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Trademark Appeal Case

商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900202(T2019−900202/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6140717号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6140717号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成30年7月18日に登録出願,第9類「業務用テレビゲーム機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,電気又は電子楽器用フェイザー,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として,同31年3月20日に登録査定,同年4月26日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は,以下の7件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第2173459号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:昭和60年6月6日

設定登録日:平成元年9月29日

書換登録日:平成22年3月24日

指定商品:第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子計算機,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」並びに第7類及び第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

2 登録第4696655号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成14年3月27日

設定登録日:平成15年8月1日

放棄による一部抹消の登録:平成15年11月10日

指定商品・役務:第9類「業務用テレビゲーム機,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電話機械器具,その他の電気通信機械器具,電子計算機,半導体素子,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物(ただし,「レコード,映写フィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」については,一部放棄による登録の抹消)及び第38類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

3 登録第5054551号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成18年7月31日

設定登録日:平成19年6月15日

指定商品・役務:第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」並びに第9類及び第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

4 登録第5137030号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成19年4月13日

設定登録日:平成20年6月6日

指定役務:第35類「コンピュータ・コンピュータソフトウェア・その他の電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。),レコード・インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。),インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル・録画済みビデオディスク及びビデオテープの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。),印刷物及び電子出版物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。)」

5 登録第6084697号商標

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成29年10月2日(優先権主張:ジャマイカ 2017年(平成29年)3月30日)

設定登録日:平成30年9月28日

指定商品:別掲4のとおり

6 国際登録第1014459号商標

商標の構成:別掲2のとおり

国際商標登録出願日:2009年(平成21年)4月29日(優先権主張:United States of America 2009年(平成21年)1月13日)

設定登録日:平成22年7月2日

指定商品:別掲5のとおり

7 登録第5686372号商標

商標の構成:別掲3のとおり

登録出願日:平成24年12月3日(優先権主張:中華人民共和国 2012年(平成24年)6月4日)

設定登録日:平成26年7月18日

指定商品:別掲6のとおり

以下,上記1ないし6を引用商標1といい,上記7を引用商標2といい,これらをまとめていうときは,引用商標という。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により,取り消されるべきであると申立て,要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。

1 申立人について

申立人は,デジタル市場の巨大企業の4つのうちの一社であり,パーソナルコンピュータ,スマートフォン,タブレット型コンピュータ,腕時計型コンピュータ等を製造販売し,音楽・映像配信サービス等を提供する米国の法人である。

また,申立人は,「世界の最も価値あるブランドランキング」で首位を獲得するなど,高い知名度を誇り,当該ランキングにおいては,2011年(平成23年)から9年連続で首位の座を維持し,ブランド価値が2000億ドルを超えた唯一の企業と評価されている(甲9)。

2 引用商標1の著名性について

引用商標1は,リンゴ図形から構成され,申立人の公式ウェブサイト,申立人の店舗の看板,商品等に付され,当該図形は,「APPLE」の文字とともに申立人の製品,サービスの利用者であれば,必ず目にする商標であって,申立人を表す商標として需要者の間において広く知られている。

引用商標1は,トヨタ,マクドナルド,アディダス等と並ぶ有名ロゴとして理解され,記事にされており(甲10〜甲13),特許庁においても周知著名商標と認定されている。

以上のとおり,引用商標1は,我が国及び世界各国における申立人の長年の販売及び販売促進活動の努力により本件商標の出願時以前より,申立人の莫大な業務上の信用が化体した著名商標となっていたことが明らかである。

3 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は,オレンジ色の円の中に,QRコードのような図形を配し,右上に緑色の葉っぱと認められる楕円図形を表した構成からなる。

当該図形は,リンゴと即座に認定できるものではないとしても,緑色の葉っぱ図形の存在から,何らかの果物を表したものと認定できる。

一方,引用商標1は,リンゴ図形を表した構成又は右に傾斜した楕円形からなる。

本件商標と引用商標1の葉の部分を比較すると,両者の葉の図形は,傾斜角度がやや異なるものの,葉の形それ自体は,同一といってもいいくらい似ている。

以上より,両者は,ともに果物を表した図形であって,特に葉部分が酷似していることを考慮すると,外観上,相紛らわしい類似の商標と解される。

また,本件商標中にある緑色の楕円は,オレンジ色の円と色彩が異なり,QRコードとも関連性が何らないもので,独立して注意をひく要素となる場合,楕円の引用商標2と類似する。

