結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2018−300067(T2018−300067/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5171546号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成20年2月21日に登録出願,第24類「かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」を指定商品として,同年10月10日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成30年2月20日にされたものである(以下,本件審判の請求の登録前3年以内を「本件要証期間内」という。)。
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は,第24類の指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)口紙について
被請求人は,口紙(乙1)は,本件商標が使用された「布団」の包装内に入れられたものであり,口紙の入稿データ(乙2,乙3)により口紙の印刷を依頼し,その搬入管理に仕入明細書(乙8)を使用している旨主張する。
しかしながら,ここで,仕入明細書(乙8)の処理日は,2011年(平成23年)8月1日であって,本件要証期間外である(甲1)。よって,仮に口紙(乙1)が存在していたとしても,これが本件要証期間内に配布された事実等が証明されない限り,これらの証拠のみでは,本件商標の使用が証明されたことにはならない。
また,宣誓書(乙9,乙10)によれば,口紙(乙1)が,本件要証期間内の取引において,「布団」の包装内に入れられて発注者に送られたとのことであるが,後述するとおり,宣誓書(乙10)は要証期間内の使用を証明するものではなく,かつ,宣誓書(乙9)はその客観的信憑性に疑義がある。
(2)品番「KST0603195」の商品に係る本件商標の使用について
ア 株式会社ふじや(以下「ふじや社」という。)の代表取締役の宣誓書(乙10)によれば,同社が商品を注文し,当該商品を受領し,展示販売したのは,2015年(平成27年)1月28日前後であるところ,これは本件要証期間内の使用には該当しないから,当該宣誓書は本件商標の使用を証明していない。また,当該宣誓書の日付は,出荷案内書・物品受領書(乙4の2)や販売実績一覧表(乙16)と整合性しない。
イ 宣誓書(乙9,乙10)の信憑性
宣誓書(乙9,乙10)は,住所も遠く離れた2人の個人による宣誓書であるが,その文面は,文中の日付や個人情報を除き,ほぼ同一である。このことから,この宣誓書自体が,被請求人により準備されたものと考えるのが妥当であり,各宣誓者は被請求人により作成されたフォームに,内容を特に確認することなく署名捺印しただけであることが容易に想像できる。
宣誓書(乙9)の宣誓者が店長を務める有限会社手塚綿蒲団店(以下「手塚綿蒲団店」という。)は,本件商標権者に係る商品を主に取り扱う「西川チェーン」(甲2)に係る店舗である(甲3)。
宣誓書(乙10)の宣誓者が代表取締役を務めるふじや社は,同じく「西川チェーン」に係る店舗である(甲4)。
つまり,宣誓書(乙9,乙10)の宣誓者の店舗は,本件商標権者のグループ店のようなものであり,主として本件商標権者の商品を取り扱っているという状況に鑑みれば,被請求人に宣誓書作成を依頼されれば,宣誓書の内容にかかわらず,両宣誓者がこれを断ることは事実上難しいという状況にあると推察される。よって,宣誓書(乙9,乙10)は,第三者の客観的な証明とは言い難く,宣誓書自体の内容の客観性や信憑性にも,乏しいといわざるを得ない。
ウ 手塚綿蒲団店及びふじや社との取引
出荷案内書・物品受領書(乙4)においては,商品代金の記載はなく,本件商標権者が,商品を実際に手塚綿蒲団店やふじや社に販売したのかは依然として不明である。そして,上記のとおり,両店が本件商標権者のグループ店のようなものであることを考慮すれば,仮に商品が納品されていたとしても,当該商品の移動(出荷及び納品)は,単に本件商標権者自身の内部における商品の移動とも考えられるのであり,そもそも商標法上,商標の「使用」と認められ得る取引(譲渡,販売)があったといえるのかも疑わしい。
