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Trademark Appeal Case

称呼・観念・外観の類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900197(T2019−900197/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6138756号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6138756号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年4月26日に登録出願、第20類「マットレス,枕,寝具類(リネン製品を除く。),クッション,座布団」及び第24類「ベッド用敷パッド,布団用敷パッド,マットレス用敷パッド,敷布団,布団」を指定商品として、同31年3月25日に登録査定、同年4月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立てにおいて引用する登録第4297179号商標(以下「引用商標」という。)は、「DEEPSLEEP」の欧文字及び「ディープスリープ」の片仮名を上下2段に表してなり、平成10年5月26日登録出願、第20類「家具,クッション,座布団,まくら,マットレス」を指定商品として、同11年7月23日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

(1)申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次の(2)のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。)を提出した。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 引用商標

引用商標は、欧文字「DEEPSLEEP」と片仮名「ディープスリープ」を普通の書体で2段に表した態様であり、構成文字から「ディープスリープ」の称呼が自然に生じ、「DEEP」及び「SLEEP」の持つ意味から、「深い睡眠」の観念が生じる(甲3)。

イ 本件商標

本件商標は、欧文字「D−Sleep」と、その下部に「D」から「p」に向かってなだらかな曲線を配してなる構成である。かかる構成から、「ディースリープ」の称呼が自然に生じる。

本件商標を構成する「D」は、乾電池の単1サイズ、ローマ数字の500、デトロイト、「deep(深い、深さがある)」、「Democrat(民主党員)」、「deuterium(重水素)」、「dimentional(次元の)」などの略語である(甲3)。

本件商標の権利者のウェブサイトには「D−Sleep」の商品が掲載されており、それによると、「D」は、「Deep(深い)」、「Dream(夢)」、「Desirable(望ましい)」のコンセプトに基づいて採用されていることが分かる(甲4)。「D−Sleep」の文字からこれら全てのコンセプトを直観するとはいい難いが、「D」は「深い」の略語として辞書に掲載されていることから、本件商標から「深い睡眠」の観念は生じ得る。

ウ 本件商標と引用商標の対比

(ア)本件商標と引用商標の称呼の対比

本件商標から生じる称呼は「ディースリープ」であり、引用商標の称呼は「ディープスリープ」である。

両称呼の差異は、中間にある「プ」音の有無にすぎず、その唯一の差異である引用商標の「プ」音は、後に続く弱音「ス」音と母音を同じくするため、「ス」音に吸収されるように弱く発音される。本件商標が6音、引用商標が7音という短いとはいえない音構成において、弱く発音される「プ」音の有無の差異が、称呼全体に及ぼす影響は極めて小さいものである。そして、両称呼とも「ディ」音と「リ」音にアクセントがおかれて発音されることから、全体の語調・語感が非常に近似している。

よって、両称呼は明確に聴別できるものではなく、本件商標と引用商標は称呼において類似する。

(イ)本件商標と引用商標の観念の対比

両商標は、「深い睡眠」の観念を共通にする。

(ウ)本件商標と引用商標の外観の対比

本件商標は欧文字と曲線の組み合わせからなり、引用商標は欧文字と片仮名の2段の構成であるから、両商標は、外観上類似しているとはいい難い。しかし、本件商標は、甲4のとおり、実際の市場においては、「D−Sleep」の欧文字のみで表示して使用している。一方、引用商標は、実際の市場においては、欧文字「DEEP SLEEP」をブランド名として表示し、片仮名はその読みとして補足的に表示して使用している(甲5)。

したがって、本件商標も引用商標も、語頭の「D」及び「SLEEP」の文字を共通にし、全体としてつづり文字が近似する欧文字のみからなる構成であるから、需要者・取引者が商取引の現場において本件商標に接するとき、引用商標と外観上混同を生ずるおそれがある。

エ 本件商標と引用商標の指定商品について

本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品「クッション,座布団,まくら,マットレス」とは同一又は類似する商品である。

オ 申立人について

申立人は、世界的ベッドメーカーである米国のシモンズ ベディング カンパニー(Simmons Bedding Company)の子会社であり、同社のブランドを所有し管理している。現在、日本では36件の登録商標を所有している(甲6)。甲5として提出するカタログは、シモンズ株式会社発行である。シモンズ株式会社は、引用商標の専用使用権者である(甲2)。

カ まとめ

上述のとおり、本件商標は、引用商標と、称呼において類似し、観念において共通し、外観において混同を生ずるおそれがある。また、指定商品においても同一又は類似するものである。そして、本件商標が、需要者・取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し判断すれば、本件商標は、引用商標と混同のおそれのある類似する商標である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は、別掲のとおり、「D−Sleep」の文字と、その下部に「D」の文字から右に向かってやや太くなる曲線の図形を配した構成からなるものであり、該文字部分に相応して「ディースリープ」の称呼を生じ、該文字が特定の意味合いを表す語として親しまれているとは認められないから、特定の観念を生じないものである。

申立人は、本件商標の構成中の「D」の文字が、「deep(深い)」の略語として辞書に掲載されているから、本件商標から「深い睡眠」の観念が生じる旨主張する。

しかしながら、たとえ、「D」の文字が「deep(深い)」の略語として辞書に掲載されているとしても、該文字が該略語として一般に親しまれているという事情は見いだせないから、申立人の主張は採用することができない。

イ 引用商標

引用商標は、前記2のとおり、「DEEPSLEEP」の欧文字及び「ディープスリープ」の片仮名からなるものであり、その構成文字及び意味合いから、「DEEP」及び「ディープ」の文字と「SLEEP」及び「スリープ」の文字とを結合させたものと容易に認識されるものである。

そして、引用商標は、その構成文字に相応して、「ディープスリープ」の称呼を生ずるものであり、また、「DEEP」及び「ディープ」並びに「SLEEP」及び「スリープ」のそれぞれの語の意味合いからして、全体として「深い睡眠」といった意味合い(観念)を想起させるものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とを比較するに、両商標の外観は、それぞれの構成態様に照らし、明らかな差異を有するものであるから、外観において明確に区別できるものである。

申立人は、本件商標と引用商標との欧文字部分の比較において、「D」及び「SLEEP」の文字を共通にし、全体としてつづり文字が近似する旨主張する。

しかしながら、たとえ、本件商標と引用商標との欧文字部分を比較したとしても、「−」(ハイフン)と「EEP」の文字の有無においてその構成が明らかに異なるものであるから、欧文字部分においても明確に区別できるものである。

次に、称呼においては、本件商標から生じる「ディースリープ」の称呼と、引用商標から生じる「ディープスリープ」の称呼とは、中間における「プ」の音の有無の差異を有するものである。

そして、本件商標から生じる「ディースリープ」の称呼は、平坦に一気一連に称呼されるのに対し、引用商標から生じる「ディープスリープ」の称呼は、「ディープ」と「スリープ」のように区切って称呼されるものである。

そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴別し得るというべきである。

さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は、「深い睡眠」の意味合い(観念)を想起させるものであるから、観念において区別できるものである。

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

エ 小活

したがって、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同項の規定に違反してされたものではない。

他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情は見いだせない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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