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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−3200(T2019−3200/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「長期事業サポートローンつなぐ」の文字を標準文字により表してなり、第36類「資金の貸付け,預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,前払式支払手段の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,慈善のための募金」を指定役務とし、平成29年11月16日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5853497号商標(以下「引用商標」という。)は、「つなぐ」の文字を標準文字により表してなり、平成27年12月22日に登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機の貸与,現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として、同28年5月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和元年11月28日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見

「長期事業サポートローン」の文字部分からは、「長期事業をサポートするローン」、「長期的に事業をサポートするローン」及び「長期的な(事業をサポートする)ローン」の3つの解釈が生じ、結果、役務の質を直接的又は具体的に表示するものとはいい難く、本願商標「長期事業サポートローンつなぐ」から、「長期事業サポートローン」のみを捨象し、「つなぐ」の部分のみを抽出することは許されない。

5 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、上記1のとおり、「長期事業サポートローンつなぐ」の文字からなるところ、その構成中、「長期」の文字は「長い期間」を、「事業」の文字は「一定の目的と計画とに基づいて経営する経済的活動」を、「サポート」の文字は「支援」を、「ローン」の文字は「貸付」を意味するものである(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)。

加えて、別掲における証拠調べ通知によって示した事実によれば、本願指定役務のうち「資金の貸付け」の分野においては、長い期間の貸付を「長期○○ローン」と称することが一般的であり、かつ、事業資金の貸し付けの分野において、「事業サポート」の文字が普通に用いられている事実が認められる。

そうすると、本願商標構成中、「長期事業サポートローン」の文字からは、「長い期間事業を支援するための貸付」程の意味合いを理解させるというのが相当であって、本願商標に接する需要者をして、「資金の貸付け」に係る役務の内容、すなわち、質を認識させるにとどまることから、当該文字部分は、役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。

してみれば、本願商標の構成中「長期事業サポートローン」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものである。

一方、本願商標構成中、「つなぐ」の文字は「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」等の意味を有するものであり(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)、本願指定役務との関係において、役務の質等を認識させるものではないから、本願商標は、その構成中「つなぐ」の文字部分が、自他役務の識別標識としての機能を発揮する部分であるとみるのが相当であって、取引者、需要者に対し強く印象付けられる要部であるといえ、本願商標は、その構成中「つなぐ」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体から「チョウキジギョウサポートローンツナグ」の称呼を生じるほか、その構成中の「つなぐ」の文字に相応して「ツナグ」の称呼を生じ、また、当該文字は、「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の意味を有する語として一般に親しまれているといえるから、「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の観念を生じるものである。

イ 引用商標について

引用商標は、上記2のとおり、「つなぐ」の平仮名からなるところ、当該文字に相応して「ツナグ」の称呼及び「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の観念を生じるものである。

ウ 本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標の類否を検討すると、本願商標の要部である「つなぐ」の文字部分と引用商標とは、外観を同一にするものであって、「ツナグ」の称呼及び「切れたり離れたりしているものを続け合わせる。」の観念を同一にするものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観及び称呼において差異を有するとしても、本願商標の要部と引用商標の比較においては、外観、称呼及び観念を同一にするものであるから、これらを総合して考察すると、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務について

本願の指定役務と引用商標の指定役務は、それぞれ上記1及び2のとおりであり、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一の「資金の貸付け」を含むものであると認められる。

オ 小括

以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「長期事業サポートローン」の文字部分からは一義的な意味が生じず、結果、役務の質を直接的又は具体的に表示するものとはいい難いものであり、本願商標「長期事業サポートローンつなぐ」から、「長期事業サポートローン」のみを捨象し、「つなぐ」の部分のみを抽出することは許されないと主張している。

しかしながら、「長期事業サポートローン」の文字は、上記(1)アのとおり、「長期」、「事業」、「サポート」及び「ローン」の各語の有する意味や、「資金の貸付け」の分野における「長期○○ローン」や「事業サポート」の用語の使用例に照らせば、辞書等に一連一体の一義的な意味が掲載されていないとしても、本願商標に接する需要者、取引者に「長い期間事業を支援するための貸付」程の意味合いを容易に理解させるというのが相当であり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、同機能を発揮するのは「つなぐ」の文字部分にあるとみるのが相当である。

したがって、請求人のかかる主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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