結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2019−900027(T2019−900027/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第6095253号商標(以下「本件商標」という。)は,「SmaSocket」の欧文字を書してなり,平成30年2月2日に登録出願,第9類「ネットワークカメラ,ウェブカメラ,監視カメラ,ビデオカメラを用いた遠隔監視装置,コンピュータソフトウェア,アプリケーションソフトウェア,カメラ,カメラ用メモリーカード,スマートフォン用のケース又はカバー,プラグ、ソケットその他の電気接続具,ネットワーク制御用電気通信機械器具,無線通信用送信機・受信機,ローカルエリアネットワーク(LAN)用通信装置,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,ネットワーク接続用カード(LANカード),携帯電話機用充電器,携帯電話機用ケース,携帯電話機用部品又は付属品,電話通信及びデータ通信ネットワーク用監視装置,家庭内ネットワーク用情報コンセント,トランスミッター,ヘッドセット,マイクロフォン,テレビジョン信号用分岐・分配器,赤外線リモコン,乗物内で使用する携帯電話機用充電器,電気通信機械器具及びその部品並びに附属品,コンピュータネットワーク用サーバー,ハードディスクドライブ,フラッシュメモリーカード,メモリーカード用読み取り・書き込み装置,未記録のUSBフラッシュドライブ,USBアダプター,USB接続型モデム,USB接続用ハブ,コンピューター用インターフェースカード,電子計算機及びその周辺機器,仮想プライベートネットワーク(VPN)用のオペレーティングソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,モデム及びルーター並びにそれらの部品及び附属品,コンピュータネットワークアダプター・スイッチ・ルーター及びハブ,仮想プライベートネットワーク(VPN)用機器,液晶ディスプレイモニター,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,センサー(測定機器)(医療用のものを除く。),測定機械器具及びその部品並びに付属品,充電器,プラグアダプター,電気通信器具用アダプター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」を指定商品として,同30年9月26日に登録査定,同年11月2日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は,以下のとおりであり(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。),いずれも現に有効に存続しているものである。
商標の構成:別掲1のとおり
国際商標登録出願日:2006年(平成18年)2月3日(優先権主張:Germany 2005年(平成17年)11月3日)
設定登録日:平成20年7月25日
指定商品 :第9類「Measuring apparatus and instruments; power distribution or control instruments and apparatus; regulating apparatus, electric; electric energy supplying devices and systems and electric energy transformers, essentially comprising transformers, inverters, battery storages, solar power and wind turbine regulating devices; computer hardware and peripherals as well as construction parts for microprocessors; optical displaying devices, namely liquid crystal displays for inverters and photovoltaic installation; solar collectors for electric power generation; computer software, computer evaluation software for inverters in photovoltaic installations; electric and electronic apparatus for measurement, collation or transmission of data.」
商標の構成:SMA
国際商標登録出願日:2009年(平成21年)2月23日
設定登録日:平成22年8月6日
指定商品 :第9類「Apparatus and instruments for measuring, apparatus and instruments for controlling and regulating of electricity, all these goods for photovoltaic technology; transformers, inverters, battery storages, electrical solar power and wind turbine regulating apparatus as well as energy supplying devices comprising the aforementioned apparatus; computer hardware and peripherals as well as construction parts for microprocessors; optical display devices, in particular displays for inverters in photovoltaic installations, solar collectors for generating energy; computer software, computer evaluation software for inverters in photovoltaic installations; apparatus for collating and transmission of data from energy technology apparatus, including photovoltaic installations and railway engineering installations, as far as included in this class.」
