Trademark Appeal Case
普通名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2019−900264(T2019−900264/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第6155019号商標(以下「本件商標」という。)は,「スプリントプリント」の片仮名を標準文字により表してなり,平成30年7月4日に登録出願され,第1類「粉末状の未加工人造樹脂及び合成樹脂,未加工の人造樹脂及び合成樹脂,原料プラスチック,粉末状の化学品,その他の化学品,未加工のパウダー状セラミックス材料,粉末状のセラミック製基礎製品」,第5類「歯科用材料,薬剤」及び第10類「医療用機械器具,歯科用機械器具,義歯,歯科用インプラント」を指定商品として,令和元年6月3日に登録査定,同月21日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,その指定商品中,第5類及び第10類の全指定商品について,商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきものであると申し立て,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 商標法第3条第1項第6号について
本件商標は,歯科治療用のマウスピースの普通名称である「スプリント」に,広く一般に,印刷,印刷物を示す「プリント」,足跡を示す英語「foot print」における「プリント」,あるいは指紋を示す英語の「finger print」における「プリント」を連続して表したにすぎないものであるから,自他商品識別標識として機能しない。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 商標法第4条第1項第16号について
本件商標構成中の「スプリント」に着目するとき,本件商標の指定商品の範囲における全ての指定商品中に歯科業の分野における顎関節症の治療に用いられる「マウスピース」以外の商品が含まれていて,これらに本件商標を使用したときに,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標は,前記第1のとおり,「スプリントプリント」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさ及び等しい間隔により一連に表されていることから,視覚上,一体的にまとまりのあるものとして看取,把握され得るとみるのが自然であり,いずれかの文字部分をもって分離して観察されるとはいい難いものである。
そして,本件商標は,その構成中の「スプリント」の文字が「競走・競泳・スピード‐スケートなどで,短距離を全力疾走あるいは力泳する瞬発力のこと。また,その競技。」の意味を,同じく「プリント」の文字が「印刷すること。印刷物。」(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店発行)の意味をそれぞれ有する語であり,また,申立人が提出した証拠によれば,本件商標の指定商品中の第10類「医療用機械器具,歯科用機械器具」との関係から「スプリント」の文字が「顎関節症などの治療に用いられる口の中に入れるプラスチックの装置」を指称する場合があるとしても,両語を一連に表したその構成全体からは,直ちに「スプリント」の文字のみを捉えて,申立人が述べるような商品の普通名称を表示するものとして認識するとはいい難いものである。
さらに,当審において職権をもって調査するも,本件商標の登録査定時に,本件商標を構成する文字が,その指定商品を取り扱う分野において,商品の品質等を表示するものとして,取引上一般に使用されている事実は発見できなかった。
してみれば,本件商標は,その構成全体をもって一体的に把握される特定の語義を有しない一種の造語であると判断するのが相当である。
そうすると,本件商標は,その指定商品に使用しても,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とは認められず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は,上記1のとおり,その構成全体で一体不可分の造語として理解,認識するとみるのが相当であるから,その指定商品に使用しても,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとは認められず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
また,本件商標が商品の品質等を表示するものでない以上,本件商標は,その指定商品中のいずれの商品に使用しても,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標とはいえないというのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当しない。
3 結語
以上のとおり,本件商標は,その指定商品中,第5類「全指定商品」及び第10類「全指定商品」について,商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反して登録されたものとは認められないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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