結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2018−900284(T2018−900284/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第6058218号商標(以下「本件商標」という。)は、「トマスコ」の文字を標準文字で表してなり、平成29年9月27日に登録出願、第29類「加工野菜及び加工果実」を指定商品として、同30年5月17日に登録査定、同年7月6日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、申立ての理由において,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次の2件であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標と引用商標1は、外観及び称呼を共通にするから、同一又は類似のものである。
本件商標の指定商品は「加工野菜及び加工果実」であるところ、引用商標1の指定商品のうち「ソース(調味料)」や「甘辛ソース(調味料)」は、野菜や果実を加工して製造されるものを含み、現に申立人と本件商標の使用者が製造販売している製品は、いずれもトマトを加工して製造され、原材料、用途、需要者、販売方法を共通にする製品である。また、両指定商品は、同一企業が製造販売している実情も存在する。
したがって、両指定商品は、同一又は類似の商標が当該商品に使用されたときに、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められるから、類似の商品である。
また、引用商標の指定商品のうち「トマトジュース」は、野菜であるトマトを加工して製造されたものであるから、「加工野菜及び加工果実」の範ちゅうに入るものであり、いずれも同一企業が製造販売している実情も存在する。
したがって、両指定商品は、同一又は類似の商標が当該商品に使用されたときに同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められるから、類似の商品である。
本件商標と引用商標2は、称呼を共通にし、外観においても近似した印象を与えるので、両商標の類似性は高い。
本件商標の指定商品は「加工野菜及び加工果実」であるところ、引用商標2の指定商品のうち「飲料用野菜ジュース」は、野菜を加工して製造されたものであるから、「加工野菜及び加工果実」の範ちゅうに入るものであり、両商品について同一企業が製造販売している実情も存在する。
したがって、両指定商品は、同一又は類似の商標が当該商品に使用されたときに同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められるから、類似の商品である。
審判長は、商標権者に対して、「本件商標は、その指定商品中、第29類『加工野菜及び加工果実』に含まれる『調理用野菜ジュース』についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。」旨の取消理由を令和元年7月19日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
商標権者は、上記第4の取消理由に対し、何ら意見を述べていない。
(1)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり「トマスコ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「トマスコ」の称呼を生じること明らかであり、また、当該文字は、辞書等に載録がなく、特定の意味合いを有する成語として一般に親しまれているとも認められないものであるから、一種の造語と理解される。
そうすると、本件商標は、これより「トマスコ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標1は、上記第2、1のとおり「トマスコ」の文字を横書きしてなるところ、これより「トマスコ」の称呼を生じること明らかであり、また、当該文字は、上記アと同様に、一種の造語と理解される。
そうすると、引用商標1は、これより「トマスコ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
また、引用商標2は、上記第2、2のとおり、「TOMASCO」の欧文字及び「トマスコ」の片仮名を二段に横書きしてなるところ、下段の片仮名が上段の欧文字の読みを特定したものとみるのが自然であることから、これより「トマスコ」の称呼を生じる。
そして、「TOMASCO」の文字は、辞書等に載録がなく、特定の意味合いを有する成語として一般に親しまれているとも認められないことから、一種の造語と理解される。
そうすると、引用商標2は、これより「トマスコ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、上記ア及びイの構成からなるところ、いずれもその構成中に「トマスコ」の文字を有し、また、いずれも「トマスコ」の称呼を共通にし、特定の観念を有しない造語である。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの、称呼及び外観において互いに紛れるおそれがあるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある同一又は類似の商標というべきである。
(2)本件商標に係る指定商品中の「調理用野菜ジュース」と引用商標1に係る指定商品中「トマトジュース」及び引用商標2に係る指定商品中「飲料用野菜ジュース」の類否について
ア 「調理用野菜ジュース」と「飲料用野菜ジュース」とは、用途が表示されてはいるものの、両者ともに「野菜ジュース」であって、「調理用語辞典」(社団法人全国調理師養成施設協会編、平成10年3月14日、第一版第17刷発行)の「やさいジュース【野菜−】」の項に「トマト、セロリ、ニンジン、キャベツなど生食できる野菜を搾ったジュース.野菜は単品でも組み合わせても良い.」の記載があることからすれば、「野菜ジュース」には「トマトジュース」も含まれるといい得るものであるから、「調理用野菜ジュース」、「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」は、いずれも「野菜ジュース」であって、野菜を原材料とするものである。
