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Trademark Appeal Case

位置商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−891(T2018−891/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第32類「炭酸飲料,その他の清涼飲料」を指定商品として、平成27年6月12日に位置商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、商品の包装瓶の、上部及び下部において配された立体的形状からなるところ、商品の包装瓶(容器)は、商品の魅力を向上させるため又は利便性向上等のため、様々な形状が採択、使用されている実情があることからすれば、本願商標は、商品の包装瓶(容器)の形状としては、通常採択し得る形状の一部を認識させるものである。そうすると、本願商標に接する需要者は、単に商品の魅力を向上させるため又は利便性向上等のために採用し得る包装の一形状を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるというのが自然である。したがって、本願商標は、商品の包装の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、出願人らは、50年以上にわたり継続的に本願商標を使用して清涼飲料を販売しているところ、その使用に係る商品は、2016年6月、8月、10月等において清涼飲料の販売本数第1位を記録するなど、毎年多くの販売数量を誇る商品であること、その使用に係る商品の宣伝広告は、販売開始直後から現在まで継続して、出演者に包装瓶を持たせるなど、本願商標が需要者に強く印象付けられるような態様で行っていること、いわゆる『パロディー商品』が多数販売されていること、調査会社が行った本願商標の認知度に関するアンケートによれば、全体の74%が本願商標から想起する商品名として『オロナミンC』を挙げたこと等から、本願商標が自他商品の識別標識として十分に機能している旨主張する。しかしながら、出願人らが提出した資料によれば、本願商標を構成する立体的形状が、商品の包装容器において、本願商標のとおりの各位置に使用されており、当該包装容器を著名なタレントに持たせるなどして商品の宣伝広告を広く行っている様子もうかがえるが、いずれも需要者の注意を強くひくように、包装容器の胴体部分に貼られた赤や金のラベルを背景に『オロナミンC』の文字が目立つように使用されており、また、『パロディー商品』と称するものは、いずれも茶色の瓶の胴体部分に赤いラベルが貼られたものであって、そのような態様が上記請求人らの使用に係る商品を想起させると考えられている様子がうかがえ、さらに、アンケートについては、その実施方法の適切性に疑義があることから、本願商標を使用した商品の販売期間や販売実績、宣伝広告の状況を踏まえても、この商標登録出願の出願商標部分のみで独立して識別力を有するに至っているということはできず、同法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

請求人は、本願商標について、本願の指定商品との関係においては、生来的に識別性を有しないとはいえず、自他商品の識別標識として十分に機能するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものではなく、仮に、同号に該当するとしても、50年以上にわたる長期的かつ継続的な使用により、関連する取引者、需要者に広く知られているものであるから、同条第2項の規定により、登録されるべきものである旨主張し、その主張の裏付けとして、原審において提出した資料1ないし資料12を当審における第1号証ないし第12号証としつつ、新たに当審において第13号証を提出している(なお、本審決においては、以下、当該第1号証ないし第13号証について、順次、甲第1号証ないし甲第13号証と読み替えることとする。また、各号証には、枝番号が付されたものがある。枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)。

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 本願商標は、別掲1のとおり、「商標登録を受けようとする商標」の記載及びそれを特定する「商標の詳細な説明」の記載からなる位置商標であるところ、それらの記載内容によれば、本願商標は、本願の指定商品である「炭酸飲料,その他の清涼飲料」の包装瓶であって、茶色で着色されたものについて、次の(ア)ないし(オ)の要素を備えるものであり、かつ、その構成中の緑色に着色された部分については、商品形状の一例を示すにすぎず、商標を構成する要素に含まれないとするものである。

