sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−3978(T2019−3978/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「健診結果データバンク」の文字を標準文字で表してなり,第44類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として,平成29年6月29日に登録出願されたものである。

そして,その指定役務については,原審における平成30年3月13日付けの手続補正書において,第44類「健康診断情報又は医療情報の管理及び分析,健康診断情報又は医療情報の分析結果の提供」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は,「本願商標は,『健診結果データバンク』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の『健診』は『健康診断の略。』の意味を有する語であり,『結果』は『原因によって生み出されるもの。また,ある行為によって生じたもの。』等の意味を有する語であり,また,『データバンク』は,『データベースのこと。また,それを扱うサービスや事業』の意味を有する語であるから(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店),本願商標は,全体として『健康診断の結果に関するデータベース』ほどの意味合いを容易に認識・理解させる。そうすると,本願商標を補正後の指定役務中の「健康診断情報の管理及び分析,健康診断情報の分析結果の提供」に使用しても,これに接する需要者等は役務の質を表したものと理解するにとどまる。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生ずるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋

当審において,請求人に対し,令和元年11月20日付けで,別掲のとおりの事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の審尋を発し,相当の期間を指定して,これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答(要旨)

請求人は,上記3の審尋に対して,令和元年12月10日付けの回答書において,「本願商標構成中の『データバンク』は一義的な用語ではなく,多義的な用語であり,本願商標は請求人が考えた造語である。インターネット上でも本願商標と完全に一致するサービス名称は使用されていない事実があり,また本願商標の指定役務の分野と同じサービスが広く行われている事実はなく,『データバンク』の文字がサービスの名称として使用されている事実もない。よって,本願商標はその指定役務について自他役務識別力を有している。」旨の意見を提出した。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

商標法第3条第1項第3号が,「その役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途,数量,態様,価格又は提供の方法若しくは時期」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録の要件を欠くと規定しているのは,このような商標は,指定役務との関係で,その役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。そうすると,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには,審決の時点において,本願商標がその指定役務との関係で役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり,本願商標がその指定役務に使用された場合に,将来を含め,指定役務の取引者,需要者によって役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成26年(行ケ)第10056号,平成26年8月6日判決参照)。

(2)本願商標は,上記1のとおり,「健診結果データバンク」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「健診」及び「結果」の文字は,各々,「健康診断の略。」及び「原因によって生み出されたもの。」(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)ほどの意味を有する語として,我が国において広く知られていることから,「健診結果」の文字は「健康診断の結果」の意味を容易に理解,認識させるものである。

また,本願商標の構成中,後半の「データバンク」の文字は,辞書及び書籍等によれば「データベースを扱うサービスや事業」,「データベースを用いた情報サービス」ほどの意味を有する語である(別掲1)。

そうすると, 本願商標に接する者は,本願商標の構成全体として「健康診断の結果を収集,整理,保管し検索しやすくしたデータベースを利用した事業(サービス)」ほどの意味合いを理解するものである。

(3)本願商標の指定役務の分野において,健康診断結果のデータをデータベースに構築,保管し,それらのデータを管理,分析し,その結果を提供するというサービスが広く行われている事実が見受けられ(別掲2),また,「データバンク」の文字も「データを預けて他者との共有も設定(指定)」,「データ管理」等のサービスの名称として一般に使用されている(別掲3)。

(4)以上のことからすれば, 本願商標をその指定役務中の「健康診断情報の管理及び分析,健康診断情報の分析結果の提供」に使用したときは,これに接する取引者,需要者は,その役務が「健康診断結果の情報(データ)を管理,分析したり,その分析結果を提供したりする事業(サービス)」つまり単に役務の質を表したものと理解するにとどまり,自他役務の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。

してみれば,本願商標は,その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり,上記役務以外の指定役務に使用するときは,役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

6 請求人の主張について

(1)請求人は,本願商標構成中の「健診結果」は「健康診断の結果」という意味合いだとしても,「データバンク」は「データベース」という一義的な用語ではなく,「特定のものや情報を集め,必要に備えておく機関」の意味を有しており多義的な用語である。さらに,インターネット上でも本願商標と完全に一致するサービス名称は使用されておらず,また,「データバンク」の文字がサービスの名称として使用されている事実もない旨主張する。

しかしながら,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには,本件審判の審決時において,本願商標がその指定役務との関係で役務の提供の場所,質,提供の用に供する物,効能,用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり,本願商標の指定役務に係る事業の取引者,需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に,将来を含め,役務の特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足り,それが取引上現実に使用されていた事実があったことまで必要とするものではないというべきであるから,「健診結果データバンク」又は「データバンク」の文字が,本願の指定役務の分野においてサービスの名称として実際に使用されていないからといって,本願役務の同号該当性が否定されるものではない。

また,本願商標の構成中の「データバンク」の文字が多義的な用語であるとしても,本願商標の構成全体から理解される意味合い及び本願の指定役務の分野における「データバンク」の文字の使用状況などを勘案すれば,上記5(4)のとおり,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標が「健康診断結果の情報(データ)を管理,分析したり,その分析結果を提供したりする事業(サービス)」ほどの意味合いを理解するものである。

(2)請求人は,本願の指定役務は,健診受診者や企業の人事部に対して「健康診断情報又は医療情報の分析結果の提供」を行うもので,別掲2で示した事例には,本願の指定役務は含まれていない又は関係ないから当該指定役務の分野と同じサービスが広く行われている事実はない旨主張する。

しかしながら,別掲2で示した事例が,健診受診者や企業の人事部に対して「健康診断情報又は医療情報の分析結果の提供」を行うものではないとしても,健康診断結果のデータをデータベースに蓄積,管理し,それらのデータを分析して,企業や健康保険組合等へその分析結果の提供を行うものであることから,別掲2で示した事例は,本願商標の指定役務の範ちゅうの役務であるというのが相当である。

(3)したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。

7 まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。