商標の構成:SMA Solar Technology
国際商標登録出願日:2010年(平成22年)10月23日(優先権主張:Germany 2010年(平成22年)8月27日)
設定登録日:平成25年4月12日
指定商品・役務:第9類「Electrical measuring instruments, electrical controlling instruments, electrical regulating instruments and electrical analyzing instruments, each for electrical current flow in electricity generating systems, e.g., in photovoltaic installations; electrical measuring instruments; electrical controlling instruments, electrical regulating instruments and electrical analyzing instruments, in particular for high-frequency technology and telecommunications; electrical energy supplying apparatus, included in this class; electrical transformers, electrical inverters, electrical storage batteries, electrical controllers for electricity generating systems, e.g. for solar power and wind turbines, electrical energy supplying systems, in particular electrical transformers, electrical inverters, electrical battery storages, as far as included in this class; computer hardware and peripherals as well as electronic structural elements, in particular microprocessors included in this class; electrical display panel for monitoring the data of a solar plant or an electrical inverter, solar plants for generating energy, namely consisting of solar modules, electric converters, electric control instruments and electric battery storages; computer software for the configuration and design of solar plants and the communication with electrical inverters, computer evaluation software for electrical inverters in photovoltaic installations; fieldbus devices, namely fieldbus cables with an interface at two ends; electronic data loggers for collecting and transmitting data of energy equipment, namely photovoltaic installations.」並びに第6類,第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
商標の構成:別掲2のとおり
国際商標登録出願日:2012年(平成24年)3月12日(優先権主張:Germany 2011年(平成23年)9月14日)
設定登録日:平成25年12月6日
指定商品・役務:第9類「Devices and instruments for conducting, switching, transforming, storing, regulating and controlling electricity; measuring apparatus, electric checking apparatus; computer software; electric display panels; data processing apparatus.」並びに第37類,第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの役務
商標の構成:SMA
国際商標登録出願日:2012年(平成24年)3月5日(優先権主張:Germany 2011年(平成23年)9月7日)
設定登録日:平成25年12月6日
指定商品・役務:第9類「Devices and instruments for conducting, switching, transforming, storing, regulating and controlling electricity; measuring apparatus, electric checking apparatus; computer software; electric display panels; data processing apparatus.」並びに第6類,第19類,第37類,第38類,第41類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
商標の構成:エスエムエイ(標準文字)
登録出願日:平成26年7月28日
設定登録日:平成27年4月17日
