Trademark Appeal Case
2.5次元ミュージカルの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−11785(T2018−11785/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「2.5次元ミュージカル」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、平成29年4月13日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『2.5次元ミュージカル』の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、『漫画・アニメ・ゲーム(2次元)を原作とするミュージカル(3次元)』ほどの意味に通じる語として広く用いられており、そうしたミュージカルが専門学校において教えられている実情がうかがえる。そうすると、本願商標をその指定役務中の『漫画・アニメ・ゲームを原作とするミュージカルに関する技芸・知識の教授』に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務が上記の意味に関するものであることを表示したものと認識するにすぎないから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号については、「商標登録出願に係る商標が商標法3条1項3号にいう『商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』に該当するというためには、必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によつて、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもつて足りるというべきである。」(最高裁昭和60年(行ツ)68号)及び「『役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』に該当するというためには、指定役務に関する需要者又は取引者が当該商標に接した場合、これをどのように認識し理解するかが重要なのであるから、需要者又は取引者が、役務の質、すなわち、役務の内容を表示したものと一般に認識することをもって足り、それ以上に、現実にその役務が実施されていることまで必要ということはできない。」(知財高裁平成21年(行ケ)第10351号)と判示されている。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「2.5次元ミュージカル」の文字からなるところ、その構成中の「2.5次元」の文字部分は、特定の意味合いを有する既成語とは認識できないものであるが、「2.5次元ミュージカル」の文字は、別掲1の新聞記事情報によると、「漫画、アニメ、ゲームなど二次元の作品を三次元の舞台で表現した演劇やミュージカルの総称」を表す語として一般的に使用されていることが確認できるものである。
そして、別掲2のインターネット記事情報からは、本願商標の指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」の業界において、「2,5次元ミュージカル」に主演する俳優を養成する講座が設けられている等、各種教育機関において、「2.5次元ミュージカルに関する技芸又は知識の教授」が、実際に行われていることがうかがえる。
そうすると、「2.5次元ミュージカル」の文字からなる本願商標をその指定役務中の「漫画・アニメ・ゲームを原作とするミュージカルに関する技芸・知識の教授」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その役務が、漫画、アニメ、ゲームなど二次元の作品を三次元の舞台で表現した演劇やミュージカルに関する技芸又は知識の教授を表示したものと認識するにすぎないため、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記以外の「技芸・スポーツ又は知識の教授」に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張
ア 請求人は、「本願商標『2.5次元ミュージカル』は、その指定役務との関係において、一般的に使用されるものとまではいえず、せいぜい間接的な表示にすぎないから、本願商標は、単に『漫画・アニメ・ゲームを原作とするミュージカルに関する技芸・知識の教授』という意味に関するものであることを表示したものではない。」旨主張している。
しかしながら、前記2のとおり、「2.5次元ミュージカル」の文字は、「漫画、アニメ、ゲームなど二次元の作品を三次元の舞台で表現した演劇やミュージカルの総称」を表す語として一般的に使用されていることが確認でき、かつ、各種教育機関において、「2.5次元ミュージカルに関する技芸又は知識の教授」が、実際に行われていることがうかがえる。
そうすると、本願商標をその指定役務中の「漫画・アニメ・ゲームを原作とするミュージカルに関する技芸・知識の教授」に使用しても、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。
イ また、請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨を主張している。
しかしながら、これらの審決例は、本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであり、かつ、個別の事案の登録性の有無の判断については、過去の審決例に拘束されることなく行われるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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