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Trademark Appeal Case

ひなかざり商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−15842(T2018−15842/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ひなかざり」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年3月17日に登録出願されたものである。

その後、原審における平成29年12月22日受付の手続補正書により、その指定商品は、第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「ひなかざり」の文字を標準文字で表してなるところ、「ひなかざり」(雛飾り)は「雛人形の飾りもの」を意味する語であり、ひな飾りをイメージしたケーキ(菓子)が製造、販売されている実情があることを鑑みれば、その指定商品との関係において、全体として「ひな飾りをイメージしたケーキ(菓子)」程の意味合いを無理なく看取させる。

そうすると、本願商標を、その指定商品中、例えば「ひな飾りをイメージしたケーキ」に使用する場合には、単に商品の品質を表示するにすぎず、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当する。

3 当審においてした証拠調べ

当審において、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、「ひなかざり」(ひな飾り、雛飾り)を模した又は見立てた菓子及び食品の事例(別掲)を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項に基づき、請求人に対して、その結果を通知し(令和元年7月10日付け証拠調べ通知書)、意見を求めた。

4 証拠調べに対する請求人の意見の要点

「ひな飾り」は「雛人形を飾る」という行為そのものを示す語であり、本願商標「ひなかざり」を「菓子」に使用した場合、その菓子がどのような形状・形態を有するものであるのか明確なイメージは浮かばない。

したがって、上記通知書に挙げられた事例は、本願の拒絶理由の根拠にはなり得ない。

5 当審の判断

(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 本願商標は、「ひなかざり」の文字を標準文字で表してなるところ、「ひなかざり」(雛飾り)の語は「雛人形を飾ること。また、その飾りもの。」(「大辞林」三省堂)の意味を有するものであり、雛祭り(3月3日の上巳の節句に、女児のある家で幸福・成長を祈って雛壇を設けて雛人形を飾り、調度品を具え、菱餅・白酒・桃の花などを供える行事。(「広辞苑第六版」岩波書店))とは密接に関連するものである。

イ そして、近年は、雛祭りの時期に合わせて、多種多様な菓子や食品が発売されており、中には、証拠調べ通知書(別掲)のとおり、ひなかざり(ひな飾り、雛飾り)を模した又は見立てた多種多様な菓子や食品が製造、販売されており、それらの中には、例えば「生クリームデコレーション ひなかざり」(ケーキ)、「フルールのひな飾り」(ケーキ)、「ひな飾りベリームース・タルト」、「デラックスひな飾りケーキ」、「ひな飾りセット」(和菓子)、「ひな飾り」(和菓子)、「ひなかざり」(和菓子)、「京麩 ひなかざり」、「ひな飾り」(寿司)などのように、「ひなかざり」(ひな飾り)の文字を含んだ商品名が一般に採択されている実情もある。

ウ 以上を踏まえると、本願商標「ひなかざり」は、その指定商品との関係においては、「雛人形の飾りもの」である雛飾りを模した又は見立てた菓子又は食品を容易に想起させるから、単に商品の品質、用途又は形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「ひな飾り」は「雛人形を飾る」という行為そのものを示す語であり、本願商標「ひなかざり」を「菓子」に使用した場合、その菓子がどのような形状・形態を有するものであるのか明確なイメージは浮かばない旨を主張する。

しかしながら、上記(1)イのとおり、雛祭りの時期に合わせて、雛飾りを模した又は見立てた多様な菓子や食品が製造、販売され、その中には「ひなかざり」(ひな飾り)の文字を含んだ商品名が一般に採択されているという実情を踏まえると、本願商標「ひなかざり」は、その指定商品との関係において、漠然とした意味にとどまらず、「雛人形の飾りもの」という具体的な意味合いを認識させるもので、それと同時に、雛飾りを模した又は見立てた菓子又は食品を想起させるものだから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないもので、その主張は採択できない。

イ 請求人は、過去の商標登録例を挙げ、本願商標も同様の判断を行うべきである旨を主張する。

しかしながら、請求人の挙げる商標登録例は、本願商標とは商標の構成において相違し事案を異にするものであるばかりか、商標の識別性は各事案における状況を踏まえて、個別具体的に検討、判断すべきであるから、その主張は採択できない。

(3)まとめ

本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するため、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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