観念についてみると,引用商標1からは,その著名性故に即座に申立人を想起させることは明らかである。一方,本件商標は,果物をモチーフとしている点,葉図形が引用商標1と酷似している点から,申立人をイメージさせるものであるから,両者は,観念においても類似する。

また,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似であることも明白である。

以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標1は,申立人のハウスマークとして長年にわたって使用され,申立人を表示するものとして著名な商標である。

しかして,本件商標は,引用商標1と類似するものであって,仮に類似しないとしても,申立人の著名商標の構成をモチーフとしたものと解される。

したがって,本件商標が,その指定商品について使用された場合には,その商品は,申立人又は関連する企業の商品と誤認されるおそれがあることは明らかである。

特に,引用商標1は,携帯電話やコンピュータといった電気・電子機械器具関連商品分野で広く知られているから,第9類の商品を指定商品とする本件商標は,即座に申立人を想起させ,本件商標に接する取引者,需要者は,申立人に関係する何らかの商品をイメージすると考えられ,その出所を混同するおそれが高い。

以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断

1 引用商標1の周知著名性について

(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下のことが確認できる。

ア Forbes JAPAN(フォーブスジャパン)の2019年(平成31年)5月24日付の「フォーブス『世界の高価値ブランド』100社,テック優勢は変わらず」の見出しの記事において,申立人は,フォーブスが同月22日に発表した「世界で最も価値あるブランド」100社ランキングで,2011年から9年連続で首位の座を維持し,ブランド価値が2000億ドルを超えた唯一の企業と評価されている。また,当該記事中の「ブランド価値ランキング2019」の1位の欄には,引用商標1が掲載されている(甲9)。

イ 引用商標1は,複数のウェブサイトにおいて,トヨタ,マクドナルド及びアディダス等と並ぶ有名ロゴとして理解され,記事にされている(甲10〜甲13)。

ウ 引用商標1と同一の図形は,銀座,表参道,京都,福岡及び心斎橋の申立人各店舗において,目立つように建物に大きく看板として表示されている。また,申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ,スマートフォン等に付されている(申立人主張,職権調査:https://www.apple.com/jp/)。

(2)周知著名性の判断

上記(1)によれば,引用商標1は,申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ,スマートフォン等について使用されており,また,銀座,表参道,京都,福岡及び心斎橋等の繁華街に所在する申立人各店舗において,引用商標1とほぼ同一の図形が目立つように看板として表示されていることから,引用商標1は,我が国において多くの人の目に触れられているものといえる。

そして,申立人は,Forbes JAPAN(フォーブスジャパン)の記事(2019年(平成31年)5月24日)の「世界で最も価値あるブランド」100社ランキングにおいて,ブランド価値が2000億ドルを超えた唯一の企業と評価されているところ,当該記事中には,引用商標1が掲載されている。また,引用商標1自体も,複数のウェブサイトにおいて,トヨタ,マクドナルド,アディダス及びグーグル等の広く知られた商標とともに,有名商標として紹介されていることが認められる。

以上のことからすれば,引用商標1は,本件商標の登録出願時(平成30年7月18日)及び登録査定時(同31年3月20日)において,「申立人のロゴマーク」として,取引者,需要者の間に広く認識されていたといい得るものである。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標について

本件商標は,別掲1のとおり,オレンジ色の円輪郭線内に,QRコードのような図形を配し,右上に緑色の葉のような楕円図形を配した構成からなるものであって,オレンジ色の円輪郭及びQRコードのような図形並びに緑色の葉のような楕円図形がまとまりよく表されていることから,当該構成図形が一体のものとして看取されるものである。

そして,本件商標は,全体として特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているものではないから,特定の称呼及び観念を生じないものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1について

引用商標1は,別掲2のとおり,右上方にかじられたような丸い切り欠きのある簡略化されたリンゴとおぼしき黒色の図形からなり,当該図形の上方に,右上に向かって伸びる葉のような黒色の図形が表されている。