指定商品・役務:第9類「電気の伝導用・開閉用・変圧用・蓄電用・調整用及び制御用の機械器具,電気の測定用および分析用の機械器具,コンピュータソフトウェア,電子表示ボード,電子表示盤,データ処理装置」並びに第37類,第38類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
商標の構成:SMA Solar Academy
国際商標登録出願日:2010年(平成22年)6月28日(優先権主張:United States of America 2010年(平成22年)1月4日)
設定登録日:平成24年5月11日
指定商品・役務:第16類及び第41類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
商標の構成:SMA SOLAR|ACADEMY
国際商標登録出願日:2010年(平成22年)10月9日(優先権主張:Germany 2010年(平成22年)9月4日)
設定登録日:平成24年12月28日
指定商品・役務:第16類,第26類,第29類及び第41類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
商標の構成:SMA|SERVICE
国際商標登録出願日:2011年(平成23年)3月17日(優先権主張:Germany 2010年(平成22年)9月24日)
設定登録日:平成24年5月25日
指定役務:第37類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの役務
商標の構成:SMA Smart Connected
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)11月30日(優先権主張:Germany 2016年(平成28年)6月17日)
設定登録日:平成29年7月14日
指定役務:第37類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの役務
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第16号,同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第97号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標の構成中,「Socket」の文字は,「電球などを電源と連結させるための部品」を意味する「ソケット」の欧文字表記である(甲12)。また,第9類に属する商品として採用されている(甲13)。
そうすると,「Socket」の文字部分を含む本件商標を,本件商標の指定商品中「ソケット」以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
本件商標の構成中「Socket」の文字部分は,電球などを電源と連結させるための部品を意味する「ソケット」を普通に表示してなる部分である。
したがって,本件商標の「Socket」の文字部分は,商品の普通名称を表示するにすぎないから,当該文字部分は,自他商品等識別標識としての機能を有しない若しくは機能が極めて乏しく,本件商標の要部は,「Sma」の文字にあるといえる。
そうすると,本件商標は,「スマソケット」の称呼以外に,「Sma」の文字部分に着目した「エスエムエイ」又は「スマ」の称呼を生ずるものである。
一方,引用商標1ないし6は,前記第2の1ないし6並びに別掲1及び2のとおりであって,引用商標1,2,4及び5は,「SMA」の文字からなる又は「SMA」の文字を有するから,該文字に相応して,「エスエムエイ」又は「スマ」の称呼を生じ,引用商標6は,「エスエムエイ」を標準文字で表してなるから,「エスエムエイ」の称呼を生ずるものである。
また,引用商標3は,「SMA Solar Technology」の文字を書してなるところ,その構成中,「Solar Technology」の文字部分は指定商品の品質や指定役務の質を表示するものであるから,自他商品等識別標識としての要部は,「SMA」にあるといえる。このため,引用商標3は,「エスエムエイソーラーテクノロジー」の称呼のほか,「SMA」の文字部分より生じる「エスエムエイ」又は「スマ」の称呼を生じるものである。
以上から,本件商標と引用商標1ないし5は,「エスエムエイ」又は「スマ」の称呼を共通にし,本件商標と引用商標6は,「エスエムエイ」の称呼を共通にする類似の商標である。
また,本件商標の指定商品中「ネットワークカメラ,ウェブカメラ,監視カメラ,ビデオカメラを用いた遠隔監視装置,コンピュータソフトウェア,アプリケーションソフトウェア,カメラ用メモリーカード,スマートフォン用のケース又はカバー,プラグ、ソケットその他の電気接続具,ネットワーク制御用電気通信機械器具,無線通信用送信機・受信機,ローカルエリアネットワーク(LAN)用通信装置,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,ネットワーク接続用カード(LANカード),携帯電話機用充電器,携帯電話機用ケース,携帯電話機用部品又は付属品,電話通信及びデータ通信ネットワーク用監視装置,家庭内ネットワーク用情報コンセント,トランスミッター,ヘッドセット,マイクロフォン,テレビジョン信号用分岐・分配器,赤外線リモコン,乗物内で使用する携帯電話機用充電器,電気通信機械器具及びその部品並びに附属品,コンピュータネットワーク用サーバー,ハードディスクドライブ,フラッシュメモリーカード,メモリーカード用読み取り・書き込み装置,未記録のUSBフラッシュドライブ,USBアダプター,USB接続型モデム,USB接続用ハブ,コンピューター用インターフェースカード,電子計算機及びその周辺機器,仮想プライベートネットワーク(VPN)用のオペレーティングソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,モデム及びルーター並びにそれらの部品及び附属品,コンピュータネットワークアダプター・スイッチ・ルーター及びハブ,仮想プライベートネットワーク(VPN)用機器,液晶ディスプレイモニター,センサー(測定機器)(医療用のものを除く。),測定機械器具及びその部品並びに付属品,充電器,プラグアダプター,電気通信器具用アダプター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」は,引用商標1ないし6の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)本件商標と引用商標との類似性について
