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Trademark Appeal Case

図形商標の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900283(T2019−900283/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6171080号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6171080商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成30年10月9日に登録出願、第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製靴飾り,時計」を指定商品として、令和元年7月1日に登録査定、同年8月9日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下の3件(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5438318号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成21年5月22日

設定登録日:平成23年9月16日

指定商品:第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計」のほか、第12類、第18類、第21類、第28類、第29類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(2)登録第5671240号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成25年10月10日

設定登録日:平成26年5月23日

指定商品:第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,時計」のほか、第18類、第21類、第28類及び第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(3)登録第5852896号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

登録出願日:平成27年11月17日

設定登録日:平成28年5月27日

指定商品:第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,キーホルダー,身飾品,時計」

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標の登録について登録異議を申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)本件商標は、引用商標と類似であるから、登録の取消を求める。

(2)申立人は、本件商標権者に対して、商標使用請求、商標権許諾契約、ライセンス契約等の申し出をしたが、本件商標権者は、「自分達がスマイル商標を所有している」と虚偽の回答をし、不法行為を続けている。

4 当審の判断

申立人は、本件登録異議の申立てにおいて、本件商標の登録の取消理由について根拠条文を明示していないが、商標登録異議申立書の申立ての理由の記載からすれば、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第7号に該当することを理由にして、同法第43条の2第1号に基づき商標登録の取消を主張しているものと解することができるため、以下検討する。

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、太い円輪郭図形内のほぼ中央上部の左右に、中心部に赤を配色し花を模した二つの図及び左右の中央からチェーンを下向き円弧状に配してなり、上記花を模した図の中心部以外は黄色で着色されている図形からなるものである。

そして、本件商標は、全体として特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているものではないから、特定の称呼及び観念を生じないものである。

イ 引用商標について

(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、大きな円のほぼ中央上部の左右に、二つの小さな縦長楕円形の点を、人の目のように描き、その下方に下向きの円弧を人の口のように描き、全体が人の笑顔のように描いた図形であるから、人の笑顔等に関連した観念が生じるといえる。しかしながら、該図形から、特定の称呼を生じるとはいえない。

(イ)引用商標2及び3は、別掲3及び4のとおり、大きな円のほぼ中央上部の左右に、二つの小さな縦長楕円形の点を、人の目のように描き、その下方に下向きの円弧を人の口のように描き、全体が人の笑顔のように描いた図形と、その下部に「SMILEY」の欧文字を横書き又は「SMILEY FACE」の欧文字を下向き弧状に配してなるものである。

そして、その図形部分と文字部分は、それぞれに重なり合うことなく、各部分が独立した態様で配置されていることから、視覚上分離して認識されるものである。

そうすると、引用商標2及び3は、その構成中の図形部分を分離、抽出して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、本件商標と引用商標2及び3との類否判断に際して、当該図形部分を要部として取り出して他の商標と比較することが許されるものである。

そして、引用商標2及び3の要部である図形部分は、上記のように、全体が人の笑顔のように描いた図形であるから、人の笑顔等に関連した観念が生じるといえる。しかしながら、該図形から、特定の称呼を生じるとはいえない。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とを比較すると、上記ア及びイのとおりの構成からなる両者の図形は、その構成及び色彩において明らかな差異を有するものであり、明確に区別できるものであるから、両者は、外観上、類似しない。

そして、本件商標及び引用商標を構成する図形は、いずれも特定の称呼を生じるものではないから、称呼上、比較することができないとしても、図形商標の類否を判断する上で最も重要な外観において上記のように明確に区別できるものである。

また、観念においては、本件商標からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標を構成する図形からは、人の笑顔等に関連した観念が生じるものであるから、両者は、観念上、紛れるおそれはない。

さらに、文字部分を有する引用商標2及び3について、その構成全体又は文字部分を本件商標と比較したとしても、当該文字部分によって、本件商標と引用商標2及び3とが類似するというべき事情は見いだせない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、商品の出所について混同を生ずるおそれはない非類似の商標と判断するのが相当である。

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第7号該当性について

申立人は、本件商標権者は、不法行為を続けている旨主張し、甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

しかしながら、申立人の提出に係る証拠によって、本件商標の登録を取り消すべき不法行為を本件商標権者が続けていると認めるに足る具体的事実を見いだすことができず、例えば、本件商標を使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般道徳観念に反するなどとはいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるというべき事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第7号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に、申立人の主張を善解しつつ検討しても、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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