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Trademark Appeal Case

濃い茶の品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−7837(T2019−7837/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「茶,茶飲料」を指定商品として、平成29年3月30日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、当審における令和元年7月19日付け手続補正書により、第30類「カテキン製剤を使用せず、800ppm以上のカテキン量を含有する容器詰茶飲料」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、やや特徴のある毛筆体で『濃い茶』の文字を書してなるところ、この程度の文字の表現方法は、さほど特異なものということはできず、いまだ普通に用いられる方法の域をでない構成態様で書してなるものとみるのが相当である。また、別掲2(1)に示す情報によれば、本願商標の構成中、『濃い』の文字は、おおむね『液体の濃度が高い。味が強い』の意味を、『茶』の文字は、『茶の木の若葉をむして乾燥したもの(湯を注いだ飲料)。』の意味をそれぞれ表す語として広く一般に知られるものであることからすると、本願商標は、全体として、『液体の濃度高い茶(茶飲料)』ないしは『味が強い茶(茶飲料)』ほどの意味合いを生じるものである。そして、別掲2(2)に示す情報によれば、茶(茶飲料)においては、『濃さ』、すなわち、液体(=茶)の濃度の高さや味の強さは、当該商品の品質の特徴の一として捉えられている実情が認められる。そうすると、『濃い茶』の文字を普通に用いられる方法の域をでない構成態様で書してなる本願商標を、その指定商品である『茶,茶飲料』に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、『液体(=茶)の濃度が高い商品』ないしは『味が強い商品』であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に当たるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成態様からなるところ、これよりは、一見して容易に「濃い茶」の文字を毛筆風の書体で表したと看取、把握されるものといえ、また、その構成中、「濃い」の文字は、「液体の濃度が高い。(味・香・化粧などが)淡泊でない。濃厚である。」等の意味を有する語、「茶」の文字は、「茶の若葉を採取して製した飲料。」等の意味を有する語(各語の意味については、「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店)から引用。)として、いずれも一般に慣れ親しまれたものであり、当該「茶」の文字については、本願の指定商品との関係において、「茶飲料」であることを表したものといえる。

そして、茶飲料を取り扱う業界においては、カテキン(「ポリフェノールの一種で、紅茶・緑茶の渋み成分。」(「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店)から引用。))の含有量を増やすなどして、通常の緑茶飲料より濃度が高く、濃い味わいとした緑茶飲料について、緑茶飲料における風味の1種として一定の市場が形成されており、その特長を表すために「濃い」の文字が用いられている実情がある(別掲2(2)の原審において示した情報及び別掲3に示す事実参照)。

また、茶飲料を取り扱う業界においては、別掲4に示す例によれば、商品ラベル上の表記について毛筆風の書体を用いることが一般的に行われているといえる。

そうすると、本願商標は、「濃い茶」の文字を一般的に用いられる毛筆風の書体をもって表してなるものであり、本願の指定商品について使用するときは、取引者、需要者をして、「濃度が高く、濃い味わいの茶飲料」ほどの意味合いを表したものと認識されるにとどまるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、本願の指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

イ 請求人の主張について

(ア)請求人は、原審説示のような意味合いで業界内において普通に使用される表現は、「濃いお茶」という言い回しか見当たらない(甲27)ところ、「お茶」の文字は、茶葉と茶液の両方を指示できるのに対して、「茶」の文字は、茶葉のみを指示できると考えられていることから、「濃い茶」における「濃い」は、味や風味等を表す表現の一つに該当するものの、「濃い茶」における「茶」は、茶液でなければならず、両者は修飾関係にはあり得ないため、「濃い茶」は、本来は修飾関係にない独立した2語が合成して成立した造語と捉えるべきである旨主張する。

しかしながら、「茶」の文字は、上記アで述べたとおり、「茶の若葉を採取して製した飲料。」等の意味を有する語として、一般に慣れ親しまれたものであるから、当該文字を商品「容器詰茶飲料」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該文字から「茶葉」を認識するというよりは、むしろ「茶飲料」であることを認識するというのが自然であり、このことは、例えば、「茶」の文字をラベル上に目立つように付してなる商品があることによっても是認される(別掲3の(8)及び(9)参照)。

