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Trademark Appeal Case

AI介護の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−11883(T2018−11883/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「AI介護」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年6月26日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同30年2月16日受付の手続補正書により、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園樹の植樹,庭園又は花壇の手入れ,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医療情報の提供,健康診断,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,介護,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『人工知能』を意味する『AI』の文字と、『介護』の文字を一連に『AI介護』と標準文字で表してなるところ、『人工知能を利用した介護』程の意味合いを容易に認識させる。よって、これを本願指定役務中、人工知能を利用した介護に関する役務に使用しても、前記役務であることを認識させるにとどまり、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和1年5月24日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、以下のとおり意見を述べた。

(1)証拠調べ通知で示された証拠は、「AI介護」の具体的意味合いが、実際に提供される本願指定役務の質・内容を具体的に表していないので、本願指定役務の分野において、当該情報は証拠資料足りえない。

(2)してみれば、「AI介護」の語は、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、これをもって直ちに商品の品質、内容を具体的かつ直接的に表したものと理解、認識させるとまではいい難いものである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、上記1のとおり、「AI介護」の文字からなるところ、その構成中の「AI」の文字は、「人工知能」の意味を有する「artificial intelligence」の略語として、「介護」の文字は、「高齢者・病人などを介抱し、日常生活を助けること。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)として一般に知られているものである。

そして、別掲のとおり、「介護」に関連した分野の新聞記事情報やインターネット情報において「AI」の文字が、「人工知能」の意味合いで使用され、また、「AI介護」の文字が、例えば、「人工知能(AI)を活用して・・・高齢者の快適な入浴と介護者の負担軽減につなげるのが狙い。」や「AI(人工知能)が介護現場に浸透し始めた。」などの説明とともに使用されており、介護現場において介護ロボットや介護計画の作成補助等、AIを活用した介護が実際に行われている実情が見受けられる。

そうすると、本願商標を構成する「AI介護」の文字は、「AI(人工知能)を活用した介護」程の意味合いを容易に想起させるものである。

してみれば、「AI介護」の文字からなる本願商標を、その指定役務中「介護」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「AI(人工知能)を活用した介護」であることを認識するにすぎず、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「本願商標の構成中の『AI』の語は『愛のローマ字読み』の意味を有する語であり、全体として、『愛の介護』程の意味合いを生じる場合が有り、あるいは、仕訳だけではなく、介護事業の会計処理、介護作業のロボットの使用、介護事業の管理および報告する技法に人工知能を応用することも考えられるとしても、本願指定役務の質・内容を表すものではなく、現実に『AI介護』の語が、介護の分野で、原審説示の意味合いで使用されている裏付け情報を提示されていないので、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、これをもって直ちに商品の品質、内容を具体的かつ直接的に表したものと理解、認識させるとまではいい難いものである。」旨主張している。

しかしながら、上記(1)のとおり、「介護」に関連した分野の新聞記事情報やインターネット情報における「AI」及び「AI介護」の文字の使用例からすると、本願商標は、その指定役務中の「介護」との関係において、「AI(人工知能)を活用した介護」の意味合いを認識させるにすぎず、役務の出所識別標識としては認識し得ないものとみるのが相当である。

したがって、請求人の上記主張は採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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