エ 本件商標の使用について
出荷案内書・物品受領書(乙4)に示される取引において,そもそも本件商標が,品番「KST0603195」の商品(送風敷きパッド)に使用されたことは明確には証明されていない。
すなわち,「KST0603195B」の商品とは,口紙(乙1)の商品だと理解するが,商品自体(送風敷きパッド自体)には,本件商標は使用されていない。
そうすると,本件商標が使用されているのは,口紙(乙1,乙2)のみである。そして,出荷案内書・物品受領書(乙4)や,販売実績一覧表(乙16)によれば,品番「KST0603195」の商品が販売されたことになってはいるが,その取引の過程で,本件商標が使用されたということは証明されていない。
以上のとおり,本件商標が商品について使用されたことの証明は十分になされているとはいえない。
(3)品番「KST2983095」の商品に係る本件商標の使用について
ア 宣誓書(乙11の2)は,本件商標権者の従業員による宣誓書であるから,第三者の客観的な取引の証拠にはならない。また,発注伝票(乙12,乙19)は,株式会社高橋ふとん店(以下「高橋ふとん店」という。)からの品番「KST2983095」の商品に関する発注伝票のFAXの写しとのことだが,当該発注に対して実際に商品が納品されたことの証明(すなわち,取引・譲渡の証明)はされていない。また,発注伝票(乙19)によれば,発注数は300と記載されているが,売上データ(乙18)の売上の数量においては,高橋ふとん店の3件の売上数量を合計しても292であり,整合性がない。よって,当該発注伝票と当該売上データの関係が不明であり,実際にこのような取引があったのかも不明である。
イ 本件商標の使用
本件商標が,品番「KST2983095」の商品(送風敷きパッド)に使用されたことは証明されていない。すなわち,まず品番「KST2983095」の商品とは,口紙の入稿データ(乙3)の商品だと理解するが,当該口紙の入稿データ及び被請求人が提出した全ての証拠によれば,当該商品自体(送風敷きパッド自体)には,本件商標は使用されていない。
そして,売上データ(乙5,乙18)によれば,品番「KST2983095」の商品が販売されたことになってはいるが,その取引の過程で,本件商標が使用されたということは証明されていない。
(4)その他の本件商標の使用について
ア 請求書(乙17)によれば,リーフレット(乙6)が作成されたのは平成25年6月であるから,当該リーフレットの作成自体は本件商標の使用を証明すべき要証期間内のものではない。そして,当該リーフレットを,本件商標権者が頒布したことを客観的に証明する証拠は何ら提出されていない。
さらに,リーフレット(乙6)には,「AEROSLEEP」「エアロスリープ」の文字は見られるものの,特徴的な図形部分を有する本件商標自体は使用されていない。
よって,リーフレット(乙6)は,本件商標及びこれと社会通念上同一と認められる商標の使用を証明していない。
イ 商品見積書(乙7,乙13)は,それぞれの作成日が,2010年(平成22年)3月12日,2009年(平成21年)6月9日及び2010年(平成22年)1月5日であるから,これらの証拠によっては,本件要証期間内における本件商標の使用は何ら証明されていない。
ウ パンフレット(乙14)は,2009年(平成21年)3月20日頃作成されたもの,パンフレット(乙15)は,同月30日頃作成されたもので,両パンフレットが頒布されたとすることを,客観的に証明する証拠は何ら提出されていない。
エ インターネットサイト「Amazon.co.jp」の写し(乙20)は,まず当該サイトを印刷した日付が不明である。当該サイトによれば,品番「KST2983095」に係る商品の(アマゾンにおける)取り扱い開始日は2010年(平成22年)5月31日との記載があるが,これは要証期間外であり,要証期間内に当該商品が販売されていたことを証明するものではない。むしろ,当該サイトの印刷時「この商品は現在お取り扱いできません」との記載があることから,要証期間内においても販売されていなかった可能性が高い。