イ 「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」が、同一のメーカーにより製造、販売されている事実
(ア)「カゴメ株式会社」のホームページにおいて、「業務用常温商品」の項に「トマト100%飲料」「野菜100%飲料」が掲載されている(甲4の1)。
(イ)「キッコーマン株式会社」のホームページにおいて、「デルモンテ」の「商品ラインアップ」中に、「トマト飲料」として「デルモンテ 食塩無添加トマトジュース」「デルモンテ トマトジュース」「デルモンテ リコピンリッチ トマト飲料」「デルモンテ みんなのトマト」「デルモンテ 食塩無添加トマトジュース桃太郎ブレンド」「デルモンテ 国産 旬にしぼったトマトジュース」が掲載されており、さらに「野菜飲料」として「デルモンテ 食塩無添加野菜ジュース」「デルモンテ 野菜ジュース」「デルモンテ あらごしベジタブルリッチ 野菜飲料」が掲載されている(甲7の2)。
ウ 「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」が、調理に使用されている事実。
(ア)「キッコーマン株式会社」のホームページ(https://www.kikkoman.co.jp/homecook/search/recipe/00006507/index.html)における、「野菜ジュースリゾットのレシピ・つくり方」において、「材料(2人分)」の項に「デルモンテ・野菜ジュース(食塩無添加) 大さじ4」及び「デルモンテ・野菜ジュース(食塩無添加) 400ml」の記載がある。
(イ)「キューピー株式会社」のホームページ(https://www.kewpie.co.jp/recipes/recipe/QP10002983/)における、「トマトジュースで!ガスパッチョ」において、「材料(2人分)」の項に「トマトジュース 200ml」の記載がある。
(ウ)「キリン株式会社」のホームページ(https://www.kirin.co.jp/products/softdrink/mutenkayasai/recipelist.html)において、「野菜ジュースでつくる特製ごちそうレシピ」の項に「飲んでおいしいだけじゃない『キリン 無添加野菜 48種の濃い野菜100%』は、(中略)閉じ込めているから、料理にもぴったり!」の記載がある。
エ 以上、アないしウによれば、「調理用野菜ジュース」、「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」は、いずれも「野菜ジュース」であって野菜を原材料とする点において共通にし、その需要者は一般消費者であるから需要者の範囲も共通にする。また、「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」は、同じメーカーにより製造・販売されていることから、これらと同じ「野菜ジュース」の範ちゅうである「調理用野菜ジュース」についても、製造者・販売者を共通にする場合があるといえる。さらに、「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」は、飲料用はもとより調理用としても使用される商品であることから、これらを調理用として使用するときには「調理用野菜ジュース」と用途を共通にするものである。
オ そうすると、いずれも「野菜ジュース」の範ちゅうである、「調理用野菜ジュース」、「飲料用野菜ジュース」及び「トマトジュース」は、通常同一営業主により製造、販売される場合があるといえ、商品の原材料及び用途並びに需要者を共通にするものであり、これらを総合的に考察すれば、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一の営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められるものであるから、本件商標の指定商品中に含まれる「調理用野菜ジュース」は、引用商標1の指定商品中の「トマトジュース」及び引用商標2の指定商品中の「飲料用野菜ジュース」と類似するものと判断するのが相当である。
カ なお、申立人は、「加工野菜及び加工果実」と「ソース(調味料)、甘辛ソース(調味料)」はその概念において重なっており、いずれにも該当する商品が存在し、同一の営業主によって製造販売されている実情が存在するから、両者は同一又は類似の商標が使用されたときには、同一の営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるから類似の商品である旨主張している。
しかしながら、本件商標の指定商品「加工野菜及び加工果実」と引用商標1の指定商品中の「ソース(調味料),甘辛ソース(調味料)」の一部に、原材料や製造業者が共通する商品が含まれているとしても、両者は、生産部門、販売部門、品質、用途等において大きく異なるものであって、完成品と部品との関係にもないものであるうえに、申立人が挙げる上記の共通点は、広範な製造業者のうちの限られた一部の製造業者であったり、複数種類の原材料のうちの限られた一部の原材料であったりと、いずれも極めて限定的な共通点であり、商品の一般的、恒常的な取引の実情とはいい難いものである。
したがって、これらを総合的に判断すれば、両者は、同一の営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれはないというべきであるから、非類似の商品と判断するのが相当である。
その他、両者が類似すると判断すべき事情は見いだせない。
(3)小括
以上よりすれば、本件商標と引用商標とは、同一又は類似の商標であり、また、本件商標の指定商品中の「調理用野菜ジュース」と、引用商標の指定商品中の「トマトジュース」及び「飲料用野菜ジュース」とは類似する商品である。
したがって、本件商標は、その指定商品中「調理用野菜ジュース」については、商標法第4条第1項第11号に該当する。
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第29類「加工野菜及び加工果実」に含まれる「調理用野菜ジュース」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての本件商標の登録は、取り消すべき理由はないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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