(ア)包装瓶の正面上部に位置する包装瓶口部の蓋に略リング状のプルタブを備えている。

(イ)包装瓶上部の径がすぼまった部分の外周表面の位置に複数の小突起が付されている。

(ウ)上記(イ)の小突起の下側の位置にダイヤ形状の凹凸模様が付されている。

(エ)上記(ウ)の凹凸模様の下側の位置に複数の緩やかな円弧状の膨らみが設けられている。

(オ)包装瓶の下端部外周表面の位置に幅の狭い段部が形成されている。

イ ところで、本願の指定商品である「炭酸飲料,その他の清涼飲料」の包装瓶には、蓋部分に「王冠」や「PPキャップ」と称されるもののほか、本願商標に係る包装瓶の口部の蓋として用いられている略リング状のプルタブに類する形状からなる「マキシキャップ」と称されるもの等を用いることが一般的であり(別掲2)、また、包装瓶の外形としては、縦長のものが多く、包装瓶の上部の表面に凹凸による加工を施したものや包装瓶の下部の表面に幅の狭い段部が形成されているものもあり、さらに、当該包装瓶は、無色透明なもののほか、茶色や緑色に着色されているものもある(別掲3及び別掲4)。

そして、本願商標に係る包装瓶については、例えば、甲第3号証や甲第7号証の8において、「発売当初に採用された王冠式のキャップは、昭和46(1971)年にはスクリューキャップに変更されます。ところが世間を騒然とさせた異物混入事件の発生を受け、昭和61(1986)年、一度開けると閉め直せないマキシキャップに変更。」(甲3)、「例えば発売当初王冠だったキャップは、昭和四六年にはスクリュータイプにすることで栓抜きが不要になった。その後、さらに開けやすいマキシキャップに、さらに平成九年には同キャップの指をかけるリング部分を立体的な樹脂製にと改良された。」(甲7の8)の記載があり(甲5、甲9の9にも同様の記載あり。)、また、甲第7号証の11において、「表面にあしらわれたダイヤカットは、水滴がついた時さらに美しく見えること、ビンや手が濡れている場合でも滑り止めになることから採用された。」の記載があり(甲3、甲5、甲10の2にも同様の記載あり。)、さらに、甲第7号証の20において、「壊れやすいビタミンを光から守るために、茶色いビンを採用しています。」の記載がある(甲3、甲7の1、甲7の11、甲7の14〜甲7の16、甲7の21、甲7の22、甲7の24、甲7の27、甲10の2にも同様の記載あり。)。

そうすると、本願商標に係る包装瓶が備える上記ア(ア)ないし(オ)の要素のうち、(ア)及び(ウ)については、本願の指定商品に係る包装容器(包装瓶)についての機能や美感に資するものとして、通常採用され得るものといえ、また、(イ)、(エ)及び(オ)についても、その位置や形状に照らせば、需要者において、当該包装容器(包装瓶)の機能や美感に資することを目的として選択、採用されたものと予測し得る範囲内のものとみるのが相当であり、さらに、当該包装容器(包装瓶)についてされた着色(茶色)についても、その機能や美感に資するものとして、通常採用され得るものといえる。

してみれば、上記アで述べたとおりの構成態様からなる位置商標としての本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品に係る包装容器(包装瓶)の形状の一形態を表示してなるものと看取、把握するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品を識別するための標識と認識することはないというべきである。

したがって、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて

ア 本願商標は、上記(1)アにおいて述べたとおりの構成態様からなるものであって、「炭酸飲料,その他の清涼飲料」の包装瓶について使用されるものであるところ、請求人の提出に係る甲各号証によれば、本願商標と同一といえる標章は、請求人が昭和40(1965)年に発売した「オロナミンC」と称する炭酸飲料の包装瓶について、昭和61(1986)年以降使用され、同人が平成12(2000)年に発売した「オロナミンC ロイヤルポリス」と称する炭酸飲料の包装瓶についても使用されている(以下、当該昭和61(1986)年以降の「オロナミンC」を「本件炭酸飲料」と、本件炭酸飲料と「オロナミンC ロイヤルポリス」とを合わせて「本件炭酸飲料等」という場合がある。)(甲3、甲5、甲7の33、甲7の38〜甲7の41、甲9の9)。

