結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成9年審判第13684号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1846481号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和58年12月17日に登録出願、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品、屋外装置品、記念カップ類、葬祭用具」を指定商品として、昭和61年3月26日に設定の登録、その後、平成8年8月29日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
(1)請求の趣旨
請求人は、登録第1846481号商標の指定商品中「家具、建具、つい立て、びょうび、ベンチ」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(2)請求の理由
被請求人は、本件商標をその指定商品中「家具、建具、つい立て、びょうび、ベンチ」について継続して3年以上、日本国内において使用していない。また、本件商標の登録原簿(甲第1号証)に示すとおり、本件商標について専用使用権者または通常使用権者のいずれもが、上記商品について使用した事実が存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれにおいてもその指定商品について使用していないものである。
よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき請求の趣旨通りの審決を求める
(3)答弁に対する弁駁
被請求人が本件商標を使用しているという「展示用のスタンド」は、店内の商品「自動車」の脇に立て、商品「自動車」の車種名、仕様、諸元等を掲示して顧客の注意を喚起し、顧客吸引するためのもので、「看板」(屋号・商品などを人目に付くように記して掲げたもの)の概念に属する商品であり、「管理用のカードボックス」は、顧客カードを机上で整理するための簡便な箱状の商品であって、日常の衣、食、住のための道具類である家具の範疇に属せず、むしろ読書や執筆をする部屋・書斎で使用される道具である文房具の範疇に属する商品というのが相当である。
そして、使用に係る商品に付された楕円輪郭と「Ford」の文字よりなる標章は、当該商品を業として生産し、証明し、又は譲渡する者が自己の商品と他人の商品とを区別(自他商品を識別)するために使用する商標に該当しないものである。
使用に係る商品は、いずれも被請求人の取り扱い業務に係る商品「自動車」のディーラー等によって使用されているものであって、そこに付された標章は、被請求人の業務に係る商品を取り扱う店若しくは系列店であることを表示し、かつ、被請求人の業務に係る商品「自動車」の宣伝・広告をするための標章というべきである。
さらに、本件商標を使用しているという「ツールステーション(工具台)」は、特別斡旋申込書において「キャディー」と記載していることからすれば、英語の「caddie」(caddy)を片仮名で表記したものと看取されるものであり、商品カタログ上の商品の形状が車輪がついて運搬に適していることからすれば、「小型運搬車」の意味で「キャディー」と表記したものとみられるものである。
そして、商品カタログ上の商品を子細に見れば、工具を整理、収納して運搬するための「工具台」と言うよりは、「小型運搬車」というべき商品で旧第12類の「輸送用機械器具」に属する商品で本件審判請求に係る商品について使用しているものとはいえないものである。
さらに、当該カタログは「京都機械工具株式会社」の商品カタログの一部を複写したものとみられるものであるが、そこに付された楕円輪郭と「Ford」の文字よりなる標章は、商品カタログに後から貼付したと推測されるもので通常の商取引の場においてはなされないものであるから、きわめて不自然なものであり、本件審判対策のために作成したと推測されるものである。
そうしてみると、商品カタログ上の標章は業として商標を使用しているとはいえないものである
以上のとおり、使用商品はいずれも本件審判の請求に係る指定商品に含まれないものであるばかりでなく、そこに付された標章は、商品を業として生産し、証明し、又は譲渡する者が自己の商品と他人の商品とを区別するために使用する標章とはいえないものであるから、被請求人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標を請求に係る指定商品について使用しているとはいえないものである。
(1)答弁の趣旨
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第2号証を提出した。
(2)答弁の理由
被請求人は、世界的に著名な自動車メーカーであり、青色に着色された本件商標はフォード自動車の著名商標で、本件商標は、自動車のみならず多くの商品について登録されており、現実に多角的に使用されているものである。