また、「茶」の文字が上記の語義をもって一般に慣れ親しまれているものである上、通常の緑茶飲料より濃度が高く、濃い味わいとした緑茶飲料が普通に販売され、その特長を表す語として「濃い」の文字が用いられているといった実情を鑑みれば、商品「容器詰茶飲料」について、「濃い」の文字に「茶」の文字を組み合わせたものを使用した場合と「濃い」の文字に「お茶」の文字とを組み合わせたものを使用した場合との間で、それぞれが別異の商品であるとの認識がされるとはいい難い。

したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。

(イ)請求人は、緑茶(緑茶飲料)の分野では、その商標として漢字が用いられることは多く、例えば、競合他社の商品パッケージ上に表された商標のいずれも漢字のみから構成されているが、その書体が明朝体等のごく普通のものであるため、その商標は、特徴のない態様からなるものである(甲37)のに対し、本願商標を構成する「濃い茶」の文字は、漢字と平仮名との組合せからなるものであるが、全体的に肉太の手書きによる毛筆書体から構成された特徴のある態様といえるものであって、全体として重厚かつ躍動感のある動的な印象を看取させるものであり、看者に、一品制作としての書道のごとく、独立して美的鑑賞の対象となり得るほどの創造的形象としての印象を与えるものであるから、本願商標に係る肉太の毛筆体による書体は、業界内において認識されている「普通に用いられている方法」の域を完全に超えているものである旨主張する。

しかしながら、本願商標が、その構成態様に照らし、一見して容易に「濃い茶」の文字を毛筆風の書体で表したと看取、把握されるものといえることに加え、本願の指定商品を含む茶飲料を取り扱う業界において、商品ラベル上の表記について毛筆風の書体を用いることが一般的に行われていることをも併せ考慮すると、本願商標の表現方法の細部において特徴があるとしても、その全体の構成態様は、いまだ普通に用いられる方法の域を脱するものではないというべきである。

したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。

(2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて

請求人は、仮に、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、本願商標は、請求人が使用をした結果、現在では需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができる状態に至っており、同法第3条第2項の規定により登録されるべきものである旨主張し、その主張の裏付けとして、原審ないし当審を通じて、甲第14号証ないし甲第19号証、甲第29号証ないし甲第33号証及び甲第36号証ないし甲第72号証を提出している。

そこで、請求人の主張及び同人の提出に係る甲各号証に基づいて、本願商標が商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものであるか否かについて、以下検討する。

ア 本願商標と使用に係る商標との同一性

本願商標は、別掲1のとおり、「濃い茶」の文字を毛筆風の書体で表してなるものである。

他方、請求人が、自己の製造、販売に係る茶飲料(「お〜いお茶」ブランド)のうち、「茶葉を多めに使用し(※)、濃く、キレの良い渋みのある味わいでカテキン量を2倍(※)含有した・・・(※)当社緑茶飲料比」(甲14)ものについて使用する商標(以下「使用商標」という場合がある。)は、「濃い茶」の文字をおおむね本願商標と同様の毛筆風の書体で表し、かつ、黄色ないし金色で彩色してなるものである(甲14〜甲16、甲19、甲29、甲32、甲38〜甲53、甲56、甲57、甲63、甲66〜70)ところ、商標の使用に当たり、文字を彩色することは、一般に広く行われていることであり、また、当該使用商標が上記のように彩色されていることにより、看者に対し、本願商標と著しく異なる印象を与えるともいい難い。

そうすると、本願商標と使用商標とは、実質的に同一性を有する商標といえる。

イ 使用期間

請求人は、使用商標に係る商品として、2014年(平成26年)5月に、自己の製造、販売に係る「お〜いお茶」と称する茶飲料の刷新商品の1つであって、「お〜いお茶 濃い味」から名称変更した「お〜いお茶 濃い茶」(2Lペットボトル、1Lペットボトル、525mlペットボトル、350mlペットボトル、320mlペットボトル、295mlペットボトル、280mlペットボトル、190g缶、250ml紙パック)と称する商品の販売を開始した(甲14、甲54〜甲56。以下、これらをまとめて「本件商品」という。)。