また,2016年(平成28年)6月22日付のカスタマーレビューが記載されているが,これはカスタマーがレビューを記載した日付なのであって,商品が販売された日付ではない。
(5)使用商品について
ア 口紙等(乙1〜乙3)によれば,品番「KST0603195」及び「KST2983095」に係る商品は「送風敷きパッド」であるから,使用商品は「送風ファン付き敷きパッド」(敷きパッド)であると推察される。「敷きパッド」とは,「ベッドシーツの上に敷くアイテムで,肌に直接触れるもの」(甲5),あるいは「敷カバーやシーツの上に敷くもの」(甲6)である。
「敷きパッド」は,一番上に敷くものであるから,敷き布団やマットレスの保護という役割もあるが,その最も重要な使用目的は「快眠を得るためのもの」ということである(甲5)。気持ちよく眠るのに欠かせないのは,寝ている時間の「温度調節」であり,敷きパッドは温度調節のために使用される(甲5,甲6)。
口紙等(乙1〜乙3)によれば,品番「KST0603195」及び「KST2983095」に係る商品も,送風ファンにより背中に熱がこもらないようにすることで,温度調節を可能にするものであるから,当該商品は正に「敷きパッド」といえる。
イ そこで,当該「敷きパッド」が,被請求人が本件商標を使用したと主張する「布団」に該当するか(含まれるか)検討する。
一般的に「布団」とは「綿・藁またはパンヤ・羽毛などを布地でくるみ,座りまたは寝る時に敷いたり掛けたりするもの」(甲7)であり,いわゆる「敷き布団」や「掛け布団」等がこれに該当する。一方,「敷きパッド」は,寝る時に(敷布をかけた)「敷き布団」の上に,温度調節のために敷くものであるから,そもそも「布団」とは商品の用途や目的が異なる。
よって,被請求人が本件商標を使用していると主張する「布団」には,品番「KST0603195」及び「KST2983095」に係る商品「送風敷きパッド」(敷きパッド)が含まれているとはいえない。このことは,寝具関連の小売りサイトにおいて,いわゆる「布団」(掛け布団や敷き布団)と「敷きパッド」が異なるカテゴリーに分類されていることからも明らかである(甲8〜甲10)。
ウ また,その他の本件商標の指定商品「かや,敷布,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」についても,「送風敷きパッド」に該当するもの,これを含むものはない(甲11)。
エ 以上を総合して勘案すると,「送風敷きパッド」は,寝具に使用されるという広い意味で,「敷布」やその他の第24類の指定商品と類似関係にあると判断され得るかもしれないが,本件商標の指定商品中には,「送風敷きパッド」(敷きパッド)に該当する商品,あるいはこれを包含する商品は存在しない。
したがって,被請求人は,本件商標を「布団」その他の本件商標の指定商品に使用しているということができない。
(6)まとめ
以上を総合して勘案すれば,被請求人の提出する各証拠によっては,本件商標権者により,本件要証期間以内に,本件商標がその指定商品に使用されていることの証明はなされていないため,本件商標の取消しを免れることはできない。
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第20号証(枝番号を含む。)を提出した。
乙第1号証は,平成22年4月15日頃から現在に至るまで,本件商標が使用された指定商品「布団」の包装内に入れられた口紙である。乙第2号証は,当該口紙の入稿データを示すものである。
口紙(乙1)には,「品番KST0603195,型番SA0010−2SL,送風敷きふとん,本件商標,西川産業株式会社(本件商標権者)」が記載されており,口紙(乙2)には,「品番KST0603195,型番SA0010−2SL,送風敷きふとん,本件商標,西川産業株式会社(本件商標権者)」が記載されている。
本件商標権者は,口紙の入稿データ(乙2)により,2010年4月13日に,企画・印刷会社(株式会社テクノ・アイ)に依頼し,口紙を作成した(乙8)
