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Trademark Appeal Case

複合商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−7375(T2019−7375/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第1類,第10類,第11類,第37類及び第42類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成29年9月28日に登録出願されたものである。

その後,指定商品及び指定役務については,原審における平成30年8月6日付けの手続補正書により,第1類,第10類,第11類,第37類及び第42類に属する別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。

第2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりである。

(1)登録第597141号商標(以下「引用商標1」という。)

・商標の構成:「ACT」の文字を横書きしてなる

・登録出願日:昭和36年7月1日

・設定登録日:昭和37年9月17日

・書換登録日:平成16年10月13日

・指定商品(書換登録後):第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」,第9類「電気アイロン,電気ブザー」,第11類「家庭用電熱用品類」及び第16類「電気式鉛筆削り」を含む第7類ないし第12類,第16類,第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

(2)登録第1346686号商標(以下「引用商標2」という。)

・商標の構成:別掲3のとおり

・登録出願日:昭和47年12月13日

・設定登録日:昭和53年9月29日

・書換登録日:平成23年4月27日

・指定商品(書換登録後):第7類「化学機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具」,第9類「オゾン発生器,電解槽」,第11類「乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,暖冷房装置,汚水浄化槽,し尿処理槽,浄水装置」を含む第6類ないし第12類,第15類ないし第17類,第19類ないし第21類,第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

(3)登録第1394349号商標(以下「引用商標3」という。)

・商標の構成:「ア ク ト」の文字を横書きしてなる

・登録出願日:昭和51年4月15日

・設定登録日:昭和54年9月28日

・書換登録日:平成22年6月16日

・指定商品(書換登録後):第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」,第9類「電気アイロン,電気ブザー」,第11類「家庭用電熱用品類」及び第16類「電気式鉛筆削り」を含む第7類ないし第12類,第16類,第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

(4)登録第3041023号商標(以下「引用商標4」という。)

・商標の構成:別掲4のとおり

・登録出願日:平成4年9月25日

・設定登録日:平成7年4月28日

・指定役務:第42類「建築物の設計,デザインの考案」

(5)登録第3176538号商標(以下「引用商標5」という。)

・商標の構成:別掲4のとおり

・登録出願日:平成4年9月25日

・設定登録日:平成8年7月31日

・指定役務:第37類「建築一式工事,内装仕上工事」

(6)登録第4174711号商標(以下「引用商標6」という。)

・商標の構成:別掲5のとおり

・登録出願日:平成8年9月5日

・設定登録日:平成10年8月7日

・指定商品:第10類「医療用機械器具」

(7)登録第4544094号商標(以下「引用商標7」という。)

・商標の構成:「ACT」(標準文字)

・登録出願日:平成13年2月14日

・設定登録日:平成14年2月15日

・指定商品:第1類「電子機器製造に用いる化学品,半導体製造に用いる化学品」

(8)登録第4546705号商標(以下「引用商標8」という。)

・商標の構成:別掲6のとおり

・登録出願日:平成13年6月14日

・設定登録日:平成14年2月22日

・指定商品:第1類「肥料,非金属鉱物」

第3 当審の判断

1 本願商標と引用商標6との類否

引用商標6の商標権は,商標登録原簿の記載によれば,平成30年8月7日に存続期間満了により消滅している。

したがって,本願商標と引用商標6とに係る本願の拒絶理由は,解消した。

2 本願商標

(1)本願商標は,別掲1のとおり,上段に横書きした「ACT」の文字(各文字を陰付きの太く角張った書体で表し,「A」と「T」の文字の一部にはボルトのような図形(以下「ボルト図形」という。)を配し,1文字ずつ左から赤色,青色,緑色で着色したデザインを施してなる。),下段に上段の文字より小さく横書きした「CONSTRUCTION」の文字(各文字の一部を太くややレタリングして表してなる。)を上下2段に配してなるところ,これは,上段の幅と下段の幅をそろえ,かつ,上段の文字と下段の文字の間隔を接近させた構成からなるものであるから,外観上,まとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。