また、「オロナミンC」の包装瓶の胴部に付された白色のラベル前面には、発売当初から、赤色の略楕円を背景として「オロナミン」及び「C」の各文字を白抜きで二段に表してなるものの下方に黒色の「ドリンク」の文字を配してなる標章が用いられていたが、当該標章の構成中の「ドリンク」の文字については、平成9(1997)年のマキシキャップの材質変更の際に、当該「オロナミン」及び「C」の各文字と同様に白抜きで表されるようになった(甲3、甲7の8)。さらに、「オロナミンC ロイヤルポリス」については、その包装瓶の胴部に付された白色のラベル前面に、金色の略楕円を背景として「オロナミン」、「C」及び「ロイヤルポリス」(又は「ROYALPOLIS」)の各文字を白抜きで三段に表してなる標章が用いられている(甲3、甲7の33、甲7の38〜甲7の41)。

そして、「オロナミンC」は、その包装瓶の大きさや形、商品名ロゴや赤色のラベルについて、例えば、「ひと目でわかる特徴的な商品名ロゴや赤いラベル。」(甲3)、「オロナミンCの目に入りやすい商品ロゴや赤いラベル、濡れても滑らないように施した表面のダイヤカットなどは発売時からほとんど変わらない。」(甲5)、「発売当初から瓶の形やラベルのデザインはほとんど変わっていない。」(甲6)、「特徴的なオロナミンCのロゴ、赤いラベルも、ほとんど変化していない。このラベルは『パッと見てテレビCMで見たオロナミンCだと気付くもの』ということを念頭に、さまざまな試作品があった中から選ばれたのだという。」(甲7の11)、「赤地に白抜きの商品ロゴもボトルデザインも変えておらず、一目見て『オロナミンC』だとわかる。」(甲9の9)、「手になじみやすい大きさとフォルム、美しさに加え濡れても滑らないようにとビン表面にほどこされたダイヤモンドカット、ビタミンを守るための茶色のビンや、ひと目でわかる特徴的な商品名ロゴ、赤いラベル、『元気ハツラツ!』のキャッチコピーも発売当初から現在まで、そのほとんどが変わりません。」(甲10の2)などのように紹介されていることを鑑みれば、その包装瓶のうち、胴部に付された赤色を主とするラベルやそこに表されている商品(名)ロゴが看者に強い印象を与える一方、その表面のダイヤカット(ダイヤ形状の凹凸模様)や瓶の色(茶色)については機能性に係るものとして認識されているとみるのが相当であり、このことは、昭和61(1986)年以降の本件炭酸飲料にも当てはまる。また、「オロナミンC ロイヤルポリス」についても、その包装瓶に付されたラベルの構成態様に照らせば、看者における印象や認識において、当該「オロナミンC」に対するそれと大きく異なることはないとみるのが相当である。

イ 本件炭酸飲料等は、平成21(2009)年の出荷総数が約5億7,000万本であり、平成22(2010)年においても、ほぼ同数の売上げが見込まれるとされる(甲9の9)。

また、「オロナミンC」の累計販売本数は、昭和60(1985)年に100億本、平成7(1995)年に200億本に達し、平成23(2011)年には、累計販売本数が300億本を突破し、年間5億本以上を売り上げているとされる(甲3〜甲6、甲7の4、甲7の5、甲8)。

なお、「オロナミンC」は、平成23(2011)年のいわゆる「エナジー系ドリンク」の市場において、第1位のシェア(32%)とされ、また、POSデータによる「清涼飲料」の売上げランキングにおいて、平成28(2016)年の6月20日から26日まで、8月8日から14日まで、及び10月31日から11月6日までのそれぞれの期間で第1位の金額シェア(当該各期間について、順次、1.57%、1.43%及び1.70%)とされる(甲9の1〜甲9の3、甲9の6)が、後者は、本件炭酸飲料の10本パックについてのものであり、それは、本件炭酸飲料を5本ずつ2列に並べた状態のおおむね全体を覆うように包装されており、その表面には、包装瓶の一部であって、その胴部に付された白色のラベル前面にある赤色の略楕円を背景として「オロナミン」、「C」及び「ドリンク」の各文字を白抜きで三段に表してなるものが目立つように表された絵図や当該赤色の略楕円を背景として「オロナミン」、「C」及び「ドリンク」の各文字を白抜きで三段に表してなる標章等が表示されていることがうかがえる(甲7の16、甲7の22)。