そして、本件商品は、販売開始以降、現在に至るまで、その包装容器又はパッケージや、容量等において数次にわたる変更がなされたものの、継続して販売されていることが認められる(甲15〜甲19、甲29、甲30、甲32、甲33、甲38〜甲72)。

ウ 使用地域、売上高等

(ア)本件商品の売上額は、株式会社インテージの提供に係る「集計カテゴリー」を「液体茶」とする小売店販売データ(全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、薬局、ホームセンター等、主要小売業態3,954店舗を調査対象に、販売動向をPOSデータで収集したとされるもの。)によれば、2014年(平成26年)5月から2019年(平成31年)4月までの間の各年(5月ないし翌年4月)において、140億円前後であり、その累計売上額は約702億円に上るとされ、2019年(平成31年)5月から9月までの間の各月においても、約12億円から16億円強まで漸増したとされる(甲33、甲72)。また、当該データによれば、本件商品のシェアは、2014年(平成26年)5月から2018年(平成30年)4月までの間の各年(5月ないし翌年4月)において、おおむね3.5%前後であったとされ、2018年(平成30年)5月から2019年(平成31年)3月までの間においても、同程度とされる(甲33)。

なお、請求人は、上記売上金額について、データの性質上、飽くまで請求人が販売した商品の売上金額の一部である旨主張するが、請求人が販売した商品の売上金額の総額は明らかにされていない。

(イ)本件商品の販売数量は、「飲料ブランドブック2019年版」(2019年(令和元年)6月20日、有限会社飲料総研発行)(甲37)によれば、2018年(平成30年)に1,430万ケース(請求人の「お〜いお茶」ブランドに係る小型PETの合計4,910万ケースのうちの約29%)とされる(甲37)。

(ウ)請求人は、日本全国の都道府県に営業所を有しており(甲36)、各営業所から全国の店舗へと本件商品が出荷されていることから、本件商品が全国的に流通していることは明らかである旨主張するところ、甲第36号証からは、請求人が全国的に営業所を有していることは見受けられるものの、そのことのみをもって、直ちに本件商品が全国的に流通しているとはいい難い。

エ 広告宣伝

請求人は、本件商品に関する広告宣伝に関し、ニュースリリース及びテレビCM等を行った旨主張し、全国においてテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、交通機関及びインターネットを介して行った広告宣伝の費用(推定値)について、2014年(平成26年)が約5億円、2015年(平成27年)が約7億円、2016年(平成28年)が約2億円としているが、そのうち、テレビ以外の媒体による広告宣伝に係る事実を示す証拠の提出はない。

(ア)ニュースリリース

請求人は、自己のウェブサイトにおいて、本件商品に関するニュースリリースをその発売当初から掲載している(甲14、甲30、甲38〜甲53、甲68、甲69)ところ、本件商品については、例えば、次のaないしgのように紹介されている。

a 2014年(平成26年)5月8日付けニュースリリースにおいて、「世界初の緑茶飲料発明から30年 新製品の発売から新作TV−CM、キャンペーンなど一斉展開 『お〜いお茶』 2014年5月12日(月)より展開開始」の見出しの下、「株式会社伊藤園・・・は、5月12日(月)に新登場する『お〜いお茶 緑茶』と『お〜いお茶 濃い茶』に合わせて、新作TV−CMやキャンペーンなどを同時に展開し、“緑茶飲料発明30年”を全国的に盛り上げ、『お〜いお茶』ブランドのさらなる価値向上を図ってまいります。」の記載とともに、本件商品については、「茶葉を多めに使用し(※)、濃く、キレの良い渋みのある味わいでカテキン量を2倍(※)含有した健康を気にされる方におすすめの緑茶飲料です。 (※)当社緑茶飲料比」と紹介されている(甲14)。

