Trademark Appeal Case
記述的表現の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−5769(T2019−5769/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は,「年齢とともに低下する」の文字を標準文字で表してなり,第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,尿吸収用パッド,おりものシート,脱脂綿,綿棒,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用接着テープ,おむつ,おむつカバー,失禁用パンツ,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として,平成30年3月15日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は,本願商標全体からは「加齢に伴って程度・度合いがさがる」程の意味合いが認識されるところ,加齢に伴い低下する代謝機能,免疫機能,嚥下機能等の様々な機能を補うための商品が製造・販売されており,また本願指定商品を取り扱う業界においても,「年齢とともに低下する○○」(○○には機能や働きの名称)の語が使用されている実情を踏まえると,加齢に伴って低下する何らかの機能を補うための商品であることを理解させるにとどまることから,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるため,商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知及びそれに対する意見
1 当審において,本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて職権で証拠調べをした結果,別掲1〜2に示すとおりの事実を発見したので,審判長は,請求人に対して,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき令和2年1月15日付け証拠調べ通知書を通知し,期間を指定して,これに対する意見を求めた。
2 上記1の証拠調べ通知に対し,請求人は,令和2年2月25日付け意見書を提出し,要旨以下のとおり意見を述べた。
(1)本願商標は,「年齢とともに低下する」の文字を単独で表示し,かつ,自他商品識別機能を発揮するような態様で指定商品について使用することを意図したものであるが,職権証拠調べ通知書は,「年齢とともに低下する」の文字を単独で使用し,かつ,自他商品識別標識として機能していないような事例を挙げていない。商品を複数の文章で説明する記事において,他の文字を連ねる形で「年齢とともに低下する」の文字が使用されることがあるという事実のみをもって,本願商標が自他商品の識別標識として機能しないということにはならない。
(2)年を経るにつれてさがるのは,代謝機能や免疫機能,嚥下機能ばかりではないから,本願商標からは「何が低下するのか」を全く認識することができないし,更には,「何がさがるのか」,「どのようにさがるのか」,「どの程度さがるのか」,「いつからさがるのか」等の情報を読み取ることはできないので,本願商標は,商品の品質その他の特性を直感的に想起させることはない。
(3)指定商品との関係において,年を経ても美しさを保つことができることを取引者・需要者に訴えかけるような登録商標として,登録第6062646号商標「年齢は美しさの一部になる。」及び同第6062649号商標「年齢を、美しさに変えるひと。」(いずれも,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」)がある。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,「年齢とともに低下する」の文字を標準文字で表したものであるところ,これは,「年齢」の文字が「人が生まれてから現在までの経過期間を年または年月日によって数えたもの。」,「ともに」の文字が「ひとつになって。いっしょに。相連れて。同じく。」,「低下」の文字が「ひくくなること。程度・度合などがさがること。」をそれぞれ意味するいずれも親しまれた語(広辞苑第七版)であることからすれば,本願商標全体からは「加齢に伴って程度・度合いがさがる」程の意味合いが認識されるものである。
そして,本願の指定商品の分野において,別掲1のとおり,加齢に伴って低下する何らかの機能を補うなどする商品が製造,販売されている事実が認められ,また,別掲2のとおり,「年齢とともに低下する」の文字が,「年齢とともに低下する○○」(○○は何らかの身体的機能等)のように,加齢とともに低下する身体的機能等を補う商品に使用されている実情がある。
してみれば,本願商標をその指定商品について使用しても,これに接する取引者,需要者は,加齢に伴って低下する何らかの機能を補うための商品であることを認識するにとどまり,本願商標は,指定商品の特性を説明する語によって構成された商標というべきものであるから,自他商品の識別標識としては認識し得ない。
したがって,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当であるから,商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,本願商標は「年齢とともに低下する」の文字を単独で表示する態様で指定商品について使用することを意図したものであるところ,他の文字を連ねる形で「年齢とともに低下する」の文字が使用されることがあるという事実のみをもって,本願商標が自他商品の識別標識として機能しないということにはならず,また,本件商標からは年を経るにつれて「何が低下するのか」を認識できないし,「何がさがるのか」,「どのようにさがるのか」,「どの程度さがるのか」,「いつからさがるのか」等の情報を読み取ることはできないので,本願商標は,商品の品質その他の特性を直感的に想起させることはない旨主張する。
しかしながら,本願において問題となるのは,「年齢とともに低下する」の文字をその指定商品に使用した場合に,これに接した需要者が,自他商品の識別標識として認識するのか否かということであるから,本願指定商品を取り扱う業界において,上記の文字が,上記1の認定のとおり,加齢とともに低下する身体的機能等を補う商品といった程度の意味合いで,商品の特性を説明するものとして,取引上普通に用いられていると認められる以上,請求人の上記主張は,上記の判断を左右するものではない。
(2)請求人は,商標登録例を挙げて(上記第3の2(3)参照),本願商標も同様に登録されるべき旨主張する。
しかしながら,請求人の挙げる商標登録例は,商標の具体的構成,指定商品等において本願とは事案を異にするものであって,しかも,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標登録出願の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるべきものであるから,請求人の挙げた商標登録例があるからといって,それらが本件における判断を左右するものではない。
3 まとめ
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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