構成中「めっき」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであり、構成中の「KSG」の文字部分が取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く印象付けられるものということができる。
してみれば、本願商標は、その構成中「KSG」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであり、該文字部分が独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ケイエスジイメッキ」の称呼を生じるほか、上記のめっき関連役務との関係においては、その構成中「KSG」の文字部分に相応して、「ケイエスジイ」の称呼を生じる。
そして、「KSG」の文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当であって、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、「KSG」の欧文字よりなるところ、該文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「ケイエスジイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、「KSG床システム」の文字よりなるところ、指定役務を取り扱う業界において、防振や遮音、OA化、冷暖房に対応した床構造が提供されており、例えば「防振床システム」や「遮音床システム」と称され、建築工事等の役務が提供されていることからすれば、「床システム」の文字部分は、自他役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
そうすると、引用商標2は、その構成文字全体に相応して「ケイエスジイユカシステム」の称呼を生ずるほか、「KSG」の文字部分に相応して「ケイエスジイ」の称呼をも生ずるというのが相当であって、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は、「KS-G」の欧文字及び「ケイエスジイ」の片仮名を上下二段に表してなるところ、上段の欧文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そして、下段の「ケイエスジイ」の文字は、上段の「KS-G」の読みを表したものといえる。
そうすると、引用商標3は、その構成文字に相応して「ケイエスジイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 引用商標4及び引用商標5について
引用商標4及び引用商標5は、ともに「KSC」の欧文字よりなるところ、該文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標4及び引用商標5は、その構成文字に相応して「ケイエスシイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標3の類否について
本願商標と引用商標3の類否を検討すると、その構成全体をもって比較するときは、外観上、区別し得る差異があるといえるものの、本願商標の構成中、めっき関連役務との関係において、独立して商品の出所識別標識たり得る「KSG」の文字部分と引用商標3とを比較するときは、両商標は、その構成文字を同一にするものであり、外観上、類似するものである。
また、称呼においては、両商標は、共に「ケイエスジイ」の称呼を生じるものである。
そして、観念においては、本願商標と引用商標3は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標3とは、観念において比較できないものであるものの、外観において類似し、かつ、称呼において同一のものであるから、これらを総合観察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
さらに、本願の指定役務中の第40類「溶融亜鉛すず合金めっき,亜鉛すず合金めっき,溶融めっき,溶融合金めっき,金属めっき,亜鉛めっき,すずめっき,その他のめっきを伴う金属の加工」と、引用商標3の指定役務中の「金属の表面加工・表面改質・表面処理,その他の金属の加工,金属の加工に関する情報の提供,切削工具の摩耗防止コーティング加工」は、その役務の提供手段、目的等が同一の事業者により行われ、需要者を共通するものであり、同一又は類似の商標をこれらの役務に使用するときは、同一営業主に係る役務であると誤認混同するおそれがあることから、互いに類似するものといえる。
イ 本願商標と引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5の類否について
本願商標と引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5の類否を検討すると、外観においては、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりであり、その構成文字等が明らかに異なるものであるから、両商標は、外観上、判然と区別できるものである。
次に、称呼においては、本願商標は、引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5の指定商品及び指定役務との関係において、「ケイエスジイメッキ」の称呼のみが生じるものである。
してみれば、本願商標は、「ケイエスジイ」「ケイエスジイユカシステム」「ケイエスシイ」の称呼を生ずる引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5とは、それぞれの音構成及び構成音数が相違し、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
また、観念においては、本願商標と引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5は、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明確に区別できるものであるから、両商標は、非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5とは非類似の商標であるとしても、引用商標3に類似する商標であって、引用商標3に係る指定役務と同一又は類似する役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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