乙第4号証は,本件商標権者のシステム企画部に管理保存されている取引書類(本件商標権者の基幹システムによって管理保管されているものも含む。)において出力した出荷案内書及び物流受領書を組み合わせて複製した取引伝票であって(乙11の1),当該取引伝票には,「品番KST0603195,品名エアロスリープMN」が取引されたことが示されている(出荷案内書及び物品受領書)。ここで,乙第4号証の1は,取引日が2016年10月21日であり,乙第4号証の2は,取引日が2017年1月28日であった。
また,このことは,手塚綿蒲団店の従業員による宣誓書(乙9)及びふじや社の従業員による宣誓書により明らかである。
さらに,商品見積書(乙7)には,平成22年(2010年)4月15日の時点で,品番「KST0603195」,型番「SA0011−2S」,商品名「2010年エアロスリープ mini(天満屋様オリジナル)」が取引されたことが示されている。
したがって,本件商標権者は,本件要証期間内に,本件商標をその指定商品に使用していたことは明らかである。
よって,本件要証期間内に,日本国内において,本件商標権者は,その指定商品ついて本件商標を使用(商標法第2条第3項各号)していた。
乙第3号証は,口紙の入稿データである。
口紙の入稿データ(乙3)には,「品番KST2983095,型番SA0011,送風敷きふとん,本件商標,西川産業株式会社(本件商標権者)」が記載されている。口紙の入稿データ(乙3)は,口紙(乙1)の一態様であり,商品の型番に違いがあるが,本件商標及び商品自体は口紙(乙1)に掲載されたものと同一である。
本件商標権者は,口紙の入稿データ(乙3)により,2010年4月13日に,企画・印刷会社(株式会社テクノ・アイ)に依頼し,口紙を作成した(乙8)
乙第5号証は,本件商標権者のシステム企画部に管理保存されている取引書類(被請求人の基幹システムによって管理保管されているものも含む。)において出力した売上データであって(乙11の1・2),当該売上データには,「品番KST2983095:品名エアロスリープMN」について,売上日,2016年(平成28年)1月27日ないし同年3月3日の日付が記載されており,本件商標が付された指定商品が譲渡された事実が明らかに記載されている。
当該事実は,高橋ふとん店から2016年(平成28年)1月26日付けでファクシミ送信された発注伝票(乙12)からも明らかである。
したがって,本件商標権者は,本件要証期間内に,本件商標が,当該指定商品に使用されていることが明らかである。
よって,本件商標権者は,本件要証期間内に,日本国内において,請求に係る指定商品について本件商標を使用(商標法第2条第3項各号)していた。
(1)乙第6号証は,本件商標使用商品の説明リーフレットであり,平成15年(2013年)4月30日頃に,当該リーフレットに関する最終データを入稿した後,委託業者に作成させて,現在に至るまで,本件商標権者に搬入されているものである(乙17)。そして,本件商標権者は,その本店及び支店並びに取引先(百貨店,スーパーマーケート,寝具店等)において,平成15年(2013年)4月30日頃から現在に至るまで,商品説明のために,備え付けられており,本件商標権者又は取引先店舗において,消費者が自由に閲覧可能な状況にあり,かつ,従業員が自ら積極的に或は消費者の要求に応じて,本件商標が使用された指定商品「布団」を説明するために使用されているものである。
(2)取引伝票(乙13)には,それぞれについては以下の記載がある。
ア 乙第13号証の1
企画名:2010年エアロスリープmini
作成日:2010年3月12日
品名:送風敷きふとん エアロスリープミニ
商品コード(品番):KST2983095
品名:送風敷きふとん エアロスリープミニ(DL)
型番:SA0011
商品コード(品番):KST4988095
イ 乙第13号証の2
企画名:2009年SS エアロスリープLight
作成日:2009年6月9日
品名:送風敷きふとん エアロスリープLight
商品コード(品番):KST3983994
ウ 乙第13号の3
企画名:2010年SS エアロスリープCLEAN
作成日:2010年1月5日
品名:送風敷きふとん エアロスリープクリーン
商品コード(品番):KST5553094
