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Trademark Appeal Case

スマートアグリの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−12802(T2019−12802/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「SMART AGRI」の文字を標準文字で表してなり,第9類に属する「電気通信機械器具,アプリケーションソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,データ通信端末機用プログラム,携帯情報端末,携帯情報端末機用プログラム,身体に装着可能なコンピュータ,遠隔監視システム用サーバコンピュータ,携帯情報端末用のコンピュータアプリケーションソフトウェア,タブレット型コンピュータ用アプリケーションソフトウェア」及び第42類に属する「農業技術に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの提供,遠隔通信ネットワーク用電子計算機プログラムの設計・作成又は保守,通信を用いて行う携帯電話機用のコンピュータプログラムの提供」を指定商品及び指定役務として,平成30年5月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において,「本願商標の構成中,『SMART』の文字部分は,『高性能の,賢い』(科学技術英和大辞典第2版 株式会社オーム社発行)等の意味を有する語であり,『AGRI』の文字部分は,『農業(用)の』(ランダムハウス英和大辞典第2版 株式会社小学館発行)の意味を有する語である。また,情報システムや各種の装置・設備に高度な情報処理・管理・制御能力を搭載することを『スマート化』と称し,スマート化したものを『スマート○○』と称している実情もあることから,本願商標全体として,『賢い農業,スマート化した農業』ほどの意味合いを認識させる。なお,「AGRI」又は「アグリ」の語は,「農業」を表す「アグリカルチャー【agriculture】」の略語として一般に使用されている。そして,この商標登録出願に係る指定商品及び指定役務と関連のある農業の分野において,『スマートアグリ』と称されたIT(情報技術)を活用した農業が注目を集めており,農業のスマート化のためのシステムやサービスが取り扱われている実情において,『SMART AGRI』の文字からなる本願商標に接する取引者,需要者は,『IT(情報技術)を活用した農業』という具体的な意味合いを認識することも少なくない。そうすると,本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,当該商品及び当該役務が『IT(情報技術)を活用した農業に関する商品及び役務』又は『IT(情報技術)を活用した農業のための商品及び役務』であると認識するにとどまり,本願商標は,単に商品の品質及び用途,役務の質及び用途を普通に用いられる方法で表示したものといわざるを得ない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は,「SMART AGRI」の文字を標準文字により表してなるところ,近年,農業分野においても,本願の指定商品及び指定役務と関連の深いIT(情報技術)等の先進技術を活用して生産管理や品質,生産効率などの向上を実現する新たな農業の取組やあり方が注目されている。

そのような実情において,「AGRI」(「Agri」の文字も含む。以下同じ。)の文字又は当該文字に通ずる「アグリ」の文字が,「Agriculture」(農業)の略語として記載されており(別掲1),また,実際に「SMART AGRI」又は「スマートアグリ」の文字が「IT(情報技術)を活用した農業」ほどの意味で広く一般に使用されている(別掲1及び2)。

そうすると,本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,当該商品・役務が「IT(情報技術)を活用した農業に関する商品・役務」又は「IT(情報技術)を活用した農業のための商品・役務」であると認識するにとどまるものといわざるを得ない。

したがって,本願商標は,商品の品質及び用途,役務の質及び用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ないから,商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は,「本願商標が『SMART AGRICULTURE』の表記であった場合には,『SMART』は『AGRICULTURE』を修飾し『賢い農業,スマート化した農業』のように具体的な意味合いを認識するかもしれないが,本願商標は『形容詞+接頭語』から構成されるものであり,その語彙からは賢い農業全体に関する何か,また,スマート化した何かしらの農業に関するものを表す程度のもので,本願商標全体として極めて漠然とした広範な意味を生ずる。よって,本願商標の指定商品・指定役務との関連において一定の品質を表示するものとして一般取引者,需要者に認識されるものではない。」旨主張している。

しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,当該商品・役務が「IT(情報技術)を活用した農業に関する商品・役務」又は「IT(情報技術)を活用した農業のための商品・役務」であると認識するにとどまるものであるから,本願商標は単に商品の品質及び用途,役務の質及び用途を普通に用いられる方法で表示するものといわざるを得ない。

イ 請求人は「判例,審決及び過去の登録例からみても本願商標は一定の品質を表示するものとして取引者,需要者に認識されるものではない。」旨主張している。

しかしながら,本願商標が,自他商品役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否かは,商標の構成,指定商品又は指定役務,取引の実情等を踏まえて,当該商標ごとに個別に判断されるべきものであるから,請求人が主張する判例,審決及び過去の登録例があるとしても,本願商標の上記判断が左右されるものではない。

ウ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。

(3)まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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