本件商標と引用商標1ないし引用商標6は,上記2のとおり,類似の商標である。
引用商標7は「SMA Solar Academy」,引用商標8は「SMA SOLAR ACADEMY」,引用商標9は「SMA SERVICE」,引用商標10は「SMA Smart Connected」の文字よりなるところ,それぞれの構成中の「SMA」の文字は,申立人のハウスマークであるから,当該「SMA」の文字に相応した「エスエムエイ」又は「スマ」の称呼をも生じるものである。
そうすると,本件商標は,引用商標7ないし引用商標10とも類似する商標である。
(2)引用商標の周知・著名性について
申立人は,1981年(昭和56年)に設立されたドイツに本拠を置く法人であり太陽光発電のパワーコンディショナーの開発,生産,販売を主要業務とする企業であって(甲14,甲15),我が国を含む少なくとも18カ国に拠点を有し,我が国においては,全国各地に少なくとも11のサービス拠点を有する(甲16,甲17)。
申立人の業務に係る太陽光発電用パワーコンディショナー(以下「申立人商品」という。)は,「インターソーラー」(Intersolar)の太陽光発電部門でIntersolar Awardを獲得したり,業界紙「Photon Profi」によるテストにおいて「最高品質製品」と称されグレードA+を獲得等している(甲19〜甲21)。
申立人のグループ全体の売上高は,2014年(平成26年)は,8054億ユーロ,2015年(平成27年)は,9818億ユーロ,2016年(平成28年)は9467億ユーロ,2017年(平成29年)は8910億ユーロ,2018年(平成30年)は7609億ユーロである(甲22)。
そして,申立人は,屋外設置使用の太陽光発電パワーコンディショナーの世界シェア30%以上を獲得している(甲88)。
申立人商品は,世界各国の主要な拠点などにも広く採用されており(甲23〜甲84),我が国においても,鹿児島県,青森県の発電所において採用されている(甲30,甲49,甲85〜甲87)。
引用商標は,申立人の社名を表しており,代表的出所識別標識として,ドイツのみならす我が国を含む世界各国で継続的に使用されている。
そして,「SMA」商標は,申立人の業務に係るほとんど全ての商品及びサービスに使用しており(甲18),雑誌,新聞記事,広告(甲89〜甲97),製品に係るカタログ,取引書類,ホームページ等にも広く採用されてきた。
申立人は,海外企業でありながら,我が国においても主要メーカーの地位にある(甲88)。
以上より,引用商標は,本件商標の出願時には既に,申立人商品及び申立人の業務に係る太陽光発電用システムに関連して行われるサービスを表示する商標として広く知られていたものである。
(3)出所混同のおそれ
本件商標の指定商品は,申立人商品及び申立人の業務に係る太陽光発電用システムに関連して行われるサービスと同一又は類似,若しくは密接に関連するものであるから,本件商標に接した需要者は「Sma」の文字部分から申立人と経済的又は組織的に何らかの関連があるものの業務に係る商品であると誤認し,出所について混同するおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
当審において,本件商標権者に対し,「本件商標は,その指定商品中『プラグ、ソケットその他の電気接続具,充電器,プラグアダプター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機』の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反するものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を令和元年11月12日付けで通知した。
上記第4の取消理由に対し,本件商標権者は,要旨以下のとおり意見を述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。
本件商標は,大文字小文字の相違はあるが,同じ書体,同じ間隔の英文字「SmaSocket」からなり,全体として淀みなく一連一体に構成されている。
また,撥音を除くと比較的短い5音節「スマソケット」の称呼のみが生じ,殊更に分離して「ソケット」のみの称呼が生じるはずもなく,需要者・取引者が上記商品の品質に誤認が生じるといった事実はないものである。
さらにいうと,需要者・取引者は本件商標を付した指定商品を略して「スマソケ」と称呼している(乙3)。
また,本件商標と同様に,商品「ソケット」以外の電気接続具並びに電力を供給すること及び制御することを目的とする機械器具「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」を指定した英文字「SOCKET」を有する結合商標が有効に存続している(乙1,乙2)。
当該事実から,商品「ソケット」以外の電気接続具並びに電力を供給すること及び制御することを目的とする機械器具に,本件商標を使用したとしても,商品の品質の誤認が生じるおそれはない。
したがって,本件商標は,その指定商品「プラグ、その他の電気接続具(ソケットを除く。),充電器,プラグアダプター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具(ソケットを除く。)回転変流機,調相機」について,商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
本件商標は,引用商標1,2,4及び5とは,外観,称呼,観念の何れも相紛れることなく,出所の混同が生じるおそれもないのであり,全体として類似しない。
(1)本件商標の構成について
本件商標は,上記1のとおり,「SmaSocket」の英文字からなり,全体として淀みなく一連一体に構成されている。
本件商標は,商標権者による造語であるところ,当初は「スマートソケット」,「Smart Socket」にする予定であったが,冗長かつデザイン的に好ましくないことなどから,「Smart」を略して「Sma」として造られた経緯がある(乙3)。
したがって,本件商標からは「スマートなソケット」,即ち,「頭の良いソケット,機敏なソケット,気の利いたソケット,素早いソケット」程の意味合いを想起させるものである。
(2)本件商標と引用商標の外観について
上記1のとおり,本件商標は大文字小文字の相違はあるが,同じ書体同じ間隔の「SmaSocket」であり一連一体の英文字から構成され,殊更に分離観察する必要もないものである。