ウ 請求人は、本件炭酸飲料等について、平成28(2016)年11月に、自己の公式通販サイト(甲3)に広告等を掲げていたほか、平成12(2000)年、平成13(2001)年及び平成19(2007)年ないし平成24(2012)年に発行された新聞、雑誌、フリーペーパー等において、タイアップ形式のものを含め、31回の広告を掲載したことが見受けられる(甲7の1、甲7の2、甲7の4、甲7の5、甲7の10、甲7の11、甲7の14〜甲7の16、甲7の18、甲7の20〜甲7の27、甲7の29、甲7の31〜甲7の35、甲7の37〜甲7の41、甲7の45、甲7の46)。

なお、上記広告等においては、上記(1)イで述べたように、本件炭酸飲料の包装瓶が備える本願商標に係る要素が機能や美感に資するために採用されたものと認識させ得る記載を含むものが少なからずある。

エ 請求人は、以下のとおり、調査専門会社に依頼して、平成28(2016)年の10月21日から同月24日までの期間に、「オロナミンCのラベルを提示しない商品パッケージ」の消費者認知度に関するアンケート調査を実施した。この調査は、当該調査専門会社のアンケートサイトの登録モニターに対して、インターネット調査として実施されたものであって、20歳ないし69歳の全国の一般消費者1、168人(男性:592人、女性:576人)を対象として行われたものであり、その調査対象者からは、本人及び同居家族がマスコミ・広告、市場調査及び食品・食品加工業に従事している者が除外されている(甲12)。

(ア)上記調査の具体的方法は、「一般的に『栄養ドリンク』と言われる商品には、薬事法に基づき『医薬品』又は『医薬部外品』として販売されるものと、食品衛生法に基づき『清涼飲料水』として販売されるものの3種類があります。今回は『清涼飲料水』として販売される栄養ドリンクについてお伺いします。」との調査目的を説明した上で、別掲5に示すとおり、本願商標と同様に、茶色の包装瓶であって、略リング上のプルタブを備え、かつ、当該包装瓶の表面にダイヤ形状の凹凸模様等の要素(上記(1)ア参照)を備えたものであり、さらに、当該包装瓶の胴部に一定の幅及び高さによる白色のラベル様のものが表されていて、当該包装瓶の全体形状が特定され得るものの写真(以下「アンケート用写真」という。)を提示しつつ、次に示す4つの質問(Q1〜Q4)に対し、その質問順に回答を求めるものであり、当該質問に対する回答をして次の質問に進んだ場合、前の質問には戻れないようになっていた。

Q1:清涼飲料水として販売される栄養ドリンクをどの程度飲用しますか(回答は1つ)。

Q2:(アンケート用写真を提示しつつ、)上記の写真をみて、清涼飲料水として販売される栄養ドリンクで思い浮かぶ「商品名」をお答えください(OA)。

Q3:(「レッドブル」、「メガシャキ」、「オロナミンC」、「キレートレモン」、「モンスターエナジー」等の15の商品名と「この中に知っている商品はない」との選択肢から、)清涼飲料水として販売される栄養ドリンクで知っている商品をすべてお選びください(回答はいくつでも)。

Q4:(アンケート用写真を提示しつつ)改めて上記写真をみて、この商品は何だと思いますか。あてはまるものを(「Q3」で回答したような商品の中から)お選びください(回答は1つ)。