また、同日付けの別のニュースリリースにおいては、「市川海老蔵さんが新登場する『お〜いお茶 濃い茶』の健康カテキン2倍(※)、濃くキレの良いおいしさをお伝えします 新作TV−CM 『朝茶は福が増す』篇 5月14日(水)より放映開始」の見出しの下、「株式会社伊藤園・・・は、『お〜いお茶 濃い茶』のおいしさをお伝えする新作TV−CM『朝茶は福が増す』篇を、5月14日(水)よりオンエアいたします。」の記載とともに、本件商品について、「日本茶飲料を代表する『お〜いお茶』ブランドの中で、濃く渋みのある味わいでお馴染みの“濃い味”が、さらにキレの良い味わいに進化して『お〜いお茶 濃い茶』として新登場。・・・(※)当社緑茶飲料比」と紹介されている(甲30の2葉目)。

b 2015年(平成27年)1月15日付けニュースリリースにおいて、「日本の象徴、『桜』をデザインした特別限定パッケージで新登場 〜『桜』とともに、『お〜いお茶 緑茶』がさらに香り良くおいしくなりました〜 『お〜いお茶』 1月下旬より順次展開」の見出しの下、「株式会社伊藤園・・・は、1985年2月に『お〜いお茶』の前身である世界初の緑茶飲料、『缶入り煎茶』を発売してから30周年を迎えます。・・・このたび発売30周年を記念して、『お茶』と共に日本を象徴する『桜』をデザインした特別限定パッケージの『お〜いお茶 緑茶』『同 濃い茶』525ml・2Lペットボトル、自販機用500mlペットボトルを、1月下旬より順次展開いたします。」の記載とともに、本件商品については、「茶葉を多めに使用し(※1)、濃いめの飲み応えのあるおいしさです。健康成分カテキンを2倍(※2)含有した健康を気にされる方におすすめの緑茶飲料です。 (※1)(※2)当社緑茶飲料比」と紹介されている(甲39)。

c 2015年(平成27年)8月6日付けニュースリリースにおいて、「日本の秋を彩る『紅葉(もみじ)』をデザインした特別限定パッケージで登場 〜ごはんなど秋の味覚とともに、秋を愉しむ日本のお茶 『お〜いお茶』〜 お〜いお茶 8月24日(月)より順次販売開始」の見出しの下、「株式会社伊藤園・・・は、日本の秋を彩る『紅葉』をデザインした、主力の『お〜いお茶 緑茶』525mlペットボトルをはじめとした『お〜いお茶』飲料製品計18品を、8月24日(月)より順次発売いたします。」の記載とともに、本件商品のうち、「525ml、2Lペットボトル」については、その「製品特長」として、「お茶本来の渋みを感じる濃い味わいとキレのある後味、飲み応えのあるおいしさにより販売は好調で、ご好評をいただいております。健康カテキンを2倍(※3)含有した健康を気にされる方におすすめの緑茶飲料です。 (※3)当社緑茶飲料比」と紹介されており、また、「345ml、275mlペットボトル」については、ホット用ペットボトルである「ホット専用 お〜いお茶」(「お〜いお茶 緑茶」「お〜いお茶 濃い茶」「お〜いお茶 ほうじ茶」「お〜いお茶 抹茶入り玄米茶」の4製品)の1種であって、その「製品特長」として、「茶葉をふんだんに使用し、心地よい旨みと渋みの健康カテキン2倍(※3)で健康維持にも好適な緑茶飲料です。」と紹介されている(甲41)。

d 2016年(平成28年)1月14日付けニュースリリースにおいて、「日本の春は、『お〜いお茶』のおいしさから。 今年は、日本が誇る“桜”の代表3品種でパッケージ展開 お〜いお茶 “桜”特別限定パッケージ 1月下旬より順次販売開始」の見出しの下、「株式会社伊藤園・・・は、日本の春を彩る“桜”をパッケージにデザインした『お〜いお茶』ブランド飲料製品(『お〜いお茶 緑茶』『同 濃い茶』『同 絶品ほうじ茶』『京都宇治抹茶入りお〜いお茶』)を1月下旬より販売開始いたします。」の記載とともに、本件商品については、「カテキン量を2倍(※)含有した、緑茶の渋みのある濃い味わいは、朝などシャキッとしたい時におすすめです。 (※)当社緑茶飲料比」と紹介されている(甲43)。