本件商標は、通常使用権者である、株式会社アドインターナショナル(千代田区内幸町1−1−7 大和生命ビル)が販売している展示用のスタンド及び管理用のカードボックスについて使用されている(乙第1号証)。
さらに、通常使用権者である、フォードセールスジャパン株式会社(東京都港区虎ノ門4丁目3番20号 神谷町森ビル)が販売しているツールステーション(工具台)に使用されている(乙第2号証)。
以上から、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において通常使用権者により、請求に係る指定商品のうち「家具」について使用されていることが明らかである。
(3)弁駁に対する答弁
本件商標を使用している商品は、旧第20類「その他の家具」の範疇にはいるものである。「家具」については、「家庭に置くものに限らず、事務所、商店等に置くものでも、家具的なものであればこの概念に含まれ「ロッカー」「商品の陳列ケース」等もこの概念に含まれ「展示用のスタンド」は、自動車の販売店等で使用される当該商品も「家具」の範疇にはいること明らかである。「展示用のスタンド」は、それ自体で人目を引くためのものではなく、自動車の仕様書を載せるための置台であるから、「看板」とは異なるものである。「管理用のカードボックス」については、「家具」の項の例示として「音楽用コンパクトディスクの収納箱」が挙げられ、これと形状を同じくするものであって、一カ所に設置して使用する点で「本立て」等と共通するものであり、「文房具類」に挙げられている商品がすべて持ち運んで使用するものであって、一カ所に設置して使用するものでないことをみれば「文房具類」の範疇に入らないものであること明らかである。
商品に使用されている商標は、「業として商品を譲渡する者がその商品について使用するもの」であって、いかなる者に対して販売するかは法上問われないものである。乙第1号証に注文書と表示され価格が記載されていることによって、当該商品が販売されていることは明らかであり、それがたとえフォード自動車のディーラーのみを顧客対象にしているとしても、発注先として記載されている(株)アドインターナショナルは、当該商品の販売を事業としているものである。
乙第2号証の商品「ツールステーション(工具台)」は、基本的に一カ所で使用するものでありながら、作業の際の利便性を考えて多少位置を動かせるように車輪を付けているもので、物を一カ所から他所へ運ぶ「小型運搬車」とは異なり、「家具」の範疇に入る商品である。
当該ツールステーションが「京都機械工具株式会社」により製造されたものであるとしても、商品というのは、必ずその製造者の商標を付けて販売しなければならないというわけでないのはもちろんであり、フォードセールスジャパン株式会社は、当該商品を生産しているものではないが、本件商標を付して譲渡しているのである。カタログがどのように制作されたかということは、そのカタログが現実に当該商品の販売のために使用されている以上、全く問題ではない。
本件商標は、他の工具台等との差別化を図るために付されているのであり、自他商品識別力を発揮していることは疑いがない。
(1)使用商品の所属について
被請求人は、本件商標をその指定商品中「家具」に属する「展示用のスタンド,管理用のカードボックス」(乙第1号証)及び「ツールステーション(工具台)」(乙第2号証)について使用していると述べているので、これら商品の所属について判断する。
(ア)請求人は、「展示用のスタンド」は、店内の商品「自動車」の脇に立て、商品「自動車」の車種名、仕様、諸元等を提示して顧客の注意を喚起し、顧客吸引するためのもので、「看板」(屋号・商品などを人目に付くように記して掲げたもの)の概念に属する商品であると述べる。
しかし、「展示用のスタンド」は、展示車両の仕様書などを載架するためのもので「書見台」、「本立て」のごとき商品というべきもので「家具」に属するものと認めるのが相当であり、これを「看板」と見るべきでない。
(イ)請求人は、「管理用のカードボックス」は、顧客カードを机上で整理するための簡便な箱状の商品であって、日常の衣、食、住のための道具類であるいわゆる家具の範疇に属せず、むしろ読書や執筆をする部屋・書斎で使用される道具である文房具の範疇に属する商品であると述べる。
しかし「顧客カードボックス」は、事務用のカード整理用のケース、一種のファイル整理用のボックスといい得るもので、「家具」の範疇に属する商品と認められるから、「文房具類」に属するものであるという請求人の主張は採用できない。
(ウ)請求人は、「ツールステーション(工具台)」は、乙第2号証中の特別斡旋申込書において「キャディー」と記載していることからすれば、英語の「caddie」(caddy)を片仮名で表記したものと看取されるものであり、商品カタログ上の商品の形状が車輪が付いて運搬の用に適していることからすれば、「小型運搬車」の意味で「キャディー」と表記したものと見られるものであると述べる。
しかし、乙第2号証によれば「ツールステーション」は、「使いやすさと作業性重視」や「使い易さにポイントを置いた作業性重視の設計です。特に1.3段目の前後可動トレイは作業効率を高めます。」の記載からすれば、これは「キャスター付き工具整理用棚」と見られるものであって、「家具」の範疇に属する商品と認められるから、「小型運搬車」であるという請求人の主張は理由がなく採用できない。
