Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2019−900326(T2019−900326/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第6172551号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成30年7月18日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、令和元年7月4日に登録査定、同年8月16日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する登録第4301595号商標(以下「引用商標」という。)は、「EIDER」の欧文字を横書きしてなり、平成6年3月17日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同11年8月6日に設定登録され、その後、同21年8月25日及び令和元年5月14日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現在、有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであって、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。
1 本件商標中、「eider」の文字と「warmth」の文字の間には顕著な図形が挿入され、また、「warmth」は、英単語「warm」の名詞形として「暖かさ、温かさ」を意味することから、被服等の指定商品との関係において品質表示であり識別力が弱いのに対し、構成前半の「ケワタガモ」を意味する英単語である「eider」の文字は、一般の需要者に知られているとはいえない英単語であるから、より強い自他商品識別力を発揮する。
よって、本件商標は、「アイダーウォームス」に加え、「アイダー」の称呼をも生じる。この点は、「アイダーウォームス」の称呼が冗長であることを踏まえると、一層明らかである。
2 引用商標は、標準的な欧文字の「EIDER」のみよりなるから、「アイダー」と称呼され、「ケワタガモ」の観念を生じる。
3 したがって、本件商標と引用商標は、「ケワタガモ」の観念及び「アイダー」の称呼において同一であり、全体として類似する商標である。
加えて、本件商標は、引用商標と同一の商品を指定するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1(別掲)のとおり、上段に図形を、下段に「eider」と「warmth」の欧文字、両文字の間に配した図形及び該図形の右下から構成文字の末尾の「h」に向けて波を描くように伸びた一本の線を表した構成からなる、図形と文字の結合商標である。
そして、上記構成からすれば、図形部分のほか、文字部分が単独で出所識別標識として機能し得る要部といえるところ、当該文字部分は、「eider」と「warmth」との間に図形が配されていることから、2つの語からなると看取されるものではあるが、各文字が同書、同大でまとまりよく表されており、どちらかの文字(語)のみが強く支配的な印象を与えるものではなく、本件商標の構成文字全体に相応して生じる「アイダーウォームス」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成文字中前半部の「eider」の文字は、「ケワタガモ」の意味を有する英単語であるとしても、我が国においては親しまれたものではないから、特定の語義を有しない造語を表したと理解されるものといえる。
また、後半部の「warmth」の文字は、「暖かさ、温かさ」等の意味を有するが、それが直ちに本件商標の指定商品の品質を表示するものとして理解、認識されるものであるとはいえず、むしろ、「eider」の語と組み合わせた該構成にあっては、その構成文字全体をもって一連一体の造語として認識、把握されるものと判断するのが相当である。
加えて、本件商標を構成する図形部分は、特定の事物等を表すものとして認識されるというべき事情は認められないことから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。
したがって、本件商標からは、「アイダーウォームス」のみの称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「EIDER」の欧文字を横書きした構成からなるところ、該文字は、前記(1)と同様の理由から、特定の意味合いを有しない一種の造語といえるものである。
したがって、引用商標からは、「アイダー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観について
本件商標と引用商標は、本件商標の要部たり得る文字部分で比較すると、小文字か大文字かの相違に加え、「warmth」の文字の有無という明確な差異を有するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。なお、両商標の全体を比較しても、上記文字部分の相違に加え、図形の有無という顕著な差異も有することから、より明確に区別することができる。
イ 称呼について
本件商標より生ずる「アイダーウォームス」の称呼と引用商標より生ずる「アイダー」の称呼とは、「ウォームス」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、称呼上、容易に聴別し得るものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標の観念は、それぞれ前記したとおりであるから、観念上、比較することができない。
エ 小括
本件商標と引用商標とは、観念上比較することができないとしても、外観及び称呼において互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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