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Trademark Appeal Case

宣伝文句の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−16347(T2018−16347/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「幸せを呼ぶ占い」の文字を標準文字で表してなり、第45類「占い,身の上相談,インターネットを利用した占い,占いに関する情報の提供」を指定役務として、平成29年8月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『幸せを呼ぶ占い』の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、『幸せを呼び込むための占い』、『幸せを呼び込むことのできる占い』程の意味合いを容易に理解させるものである。そして、『幸せを呼ぶ』及び『占い』の文字を組み合わせた語句は、本願指定役務において、その指定役務の特徴等を表す宣伝広告等に使用される語句として一般に採択されている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者・需要者は宣伝広告の一種を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和元年9月6日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、以下のとおり意見を述べた。

(1)「幸せを呼ぶ占い」の文字の使用例は、審判において指摘された3例しかなく、「幸せを呼ぶ占い」の文字の使用例により、多数人が現に使用しつつあると認めることができないし、慣用商標に類似する商標でもないから、本願商標「幸せを呼ぶ占い」は、識別力を有していることは明白である。

(2)「幸せを呼ぶ○○占い」の文字の使用例は、審判において指摘された5例と、審査において指摘された5例で、合計で10例しかない。しかも「幸せを呼ぶ○○占い」の文字の使用例は、「○○」の言葉によって、「占い」を特定しており、単なる「占い」とは相違し、「幸せを呼ぶ占い」は、「幸せを呼ぶ○○占い」とは相違するから、「幸せを呼ぶ○○占い」の文字の使用例を「幸せを呼ぶ占い」の文字の使用例と同一と認めることはできない。

そうすると、「幸せを呼ぶ○○占い」の文字の使用例によっても、本願商標である「幸せを呼ぶ占い」の文字は、多数人が現に使用しつつあると認めることができないし、慣用商標に類似する商標でもないから、識別力を有していることは明白である。

(3)したがって、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たすものであり、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当しないことは明らかである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、上記1のとおり、「幸せを呼ぶ占い」の文字からなるところ、その構成中の「幸せ」の文字は、「幸福」等の意味を、「呼ぶ」の文字は、「引き寄せる」等の意味を、「占い」の文字は、「うらなうこと」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第6版」株式会社岩波書店)として一般に知られているものであるから、その構成文字全体からは、「幸福を引き寄せる占い」程の意味合いを容易に認識させるものである。

そして、別掲のとおり、「占い」の役務に関連する分野において、本願商標と同じ構成文字からなる「幸せを呼ぶ占い」の文字が使用され(別掲1〜3)、また、各種の占いについて、例えば、「幸せを呼ぶ手相占い」(別掲4)、「幸せを呼ぶ電話占い」(別掲6)、「幸せを呼ぶ書物占い」(別掲7)などのように、「幸福を引き寄せる」程の意味合いを看取させる語として、「幸せを呼ぶ」の文字が使用されている実情が見受けられる。

そうすると、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標を役務の出所を識別するための標識ではなく、「占い」の役務に関連する分野において一般的に使用される語句を記述的に表した宣伝広告の一類型と認識するものといえる。

したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「『幸せを呼び込むための占い』又は『幸せを呼び込むことのできる占い』は、常識的にも、科学的にも存在しないことは明白である。したがって、『幸せを呼ぶ占い』の語句は、指定役務の特徴等を表すものではなく、宣伝広告等の語句ともなり得ないことは明らかである。」旨主張している。

しかしながら、上記(1)のとおり、出願商標が、役務の宣伝広告としてのみ認識されるか否かは、全体から生じる観念と指定役務との関連性、指定役務の取引の実情、商標の構成態様等を総合的に勘案して判断するものであり、請求人の主張する「幸せを呼び込むための占い」等が、常識的、科学的に「占い」として存在しないとしても、そのことをもって「幸せを呼ぶ占い」の文字が、宣伝広告等の語句となり得ないということはできない。

イ 請求人は、審判請求書において、「『幸せを呼ぶ占い』の使用例は、極わずかであり、一般に採択されている実情は認められない。」旨主張し、証拠調べ通知書に対する意見書において、「『幸せを呼ぶ占い』の文字の使用例は、審判において指摘された3例しかなく、『幸せを呼ぶ占い』の文字の使用例が、多数人による使用ではなく、一般的ではない。『幸せを呼ぶ○○占い』の文字の使用例は、審判において指摘された5例と、審査において指摘された5例で、合計で10例しかなく『幸せを呼ぶ○○占い』の文字の使用例が、多数人による使用ではなく、一般的ではない。・・・『幸せを呼ぶ占い』は、『幸せを呼ぶ○○占い』とは相違しており、『幸せを呼ぶ○○占い』の文字の使用例を、『幸せを呼ぶ占い』の文字の使用例と同一と認めることはできない。」旨主張している。

しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字全体から、「幸福を引き寄せる占い」程の意味合いを容易に認識させるものであり、原審の拒絶理由及び当審における証拠調べ通知で示した事実は、「占い」の役務に関連する分野において「幸せを呼ぶ」の文字が、特異なものではなく、「幸福を引き寄せる」程の意味合いを認識させる語として、請求人以外の者が、宣伝広告等に一般的に採択し得る語句であることの一例を示したものであり、本願商標と同一の使用例のみを示したものではない。

ウ 請求人は、登録例を挙げ本願商標は登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、請求人の挙げる登録例は、いずれも本願商標とは構成態様、指定商品及び指定役務などが相違し、本願とは事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては,過去の登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから、当該登録例をもってその判断が左右されることはない。

エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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