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Trademark Appeal Case

商標の周知著名性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900250(T2019−900250/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6153000号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6153000号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOP GUN」の欧文字を書してなり、平成30年5月30日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,革ひも,皮革製包装用容器,傘,ステッキ,つえ」を指定商品として、令和元年5月9日に登録査定、同年6月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するため、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第71号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第10号について

映画「TOP GUN」(1986年制作)のタイトルロゴであり、別掲のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標」という。)は、申立人の子会社であるパラマウント ピクチュアーズ コーポレーション(甲3)(以下「パラマウント社」という。)が「かばん類」に使用する商標として周知である(甲4〜36)。

そして、本件商標は、引用商標に類似する。

したがって、本件商標の指定商品中「かばん類,袋物」は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、パラマウント社が「被服」に使用する商標として著名である(甲4〜23、甲37〜54)。

そして、本件商標は、引用商標に類似する。

したがって、本件商標は、その指定商品に使用されると、パラマウント社の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)引用商標の周知著名性について

ア 申立人の提出した証拠(甲4〜54)及び同人の主張によれば、以下の事実を認めることができる。

(ア)引用商標は、パラマウント社が配給した映画「トップガン」(1986年制作(甲4))のタイトルロゴであって(甲6)、同年の全米興行成績1位を記録し(甲6)、同年の北米興行収入ランキング及び1987年の日本配給収入ランキングは、1位となっている(甲8)。そして、日本歴代興行収入上位の映画一覧には、99位に位置している(甲9)。

また、2010年から2018年までの間、新聞記事で6回、テレビ番組で3回、「トップガン」の続編に関する情報が報じられている(甲14〜22)。

(イ)パラマウント社及びそのライセンシーらが、本件商標の登録出願時以前から、映画とタイアップして販売するかばん類、Tシャツに引用商標(社会通念上、同一視し得るものを含む。)又はこれを構成中に含む標章を付している(甲24、26、27、29〜31、38、40、41、47、48、50)。

イ 上記アから、パラマウント社の業務に係る映画のタイトルが「トップガン」であって、上記映画のタイトルロゴとして引用商標が使用されたこと、該映画の1987年の日本配給収入が1位となっていること、2010年頃から該映画の続編に関して報じられていること等が認められることから、該映画に関しては1987年頃に知られ、その後、本件商標の登録出願時及び登録査定時においても、一定程度知られていたといえる。

しかしながら、パラマウント社及びそのライセンシーらによって、引用商標を付したかばんやTシャツが販売されていることは見受けられるものの、該商品に関する我が国における市場シェア、広告宣伝の規模等の事実を裏付ける具体的な証拠の提出はなく、それらの詳細は不明であることからすると、提出された証拠によっては、該商品に使用する引用商標の周知著名性を認めることができない。

以上のほかに、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において、特定の者の業務に係る商品を表示するものとして、周知著名性を獲得していたと認めるに足りる証拠を見いだすことはできない。

そうすると、提出された証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に、引用商標がパラマウント社の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていたと認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性について

本号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されている。

そして、引用商標は、上記(1)のとおり、パラマウント社の業務に係る商品「かばん類」を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ず、本件商標と引用商標との類否及び本件商標の指定商品とパラマウント社の業務に係る商品との類否について判断するまでもなく、同号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 引用商標の周知著名性及び独創性の程度について

上記(1)によれば、引用商標がパラマウント社の業務に係る商品「被服」を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。

また、引用商標の独創性については、「TOP GUN」の欧文字部分は既成語であるから独創性が低いといえるが、図形部分において独創性の程度が高いということができる。

イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について

本件商標は、上記1のとおり、「TOP GUN」の欧文字を書してなるところ、全体の文字に相応して「トップガン」の称呼を生じる。

そして、該文字が「ある分野・社会のトップクラスの人。米国空軍士官学校の最優秀の卒業生。」等の意味を有する語(甲5)であるとしても、その指定商品の需要者に親しまれている語ともいい難いことから、特定の観念を生じるとはいえない。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「トップガン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、図形及びこれと密着するように表された「TOPGUN」(中央の「P」と「G」の文字の間に少しの空間がある。)の欧文字の結合商標と看取されるものであって、該構成中の文字部分に相応して「トップガン」の称呼を生じ、上記本件商標と同様の理由から、特定の観念を生じないものということができる。

そうすると、本件商標と引用商標とは、全体の外観においては相違するものの、「TOP GUN」の欧文字において共通し、称呼を同一にするものであるから、観念において比較することができないとしても、類似性の程度は一定程度高いということができる。

ウ 本件商標の指定商品とパラマウント社の業務に係る商品の関連性の程度、需要者の共通性について

本件商標の指定商品とパラマウント社が映画とタイアップして販売する「被服」とは、需要者が共通する場合があるとしても、生産部門や用途が相違し、その関連性は低いものである。

エ 出所の混同のおそれについて

上記アないしウのとおり、本件商標と引用商標との類似性の程度が文字部分の共通性によって一定程度高いものと認められるとしても、引用商標はパラマウント社の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていると認めることができず、また、その需要者の範囲を共通にする場合があるとしても、商品の関連性が低いこと、その他引用商標の独創性を総合考慮すれば、本件商標に接する取引者、需要者が、パラマウント社に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。

そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

オ 小括

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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