(イ)上記調査の結果のうち、「Q1」については、月に1回程度以上の頻度で飲用する者、それ以下の頻度で飲用する者及び飲用しない者が、それぞれ、全体の約3割を占めるとされている。

また、「Q2」については、「オロナミンC」を想起する者が全体の74%とされ、「Q3」については、「オロナミンC」の認知率が最も高く(98%)、「ウコンの力」(75%)、「リアルゴールド」(72%)、「デカビタC」(69%)等が続くとされている。

さらに、「Q4」については、「オロナミンC」を想起する者が全体の93%とされる。

オ 上記アないしエによれば、請求人が昭和40(1965)年に発売した「オロナミンC」は、平成23(2011)年には、累計販売本数が300億本を突破し、いわゆる「エナジー系ドリンク」の市場において第1位のシェアを占め、また、同28(2016)年には、POSデータによる「清涼飲料」の売上げランキング(1週間単位)で3回ほど第1位の金額シェアを占め、さらに、当該「オロナミンC」と請求人が平成12(2000)年に発売した「オロナミンC ロイヤルポリス」とを合わせた出荷総数は、同21(2009)年に約5億7,000万本であるとされていることからすると、本件炭酸飲料等は、多数の販売実績があることが推認される。

しかしながら、本件炭酸飲料は、昭和61(1986)年以降に販売されている(「オロナミンC ロイヤルポリス」は、平成12(2000)年以降に販売されている。)ものであり、また、本件炭酸飲料等に係る広告は、請求人の公式通販サイトにおけるもの(平成28(2016)年11月)のほか、平成12(2000)年、平成13(2001)年及び平成19(2007)年ないし平成24(2012)年に新聞、雑誌、フリーペーパー等に掲載されたものがあるが、後者は、その回数が多くない上、その内容において、商品の包装瓶が備える本願商標に係る要素が機能や美感に資するために採用されたものと認識させ得る記載を含むものが少なからずある。

さらに、上記「オロナミンC」の包装瓶の色(茶色)、大きさ及び形並びに当該包装瓶に付された白色のラベル前面に赤色の略楕円形を背景として白抜きで二段に表された「オロナミン」及び「C」の文字からなる標章(商品名ロゴ)については、発売当初から、ほとんど変更されていないところ、上記広告のほか、当該「オロナミンC」に係る新聞記事等の記載によれば、当該「オロナミンC」については、その包装瓶の胴部に付された赤色を主とするラベルやそこに表されている商品名ロゴが看者に強い印象を与えるといえ、また、「オロナミンC ロイヤルポリス」についても同様に、その包装瓶の胴部に付された金色を主とするラベルやそこに付された商品名ロゴ(「オロナミン」、「C」及び「ロイヤルポリス(又は「ROYALPOLIS」))が看者に強い印象を与えるといえる。

加えて、請求人が行ったアンケート調査において、回答者に提示されたアンケート用写真は、本願商標と比較した場合、本願商標について「商品の形状の一例を示したものであり、商標を構成する要素ではない」とする緑色に着色された部分が一定の幅及び高さによる白色のラベル様のもので表されているため、その部分の形状を含め、包装瓶の全体形状が特定され得るものであるから、本願商標とは別異のものというべきであり、このように別異のものに対してなされた回答をもって、本願商標に対する需要者の認識を推し量ることは妥当でない。

そうすると、本件炭酸飲料等は、特に、本件炭酸飲料について、請求人の業務に係る炭酸飲料として、需要者の間で相当程度広く認識されているとはいえるものの、その認識において、本件炭酸飲料等の包装瓶に係る本願商標が商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されているとは認められない。

