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Trademark Appeal Case

称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900266(T2019−900266/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6154872号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6154872号商標(以下「本件商標」という。)は,「SOFIAFLOW Plus」の欧文字を横書きしてなり,平成30年12月20日に登録出願,第10類「医療用機械器具」を指定商品として,令和元年6月4日に登録査定,同月21日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5879291号商標(以下「引用商標」という。)は,「ソフィア」の片仮名を標準文字で表してなり,平成27年11月11日に登録出願され,第10類「血液及びその他の体液の測定・検査・分析用の医療用診断用分析装置,医療用機械器具」を指定商品として,同28年9月2日に設定登録されたものであり,その商標権は現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証を提出した。

本件商標構成中「SOFIA」の文字は,複数の意味を有する語であるから,これから特定の観念は生じない。

一方,本件商標構成中「FLOW」の文字は,「流れる,流れ」の意味を有する語として一般に広く知られており,また,当該語は本件商標の指定商品との関係で自他商品識別力を有しないか又は自他商品識別力が弱い語である。

そして,「Plus」の文字は,従来の商品から品質が向上した商品であることを表示する文字として付加的に用いられる語である。

それ故,需要者,取引者において,「Plus」の文字が付加されることによって,本件商標の指定商品との関係において品質,機能を示すにすぎない「FLOW」の文字と合わせて「流れを良くした」商品であることを認識するものといえ,本件商標構成中「FLOW Plus」の文字部分は,指定商品との関係で自他商品識別力を有しないか又は自他商品識別力が弱いといえる。

そうすると,「SOFIA」の文字と「FLOW Plus」の文字とは,観念上のつながりがあるものでなく,全体として特定の意味合いを有するものでないことから,需要者,取引者においては,冗長である本件商標の構成中,識別性の強い「SOFIA」の文字部分を本件商標の要部として認識し,当該部分に着目して取引するものといえる。

したがって,本件商標は,「ソフィア」の称呼が生じる。これに対し,引用商標からも「ソフィア」の称呼が生じるから,本件商標と引用商標とは,「ソフィア」の称呼を共通にする類似の商標であり,また,両商標は,その指定商品も同一又は類似のものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標について

本件商標は,「SOFIAFLOW Plus」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成中「SOFIAFLOW」の文字と「Plus」の文字との間に半角程度の空白があるものの,殊更「SOFIAFLOW」と「Plus」とに分けて観察される態様であるとまではいえず,むしろ,各文字は,同じ書体,同じ大きさで,外観上まとまりよく一体的に表されており,また,構成文字に相応して生じる「ソフィアフロープラス」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。

そして,本件商標の構成中「FLOW」の文字が「流れ」及び「Plus」の文字が「加える」等を意味する親しまれた英語であるとしても,本件商標の構成及び生じる称呼からすると,これに接する需要者は,殊更,「SOFIA」の文字部分のみに着目することはなく,本件商標を一体不可分の造語よりなるものと認識,理解するとみるのが相当である。

したがって,本件商標は,その構成文字に相応して,「ソフィアフロープラス」の一連の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないというべきである。

なお,申立人は,本件商標の構成中の「FLOW」及び「Plus」の文字部分は,本件商標の指定商品中,特に「カテーテル」との関係では,「FLOW」の語は,「薬の注入の流れ,尿の流れや,血の流れが良い」といった意味合いの品質・機能を示す語であって,さらに,「Plus」の語は,従来の商品より品質が向上した商品であることを表示する付加的に用いられる語であるから,「FLOW Plus」の文字部分は「流れを良くした」との意味合いが生じ,自他商品識別力を有しないか又は自他商品識別力が弱いといえ,そうすると,その構成中「SOFIA」の文字部分が取引者,需要者においては,本件商標の要部として認識される旨主張する。

しかしながら,上記主張を立証するために申立人が提出した証拠は,商品「カテーテル」の名称に「フロー」の語が含まれている事例(甲17〜21)及び医療機器の「穿刺針」の名称において,その後発品の名称に「プラス」が付加された事例(甲10,甲11)であり,その内容をみると,商品「カテーテル」及び「穿刺針」において商品の名称の一部に「フロー」又は「プラス」の文字を有するものが存在することは確認できるものの,申立人が主張する「FLOW(フロー)」又は「Plus(プラス)」の語が本件商標の指定商品との関係において,品質・機能を示す,又は,品質が向上した商品であることを表示する語であるといった出所識別標識としての称呼,観念が生じないことを裏付ける記載は見いだせないことから,これらの証拠をもって,「FLOW」及び「Plus」の文字部分が,本件商標の指定商品との関係において,直ちに具体的な商品の品質等を表すものとはいえない。また,職権により調査しても,「FLOW Plus」の文字が,本件商標の指定商品との関係において,「流れを良くした」との意味合いをもって,自他商品識別力を有しないか又は自他商品識別力が弱いものとして,取引上一般に使用されているといった事実も発見できなかった。

他に,本件商標の構成中「SOFIA」の文字部分が,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるべき特段の事情は見いだせない。

よって,申立人の主張は採用できない。

(2)引用商標について

引用商標は,「ソフィア」の片仮名を標準文字で表してなるところ,当該文字は「ブルガリアの首都」又は「知,知恵」等の意味を有する語(広辞苑第六版 株式会社岩波書店)であるほか,女性の名前(甲4,甲5)としても使用されている複数の意味を有する語であることから,特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。

したがって,引用商標は,その構成文字に相応して「ソフィア」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標との類否について検討すると,外観においては,両商標は,その構成文字において,欧文字と片仮名という文字種の相違及び文字数の差異により,外観上明確に区別することができる。

そして,称呼においては,本件商標から生じる「ソフィアフロープラス」の称呼と引用商標から生じる「ソフィア」の称呼とは,語尾における「フロープラス」の有無により,構成音数が9音と3音と明らかに異なるから,称呼上相紛れるおそれはない。

また,観念においては,本件商標と引用商標は,共に特定の観念を生じないから,観念上比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において,明確に相違するものであるから,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品である第10類「医療用機械器具」と引用商標の指定商品である第10類「血液及びその他の体液の測定・検査・分析用の医療用診断用分析装置,医療用機械器具」とは,同一又は類似の商品である。

(5)小括

以上のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似するものであるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく,その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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