引用商標1,2,4及び5の外観は,それぞれ,上記第2の2及び5並びに別掲1及び2に記載のとおりの構成からなる。
したがって,引用商標1及び4はデザイン化され,また引用商標2及び5は英文字「SMA」から構成されており,本件商標は,引用商標1,2,4及び5と外観は明らかに相違するものである。
(3)本件商標と引用商標の観念について
本件商標の全体からは「スマートなソケット」,即ち,「頭の良いソケット,機敏なソケット,気の利いたソケット,素早いソケット」程の意味合いを想起させ,仮に「ソケット」に使用するときに,本件商標の自他商品の識別標識として機能するのが「Sma」だとしても,本件商標中の「Sma」からは,「スマートな」,「頭の良い,機敏な,気の利いた,素早い」程の意味合いを想起させるものである。
一方,引用商標の商標権者は,すべて「SMA Solar Technology AG」であることからも明らかであるが,引用商標からは,世界19ヶ国3000人以上の従業員が従事する会社名である「SMA Solar Technology」を容易に想起させるものである。
したがって,指摘するまでもなく,本件商標と引用商標1,2,4及び5の観念は明らかに相違するものである。
(4)本件商標と引用商標の称呼について
本件商標は,上記1のとおり,同じ文字・間隔であり,淀みなく一連一体に構成され,特段分離観察せずに,ワンワードとして「スマソケット」の称呼のみが生じるものであるが,仮に,分離観察したとしても,「スマート」の「スマ」の称呼のみが生じるものである。
一方,引用商標は,すべて「SMA Solar Technology AG」が商標権者であり,日本支社である「SMAジャパン株式会社」(乙4)に問い合わせたところ,「エスエムエイジャパンカブシキガイシャ」であり,30年以上前から「SMA」は「スマ」ではなく,「エスエムエイ」の称呼として使用されているから,引用商標からは「エスエムエイ」の称呼が生じるものであることが明らかである。
したがって,本件商標と引用商標1,2,4及び5の称呼は明らかに相違する。
(5)小括
以上から,本件商標と引用商標は,外観,観念,称呼のいずれも相紛れることなく全体として類似しないものであり,本件商標の指定商品中「ソケット」は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
本件商標を付したソケットをインターネットで購入する場合は,本件商標の商標権者のサイトなどから購入するが,ソケットなどを必要とし購入する需要者・取引者等は,子供ではないと容易に考えられ,そうすると本件商標の商品と,引用商標の指定商品の出所の混同が生じるとは到底考えられない。
したがって,本件商標の「ソケット」などは,引用商標の商品と出所の混同が生じるおそれはない。
また,本件商標を使用した「ソケット」と引用商標を使用した指定商品について,需要者及び取引者は出所の混同を生じるおそれはないものであるから,本件商標が第三者には不測の不利益を与えるものではない。
以上から,需要者及び取引者は,本件商標をソケット等に使用した場合に,引用商標の指定商品と容易に区別でき,引用商標に係る指定商品と出所の混同が生ずるおそれはなく,円滑な商取引による法目的である需要者利益が図られるものである(商標法第1条)。
本件と同様の事案と考えられる,仮に,本件商標を分離観察し外観観念称呼の何れか一つが類似するとしても,他の2つが明らかに相違し,出所の混同が生じるおそれがないこと等を理由に,商標法第4条第1項第11号に該当しないものとして有効に併存している登録商標が多数存在する(乙6〜乙12)。
以上より,本件商標の指定商品中「プラグ、ソケットその他の電気接続具,充電器,プラグアダブター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機調相機」は,商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当しない。
本件商標は,「SmaSocket」の文字を書してなるところ,語頭及び4文字目の「S」が大文字により表されているから,「Sma」の文字と「Socket」の文字との結合からなるものと容易に認識されるというべきである。
そして,本件商標は,その構成中の「Socket」の文字が「電球などを電源と連結させるための部品」である商品名の「ソケット」(甲12)を英語表記したものであると認められるから,これを本件商標の指定商品中「ソケット」に類似する商品である「ソケット」以外の電気接続具並びに電力を供給すること及び制御することを目的とする機械器具である「プラグ,その他の電気接続具(ソケットを除く。),充電器,プラグアダプター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具(ソケットを除く。),回転変流機,調相機」について使用するときは,商品の品質の誤認を生じるおそれがある商標といわなければならない。
したがって,本件商標は,その指定商品中「プラグ、その他の電気接続具(ソケットを除く。),充電器,プラグアダプター,電気コンセント,配電用又は制御用の機械器具(ソケットを除く。),回転変流機,調相機」について,商標法第4条第1項第16号に該当する。
(1)本件商標について
本件商標は,前記第1のとおり,「SmaSocket」の文字を書してなるところ,語頭及び4文字目の「S」が大文字により表されているから,「Sma」の文字と「Socket」の文字との結合からなるものと容易に認識されるというべきである。
また,本件商標の構成中,「Socket」の文字は,「電球などを電源と連結させるための部品」である「ソケット」(甲12)を英語表記したものであると認められるから,これを本件商標の指定商品中「ソケット」に使用するときは,自他商品の識別標識として機能する部分は,語頭の「Sma」の文字部分にあるといえる。
そうすると,本件商標は,全体の文字に相応する「スマソケット」の称呼のほか,本件商標の指定商品中「ソケット」に使用するときは「Sma」の文字に相応した「スマ」の称呼をも生じるものであり,当該文字は,辞書等に掲載がない一種の造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。
(2)本件商標と引用商標1,2,4及び5との類否について
ア 引用商標1について