(2)本願商標の構成文字全体から生じる「アクトコンストラクション」の称呼は,やや冗長であるとしても,よどみなく一連に称呼し得るものである。

(3)本願商標の構成中の「ACT」の文字は「行為,幕」等の意味を,その構成中の「CONSTRUCTION」の文字は「構造,建設」等の意味を有する英語として,いずれも我が国において広く知られるものである(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行,「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)。

そうすると,本願商標の構成中の「CONSTRUCTION」の文字は,「構造,建設」等の意味を有する広く知られた英語であって,本願の指定役務中の第37類「建設工事及びその媒介又は取次ぎ,建築工事の施工管理,建設工事に関する助言」との関係においては,役務の質を表す語と認められるから,自他役務の識別力を有しないか,極めて弱いものであり,役務の出所識別標識としての称呼,観念が生じないものというのが相当である。

しかしながら,当該「CONSTRUCTION」の文字は,本願の指定商品及び指定役務中,上記指定役務以外の指定商品及び指定役務との関係においては,商品の品質又は役務の質を表す語であるとは認めらないことから,出所識別標識としての称呼及び観念が生じないというものではなく,また,当該「CONSTRUCTION」の文字は,外観上も,ややレタリングされており,相応に目立つ態様で表示されていることから,本願商標の構成中の「ACT」の文字のみが,上記指定役務以外の指定商品及び指定役務との関係において,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるということはできない。

(4)してみれば,本願商標は,その指定役務中の第37類「建設工事及びその媒介又は取次ぎ,建築工事の施工管理,建設工事に関する助言」との関係においては,その構成中の「ACT」の文字部分を要部として抽出し,当該文字部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるが,その余の指定商品及び指定役務との関係においては,当該文字部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されないと解するのが相当である。

(5)以上によれば,本願商標は,その指定役務中の第37類「建設工事及びその媒介又は取次ぎ,建築工事の施工管理,建設工事に関する助言」との関係においては,その構成中,要部となる「ACT」の文字に相応して「アクト」の称呼を生じ,「行為,幕」の観念を生じるものであり,その余の指定商品及び指定役務との関係においては,その構成全体をもって一体不可分の一種の造語として理解されるものというのが相当であるから,その構成文字全体に相応して「アクトコンストラクション」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

3 引用商標1ないし引用商標5,引用商標7及び引用商標8(以下,これらをまとめて,「引用商標」という場合がある。)

(1)引用商標1ないし引用商標3,引用商標7及び引用商標8

引用商標1は「ACT」の文字を横書きしてなり,引用商標2は別掲3のとおり「ACT」の文字をややデザイン化した書体で表してなり,引用商標3は「ア ク ト」の文字を横書きしてなり,引用商標7は「ACT」の文字を標準文字で表してなり,引用商標8は別掲4のとおり「アクト」及び「ACT」の文字を上下2段に書してなるところ,これらは,それぞれ,その構成文字である「ACT」又は「アクト」の文字に相応して「アクト」の称呼を生じるものであり,また,「ACT」及び「アクト」の文字は,「行為,幕」等の意味を有する英語及びその片仮名表記として,いずれも我が国において広く知られるものであるから(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行,「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行),引用商標1ないし引用商標3,引用商標7及び引用商標8は,いずれも「行為,幕」の観念を生じるものである。

したがって,引用商標1ないし引用商標3,引用商標7及び引用商標8は,いずれも「アクト」の称呼を生じ,「行為,幕」の観念を生じるものである。

(2)引用商標4及び引用商標5

引用商標4及び引用商標5は,別掲4のとおり,「ACT」と「inc」の文字(やや縦長で若干の丸みを帯びた書体により横書きしてなる)を,「/」(スラッシュ)で結合し,「ACT/inc」と表してなるところ,文字部分の構成中の「inc」の文字は,他の文字及び「/」(スラッシュ)と縦幅が揃うよう大きく表してなり,その構成は,全体としてやや縦長で若干の丸みを帯びた印象を与える統一的なデザインが施されていることから,まとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。