(3)商品パンフレット(乙14)は,本件商標権者が,2009年(平成21年)3月20日頃に作成し,本件商標権者の本店及び支店,並びに取引先に配布して,それぞれの店舗において,宣伝,配布,当該取引書類による商品説明等を,現在に至るまで行っていた。
(4)商品パンフレット(乙15)は,本件商標権者が,2009年(平成21年)3月30日頃に作成し,本件商標権者の本店及び支店,並びに取引先に配布して,それぞれの店舗において,宣伝,配布,当該取引書類による商品説明等を,現在に至るまで行っていた。
(5)乙第16号証は,本件商標権者のシステム企画部に管理保存されている取引書類(本件商標権者の基幹システムによって管理保管されているものも含む。)において,打出した商品取引管理書類であり,具体的には,エアロスリープ関連商品販売実績一覧表である。
以上のとおり,本件商標権者は,本件要証期間内に,本件商標を当該指定商品に使用していたことは明らかである。
よって,本件要証期間内に,日本国内において,本件商標権者は,請求に係る指定商品,第24類「かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」の何れかについて本件商標を使用(商標法第2条第3項各号)していた。
(1)口紙の入稿データ(乙3)は,「AEROSLEEP.Mini」と「〜エアロスリープ〜」の文字(別掲2のとおり,「AEROSLEEP」の文字部分の「O」の文字は,円輪郭中に風車状の図形を配してなるものであり,「E」の文字部分の中央の横線は波形の線で置き換えられている。また,「AEROSLEEP.」及び「〜エアロスリープ〜」の文字部分は青色,「Mini」の文字部分は黄色で書されている。)を上下2段に書した商品名(以下「本件使用商標」という。),及び品番を「KST2983095」とする本件商標権者に係る商品「送風敷きパッド」(以下「本件使用商品」という。)に関するものであって,商品のサイズ(100×195cm),組成等の記載が商品の画像ともに掲載されている。そして,当該入稿データには,掲載された商品の説明として,「敷布団の上に敷く・・・独自の送風技術を取り入れた新開発の敷ふとんです。」との記載がある。
(2)インターネット「AMAZON」の販売サイトの写し(乙20,職権調査)には,本件商標権者に係る商品名を「送風マットレス(敷布団タイプ)エアロスリープMini」,及びメーカー型番「KST2983095」とする商品について,デザイン化された「AEROSLEEP.Mini/〜エアロスリープ〜」の文字(「AEROSLEEP.」及び「〜エアロスリープ〜」の文字部分は青色,「Mini」の文字部分は黄色で書されている。)の標章を伴った商品の画像とともに掲載されている。
また,当該写しの登録情報として,当該販売サイトでの当該商品の取扱い開始日が2010年(平成22年)5月31日と記載,商品の説明として商品のサイズ,素材・成分等の記載,さらに,「カスタマーレビュー」には,2016年(平成28年)6月22日付けで,商品の到着後に当該商品を使用した際のコメントの記載がある。
(3)上記(1)の口紙の入稿データ(乙3)に表示された本件使用商標と当該販売サイトに掲載された標章は同一の態様からなるものであり,また,両者に記載又は掲載された品番(メーカー型番),商品のサイズ,組成(素材・成分)の内容及び商品の画像は,同一のものと認められる。
(4)発注伝票(乙19)は,発注日を平成28年1月26日とする高橋ふとん店から本件商標権者に宛てたものであって,当該発注伝票には品番「KST2983095」,品名・特徴「エアロスリープ」及び数量300点とする記載があること,本件商標権者に係る売上データ(乙18)の品番「KST2983095 Xエアロスリープ MN」の表において,売上日が平成28年1月27日付けの高橋ふとん店を得意先とする数量292点とする記載があること,本件商標権者に係る「エアロスリープ関連商品販売実績一覧表」(乙16)の項番「35」に年月日を同日とし,得意先を高橋ふとん店とする品番「KST2983095」及び売上数量「292」点とする記載があり,日付,品番,品名及び数量における整合性に不自然な点が見られないことからすれば,本件商標権者は,平成28年1月26日に,高橋ふとん店から品番「KST2983095」に係る商品の発注を受け,同月27日に当該商品292点を納品したと認められる。
