結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2019−7787(T2019−7787/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第25類「洋服,帽子,その他の被服,ベルト,靴類,サンダル靴,その他の履物」を指定商品として、平成29年10月18日に登録出願されたものである。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6061674号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり、平成29年10月4日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,仮装用衣装」並びに第14類、第18類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同30年7月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、原査定は、引用商標の構成中「Arts and Crafts」の文字部分を分離抽出し、これと本願商標とは類似するから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
引用商標は、別掲2のとおり、同じ装飾図形を、1つ分の図形の高さ程度の空間を介して、上下対称に配し(以下「上下対称図形」という。)、上下対称図形の間の空間に、中央揃えで「Arts and Crafts」(「and」の欧文字はやや小さく表されている。)及び「MashuKashu」(「Arts」及び「Crafts」の欧文字に比して小さく表されている。)の欧文字を2段に横書きしたものを配した構成からなるものであるから、その構成全体がまとまりよく一体的なものとして看取、把握されるものである。
そして、引用商標の構成中「Arts and Crafts」の欧文字は、「Arts」、「Crafts」の各語は「美術」、「工芸」の意味を有する英語であるから、当該欧文字部分は、「美術と工芸」ほどの意味合いを認識させるものである。また、「arts and crafts(アーツアンドクラフツ)」の語は、「イギリスのウイリアム・モリス(1834〜96年)のデザインに対する考え方を中心にして、1880年代以降、モリスの死後も、イギリスで展開された美術工芸運動・・・手工芸的な生産を提唱した。」(「現代用語の基礎知識 2019」株式会社自由国民社発行)を意味する語であるが、指定商品と関連のあるファッション業界においては、例えば、「arts and crafts movement・・・ウイリアム・モリスらを中心に興った『美術工芸運動』のこと。・・・機械による大量生産の方向に反対して、手仕事を重視し、工芸を芸術にまで高めようとした芸術家たちの運動の総体を指す。後のアールヌーボーにつながる芸術・デザイン上の大きな動き。」(ファッション大辞典(繊研新聞社発行 初版))との記載があり、さらに、商品のコンセプトや社名の由来などに用いられている語である。
そうすると、引用商標の構成中の「Arts and Crafts」の欧文字部分は、その指定商品との関係では、商品のコンセプトや社名の由来などにも用いられる前記美術工芸運動を認識させるものであり、そのため、当該文字部分は商品の出所識別標識としての機能を有しないか極めて弱いものというべきであるから、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものとみるのが相当である。
してみると、引用商標は、その構成中の「Arts and Crafts」の文字部分を抽出し、この部分だけを本願商標と比較して、本願商標と引用商標の類否を判断することは許されないというべきである。
したがって、引用商標について、その構成中の「Arts and Crafts」の文字部分を要部として取り出し、その上で,本願商標と引用商標とが類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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