引用商標1は,別掲1のとおり,右に傾斜した横長の黒色平行四辺形内に「S」の白抜き文字,白抜きの輪郭線による「M」の文字及び「A」の白抜き文字をそれぞれの文字が一部重なるよう多少デザイン化して配し,当該文字の下に白抜きの横線を有してなる構成であるところ,当該文字部分は「SMA」の欧文字を表したものであると容易に看取されるから,当該構成文字に相応して,「エスエムエイ」及び「スマ」の称呼を生じ,当該文字は辞書等に掲載がない一種の造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2及び5について
引用商標2及び5は,「SMA」の欧文字を書してなり,該構成文字に相応して,「エスエムエイ」及び「スマ」の称呼を生じ,当該文字は辞書等に掲載がない一種の造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標4について
引用商標4は,別掲2のとおり,濃淡の異なる2色の灰色及び白色の曲線からなる略長方形内の左上に「SMA」の白抜きの欧文字を目立つように表してなるところ,「SMA」の文字は,白抜きで目立つように表されていることに加え,当該略長方形は,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。
そうすると,引用商標4からは,「SMA」の文字及び当該略長方形が,それぞれ自他商品又は自他役務識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。
したがって,引用商標4は,その構成中「SMA」の文字を要部として抽出し,この部分のみを他人の商標(本件商標)と比較して商標の類否を判断することが許されるものであるから,該構成文字に相応して「エスエムエイ」及び「スマ」の称呼を生じ,当該文字は辞書等に掲載がない一種の造語と認められるから,特定の観念を生じないものである。
エ 本件商標と引用商標1,2,4及び5との類否について
本件商標の指定商品中「ソケット」に使用したときに,本件商標の構成中,自他商品の識別標識として機能する「Sma」の文字と引用商標1,2,4及び5の「SMA」の文字とを比較すると,両者は,大文字と小文字の差異を有することに加えて,引用商標1は多少デザイン化されているものの,その文字つづりを同一にするものであるから,外観において近似するというべきである。
次に,本件商標から生じる「スマ」の称呼と引用商標1,2,4及び5から生じる「エスエムエイ」の称呼は明らかに相違するが,引用商標1,2,4及び5からは「スマ」の称呼をも生じるものであり,本件商標から生じる「スマ」の称呼と同一であるから,両者は,称呼において同一の場合もあると判断するのが相当である。
また,両者は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念において比較できないものである。
そうすると,本件商標と引用商標1,2,4及び5とは,観念において比較できないものであるとしても,外観において近似し,称呼において同一の場合もあるから,両者の外観,称呼及び観念等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,両者は,相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。
オ 本件商標の指定商品と引用商標1,2,4及び5の指定商品との類否について
本件商標の指定商品中,第9類「ソケット」と,引用商標1の指定商品中,第9類「power distribution or control instruments and apparatus; regulating apparatus, electric; electric energy supplying devices and systems and electric energy transformers, essentially comprising transformers, inverters, battery storages, solar power and wind turbine regulating devices;(参考訳:配電用又は制御用の機械器具,電気制御用機械器具,電力供給装置及びシステム並びに電力変換器(基本的に変圧器・インバーター・蓄電池・太陽エネルギー及び風力タービン制御装置からなるもの。))」,引用商標2の指定商品中,第9類「apparatus and instruments for controlling and regulating of electricity, all these goods for photovoltaic technology; transformers, inverters, electrical solar power and wind turbine regulating apparatus as well as energy supplying devices comprising the aforementioned apparatus;(参考訳:制御用及び調整用の電気機器,これらの商品は全て光起電力技術用のもの,変圧器,インバーター,電気式の太陽発電用及び風力タービン用の調節用機器並びに前述の機器からなるエネルギー供給装置)」,引用商標4及び5の指定商品中,第9類「Devices and instruments for conducting, switching, transforming, storing, regulating and controlling electricity;(参考訳:電気の伝導用・開閉用・変圧用・蓄電用・調整用及び制御用の機械器具)」とは,ともに電気接続具並びに電力を供給すること及び制御することを目的とする機械器具であって,同一又は類似の商品である。
(3)本件商標と引用商標3及び6との類否について
ア 本件商標と引用商標3との類否について
本件商標は,上記(1)のとおり,「SmaSocket」の文字を書してなるところ,「スマソケット」及び「スマ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
引用商標3は,「SMA Solar Technology」の欧文字を書してなるところ,上記(2)アないしウのとおり,構成中の「SAM」の文字は,辞書等に掲載がない一種の造語と認められるから,当該文字全体としても,特定の観念は生じない。また,当該構成文字から「SMA」のみを抽出しなければならない理由を見いだせない。
そうすると,引用商標3は,その構成文字に相応して,「エスエムエイソーラーテクノロジー」及び「スマソーラーテクノロジー」の称呼を生じるものである,