上記1において認定した事実によれば,以下のように判断できる。
(1)使用商標について
ア 本件商標は,別掲1のとおり,「AEROSLEEP」の文字(「AEROSLEEP」の文字部分の「O」の文字は,円輪郭中に風車状の図形を配してなるものでり,「E」の文字部分の中央の横線は波形の線で置き換えられている。)及び「エアロスリープ」の文字を上下2段に書してなるものである。
イ 他方,本件使用商標は,別掲2のとおり,「AEROSLEEP.Mini」と「〜エアロスリープ〜」の文字(「AEROSLEEP」の文字部分の「O」の文字は,円輪郭中に風車状の図形を配してなるものでり,「E」の文字部分の中央の横線は波形の線で置き換えられている。また,「AEROSLEEP.」及び「〜エアロスリープ〜」の文字部分は青色,「Mini」の文字部分は黄色で書されている。)よりなるものである。
ウ 本件使用商標の構成中「Mini」の文字は,「小型の」を意味する英語として親しまれているものであって,商品が「小型のもの」であることを理解させるにすぎず,自他商品識別力を有するものでなく,また,同じく構成中「.」の記号も,単に「AEROSLEEP」と「Mini」の両文字を視覚的に分離する目的で配されたものといえるから,自他商品識別力を有するものではない。
また,本件使用商標の構成中「〜エアロスリープ〜」の文字部分中の「〜」の記号は,単に装飾として付加されたものと看取されるとみるのが相当であるから,自他商品識別力を有するものでない。
そうすると,本件使用商標は,同じく青色で書された「AEROSLEEP」及び「エアロスリープ」の文字部分が独立した要部として理解されるものというべきである。
エ 以上よりすると,本件商標と本件使用商標の要部とは,デザインも共通した「AEROSLEEP」の文字,及び「エアロスリープ」の文字より構成されているものであるから,本件使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標といえる。
(2)使用商品について
本件使用商品は,上記1(1)のとおり,商品「送風敷きパッド」であって,当該商品は,「敷布団の上に敷く・・・独自の送風技術を取り入れた新開発の敷ふとんです。」と説明され,その大きさも一般に販売されている商品「敷布団」と形容及び大きさがほぼ同程度であって,商品「敷布団」の一種であるといえるから,本件商標の指定商品中「布団」に含まれることは明らかである。
(3)使用者及び使用時期について
ア インターネット「AMAZON」の販売サイトには,本件商標権者に係る商品名を「送風マットレス(敷布団タイプ)エアロスリープmini」,及びメーカー型番「KST2983095」とする商品が紹介されており,その取扱い開始日が2010年(平成22年)5月31日で,その「カスタマーレビュー」には,2016年(平成28年)6月22日付けで,商品の到着後の当該商品の使用に関するコメントが記載されていることからすると,当該販売サイトは,2010年(平成22年)5月31日から2016年(平成28年)6月22日頃までは,当該商品が販売可能なようにインターネット上の販売サイトに掲載されていたものと推認できる。
イ そして,口紙の入稿データ(乙3)に表示された本件使用商標と当該販売サイトに掲載された標章は同一の態様からなるものであり,また,両者に記載又は掲載された品番(メーカー型番),商品のサイズ,組成(素材・成分)の内容及び商品の画像は,同一のものと認められること,一般に商品「布団」等の販売に当たっては,商品に口紙を付して展示・販売することが行われていることを踏まえれば,本件使用商品の販売に当たっては,少なくとも,本件使用商標,品番,商品のサイズ及び組成,本件商標権者の名称を表示した口紙の入稿データ(乙3)と同等の口紙が付され,展示,販売されていたと推認できる。
ウ 本件商標権者は,本件要証期間内である平成28年1月26日に,高橋ふとん店から品番「KST2983095」に係る商品の発注を受け,同月27日に当該商品292点を納品したと認められる。
エ 以上よりすると,本件商標権者は,本件要証期間内である平成28年1月27日に,高橋ふとん店に,本件使用商品に本件使用商標を表示した口紙を付して納品したと認められる。