そして,引用商標4及び引用商標5の構成中の「inc」の文字は,これと同一の構成文字を含む「Inc.」が「株式会社」を意味する英語「Incorporated」の略語として知られる英語であるとしても(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行),当該「inc」の文字が,上記のようにデザインが施された態様をもって他の文字及び直前の「/」(スラッシュ)と一体的に表されていることからすれば,直ちに「株式会社」の意味を理解させるものとは認めらない。

したがって,引用商標4及び引用商標5は,その構成全体をもって一体不可分の一種の造語として理解されるものというのが相当であるから,その構成文字全体に相応して「アクトインク」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

4 本願商標と引用商標との類否

(1)本願商標と引用商標1,引用商標2及び引用商標7との類否

本願商標と引用商標1,引用商標2及び引用商標7との類否を検討すると,まず,外観においては,「CONSTRUCTION」の文字の有無,色彩及びボルト図形の有無の差異を有するから,外観上,両者は明確に区別できるものである。

次に,称呼においては,「コンストラクション」の音の有無の差異を有するから,称呼上,両者は十分聴別できるものである。

さらに,観念においては,本願商標は,特定の観念を生じないものであり,引用商標1,引用商標2及び引用商標7は,「行為,幕」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は紛れるおそれはない。

そうすると,本願商標と引用商標1,引用商標2及び引用商標7とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)本願商標と引用商標3との類否

本願商標と引用商標3との類否を検討すると,まず,外観においては,「CONSTRUCTION」の文字の有無,色彩及びボルト図形の有無に加えて,欧文字と片仮名の文字種の差異を有するから,外観上,両者は明確に区別できるものである。

次に,称呼においては,「コンストラクション」の音の有無の差異を有するから,称呼上,両者は十分聴別できるものである。

さらに,観念においては,本願商標は,特定の観念を生じないものであり,引用商標3は,「行為,幕」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は紛れるおそれはない。

そうすると,本願商標と引用商標3とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)本願商標と引用商標4及び引用商標5との類否

ア 本願商標と引用商標4との類否を検討すると,まず,外観においては,「CONSTRUCTION」及び「inc」の文字の差異,色彩,ボルト図形及び記号の有無の差異を有するから,外観上,両者は明確に区別できるものである。

次に,称呼においては,前半の「アクト」の音を共通にするとしても,後半部の「コンストラクション」と「インク」の音の差異を有するから,称呼上,両者は十分聴別できるものである。

さらに,観念においては,本願商標及び引用商標4は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上,両者は比較することができない。

そうすると,本願商標と引用商標4とは,観念においては比較することができないとしても,外観及び称呼において紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

イ 本願商標と引用商標5との類否を検討すると,まず,外観においては,本願商標の要部である「ACT」の文字部分と引用商標5とは,「inc」の文字,色彩,ボルト図形及び記号の有無の差異を有するから,外観上,明確に区別できるものである。

次に,称呼においては,本願商標の要部である「ACT」の文字部分から生じる「アクト」と引用商標5から生じる「アクトインク」とは,「インク」の音の有無の差異を有するから,称呼上,両者は十分聴別できるものである。

さらに,観念においては,本願商標の要部である「ACT」の文字部分は,「行為,幕」の観念を生じるものであり,引用商標5は特定の観念を生じないものであるから,観念上,両者は紛れるおそれはない。

そうすると,本願商標と引用商標5とは,その要部において,外観,称呼及び観念のいずれにおいても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

ウ したがって,本願商標と引用商標4及び引用商標5とは,非類似の商標というべきである。

(4)本願商標と引用商標8との類否

本願商標と引用商標8との類否を検討すると,まず,外観においては,「CONSTRUCTION」の文字の有無,色彩,ボルト図形及び片仮名の有無の差異を有するから,外観上,両者は明確に区別できるものである。

次に,称呼においては,「コンストラクション」の音の有無の差異を有するから,称呼上,両者は十分聴別できるものである。

さらに,観念においては,本願商標は,特定の観念を生じないものであり,引用商標8は,「行為,幕」の観念を生じるものであるから,観念上,両者は紛れるおそれはない。

そうすると,本願商標と引用商標8とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(5)小括

上記(1)ないし(4)のとおり,本願商標と引用商標とは,非類似の商標である。

5 まとめ

以上のとおり,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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