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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2018−17530(T2018−17530/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第34類「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,マッチ,喫煙用具」を指定商品として、2015年12月11日にアンドラ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成28年6月9日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

以下、これらをまとめて「引用商標」という。

(1)登録第5653016号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成25年9月5日に登録出願、第34類「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,マッチ,喫煙用具」を指定商品として、同26年2月28日に設定登録されたものである。

(2)登録第5753839号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TASTE+」の文字を標準文字で表してなり、2014年5月29日に英国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成26年11月12日に登録出願、第34類「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,マッチ,喫煙用具」を指定商品として、同27年3月27日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、構成中の左側には、上段に、「TASTE+」の文字を横書きし(以下「上段文字部分」という。)、下段に、上段の文字に比して小さく「IMPROVED AFTER TASTE」の欧文字を横書きし(以下「下段文字部分」という。)、構成中の右側には、帯状の図形を内包した円形の図形(以下「図形部分」という。)を配置した、黒色で表された文字と図形との結合商標である。

まず、本願商標の外観についてみるに、本願商標の構成中、上段文字部分、下段文字部分及び図形部分は、いずれも重なること無く間隔を空けて配置されており、外観上、各構成部分が視覚的に分離して看取され得るといえるものである。

次に観念についてみるに、図形部分は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、図形部分からは特定の観念は生じないものである。

また、上段文字部分は、「TASTE」及び「+」の文字を組み合わせてなるところ、「TASTE」の文字は、「味」を意味する英語(「ジーニアス英和辞典第5版」大修館書店)であり、「+」の文字は、加法を示す記号(「広辞苑第六版」岩波書店)であるものの、全体としては辞書等に掲載のない語であって、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであるから、当該文字部分からは、特定の観念は生じないものである。

そして、下段文字部分は、「IMPROVED」、「AFTER」及び「TASTE」の文字をスペースを介して組み合わせてなるところ、これらの文字は、それぞれが「改善する」、「...の後に」、「味」を意味する英語(「ジーニアス英和辞典第5版」大修館書店)であるものの、これら全体としては辞書等に掲載のない語であって、特定の観念を認識させない一種の造語というのが相当である。

そうすると、本願商標は、構成する上段文字部分、下段文字部分及び図形部分より特定の観念は生じないものであり、各構成が結びついて特定の観念を生じるという事情も見いだせないものであるから、これより特定の観念は生じないものである。

さらに、称呼についてみるに、図形部分は、上記のとおり、特定の事物等を表すものと認識されないものであるから、これより称呼は生じないものである。

また、上段文字部分及び下段文字部分は、それぞれその構成文字に相応して「テイストプラス」及び「インプルーブドアフターテイスト」の称呼を生じ、本願商標の構成文字全体から生じる「テイストプラスインプルーブドアフターテイスト」の称呼は、冗長というべきものである。

そうすると、本願商標の各構成部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものということはできず、上段文字部分、下段文字部分及び図形部分それぞれが独立して、自他商品の識別標識として機能し得るというのが相当である。

そして、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中、大きく表され、称呼しやすい文字数からなる「TASTE+」の文字部分に着目し、これを記憶にとどめて取引にあたる場合も少なくないというのが相当である。

以上からすると、本願商標を構成する「TASTE+」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、本願商標は、当該「TASTE+」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。

したがって、本願商標は、要部である「TASTE+」の文字部分から「テイストプラス」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1

引用商標1は、別掲2のとおり、構成中の左側には、「TASTE+」の文字を横書きし、構成中の右側には、四叉図形を内包した円形の図形を配置した、茶色で表された文字と図形との結合商標であるところ、両者は、重なること無く間隔を空けて配置されており、外観上、両者が視覚的に分離して看取され得るといえるものである。

そして、引用商標1の図形部分は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の観念は生じないものであり、引用商標1の文字部分も、前記(1)の本願商標の要部と同じく、特定の観念は生じないものであって、さらに、それら図形部分と文字部分とが結びついて特定の観念を生じるという事情も見いだせないものである。

そうすると、引用商標1は、その図形部分と文字部分とが、視覚上分離して看取し得るものであり、また、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合されている事情は見いだせないものであるから、図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であり、当該文字部分のみを他人の商標と比較して商標としての類否を判断することが許されるというべきである。

以上のことからすると、引用商標1は、要部である「TASTE+」の文字部分から「テイストプラス」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

イ 引用商標2

引用商標2は、前記2(2)のとおり、「TASTE+」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「テイストプラス」の称呼が生じ、前記(1)の本願商標の要部と同じく、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について

本願商標の要部と引用商標1の要部及び引用商標2とを比較すると、いずれも「TASTE+」の文字からなるものであるから、外観を共通にするものである。

そして、同じ文字つづりからなる、本願商標の要部と引用商標1の要部及び引用商標2とは、その称呼「テイストプラス」を共通にし、いずれも特定の観念は生じないため、この点において、両者に相違があるものでもない。

そうすると、本願商標と引用商標とは、上記のとおり、それぞれの要部として看取される「TASTE+」の文字部分において、観念に相違があるものではなく、「TASTE+」の文字を同一とし、「テイストプラス」の称呼を同一とするものであるから、その外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を全体的に考察すれば、相紛れるおそれのある類似する商標である。

(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本願商標の指定商品「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,マッチ,喫煙用具」と、引用商標の指定商品「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,マッチ,喫煙用具」とは同一の商品である。

(5)請求人の主張について

請求人は、原審における平成29年3月9日受付けの上申書及び同30年3月20日受付けの上申書、また、当審における平成30年12月28日受付けの審判請求書(同31年3月11日受付け手続補正書により、「請求の理由」を補正)及び令和元年7月5日付けの審尋に応答する令和元年8月13日受付けの上申書により、引用された登録商標は、本願商標登録出願人の関連会社(実質的に同一の会社)が所有するものであり、社内でどちらに権利をまとめるか検討中である旨主張し、審理の猶予を申し出ているところ、相当の期間が経過するも、手続の進展が見られないため、審判長は期間を指定して交渉の進捗状況等を詳述するよう令和元年10月16日付けで2回目となる審尋をおこなったところ、何ら応答がないものであり、また、請求人と引用商標権者とが実質的に同一人であることの証左もないことから、これ以上、本件の審理を遅延させるべき合理的な理由はないものと判断し、審理を終結することとした。

(6)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、同一の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

よって、結論のとおり審決する。

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