sokuhyo

Trademark Appeal Case

ピリオドの有無と商標類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−5682(T2019−5682/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は「SPW」の文字を標準文字で表してなり,第19類「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),木材,建具(金属製のものを除く。)」を指定商品として,平成29年12月12日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第543378号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,昭和33年7月25日に登録出願,第57類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同34年10月20日に設定登録され,その後,平成12年7月5日に指定商品を第19類「ベニヤ板,合せ板」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標ついて

本願商標は「SPW」の文字を標準文字で表したものであるところ,当該文字は,辞書等に載録された成語ではなく,特定の語義を有しない造語として理解されるものであるから,その構成文字に相応した「エスピーダブリュウ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は,別掲のとおり,山と思しき形状と3本の折れ線とを組み合わせた図形(以下「図形部分」という。)と「S」,「P」及び「W」の文字のそれぞれに符号であるピリオドを付し「S.P.W.」と普通に書した文字及び符号を上下2段に表してなるところ,図形部分と「S.P.W.」の文字及び符号は,視覚上,分離して看取し得るものである。

さらに,図形部分は,様式化された山を表し,それに3本の折れ線を組み合わせたものと看取されるから,特定の称呼及び観念を生じるものとは認められないことからすると,上段の図形部分と,下段の文字及び符号とは,観念的なつながりを見いだすことはできず,一連一体の称呼が生じるともいえないことから,それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認めることはできない。

そうすると,引用商標は,図形部分及び「S.P.W.」の文字及び符号が,それぞれ自他商品の識別標識を有する要部であるというべきである。

以上によれば,引用商標は,その要部の一である「S.P.W.」の文字及び符号(以下「引用要部」という。)に相応した「エスピーダブリュウ」の称呼を生じ,上記(1)と同様に特定の観念は生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標の類否について検討するに,本願商標と引用商標は,外観においては,その全体の構成において差異を有するものであるが,本願商標と引用要部の比較においては,ピリオドの有無において両者の構成が異なるとしても,両者は,いずれも普通に書してなるものであって「S」,「P」及び「W」の構成文字を同じくすることから,外観上,両者は互いに近似した印象を与えるものである。

次に,称呼においては,本願商標と引用要部とは「エスピーダブリュウ」の称呼を共通にするものである。

そして,観念においては,本願商標と引用要部とは,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。

してみれば,本願商標と引用要部とは,観念において比較できないとしても,外観において近似した印象を与えるものであり,共通の称呼を生じるものであるから,これらを総合して考察すれば,両者は互いに類似するものであり,本願商標と引用商標は,相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について

本願商標の指定商品中「木材」は,引用商標の指定商品「ベニヤ板,合せ板」を含むものであるから,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似の商品である。

(5)小括

以上によれば,本願商標は,引用商標と互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品を含むものであって同一又は類似の商品であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(6)請求人の主張について

ア 請求人は「ピリオドは欧文字の1つであり,また,引用商標のピリオドは明瞭であり,外観上の特徴となっているといえる。」旨主張する。

しかしながら「.」(ピリオド)は「横書きの文の末尾に付する点。終止符(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)。」であって,英文字の区切りとして普通に用いられる記号であるから「.」(ピリオド)自体に外観上の特徴を有するものとは認められない。

イ 請求人は,「本願商標から『エスピーダブリュー』の一連の称呼が生じるのに対し,引用商標は『エス』『ピー』『ダブリュー』と一文字ずつの称呼が生じ,両者は,音調音感は全く異なり,区別できる」旨主張する。

しかしながら,引用要部のそれぞれの文字に,「.」(ピリオド)が付されているとしても,本願商標と引用要部は共に「S」,「P」及び「W」の構成文字を同じにするものであるから,両者は,それらの構成文字に相応した「エスピーダブリュウ」の称呼を共通にするものである。

ウ 請求人は「引用商標の指定商品は,限定的であるから引用商標の商標権者の取扱品は極めて限定的であるのに対し,請求人はシャッター・スチールドア等のトップメーカーであって,取扱商品は多岐にわたっており,指定商品の相違からみても出所の混同が生じるおそれは極めて低い。」旨主張する。

しかしながら,商標法第4条第1項第11号にいう商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的,限定的なそれを指すものでない(最高裁判所第1小法廷 昭和49年4月25日判決・昭和47年(行ツ)第33号)と判示されているから,請求人の業務と引用商標に係る商標権者の業務についての比較ではなく,本願商標と引用商標のそれぞれの指定商品において,同一又は類似の商標を使用した場合に,出所の混同を生ずるおそれがあるという取引の実情を判断すれば足りるというべきである。

そして,上記(4)のとおり,引用商標の指定商品は,本願商標の指定商品に含まれるものであるから,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似の商品である。

エ 請求人は,過去の判決例及び審決例を挙げて,本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張するが,商標の類否の判断は,対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,これらの判決例及び審決例は,商標の具体的構成等において本願商標とは事案を異にするものであり,本願商標と引用商標については,上記の判断のとおりであるから,当該判決例及び審決例をもってその判断が左右されることはない。

オ したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。

(7)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。