(2)商標の使用について
(ア)被請求人は、前認定のとおり「家具」に属するものと認められる「展示用スタンド」に本件商標を使用していると述べる。
確かに、乙第1号証の「新車展示用ツール」には、「使用注文書No.1」「発注先(株)アドインターナショナル」と記載されており、この商品は単価12,000円であることから、取引の対象になる商品であると認められ、この商品の前面には、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が表示されている。
しかし、乙第1号証には「新車展示用ツール」の記載のもとに、「ご成約札,タイヤ下敷きマット、試乗車ステッカー、汎用特価訴求POP」などの表示及びその値段が掲載され、「NEWスペックスタンド(展示用スタンド)」もそのうちの一つとして同列に掲載されているものである。
そして、被請求人自身述べるように、本件商標の商標権者は自動車メーカーであること、「ご成約札(単価10円)」において「ご成約ありがとうございます。〜様」と記載されていること、「試乗車ステッカー」には「TEST DRIVE CAR」と記載されていること、「汎用特価訴求POP」には「当店だけのおススメ車。限定 台」の記載があることなどを考慮すれば、これらの商品に表示された本件商標と社会通念上同一の商標については、商品「自動車」の商標を付したものと見るのが自然であるから、使用商標は「展示用スタンド」についての標章であると認めることはできない。
(イ)被請求人は、前認定のとおり「家具」に属するものと認められる「顧客カードボックス」に本件商標を使用していると述べる。
確かに、乙第1号証の「営業管理ツール」には、「使用注文書No.1」「発注先(株)アドインターナショナル」と記載されており、この商品の値段は単価3,650円であることから、取引の対象になる商品であると認められ、この商品の前面には本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が表示されている。
しかし、乙第1号証第2ページには「営業管理ツール」の記載のもとに「ストックユーザーカード,中古車顧客カード,営業活動表,新車顧客カード」などの値段が掲げられ、右下に「顧客カードボックス」が掲載されているものである。
そして、被請求人自身述べるように、本件商標の商標権者は自動車メーカーであることや、「営業管理ツール」の表題のもとに記載された前記「ストックユーザーカード,中古車顧客カード,新車顧客カード」の表示及びこれらカードがいずれもサイズがA5版であることからすれば、同じくA5版収納可と表示された「顧客カードボックス」は前記カードを収納するためのものと認められ、このボックスの前面に表示された使用商標は、「顧客カードボックス」の出所表示のための商標というよりは、商品「自動車」の商標を付したものと見るのが自然であるから、使用商標は「顧客カードボックス」についての標章と認めることはできない。
(ウ)被請求人は乙第2号証において、「ツールステーション」について本件商標を使用していると述べる。
「ツールステーション」は、前認定のとおり「家具」の範疇に属する「キャスター付き工具整理用棚」と認められるものであり、これら商品の下部に本件商標と同一と認められる本件商標が付されているものである。
請求人は、当該カタログは「京都機械工具株式会社」の商品カタログの一部を複写したものとみられるものであり、そこに付された本件商標は、商品カタログに後から貼付したと推測されるもので通常の商取引の場においてはなされないものであるから、きわめて不自然なものであり、本件審判対策のために作成したと推測されるものであると述べる。
確かに、「ツールステーションのパンフレット」と認められる証拠中、「タイプ1」の商品下部に表された商標は、キャスターの一部が欠けるように表されており、また、右側下部においてはコピーしたためと思われる曲線が認められる。
そこで、当審において該証拠の原本の提出を求めたところ、被請求人からの提出はない。
そうとすれば、「ツールステーションのパンフレット」と認められる証拠については、本件商標の使用に係る証拠と認めることができないものである。
その他、本件商標を使用しているとする証拠はない。
そうすると、本件商標は、本件商標についての通常使用権者、専用使用権者、商標権者のいずれによっても、本件審判請求の登録前3年以内に取消請求に係る指定商品中の「家具」の範疇に属する「スペックスタンド」、「カード整理用ボックス」及び「キャスター付き工具整理用棚」ついて使用をしていたものとは認められない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「家具、建具、つい立て、びょうび、ベンチ」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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