してみれば,本件商標と引用商標3とは,観念において比較することができないとしても,引用商標3から「スマ」の称呼が生じるとはいえないため,本件商標とは称呼において相紛れるおそれがなく,また,外観においても構成文字において相違し,類似する商標とはいえない。
イ 本件商標と引用商標6との類否について
本件商標は,上記(1)のとおり,「SmaSocket」の文字を書してなるところ,「スマソケット」及び「スマ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
引用商標6は,「エスエムエイ」の片仮名を標準文字で表してなるところ,当該文字は,辞書等に掲載が認められないから特定の観念は生じず,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,本件商標とは,外観において,欧文字と片仮名において相違し,外観上相紛れるおそれがなく,本件商標から生ずる「スマ」の称呼と引用商標6から生ずる「エスエムエイ」の称呼とは,明らかに聴別できるものであるから,本件商標と引用商標6とは,類似する商標とはいえない。
ウ したがって,引用商標3及び6は,その指定商品中に,本件商標の指定商品中,第9類「ソケット」と同一又は類似の商品が包含されているとしても,本件商標は,引用商標3及び6とは類似しない商標である。
(4)小括
したがって,本件商標は,これをその指定商品中,第9類「ソケット」に使用するときは,引用商標1,2,4及び5と類似する商標であって,かつ,本件商標の指定商品中,第9類「ソケット」は,引用商標1,2,4及び5の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって,本件商標は,その指定商品中「ソケット」について,商標法第4条第1項第11号に該当する。
しかしながら,本件商標は,引用商標3及び6とは類似しない商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(ア)申立人は,1981年(昭和56年)に申立人の前身となる制御システムの開発会社をドイツで設立された,太陽光パワーコンディショナーの開発,生産,販売を主要業務とする企業である(甲14,甲15)。
(イ)SMA Japanのウェブサイトには「SMAの海外拠点」として,「JAPAN/SMA JAPAN K.K.」の表示がある。また,同ウェブサイトには「ドイツに本拠を構えるSMAソーラーテクノロジーは・・・世界20カ国へ累計65GWに及ぶ太陽光発電用パワーコンディショナーを提供してきました。」,「SMAジャパンは,SMA製パワコンを日本のユーザに責任を持ってお届けします。」及び「SMAジャパン株式会社」の表示がある(甲16,甲17:2019年(平成31年)4月1日出力)。
(ウ)「環境用語集/パワーコンディショナー」(甲88:2019年(平成31年)4月17日出力)には,「パワーコンディショナーとは,直流の電気を交流に変換し,家庭用の電気機器などで利用できるようにするための機械。」及び「SMAジャパン 世界19カ国で展開するドイツの企業。20年もの間,屋外型の太陽光発電用パワーコンディショナーを生産し35%のマーケットシェアを獲得している世界的なリーディングカンパニー。」の記載がある。
(エ)申立人のプレスリリース(甲19,甲20:2010年(平成22年)6月9日,同年9月7日)には,「ミュンヘンでの今年度のIntersolarの太陽光発電部門でIntersolar Awardを獲得した。」及び「業界紙Photon Profiによる最新インバータテストにおいてSMAのSunny Tripower17000TLが『最高品質製品』だと称され,最高グレードA+を獲得した。」の記載がある。
また,同プレスリリースの右上には引用商標4(同一視できるものを含む。以下同じ。)が表示されている。
(オ)IMS researchのプレスリリース(甲21:2013年(平成25年)1月21日)には,「IMS Research(現在はIHS Inc.に属す。(ニューヨーク証券取引所:IHS))が400以上の太陽光インバータ購入者を対象に行った新たな調査において,2012年世界的に人気であった太陽光インバータブランドはSMA Solar Technologyであった。」の記載がある。
(カ)申立人グループ全体の売上高は,2014年(平成26年)は8054億ユーロ,2015年(平成27年)は9818億ユーロ,2016年(平成28年)は9467億ユーロ,2017年(平成29年)は8910億ユーロ,2018年(平成30年)は7609億ユーロである。また,当該金額が表示された,申立人の年次報告書の表紙には,引用商標4が表示されている(甲22)。
(キ)SMA Japanのウェブサイトの各ページには,引用商標4が表示されている。また,同ウェブサイトの製品一覧のページにおいては,申立人商品に引用商標4が付されている。(甲14,甲16〜甲18:2019年(平成31年)4月1日出力,甲23,甲24〜甲84:2019年(平成31年)3月31日出力)
(ク)SMA Japanのウェブサイトにおいて,申立人商品の各国への設置場所等の紹介がされているところ,我が国では,青森県三沢市及び鹿児島県七ツ島において,2013年より申立人商品を利用した太陽光発電所が運用されている。(甲24〜甲84:2019年(平成31年)3月31日出力,甲85:2019年(平成31年)4月15日出力)
(ケ)日経BP社の「メガソーラービジネス」に関する情報(甲86,甲87:2013年(平成25年)11月5日,同年11月26日)には,鹿児島メガソーラー発電がメガソーラー(大規模太陽光発電所)を鹿児島県鹿児島市七ツ島に建設し,「パワーコンディショナー(PCS)はドイツSMAソーラーテクノロジー社製」である旨紹介されている。
(コ)申立人商品は,「月刊ソルビスト」(甲96:2014年(平成26年)8月号)及び「日経ホームビルダー」(甲97:2014年(平成26年)9月号)において紹介又は広告がされているところ,両誌には「SMAジャパン株式会社」の文字及びその左側に引用商標4が表示されている。
(サ)申立人商品は,外国雑誌において紹介されている(甲89〜甲95)。
イ 上記アによれば,申立人は,太陽光パワーコンディショナーの開発,生産,販売を主要業務とする企業であって,申立人商品は,2010年(平成22年)にドイツにおいて,太陽光発電部門でIntersolar Awardを獲得したり,最高品質製品と称されており,また,アメリカにおける2012年調査において,世界的に人気がある太陽光インバータブランドは,「SMA Solar Technolog」とされているが,当該事実は,外国におけるものである。