e 2016年(平成28年)6月23日付けニュースリリースにおいて、「『渋み』『後味のキレ』『濃さ』がさらに際立ち、おいしくなって新登場 日本の朝にシャキッと 『お〜いお茶 濃い茶』 7月4日(月)より販売開始」の見出しの下、本件商品について、「株式会社伊藤園・・・は、緑茶本来の渋みのきいた濃いおいしさと健康性を兼ね備えた緑茶飲料『お〜いお茶 濃い茶』を、7月4日(月)より販売いたします。 ◇高温抽出で『渋み』『後味のキレ』『濃度感』アップ 上質、かつカテキンが豊富な国産茶葉を選定し、また『渋み』『後味のキレ』『濃さ』をさらに引き出す高温で抽出した、健康カテキン量2倍(※1)のシャキッとした濃い茶に仕上げました(国産茶葉100%、無香料・無調味)。・・・ (※1)当社緑茶飲料比、健康カテキン420mg(525ml当たり)」と紹介されている(甲44)。

f 2016年(平成28年)7月11日付けニュースリリースにおいて、「山種(やまたね)美術館(※1)監修の『紅葉(もみじ)』パッケージ “日本の秋をもっとおいしく”新作TV−CMやキャンペーンも同時展開 『秋』限定 『お〜いお茶』 8月22日(月)より順次販売開始」の見出しの下、「株式会社伊藤園・・・は、日本の秋を彩る『紅葉(もみじ)』をデザインした『お〜いお茶』を、8月22日(月)より順次発売いたします。」の記載とともに、本件商品のうち、「525ml、2L」については、「製品特長について(コールド製品)」として、「上質、かつカテキンが豊富な国産茶葉を選定し、『渋み』『後味のキレ』『濃さ』をさらに引き出す高温で抽出した、健康カテキン量2倍(※5)のシャキッとするキレの良い後味が朝などに好適な健康緑茶飲料です(国産茶葉100%、無香料・無調味)。 (※5)当社緑茶飲料比」と紹介されており、また、「345ml」については、ホット専用製品(「お〜いお茶 緑茶」「お〜いお茶 濃い茶」「お〜いお茶 ほうじ茶」「お〜いお茶 抹茶入り玄米茶」の4製品)の1種であって、「製品特長について(ホット専用製品)」として、「ホット濃い茶専用茶葉を使用し、心地よい濃厚さと温めて際立つシャキッとした渋みの味わいを実現した、冬の寒い朝などに好適な健康カテキン量2倍(※8)の健康緑茶飲料です(国産茶葉100%、無香料・無調味)。(※8)当社緑茶飲料比」と紹介されている(甲45)。

g 2019年(令和元年)7月25日付けニュースリリースにおいて、「ロングセラー 『お〜いお茶 濃い茶』が、機能性表示食品としてリニューアル 機能性表示食品『お〜いお茶 濃い茶』 8月5日(月)より販売開始」の見出しの下、本件商品については、「株式会社伊藤園・・・は、2004年より販売の『お〜いお茶 濃い茶』(※1)が、新しく機能性表示食品の『お〜いお茶 濃い茶』として、8月5日(月)よりコンビニエンスストア限定でリニューアル販売いたします。新たに展開する機能性表示食品『お〜いお茶 濃い茶』は、上質かつカテキンが豊富な国産茶葉をたっぷり使用し、体脂肪を減らす機能があることが報告されている機能性関与成分のガレート型カテキンが340mg(※2)含まれる抹茶入りの緑茶飲料です(国産茶葉100%、無香料・無調味)。従来の『お〜いお茶 濃い茶』は、40代から50代の男性を中心に支持をいただいていました。今回、機能性関与成分であるガレート型カテキンを340mg含む機能性表示食品として従来製品と味わいを変えずに同一の希望小売価格で発売いたします。・・・ (※1)2004年発売当時は『お〜いお茶 濃い味』 (※2)1,200mlあたり」と紹介されている(甲68)。

(イ)テレビCM

請求人は、本件商品に関するテレビCMを制作し、全国的に放映したとするところ、本件商品に関するテレビCMは、少なくとも2014年(平成26年)5月、2015年(平成27年)5月、2019年(令和元年)9月に放映され、その内容の一部として、使用商標及び本件商品の映像が含まれていることはうかがえるが、その全体の内容は明らかでなく、また、それらの放映に係る具体的な地域及び回数等も明らかでない(甲15、甲30、甲69、甲70)。

