Trademark Appeal Case
称呼類似と要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2019−900298(T2019−900298/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第6162632号商標(以下「本件商標」という。)は,「MAHALO SPORT」の文字を標準文字で表してなり,平成29年12月15日に登録出願,第5類,第25類,第28類及び第35類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,令和元年5月27日に登録査定,同年7月19日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下に掲げるとおりであり,現に有効に存続しているものである。
1 登録第5914526号商標(以下「引用商標1」という。)は,「mahal」の文字を標準文字で表してなり,平成28年7月15日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同29年1月20日に設定登録されたものである。
2 登録第6039724号商標(以下「引用商標2」という。)は,「マハ朗」の文字を標準文字で表してなり,平成29年7月7日に登録出願,第35類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として,同30年4月27日に設定登録されたものである。
以下,引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第25類「全指定商品」及び第35類「全指定役務」(以下「申立てに係る指定商品及び指定役務」という。)は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 本件商標について
本件商標は,「MAHALO」の欧文字と「SPORT」の欧文字とを,スペースを空けて横書きしてなるものであり,その称呼は「マハロスポート」又は「マハロスポーツ」である。
そして,本件商標の構成中,「MAHALO」の文字は「ありがとう」を意味するハワイ語であり,「SPORT」の文字は英語由来ではあるが,「スポーツ」としてすでに日本人に浸透した言葉である。
また,本件商標の構成中の「SPORT」の文字部分は,第25類の商品を扱うファッション業界において,本件商標に接する取引者,需要者は,品質表示部分として認識すると考えるのが妥当である。
さらに,本件商標の構成中の「MAHALO」の文字と,「SPORT」の文字とでは,言葉としての認知度があまりに違うため,本件商標に接する取引者,需要者は,「MAHALO」の文字部分と「SPORT」の文字部分とを分離して認識しやすい。
したがって,本件商標は,その構成中,「MAHALO」の文字部分と「SPORT」の文字部分とを分離して観察することが,取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められない。
2 引用商標1について
引用商標1は,欧文字で「mahal」と横書きしてなり,その称呼は「マハル」である。
そして,「マハル」とは,インドの「タージ・マハル」廟の「マハル」のことと考えられ,その意味は「宮殿,邸宅」である。
3 引用商標2について
引用商標2は,「マハ」の片仮名と「朗」の漢字とを合わせて,スペースを空けることなく横書きした商標であり,その称呼は「マハロウ」又は「マハロー」である。
そして,引用商標2の権利者によれば,「マハ朗」とは,「沖縄観光をPRする新たなキャラクター」のことで,その名前の由来は,「感謝する・ありがとう」を意味するハワイ語の「マハロ」であり,本件商標の構成中の「MAHALO」の文字と同じである。
4 本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標と引用商標1との類否について
本件商標の構成中の「MAHALO」の文字部分と,引用商標1とを比較すると,外観においては,本件商標の6文字目の「O」の文字の有無においてのみ相違する。また,称呼においては,3音中の最後の音において「ロ」と「ル」の相違を有するのみで,その相違する「ロ」と「ル」とは,音声学的にはかなり近似する音であるから,両商標は類似している。
(2)本件商標と引用商標2との類否について
本件商標の構成中の「MAHALO」の文字部分と引用商標2とを比較すると,外観は文字種が異なるため相違するが,本件商標から生じる称呼が「マハロ」に対し,引用商標2が生ずる称呼は「マハロー」又は「マハロウ」であり,最後の音を伸ばして発音するか否かのみの違いであるから類似する。また,「MAHALO」又は「マハ朗」の文字から生じる観念も,同一の言葉が由来であり,類似するといえる。
したがって,本件商標と引用商標2は類似する。
5 本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務との類否について
本件商標が第25類で指定する全商品及び第35類で指定する「被服の販売に関するコンサルティング」以外の全役務は,引用商標1が第25類において指定する全商品と類似する。
また,本件商標が第25類において指定する「演劇用被服及び演劇用仮装衣類」以外の全商品及び第35類において指定する全役務は,引用商標2が第35類において指定する「トレーディングスタンプ又はポイント蓄積式カードの発行システムに関する調査・導入・助言及び情報の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,前記第1のとおり,「MAHALO SPORT」の文字からなるところ,その構成中の「MAHALO」の文字は「《ハワイ》ありがとう」の意味を有する語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であるとしても,我が国においては,馴染みがなく,特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるものである。また,構成中の「SPORT」の文字は「スポーツ(全般),運動」等の意味を有する親しまれた語であり,これを構成する各文字が同じ書体で,同じ大きさをもって,等間隔に表されており,全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものである。そして,その構成全体から生じる「マハロスポート」の称呼も,格別冗長ではなく,無理なく一連に称呼し得るものである。
また,本件商標は,その構成中「MAHALO」の文字部分が取引者,需要者に対し,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの,又は,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせない。
したがって,本件商標は,その構成文字全体が一体不可分のものであって,「マハロスポート」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は,前記第2の1のとおり,「mahal」の文字からなるところ,該文字は辞書等に掲載された語ではなく,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。
したがって,引用商標1は,その構成文字に相応した,「マハル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)引用商標2について
引用商標2は,前記第2の2のとおり,「マハ朗」の文字からなるところ,該文字は辞書等に掲載された語ではなく,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。
したがって,引用商標2は,その構成文字に相応した,「マハロウ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(4)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標と引用商標1との類否について
本件商標と引用商標1とを比較してみるに,外観においては,本件商標は,「MAHALO SPORT」の文字からなり,引用商標1は,「mahal」の文字からなるから,両者は,MAHAL(mahal)の後の「O」の文字の有無,「SPORT」の文字の有無に加え,大文字と小文字の違いもあることから,外観上,相紛れるおそれはない。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「マハロスポート」の称呼と引用商標1から生じる「マハル」の称呼とを比較すると,両称呼はその音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。
また,観念においては,本件商標及び引用商標1は共に特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することはできない。
したがって,本件商標と引用商標1とは,観念において比較することができないものであるとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから,両商標が需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,非類似の商標というべきである。
イ 本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2とを比較してみるに,外観においては,本件商標は,「MAHALO SPORT」の文字からなり,引用商標2は,「マハ朗」の文字からなるから,両者は,構成文字の文字種も文字数も異なり,外観上,相紛れるおそれはない。
次に,称呼においては,本件商標から生じる「マハロスポート」の称呼と,引用商標2から生じる「マハロウ」の称呼とを比較すると,両称呼はその音数及び音構成において明らかな差異を有するものであるから,それぞれを称呼するときは,明瞭に聴別し得るものである。
また,観念においては,本件商標及び引用商標2は共に特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することはできない。
したがって,本件商標と引用商標2とは,観念において比較することができないものであるとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから,両商標が需要者に与える印象,記憶,連想等を総合してみれば,両商標は,非類似の商標というべきである。
ウ 小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本件商標の申立てに係る指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務とが同一又は類似する場合があるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく,その登録は,同条第1項の規定に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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