結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2017−900315(T2017−900315/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5966603号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成からなり,平成29年1月20日に登録出願,同年6月1日に登録査定,第24類「布製身の回り品,織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ドレス,下着,水泳着,靴下,毛皮製ストール,手袋,マフラー,帽子,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同年7月28日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,次のとおり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第8号,同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第58号証を提出した。
本件商標は,申立人の所有に係る引用商標と同一又は類似であって,かつ,本件商標の第25類の指定商品は,引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品である。よって,本件商標は,その指定商品中の第25類「全指定商品」については,引用商標1との関係において商標法第4条第1項第11号に該当する。
本件商標は,申立人と世界的音楽アーティスト「RIHANNA(リアーナ)」の愛称として広く知られ,商標としても使用し,広く一般に知られている引用商標と類似し,又は,引用商標を構成する「RIRI(RiRi)」の文字を構成中に含むので,申立人の周知著名商標を想起若しくは連想させる。また,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは,互いに同一若しくは類似であるか,又は,非常に高い関連性を有しているので,本件商標がその指定商品に使用された場合,あたかも申立人又は申立人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。
申立人が知的財産権の所有・管理を行う世界的音楽アーティスト「RIHANNA(リアーナ)」(本名:Robyn Rihanna Fenty)は日本を含む世界中で愛され,ファンなどの関係者から「RiRi」,「RIRI」の愛称をもって呼ばれている。
したがって,本件商標は,世界的音楽アーティスト「RIHANNA(リアーナ)」の著名な略称である「RiRi(RIRI)」を含むものであり,かつ,同人の同意を得ているとは認められないものであるから,商標法第4条第1項第8号に該当する。
当審において,本件商標権者に対し,「本件商標と引用商標1とは,類似する商標であって,かつ,本件商標の指定商品中,第25類『全指定商品』は,引用商標1の指定商品と同一又は類似する商品であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。よって,本件に係る商標登録は,その指定商品中,第25類「全指定商品」について,商標法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を平成30年5月22日付けで通知した。
「RiRicollection」は,日本国内で商標登録をしており,使用することができなくなることは納得できない。「RiRicollection」という商標は,日本国内で申立人の「RIRI」という商標に認識される可能性は非常に低い。
日本国内の検索エンジンであるヤフーやグーグルで「RiRicoliection」を検索しても,ほとんど本件商標権者の関連のものである。日本国内では「RiRicollection」と「RIRI」を比べても,「RiRicollection」の認識度の方が高いといえる。
(1)本件商標について
ア 本件商標は,別掲1のとおり,ややうつむいた人の横顔とも見て取れる帯状の線を朱色で表し,その右にピンク色の花の絵を描いた図形と,デザイン化された「RiRi Collection」(「RiRi」部分は,「Collection」部分よりも大きな字で,かつ,1文字目と3文字目の「R」のみがピンク色で表されている。)の文字とを上下に配した構成からなる結合商標であるところ,図形部分と文字部分とは,間隔を空けて配置されており,それぞれの構成態様(図形と文字)の相違から,両者は視覚上分離して看取されるものである。また,図形部分からは,特定の称呼及び観念は生じない。
そうすると,本件商標は,その図形部分と文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえない。
イ 本件商標の文字部分についてみると,その構成中の「Collection」の文字は,「(1)収集物,収蔵品,コレクション。(2)コレクション(デザイナーが一シーズンに売り出す衣服,またはファッションショーに出品する衣服の展示)」(新英和大辞典 第六版 株式会社研究社)の意味を有する英語として親しまれており,別掲2のとおり,本件商標の指定商品の分野でも,特定のデザイナー,テーマ等によって制作されたものについて「○○ COLLECTION(collection,コレクション)」と称して一般に使用されている語である。
そうすると,本件商標の文字部分のうち,「Collection」部分は,本件商標の指定商品との関係において,自他商品の識別標識としての機能は極めて弱い部分であるといえる。
他方,本件商標の文字部分のうち,「RiRi」部分は,一般の辞書類には掲載されていない一種の造語と認められること,また,「Collection」部分よりも大きな字で,かつ,1文字目と3文字目の「R」のみがピンク色で表されていることもあいまって,視覚上強い印象を与えるものであるといえる。
したがって,本件商標の文字部分においては,「RiRi」部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから,同部分を本件商標の要部として更に抽出し,引用商標1と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
ウ 以上によれば,本件商標は,その要部である「RiRi」の文字部分に相応して「リリ」の称呼を生じ,これより特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は,「RIRI」の欧文字を横書きしてなるものであるから,その構成文字に相応して「リリ」の称呼を生じ,これより特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標1との類否について