なお、請求人は、自己の製造、販売に係る「お〜いお茶」と称する商品のテレビCMを制作し、少なくとも2016年(平成28年)9月、2018年(平成30年)6月に放映され、その内容の一部として、本件商品を含む「お〜いお茶」と称する複数の商品の映像が含まれていることはうかがえるが、その全体の内容は明らかでなく、また、それらの放映に係る具体的な地域及び回数等も明らかでない(甲31、甲32)。

オ 新聞及びインターネットの記事等における紹介

請求人は、新聞及びインターネットの記事等において、本件商品について掲載されている(甲16〜甲18、甲54〜甲67、甲71)とするところ、これらにおいて、本件商品は、例えば、次のaないしgのように紹介されている。

a 2014年(平成26年)5月9日付け「産経新聞」(10面)とされるものにおいて、「『おーいお茶』刷新 伊藤園、ブレンド変更」の見出しの下、「伊藤園は8日、主力のペットボトル飲料『おーいお茶』など2品目を刷新し、12日に発売すると発表した。」の記載とともに、本件商品については、「『おーいお茶』は、従来2〜3割使っていた契約栽培茶葉の比率を5割程度に増してうまみをアップ。同『濃い味』は『濃い茶』に名称変更し、新たに抽出過程で抹茶を加え、うま味と渋みを強化する。」と紹介されており、また、同日付けの「日刊食品通信」(1、7面)とされるものにおいては、「伊藤園『お〜いお茶』刷新、10%増目指す」の見出しの下、「伊藤園は12日から『お〜いお茶 緑茶』『同 濃い茶』を525mlに増量し、全国でリニューアル発売する。」の記載とともに、本件商品については、「『濃い茶』は、商品名を『濃い味』から変更。抹茶を加えることで、キレのある渋みを実現した。同社緑茶飲料比で2倍のカテキン量を含有。」と紹介されている(甲54)。

b 2014年(平成26年)5月12日付け「日経MJ(流通新聞)(15ページ)において、「3万人に宿泊・食事券 緑茶飲料『発明30年』記念 伊藤園」の見出しの下、本件商品については、「濃く渋みのある味が特長の『お〜いお茶 濃い味』は名称を変更し抹茶を加えるなど改良する。・・・商品のリニューアルでは『濃い味』の商品名を『濃い茶』に変更、抹茶を加えて心地よい渋みを実現した。」と紹介されている(甲55)。

c 2015年(平成27年)1月28日付け「読売新聞」(20面)とされるものにおいて、「ロングセラーの理由 お〜いお茶(伊藤園)」の見出しの下、本件商品については、「『お〜いお茶』ブランドには『緑茶』のほか、カテキン含有量が2倍の『濃い茶』や『ほうじ茶』、『玄米茶』などもある。」と紹介されている(甲58)。

d 2016年(平成28年)1月18日更新の「マイライフニュース」において、「伊藤園、“桜”をパッケージにデザインした『お〜いお茶』ブランド飲料製品を発売」の見出しの下、「伊藤園は、日本の春を彩る“桜”をパッケージにデザインした『お〜いお茶』ブランド飲料製品(『お〜いお茶 緑茶』『同 濃い茶』『同 絶品ほうじ茶』『京都宇治抹茶入りお〜いお茶』)を1月下旬から販売する。」の記載とともに、本件商品については、「『お〜いお茶 濃い茶』(国産茶葉100%使用、無香料・無調味)は・・・カテキン量を2倍(同社緑茶飲料比)含有した、緑茶の渋みのある濃い味わいは、朝などシャキッとしたい時におすすめとのこと。」と紹介されている(甲18)。

e 2017年(平成29年)8月4日更新の「マイライフニュース」において、「伊藤園、日本の秋を彩る『紅葉(もみじ)』をデザインした『お〜いお茶』を発売」の見出しの下、「伊藤園は、日本の秋を彩る『紅葉(もみじ)』をデザインした『お〜いお茶』を、8月21日から順次発売する。」の記載とともに、本件商品については、「今回は・・・『お〜いお茶 緑茶』『同 濃い茶』『氷水出し 抹茶入り お〜いお茶』『お〜いお茶 ほうじ茶』『同 抹茶入り 玄米茶』で展開する。」と紹介されている(甲17)。