そして,申立人商品には,引用商標4が使用されていることが認められるものの,他の引用商標について使用されていることは確認できない。
また,申立人の主張する売上高は,グループ全体のものであって,申立人商品のみのものではなく,また,我が国における販売実績やシェアも確認できない。
さらに,我が国において,申立人商品は「SMAジャパン株式会社」が販売しており,同社のウェブサイトには引用商標4が表示されていることは認め得るものの,申立人商品を使用した,太陽光発電所は,青森県及び鹿児島県のわずか2か所であり,雑誌における,申立人商品に関する紹介及び広告についても,2014年(平成26年)にわずかに2誌に掲載されているのみである。
そうすると,引用商標1ないし3及び5ないし10は,申立人商品において使用の事実が認められず,引用商標4は,申立人商品や「SMAジャパン株式会社」のウェブサイト等において使用されていることは認め得るものの,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されている商標であるとは認めることはできない。
(2)本件商標と引用商標1ないし10との類似性の程度について
上記2(2)のとおり,本件商標と引用商標1,2,4及び5とは,観念において比較できないものであるとしても,外観及び称呼において相紛らわしい類似の商標であり,類似性の程度は高いといえる。
また,上記2(3)のとおり,本件商標と引用商標3及び6とは,観念において比較できないものであるとしても,外観及び称呼において区別できる非類似の商標であり,類似性の程度は低いものである。
さらに,引用商標7ないし10は,それぞれ前記第2のとおり,「SMA Solar Academy」,「SMA SOLAR|ACADEMY」,「SMA|SERVICE」,「SMA Smart Conncted」の欧文字を書してなるところ,上記2(2)アないしウのとおり,これらの構成中の「SAM」の文字が辞書等に掲載がない一種の造語と認められるから,これらの構成文字全体としても,特定の観念は生じない。また,引用商標7ないし10の構成文字から「SMA」の文字のみを抽出しなければならない理由を見いだせないから,「スマ」の称呼が生じるとはいえない。
そうすると,本件商標と引用商標7ないし10とは,観念において比較することができないとしても,称呼において紛れなく,また,外観においても構成文字において相違し,非類似の商標であり,類似性の程度は低いものである。
(3)出所の混同のおそれについて
引用商標は,上記(1)イのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標であるとは認めることはできない。
そうすると,本件商標と引用商標1,2,4及び5との類似性の程度が高いものとしても,本件商標に接する取引者,需要者が引用商標1,2,4及び5を連想又は想起するものということはできない。
また,本件商標と引用商標3及び6ないし10とは類似性の程度は低いものであるから,本件商標に接する取引者,需要者が引用商標3及び6ないし10を連想又は想起するものということはできない。
してみれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(1)本件商標権者は,「本件商標は,当初『SmartSocket』にする予定であったが,冗長かつデザイン的に好ましくないことなどから,『Smart』を略して『Sma』とした経緯より,本件商標からは『頭の良いソケット,機敏なソケット,気の利いたソケット,素早いソケット』程の意味合いを想起させるものであるから,引用商標1,2,4及び5とは観念において相違する。」旨主張する。
しかしながら,本件商標の構成中の「Sma」の文字が「Smart」の略語として一般的に使用されているという証拠の提出はなく,当該「Sma」の文字が,直ちに,本件商標権者が主張する「Smart」の略語であるとはいい難いから,本件商標より「頭の良いソケット,機敏なソケット,気の利いたソケット,素早いソケット」程の意味合いを想起するものとは認められない。
(2)本件商標権者は,「SMAジャパン株式会社に問い合わせたところ,引用商標の『SMA』の文字は,30年以上前から『スマ』ではなく,『エスエムエイ』の称呼として使用されており,引用商標からは『エスエムエイ』の称呼が生じるものであることが明らかである。したがって,本件商標と引用商標1,2,4及び5の称呼は明らかに相違するものである。」旨主張する。
しかしながら,「SMAジャパン株式会社」の読みが,「エスエムエイジャパンカブシキガイシャ」であったとしても,上記2(2)のとおり,引用商標1,2,4及び5は,その構成文字から「エスエムエイ」の称呼の他に,「スマ」の自然な称呼をも生じるというのが相当である。
(3)本件商標権者は,過去の登録例を挙げて,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当せず,また本件商標は,引用商標1,2,4及び5とは非類似である旨主張している。
しかしながら,商標の商標法第4条第1項第16号該当性及び商標の類否の判断は,過去の登録例に拘束されることなく,当該商標及び対比する両商標の構成態様及びその指定商品との関係から個別かつ具体的に判断されるべきであって,本件商標は上記1のとおり,商標法第4条第1項第16号に該当し,また,本件商標と引用商標1,2,4及び5とは,上記2(2)のとおり,類似の商標というべきものである。
(4)したがって,本件商標権者の主張は,いずれも採用することができない。
したがって,本件商標は,その指定商品中「結論掲記の指定商品」について,商標第4条第1項第11号及び同項第16号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものとし,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については,取り消すべき理由がないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
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類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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