(4)小括
以上によれば,本件商標権者は,本件要証期間内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品中「布団」含まれる本件使用商品「送風敷きパッド」に本件使用商標を付したものを,譲渡し又は引き渡したと認めることができる。
この行為は,商標法第2条第3項第2号「商品に標章を付したものを譲渡し,引き渡しする行為」に該当する。
ア 請求人は,発注伝票(乙19)には,発注数が300点と記載され,売上データ(乙18)の売上の数量においては,高橋ふとん店へ売上数量が292点で整合しないから,当該発注伝票と当該売上データの関係が不明であり,実際にこのような取引があったのかも不明である旨主張する。
しかしながら,本件商標権者から高橋ふとん店への納品について,発注伝票の発注日(平成28年1月26日),売上データ(乙18)の売上日(同月27日)及び販売実績一覧表(乙16)の日付(同日)等に不自然な点はなく,たとえ当該取引に係る商品の発注数(300点)と納品数(292点)が異なるとしても,これらの数量は大きく乖離するものでなく,商品の発注に対して,在庫等の関係から,納品される商品数が少なくなることは,商取引上,十分に考えられるから,当該差異があることをもって,本件商標権者から高橋ふとん店との取引がなかったとはいえない。
イ 請求人は,インターネットサイト「Amazon.co.jp」の写し(乙20)に掲載された商品は,取り扱い開始日が2010年(平成22年)5月31日であって,これは要証期間外であり,2016年(平成28年)6月22日付のカスタマーレビューが記載されているとしても,これはカスタマーがレビューを記載した日付なのであって,商品が販売された日付ではない旨主張する。
しかしながら,当該サイトへの本件使用商品の掲載は,2010年(平成22年)5月31日から掲載が開始されたものと認められ,当該カスタマーレビューが2016年(平成28年)6月22日に記載されたものとしても,当該カスタマーレビューの内容は,商品の到着後の当該商品の使用に関するコメントであって,当該コメントが商品の到着後,長期間を経過した後に記載されたものとはいえないから,当該商品は2016年(平成28年)6月22日頃に本件使用商品が販売可能なようにインターネット上の販売サイトに掲載されていたものといえる。
ウ 請求人は,本件使用商品は「送風敷きパッド」であるところ,「敷きパッド」とは,布団やマットレスの一番上に敷き,その使用目的は「快眠を得るためのもの」であるのに対し,「布団」とは,一般的に「寝る時に敷いたり掛けたりするもの」であり,いわゆる「敷き布団」や「掛け布団」等がこれに該当するから,両者は商品の用途や目的が異なることからすれば,本件使用商品は,「布団」には含まれない旨主張する。
しかしながら,使用商品がその取消請求に係る指定商品に属するか否かの判断にあたっては,使用商品の名称,形状・形態,機能,用途等を含む取引の実情を考慮する必要があるところ,本件使用商品は,上記1(1)及び(2)のとおり,その名称中に「眠ること」を意味する「スリープ」の文字を有し,商品の説明として「新開発の敷ふとん」又は商品名中に「敷布団タイプ」と説明されていることからすると,寝具の目的で使用されることは明らかであって,その形状及び形態が一般的に販売されている商品「敷布団」の形状及び形態とほぼ同程度といえることから,本件使用商品が本件商標の指定商品「布団」に含まれることは明らかである。
エ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
以上のとおり,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中の第24類「布団」に含まれる本件使用商品(送風敷きパッド)について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,本件審判の請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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