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Trademark Appeal Case

要部抽出と商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−5775(T2019−5775/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MAPsシリーズ」の文字と「マップスシリーズ」の片仮名を上下二段で表してなり、第9類、第35類、第42類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年9月18日に登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における同年12月28日受付の手続補正書により、別掲1のとおりの商品及び役務となったものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。

(1)登録第3029365号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:「MAPS」

登録出願日:平成4年7月27日

設定登録日:平成7年3月31日

最新更新登録日:平成26年10月28日

指定役務:第35類「経営の診断及び指導」

(2)登録第3042144号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成4年7月27日

設定登録日:平成7年5月31日

最新更新登録日:平成27年2月24日

指定役務:第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」

(3)登録第4282724号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成10年3月20日

設定登録日:平成11年6月11日

最新更新登録日:平成21年4月21日

指定役務:第42類「農作物の残留農薬の分析,医薬品又は食品の試験・検査又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,計測器の貸与,理化学機械器具の貸与」

(4)登録第4661442号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:「MAPS」(標準文字)

登録出願日:平成14年4月17日

設定登録日:平成15年4月11日

最新更新登録日:平成25年4月9日

指定役務:第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」

(5)登録第5749172号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の構成:別掲4のとおり

登録出願日:平成26年9月18日

設定登録日:平成27年3月13日

指定商品及び指定役務:第9類「地震測定器,震度計,地震警報装置,地震観測遠隔測定装置,気象観測装置,その他の測定機械器具,受信機,その他の電気通信機械器具,電池,太陽電池,電気磁気測定器」及び第37類に属する商標登録原簿に記載の役務

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「MAPsシリーズ」及び「マップスシリーズ」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、下段の片仮名は、上段の文字の読みを表したものと容易に理解できるものである。

そして、本願商標構成中「シリーズ」の文字は、「連続性を持つ一連のもの」(「広辞苑第六版」岩波書店)を意味する語として親しまれている英語「series」を片仮名表記したものと容易に理解されるものであり、一連の商品群等を指称する際に一般に広く用いられていることからすると、該文字部分は自他商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当である。

そうすると、本願商標は、その構成中の「MAPs」の欧文字部分が、取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であり、「MAPs」の欧文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであり、該文字部分が独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。

したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「マップスシリーズ」の称呼を生じるほか、その構成中「MAPs」の文字部分に相応して、「マップス」の称呼を生じる。

そして、「MAPsシリーズ」及び「マップスシリーズ」の文字又は「MAPs」の文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解され、これよりは特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5について

引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5(以下、これらをまとめて「引用各商標」ということがある。)は、それぞれ「MAPS」の欧文字よりなるところ、該文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

そうすると、引用各商標は、その構成文字に相応して「マップス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標3について

引用商標3は、「MAPS」の欧文字及び「マップス」の片仮名を上下二段に表してなるところ、上段の欧文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。

そして、下段の「マップス」の片仮名は、上段の「MAPS」の読みを表したものといえる。

そうすると、引用商標3は、その構成文字に相応して「マップス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標の類否を検討すると、その構成全体をもって比較するときは、外観上、区別し得る差異があるといえるものの、本願商標の構成中、独立して商品及び役務の出所識別標識たり得る「MAPs」の文字部分と引用商標とを比較するときは、両商標は、その構成文字を同一にするものであり、外観上、類似するものである。

また、称呼においては、本願商標の要部から生ずる称呼と引用商標から生ずる称呼は、共に「マップス」であるから、称呼上、同一である。

そして、観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を

生じないものであるから、両者は、観念上比較することができない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるものの、外観において類似し、かつ、称呼において同一のものであるから、これらを総合観察すれば、相紛れるおそれのある類似の商標というべきであり、本願商標と引用商標が、同一又は類似の商品及び役務に使用された場合、同一の営業主により提供又は製造・販売されるものと誤認されるおそれがあると判断するのが相当である。

(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について

ア 引用商標1の指定役務との類否について

本願商標の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,販売促進のための検索エンジンの検索結果の最適化,経済予測,原価分析,ウェブサイト経由による事業に関する情報の提供,会社のための管理業務の代行,商取引の受注管理,商品・役務の買い手及び売り手のためのオンライン市場の提供,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配」は、引用商標1の指定役務である第35類「経営の診断及び指導」と同一又は類似の役務である。

イ 引用商標2の指定役務との類否について

本願商標の指定役務中、第35類「コンピュータデータベースへの情報編集,コンピュータデータベース内のデータの更新及び保守,文書情報及びデータの構築」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,ウェブサイトの作成又は保守,コンピュータソフトウェアの設計,コンピュータシステムの遠隔監視,遠隔操作によるデータのバックアップ,コンピュータソフトウェアのバージョンアップ,コンピュータソフトウェアの保守,ソフトウェア制作におけるコンピュータソフトウェアの開発,コンピュータソフトウェアの設計・作成・保守に関する助言」は、引用商標2の指定役務である第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と同一又は類似の役務である。

ウ 引用商標3の指定役務との類否について

本願商標の指定役務中、第42類「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究」は、引用商標3の指定役務中の第42類「農作物の残留農薬の分析,医薬品又は食品の試験・検査又は研究」と同一又は類似の役務である。

エ 引用商標4の指定役務との類否について

本願商標の指定役務中、第44類「医療情報の提供,健康診断,調剤,調剤情報の提供,薬剤師による調剤,薬局における助言,栄養の指導,美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり治療,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,有害動物の防除(農業・水産養殖業・園芸又は林業に関するものに限る。),健康管理に関する指導及び助言,療養施設または看護施設における介護・栄養の指導」は、引用商標4の指定役務中の第44類「美容,理容,入浴施設の提供,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」と同一又は類似の役務である。

オ 引用商標5の指定商品との類否について

本願商標の指定役務中、第9類「測定機械器具,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末」は、引用商標5の指定商品中の第9類「地震測定器,震度計,地震観測遠隔測定装置,気象観測装置,その他の測定機械器具,受信機,その他の電気通信機械器具」と同一又は類似の商品である。

(5)小括

引用商標3については、現時点において商標権の存続期間の更新が確認できないものであるが、その商標権の更新の有無に言及するまでもなく、上記のとおり、本願商標は、引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5と類似する商標であり、かつ、引用各商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品及び役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 請求人の主張について

請求人は、過去の審決例を挙げて、本願も同様に判断して商標登録されるべき旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例は、いずれも本願商標とは、その文字種や構成態様が異なるなど、事案を異にするというべきであり、また、他の商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の上記主張は採用できない。

5 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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