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Trademark Appeal Case

図形化文字の称呼認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35514号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4109899号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4109899号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ラ・セラ」の片仮名文字を横書きしてなり、第1類「ボール状の水質改良用遠赤外線放射セラミックス」を指定商品として、平成5年12月28日に登録出願され、同10年2月6日に設定登録されたものである。

2 請求の趣旨及びその理由

(1) 請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べている。

(2) 請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4046294号商標(以下、「引用商標」という。)は、下記に表示したとおりの構成よりなり、第1類「化学品」を指定商品として、平成5年11月24日に登録出願され、同9年8月22日に設定登録されたものである。

(3) 請求人の主張

本件商標の指定商品「ボール状の水質改良用遠赤外線放射セラミックス」は、セラミックスの触媒としての作用を利用して水質改良を図る商品であって、引用商標の指定商品「化学品」の概念(類似群コード[01A01])に属する商品である。

次に、引用商標構成中の第三番目に表示された部分は、それだけを取り出して見れば図形を表したものか図案化した文字を表したものか明確ではないが、「la」及び「era」の文字に挟まれており、しかも、それ自体独立して認識されるものともいい難く、引用商標全体が欧文字で表したものと理解され易いこと、近時、文字商標の構成の一部を極端に図案化して使用している事例がしばしば見受けられることよりすれば、「c」の文字を図案化したものであると認識される場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

そうであるとすれば、引用商標は、全体として「lacera」の文字を表したものと理解され、該文字に相応して「ラセラ」の称呼が生じるものと言うべきである。

したがって、「ラセラ」の称呼が生じるものであること明らかな本件商標は、引用商標と称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(4) 請求人の弁駁

(a) 被請求人は、平成11年2月24日付答弁書において、本件商標の指定商品である「ボール状の水質改良用達赤外線放射セラミックス」は、「遠赤外線放射を利用することによって、水質を改良するもの」であり、「それ自身が化学反応を引き起こす作用を利用した商品ではない。」から、引用商標の指定商品「化学品」とは異なる旨主張している。

しかしながら、化学品を「それ自身が化学反応を引き起こす作用を利用した商品」に限定する根拠はない。実際にも、「触媒」は、それ自身が化学反応を引き起こすことはなく、他の物質の化学反応の速度を変化させるものにすぎないが、これは「触媒剤」として「化学品」に属していることは明らかである。

本件商標の指定商品である「ボール状の水質改良用達赤外線放射セラミックス」は、それ自身が「化学反応を引き起こす作用」を有するものではないとしても、その「遠赤外線放射を利用する」性質を利用して、換言するなら、「触媒」として機能させることによって、水の中の物質の化学反応を促すことにより「水質を改良するもの」であって、化学剤の一種である「触媒剤」(特許庁商標課編「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準【改訂第8版】社団法人発明協会発行の第4頁化学剤の項参照)であり、商品の区分第1類の「化学品」の概念に属する商品であることは明らかである。

因みに、本件商標の指定商品は、特許庁のホームページ、商標の出願・登録情報においても、化学品の類似群コード[01A01]が付されているところである。

よって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品の「化学品」とは異なり、商品が類似しない、との被請求人の主張は失当である。

(b) 被請求人は、答弁書において、引用商標は「laera」であって、これより「ラエラ」の称呼は生じるが、「ラセラ」の称呼は生じないと主張する。

しかしながら、引用商標が単なる「laera」の文字のみからなるものでないことは、先に提出した商標登録第4046294号の登録公報(第2号証)をみても明らかである。

また、欧文字の綴り字中の1字をレタリングして表すことは普通に行われているところであり、このような場合、図形化された部分は、それだけでは文字と判読できなくても、他の文字との関係から、見る側においては、その図形に一番近い文字を想起して読もうとすることは経験則に照らし明らかであり、引用商標は全体として「lacera」の文字を表したと理解される場合が決して少なくないというべきである。