してみれば、本願商標は、その使用がされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められない。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標について、本願の指定商品である「清涼飲料」の包装瓶において、瓶本体の上部から下部に向かって順に、プルタブを備えた蓋、複数の小突起、ダイヤ形状の凹凸模様、緩やかな円弧状の膨らみ及び幅狭い段部を各位置に配した独特の形状を備えており(甲1)、かかる形状の特徴は、必ずしも包装瓶(容器)の利便性の向上や、特定の機能を発揮させるために不可欠な形状ではなく、また、そのような特徴を全て備えた包装瓶は、本願の指定商品分野において、明らかに請求人の商品の「パロディー商品」といえるものを除き、本願商標以外に存在しないこと、さらに、請求人商品の販売期間(50年以上)、販売数量(累計300億本以上)、宣伝広告活動(甲7の1〜甲7の46)といった長期かつ大規模な使用実績を考慮すれば、本願の指定商品の取引者、需要者が、本願商標において特定された特徴のみから請求人の商品であることを認識できるであろうと推認することは必ずしも不自然ではない旨主張する。

しかしながら、請求人が主張する本願商標に係る形状の特徴は、本願の指定商品分野における包装瓶について採用されている形状に係る実情に加え、請求人による本件炭酸飲料についての広告における記載等を踏まえれば、その全てが包装容器(包装瓶)についての機能や美感に資するもの又は需要者において包装容器(包装瓶)の機能や美感に資することを目的として選択、採用されたものと予測し得る範囲内のものといえること、さらに、本願商標に係る包装容器(包装瓶)についてされた着色(茶色)についても、当該包装容器(包装瓶)の機能や美感に資するものとして、採用され得るものであることから、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、単に商品に係る包装容器(包装瓶)の形状の一形態を表示してなるものと看取、把握されるにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品を識別するための標識と認識されることはないというべきこと、上記(1)のとおりである。

また、請求人が昭和40(1965)年に発売した「オロナミンC」の累計販売本数は、平成23(2011)年には300億本を突破しているものの、そのうち、本願商標と同一といえる標章が使用されている本件炭酸飲料は、昭和61(1986)年以降に販売されている(「オロナミンC ロイヤルポリス」は、平成12(2000)年以降に販売されている。)ものであるし、さらに、本件炭酸飲料等に係る広告は、請求人の公式通販サイトにおけるもの以外に、新聞、雑誌、フリーペーパー等によるものがあるものの、その回数は多くない上、その内容は、商品の包装瓶が備える本願商標に係る要素が機能や美感に資するために採用されたものと認識させ得る記載を含むものが少なからずあり、かつ、当該広告その他の新聞記事等の記載によれば、看者に対し、その包装瓶の胴部に付された赤色(又は金色)を主とするラベルやそこに表されている商品名ロゴが強い印象を与えるといえるものであることからすれば、本件炭酸飲料等(特に、本件炭酸飲料)が請求人の業務に係る炭酸飲料として、需要者の間で相当程度認識されているとはいえても、その認識において、本件炭酸飲料等の包装瓶に係る本願商標が商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されているとは認められないこと、上記(2)のとおりである。

したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。

イ 請求人は、平成28(2016)年10月に調査専門会社に依頼して行ったアンケート調査(甲12)について、そのうちの「Q2」(アンケート用写真を見て想起する商品名を自由回答するもの)に対する回答の74%が「オロナミンC」であったこと及びそのうちの「Q4」(アンケート用写真を再度見て、「Q3」で回答したような商品の中から想起する商品名を回答するもの)に対する回答の93%が「オロナミンC」であったことからすれば、本願商標が自他商品の識別標識として十分に機能していることが容易に推認される旨主張する。

しかしながら、上記アンケート調査において回答者に提示されたアンケート用写真が、包装瓶の全体形状が特定され得るものであって、本願商標とは別異のものというべきであり、このように別異のものに対してなされた回答をもって、本願商標に対する需要者の認識を推し量ることは妥当でないこと、上記(2)オのとおりである。

なお、上記アンケート用写真については、例えば、本願商標に係る「商標の詳細な説明」の欄に記載されているような説明は何らされていないことから、回答者が当該写真をどのように看取、把握した上で回答をしたかも明らかでない。

したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、かつ、同条第2項に規定する要件を具備するものとも認められないから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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