Trademark Appeal Case
「スポルト」と「スポーツ」の称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−6856(T2019−6856/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「スポルト」の片仮名と「SPORT」の欧文字を二段に横書きしてなり、第3類及び第5類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成29年10月23日に登録出願されたものである。
その後、本願の指定商品については、原審における平成30年8月12日付け手続補正書により、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,つや出し剤,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」及び第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙,燻蒸剤(農薬に当たるものに限る。),殺菌剤(農薬に当たるものに限る。),殺そ剤(農薬に当たるものに限る。),殺虫剤(農薬に当たるものに限る。),除草剤,防虫剤(農薬に当たるものに限る。),防腐剤(農薬に当たるものに限る。),食餌療法用飲料,食餌療法用食品」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
登録第2351184号商標(以下「引用商標」という。)
商標の構成 「スポーツ」の片仮名と「SPORTS」の欧文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品 第5類「薬剤」
登録出願日 昭和61年12月10日
設定登録日 平成3年11月29日
書換登録日 平成15年2月26日
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「スポルト」の片仮名と「SPORT」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであり、これよりは、「スポルト」の称呼を生じるものである。
また、本願商標の構成中、下段の欧文字は、「運動」の意味を有する平易な英語として、一般に広く親しまれていることから、本願商標は、下段の欧文字の英語の発音に倣った「スポーツ」の称呼をも生じると判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「スポルト」及び「スポーツ」の称呼を生じ、「運動」の観念を生じるものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「スポーツ」の片仮名と「SPORTS」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであり、これよりは、「スポーツ」の称呼を生じるものである。
また、引用商標の構成中、下段の欧文字は、「運動」の意味を有する平易な英語として、一般に広く親しまれているものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「スポーツ」の称呼を生じ、「運動」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標との類否について検討すると、外観については、両商標は、その構成全体の比較においては異なるものであるが、それぞれの欧文字部分の比較においては、「S」の有無という差異にとどまるものであって、異なる印象を与えるとまではいえないものである。
次に、称呼については、本願商標から生じる「スポーツ」の称呼において、引用商標から生じる「スポーツ」の称呼と同一である。
さらに、観念については、両商標は、「運動」の観念を同じくするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において、その構成全体は異なるものの、欧文字部分は異なる印象を与えるとまではいえないものであって、称呼及び観念を同一とするものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願の指定商品中、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙,燻蒸剤(農薬に当たるものに限る。),殺菌剤(農薬に当たるものに限る。),殺そ剤(農薬に当たるものに限る。),殺虫剤(農薬に当たるものに限る。),除草剤,防虫剤(農薬に当たるものに限る。),防腐剤(農薬に当たるものに限る。)」は、引用商標の指定商品である第5類「薬剤」と同一又は類似する商品である。
(2)請求人の主張について
請求人は、「薬剤」を指定商品とする過去の登録例を挙げ、「スポーツ」又は「SPORTS」の語からなる、又はこれらの語を含む商標が多数併存して登録されているから、上記文字は、商品「薬剤」について、商品の用途を表示するものとして識別力が極めて弱い語と判断されているものであり、本件の引用商標についても、その各構成要素である「スポーツ」及び「SPORTS」は、それぞれ識別力が弱く、二段書きの商標全体としてまとまった識別力を有するものと考えられる旨、主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、本件の引用商標以外の登録例においては、「スポーツ」、「SPORTS」及び「SPORT」の文字と他の文字から構成されているものであるから、これら登録例をもって、上記文字が、「薬剤」の分野において、自他商品識別力が弱いものであるとはいえず、また、具体的に上記文字が指定商品との関係において識別力が弱いことを裏付ける証左の提出はない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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