f 2018年(平成30年)4月26日付け「日本経済新聞」(電子版)において、「伊藤園、『お〜いお茶 緑茶/濃い茶/ほうじ茶』を発売」の見出しの下、本件商品については、「株式会社伊藤園・・・は・・・『お〜いお茶 緑茶』『同 濃い茶』、また近年注目が集まる『同 ほうじ茶』を、5月7日(月)より順次発売いたします。」と紹介されている(甲67)。

g 「LOHACO」の通販ウェブサイトにおいて、「機能性表示食品の人気ランキング」(2019年(令和元年)12月22日更新)の見出しの下、本件商品については、第1位(525ml入り6本)、第2位(2L入り6本)、第3位(525ml入り24本)及び第10位(1L入り12本)にランキングされるとともに、いずれも「あのお馴染みの『おーいお茶 濃い茶』が機能性表示食品を取得しました。■鮮度茶葉に抹茶を加えた濃いめの緑茶飲料です。茶葉たっぷり、健康ガレート型カテキン2倍含有(当社主要緑茶飲料比)。」と紹介されている(甲71)。

カ 小括

上記アないしオによれば、請求人は、本件商品について、2014年(平成26年)5月の発売以降、現在に至るまで、本願商標と同一性を有する商標といえる使用商標を継続して使用しており、また、本件商品に関する広告宣伝として、自己のウェブページへのニュースリリースの掲載やテレビCMの放映を行ってきたとはいえるものの、その広告宣伝においては、本件商品の紹介に当たり、その発売当初から継続的に、「濃く、キレの良い渋みのある味わい」「濃いめの飲み応えのあるおいしさ」「濃い味わい」といった記述がされている。

また、通販ウェブサイトにおいても、本件商品について、「濃いめの緑茶飲料」と紹介されている。

さらに、本件商品は、請求人によるニュースリリースやテレビCMのほか、新聞等の記事においても、請求人の製造、販売に係る「お〜いお茶」と称する茶飲料における風味の1種として看取、把握されるように、当該「お〜いお茶」と称する茶飲料に係る「緑茶」「ほうじ茶」「玄米茶」等とともに紹介される場合がしばしば見受けられる。

そうすると、本件商品は、2014年(平成26年)5月以降、小売店を通じて販売され、その累計売上額が2019年(平成31年)4月までに約702億円に上るものであるとしても、その販売期間は、さほど長いものではなく、また、本件商品に係る請求人による広告宣伝活動や新聞及びインターネットの記事等における紹介の内容を鑑みれば、これに接する需要者は、本件商品について使用されている「濃い茶」の文字については、その使用によってもなお、「濃度が高く、濃い味わいの茶飲料」ほどの意味合いを表したもの、すなわち、本願の指定商品との関係において、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。

してみれば、本願商標は、その使用状況を考慮しても、いまだ需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになっているとは認められない。

キ 請求人の主張について

請求人は、自己の所有に係る「カテキン緑茶」の文字を標準文字で表してなる登録第6090010号商標を引用した上で、当該登録商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとして登録されたものであるところ、本件商品の約5年弱の期間の売上額は、当該登録商標に係る商品の8年間の合計売上額である188億2,118万円の約3、7倍の金額に相当するものであるし、本願商標が特徴のある毛筆書体であることからすれば、少なくとも使用による識別力獲得を容認されるべきである旨主張する。

しかしながら、本願商標と請求人が引用する登録商標とは、商標の構成態様において別異のものである上、本願商標が、その指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当すること、上記(1)のとおりであり、また、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かは、使用期間の長短や売上額の多寡といった観点のみならず、例えば、広告宣伝の方法、回数及び内容や新聞、雑誌又はインターネットにおける記事等の掲載の回数及び内容といった商標の使用状況を踏まえた需要者の認識を推し量って判断すべきところ、本願商標が、その使用状況を考慮してもなお、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになっているとは認められないこと、上記(2)カのとおりである。

したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、かつ、同条第2項に規定する要件を具備するものとも認められないから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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