そして,引用商標1を構成する図形の形状は,上記1より,広く知られた「申立人のロゴマーク」程の観念を生じるというのが相当であるところ,特定の事物を表すものとは認識しないから,特定の称呼は生じない。

イ 引用商標2について

引用商標2は,別掲3のとおり,左下から右上に伸びた黒色の楕円図形からなり,当該図形は特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているものではないから,特定の観念及び称呼を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

ア 本件商標と引用商標1との類否について

本件商標と引用商標1とを比較すると,両者は,上記(1)及び(2)アのとおりの構成からなり,図形の構成及び色彩において明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できる。

次に,称呼においては,本件商標と引用商標1とは,いずれも特定の称呼を生じるものではないから,称呼において比較することはできない。

そして,観念においては,本件商標からは特定の観念を生じないのに対し,引用商標1からは「申立人のロゴマーク」の観念を生じるものであるから,両者は,観念上,相紛れるおそれはない。

そうすると,本件商標と引用商標1とは,称呼において比較することはできないとしても,外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

イ 本件商標と引用商標2との類否について

本件商標と引用商標2とを比較すると,両者は,上記(1)及び(2)イのとおりの構成からなり,図形の構成及び色彩において明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できる。

そして,称呼及び観念においては,本件商標と引用商標2は,いずれも特定の称呼及び観念を生じるものではないから,称呼及び観念において比較することはできない。

そうすると,本件商標と引用商標2とは,称呼及び観念において比較することはできないとしても,外観における構成が明らかに相違し区別できることから,両者は,非類似の商標とみるのが相当である。

ウ したがって,本件商標と引用商標は,非類似の商標である。

(4)申立人の主張について

申立人は「本件商標はリンゴと即座に確認できるものではないとしても,緑色の葉図形の存在から,何らかの果物を表したものと認定でき,葉の部分を比較すると,引用商標1の葉の図形と本件商標の葉の図形は,傾斜角度がやや異なるものの,葉の形それ自体は同一といってもいいくらい似ているから,ともに果物を表した図形であって,特に葉の部分が酷似していることを考慮すると,両者は外観上,相紛らわしい類似の商標と解される。また,本件商標中にある緑色の楕円は,オレンジ色の円と色彩が異なり,QRコードとも関連性がないので,独立して注意を惹く要素となる場合,引用商標2と類似する。」旨主張している。

しかしながら,本件商標は,上記(1)のとおり,それぞれの構成図形がまとまりよく表され,一体のものとして看取されるというべきであって,特に緑色部分のみを抽出して看取される事情も見いだせない。

また,本件商標と引用商標とは,上記(3)のとおり,非類似の商標であり,両商標はその印象が明らかに異なる全く別異の商標であると判断するのが相当である。

よって,申立人の主張は採用することができない。

(5)小括

以上のとおり,本件商標は,引用商標と非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似であるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標1の周知著名性について

上記1のとおり,引用商標1は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係るパーソナルコンピュータ,スマートフォン等を表示するものとして,取引者,需要者の間に広く認識されているといい得るものである。

(2)商品の関連性,需要者の共通性について

引用商標1が使用されているパーソナルコンピュータ,スマートフォン等の商品と本件商標の指定商品とは,ともにコンピュータ関連の商品において,関連性があり,その需要者も共通するといえる。

(3)引用商標1の独創性について

引用商標1は,親しまれた果物であるリンゴをモチーフにしたものではあるものの,その右側面にかじられたような丸い切り欠きのある簡略化されたリンゴの図形であること及び葉と実が離れていることに独創性を有しているといい得るものである。

(4)本件商標と引用商標1の類否について

上記2(3)アのとおり,本件商標と引用商標1とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,その印象が明らかに異なる別異の商標というべきものである。

(5)出所混同のおそれについて

上記(1)ないし(4)によれば,引用商標1は,周知著名性を有し,本件商標と引用商標1の取引者,需要者は共通し,商品の関連性があり,独創性を有するとしても,本件商標と引用商標1は,上記(4)のとおり,非類似の商標であって,別異の商標である。

してみれば,本件商標をその指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者が,引用商標1を想起,連想して,当該商品を申立人の業務に係る商品,あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。

(6)小括

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

4 むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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