本件商標の要部である「RiRi」の文字部分と引用商標1「RIRI」とを比較すると,両者は,書体及び大文字と小文字との違いなどの相違点を有するとしても,そのつづりを同じくするものであるから,外観については類似するといえる。また,両者の称呼は,「リリ」であって同一である。さらに,両者は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念については比較することができない。
そうすると,本件商標の要部である「RiRi」の文字部分と引用商標1とは,観念において比較することができないとしても,外観において類似し,称呼が同一であるから類似の商標と認められる。
したがって,本件商標と引用商標1とは,互いに類似する商標であるといえる。
(4)本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品との類否について
本件商標の指定商品中の第25類「洋服,コート,セーター類,ドレス,下着,水泳着,靴下,毛皮製ストール,手袋,マフラー,帽子,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は,引用商標1の指定商品である第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」とは同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標1と類似する商標であって,かつ,本件商標の指定商品中の第25類「全指定商品」は,引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)本件商標権者の主張について
本件商標権者は,「RiRicollection」は,日本国内で商標登録をしており,使用することができなくなることは納得できない,「RiRicollection」をインターネット検索してもほとんど本件商標権者の関連のものであり,日本国内では「RiRicollection」と「RIRI」を比べても,「RiRicollection」の認識度の方が高いといえる旨主張する。
しかしながら,商標登録の異議申立制度は,商標登録に対する信頼を高めるという公益的な目的を達成するために,登録異議の申立てがあった場合に特許庁が自ら登録処分の適否を審理し,瑕疵ある場合にはその是正を図るというものであるところ,本件商標については,上記のとおり,登録異議の申立てがあり,その理由を審理した結果,本件商標と引用商標1は類似するものであり,かつ,本件商標の指定商品中の第25類「全指定商品」は,引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品に使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当すると判断したものである。
(1)「RIHANNA」の略称としての「RIRI(RiRi)」及び引用商標の周知性について
ア 申立人の提出した証拠(本件商標の登録査定前のものに限る。)及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(ア)「RIHANNA(リアーナ)」は,本名を「Robyn Rihanna Fenty」と称する,2005年(平成17年)にデビューした米国女性音楽アーティストである(甲5,39,41,42)。
(イ)2012年(平成24年)12月の「OK!JAPAN」のウェブサイトにおいて,リアーナの愛称が「RiRi」と紹介された(甲43)。
(ウ)2013年(平成25年)4月22日ないし同年9月11日にインターネット記事において,リアーナの愛称「RiRi」のサインが刻印されたリップスティックが紹介された(甲45〜47,49〜55)。
(エ)2015年(平成27年)7月21日ないし同月22日にインターネット記事において,リアーナの愛称「RiRi」を付したフレグランスが紹介された(甲56,57)。
(オ)申立人は,米国,オーストラリア,チリ,メキシコ,サウジアラビア,スイス,台湾,香港,ロシア,クウェート,ジャマイカ等の国で「RIRI」の商標登録を受けている(甲58)。
イ 上記アによれば,「RIHANNA」は,2005年(平成17年)にデビューした米国女性音楽アーティストであるが,本件商標の登録出願前に我が国において,「RiRi」が,同アーティストの略称として,あるいは商品「リップスティック,フレグランス」に付された商標として紹介されたのは,インターネット記事でわずか13回にすぎない。
そうすると,「RIHANNA」の略称としての「RIRI(RiRi)」及び引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間に広く知られていたということはできない。
(2)出所の混同について
上記(1)のとおり,「RIHANNA」の略称としての「RIRI(RiRi)」及び引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
そうすると,たとえ,本件商標が,上記1のとおり,引用商標(引用商標2についても,引用商標1と同様の理由により類似する。)と類似の商標であるとしても,本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合に,取引者,需要者をして引用商標を連想し,又は想起させることはなく,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
申立人は,本件商標は,申立人が知的財産権の所有・管理を行う世界的音楽アーティストRobyn Rihanna Fenty氏の芸名「RIHANNA(リアーナ)」の著名な略称である「RIRI(RiRi)」の文字を含むものであり,かつ,同人の同意を得ているとは認められない旨主張する。
しかしながら,上記2(1)のとおり,「RIRI(RiRi)」の文字は,女性音楽アーティスト「RIHANNA」の略称として,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
したがって,本件商標は,他人の著名な略称を含む商標ということはできないから,商標法第4条第1項第8号に該当しない。
以上のとおり,本件商標の登録は,本件登録異議の申立てに係る指定商品中,「結論掲記の指定商品」について,商標第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
しかし,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については,その登録を取り消す理由がないから,商標法第43条の3第4項の規定により,その登録は維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
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