してみると、引用商標は、「lacera」の文字を表したものと理解され、「ラセラ」と読まれるものと見るのが相当であるから、「ラセラ」の称呼が生じるものである。

(c) 被請求人は、本件商標から生じる称呼は「ラ・セラ」であって、「ラセラ」とは異なると主張する。

しかしながら、本件商標構成中の「・」は単なる記号であって、本件商標を全体として称呼するときには、該記号部分を省略して、「ラセラ」と一連に称呼される場合も決して少なくなく、仮に、「ラ」と「セラ」の間に僅かの段落をおいて称呼する場合にも、「ラセラ」の称呼と相紛れるおそれがあることは明らかである。

よって、本件商標と引用商標は称呼において類似しないとする被請求人の主張は理由がない。

3 答弁の趣旨及びその理由

(1) 被請求人は、「請求人の請求を棄却する、審判費用は請求人の負担とする」旨の審決を求め、その理由を次のように答弁している。

(2) 被請求人の主張

引用商標の指定商品の「化学品」は、日常用語としての化学品とは異なり、化学的要素を有するものを全て含むわけではなく、当該商品自身が化学反応を引き起こす作用を利用した商品に限定される。引用商標の指定商品の「化学品」が、化学的要素を有するものを全て含むとすれば、他の類の商品までを広く含むものとなってしまう。ところが、本件商品は、「ボール状の水質改良用遠赤外線放射セラミックス」という個別性があり、当該商品自身が化学反応を引き起こす作用を利用した商品ではない。本件商品は、遠赤外線放射を利用することによって、水質を改良するものである。

また、本件商品の需要者は、一般需要者、エンドユーザーであり、本件商品を利用して新たに製品を製作するものでもない。

以上より、本件商標の指定商品は、「ボール状の水質改良用遠赤外線放射セラミックス」であり、引用商標の指定商品の「化学品」とは異なり、商品が類似しない。

引用商標は、請求人自ら懸念するように「laera」の文字を表したものであるから、「ラエラ」の称呼が生じるものであり、本件商標の「ラ・セラ」の称呼とは、称呼が類似しない。

仮に、引用商標が「lacera」の文字を表したものであるとしても、引用商標の称呼「ラセラ」と本件商標の「ラ・セラ」の称呼とは、類似しない。本件商標中には「・」が含まれており、本件商標の称呼は、2音節の区切りある語調で、語調の変化がある。

これに対して、引用商標から生じる称呼は「ラセラ」であり、平面的で1音節の語調である。

なお、引用商標が「ラ」と「セラ」に分離して称呼されるような必然性はなく、引用商標の構成そのものから、取引界においては一連に称呼して取引されるものである。

以上のように、本件商標と引用商標とは、音節の区切りの差異があり、この差異は全体の称呼に大きく影響するものということができる。したがって、両者の称呼は、語感語調が相違し、相紛れることなく、聴覚上十分に識別し得る。

本件商標はカタカナ表示であるのに対し、引用商標はアルファベット表示であり、視覚をもって観察したとき、全く異なる。

以上により、請求人の請求を棄却するよう求める。

(3) 弁駁書に対する答弁

被請求人は、平成11年5月27日付け弁駁書に対する答弁を何らしていない。

4 当審の判断

そこで、本件商標と引用商標の類否について判断するに、本件商標は、前記のとおり「ラ・セラ」の文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「ラセラ」の称呼を生じるものである。

他方、引用商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなるところ、近時、商標の一部の文字をレタリングしたり、図案化して表すことが普通に行われているところである。そして、引用商標中の「a」と「e」の間の三日月型の図形は、未だ欧文字「C」の字型の特徴を失っているとは言えないばかりでなく、前後の欧文字との関係から、引用商標は、全体として「lacera」の欧文字を表したものとみるのが相当である

してみれば、引用商標は、「lacera」の文字に相応して「ラセラ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ない。

そうとすると、本件商標と引用商標とは、共に「ラセラ」の称呼を同じくする称呼上類似の商標とわなければならない。

ところで、本件商標の指定商品「ボール状の水質改良用遠赤外線セラミックス」は、水質を改良するためのボール状セラミックスと認められ、引用商標の指定商品「化学品」に含まれるものであり、また、同指定商品中の、同じ水質改良等の「清缶剤」とは、用途を同じくするものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び観念において相違するとしても、「ラセラ」の称呼を同じくする類似の商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似の商品と認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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