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Trademark Appeal Case

ドローン検定の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900238(T2018−900238/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第6058769号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6058769号商標(以下「本件商標」という。)は、「ドローン検定」の文字を標準文字で表してなり、平成28年6月10日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,検定試験の企画・運営又は実施及びこれらに関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,検定試験受験者へのセミナーの開催及びこれらに関する情報の提供,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教材用書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教材用ビデオ・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として、同30年6月5日に登録審決、同年7月6日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第15号及び同項第16号に該当するものであり、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。)を提出した。

以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。

1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本件商標は、構成中の「ドローン」の文字は別名「無人航空機」のことを指し、「無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機の総称。」との意味合いとして既に一般用語として定着している(甲2)のみならず、航空法でも、「ドローン」の別名である「無人航空機」が定義されている。

その他にも、テレビや新聞での報道等で「ドローン」の用語が日常的に使用されていることは、経験則的にも明らかなところであり、「ドローン」という用語自体が法律上も日常生活上も一般的な用語として定着していることは明らかである。

他方、「検定」という用語は「検定試験の略。」として一般的に使用されており(甲3)、「〇〇検定」といえば、「○○の内容についての検定試験」との意味で認識されることは明らかである。

そうすると、本件商標は「ドローン(無人航空機)に関する検定」という意味以外に認識することができず、本件商標の指定役務のいずれに使用したとしても、これに接した取引者・需要者は「ドローン(無人航空機)に関する検定に関連する役務」と認識するにとどまり、本件商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当する。

また、「ドローン(無人航空機)に関する検定に関連する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人は、「ドローン検定」という名称でドローンに関する検定試験を既に実施しているところ、インターネット上で「ドローン検定」と検索すると約58万件の検索結果が表示され、バナーには申立人の情報が掲示されるのみならず、検索上位に表示される「ドローン検定」の公式サイトや検定の申込サイトは、いずれも申立人の実施する「ドローン検定」についてのものである(甲4)。

申立人の実施する「ドローン検定」は、国土交通省との関係でも一定の効力を有するのみならず、民間資格試験として定着しており、認定資格者は約1万3000名にも上る。

申立人の実施する「ドローン検定」については、つり革や新聞等で広告されているのみならず、資格試験情報誌やドローン関係の情報サイトでも受験が推奨され、民間資格試験として定着しているところ、いずれの広告や情報誌でも、申立人が「ドローン検定」の実施主体であることが表示されている。

そうすると、需要者からすると「ドローン検定」といえば、申立人が実施するドローンに関する検定であるとの認識が既に定着しているものといえ、本件商標を申立人以外の者が使用すれば、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるものといえ、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第3 当審における取消理由

当審において、商標権者に対して、「本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、その登録は、同条の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号に該当する。」旨の取消理由を令和元年11月27日付けで通知した。

第4 商標権者の意見

前記第3の取消理由の通知に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号該当性について

(1)本件商標は、前記第1のとおり、「ドローン検定」の文字からなるものであり、その構成文字及び意味合いから、「ドローン」及び「検定」の文字(語)からなるものであると容易に認識されるものである。

そして、「ドローン」の語は、「無人機(人が搭乗せず、遠隔操作又は自動操縦によって航行する飛行機。)。」を、「検定」の語は、「検定試験(特定の資格を与えるべきか否かを検定するため行う試験。)の略。」をそれぞれ意味し(いずれも「広辞苑 第7版」(2018年(平成30年)1月12日発行))、いずれの語も一般に親しまれている語である。

そうすると、本件商標からは、「ドローンに関する検定試験」といった意味合いを容易に認識されるものである。

(2)職権による調査によれば、インターネット上のウェブサイトにおいて、別掲1ないし3のとおりの記載が認められる。

これらの記載及び申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。

ア 「○○に関する検定(試験)」を「○○検定」と称する検定(試験)が多数存在する(別掲1)。

イ ドローンに関する検定・資格がいくつも存在する(別掲2)。

ウ 「ドローン大学校」、「ドローン教習所」及び「ドローンスクール」といったドローンに関する教育機関が存在する(別掲3)。

エ 申立人は、平成27年9月から、「ドローン検定」と称するドローンに関する検定試験を実施している(甲5及び甲8)。

(3)前記(2)で認定した事実によれば、検定試験に係る業界においては、「○○に関する検定(試験)」(○○は、検定試験の対象となるもの)のことを「○○検定」と称することが一般的に行われており、また、ドローンに関する検定・資格がいくつも存在し、そのうち、実際に、ドローンに関する検定試験を「ドローン検定」と称して実施している者が存在することが認められる。

また、各種の検定試験について、当該検定試験の合格のための教育機関が一般に存在し、前記(2)ウのとおり、ドローンに関する教育機関も存在することが認められる。

そうすると、「ドローン検定」の文字(語)は、検定試験に係る業界においては、「ドローンに関する検定試験」といった役務の質を表す語として、当該業界の取引者、需要者に認識されるものと判断するのが相当である。

そして、検定試験に係る業界においては、前述のとおり、当該検定試験の合格のための教育機関が存在することに加えて、検定試験対策としてのテキスト、問題集及びDVD等が制作・販売され、検定試験合格のための知識の教授やセミナーの開催が行われる実情があることは、経験則上明らかであるといえ、また、本件商標の指定役務は、前記第1のとおり、いずれも前述の教育機関、テキスト、問題集、DVD、知識の教授及びセミナーの開催に関連する役務であるといえる。

してみると、「ドローン検定」の文字からなる本件商標は、これをその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該文字を「ドローンに関する検定試験」や当該検定試験用の役務といった役務の質又は用途を表示したものと認識するにすぎないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、役務の質又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、その登録は、同条の規定に違反してされたものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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