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Trademark Appeal Case

結合商標の分離と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900358(T2019−900358/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6191595号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6191595号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成30年9月28日に登録出願、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和元年9月13日に登録査定、同年10月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「本件商標は申立人が所有する別掲2の商標と類似であり、登録の取消を求める。」旨述べた。なお、申立人が本件登録異議の申立ての理由において引用する別掲2の商標については、左上から右下までを、それぞれ横列に従って順に引用商標1から引用商標10までといい(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

申立人は、本件登録異議の申立てにおいて、本件商標の登録の取消理由について根拠条文を明示していないが、商標登録異議申立書の記載からすれば、本件商標は、その指定商品及び指定役務中第16類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に該当することを理由として、同法第43条の2第1号に基づき商標登録の取消を主張しているものと解することができるため、以下検討する。

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、白抜きと緑色の線で二重縁取りし、緑色で表した「Smile Magic」の欧文字(以下「本件文字部分」という。)と、その上に、図形(以下「本件図形部分」という。)を配してなる結合商標である。

本件図形部分は、内部が黄色で着色された円輪郭の中に、上部に目と思しき小さい黒塗りの円を二つ並べ、その左右横のやや下部に2つの赤色の円を、その下に口と思しき両端上がりの弧線及びその両端に短く棒状の模様を配し、また、円輪郭の頂上部に接して王冠様の図形とその図形の上に星形状の図形を三つ並べ、これら図形を白抜きと緑色の線で二重縁取りした構成からなるものである。そして、その外観的特徴から、簡潔、かつ、象徴的に王冠をかぶった人の笑顔を描いたものであることを印象づけるものであり、これからは王冠をかぶった人の笑顔等に関連する観念を生じ得るが、特定の称呼を生じるとまではいえない。

他方、本件文字部分は、「Smile」と「Magic」の各欧文字がそれぞれ白抜きと緑色の線で二重縁取りされているものの、これらの文字は、同書、同大で外観上まとまりよく表されていることから、その構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが相当であり、構成全体として、「スマイルマジック」の称呼及び「笑顔と魔法」程度の観念が生じる。

そして、本件文字部分と本件図形部分は、重なること無く間隔を空けて上下に配置されていることから、視覚的に明確に分離して認識されるものである。

また、本件文字部分は、全体として「笑顔と魔法」程度の意味合いを認識させるものの、それ自体が、王冠をかぶった人の笑顔を描いたものと認識される本件図形部分と、直接的な観念上のつながりがあるということはできない。

そうすると、本件商標は、その構成における本件図形部分と本件文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、引用商標との類否判断に際して、それぞれを要部として自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。

イ 引用商標について

引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、引用商標1及び2は、円輪郭の中に、上側に左右同形状で2つの略円形又は縦長楕円を配し、下側に両端上がりの弧線及びその両端に短く棒状の模様を配することにより、全体として人の笑顔を表現したとの印象を与える図形及びその図形の下に下向き弧状に、「SMILEY FACE」又は「SMILEY」の欧文字をそれぞれ表したものである。

引用商標3、4及び6〜9は、上記の図形と同様に、全体として人の笑顔を表現したとの印象を与える図形からなるものであり(もっとも、これらの表現手法は様々であり、笑顔の印象は必ずしも全て同様ではない。また、引用商標4は、内部が黄色に着色されている。)、引用商標5は、円輪郭の中に、左上には縦長楕円を、右上には円の中央側に位置する一端を接した2本の線を配し、下側に円弧状の線及びその両端に円を配することにより、全体としてウィンク又は片目を閉じたような人の顔を表現したとの印象を与える図形からなり、引用商標10は、「SMILE」の欧文字からなるものである。

そうすると、引用商標1及び2の図形部分並びに引用商標3、4及び6〜9からは、各図形が全体として人の笑顔を表現したとの印象を与えるものであるから、これからは人の笑顔等に関連した観念が生じ得るといえるが、特定の称呼を生じるとまではいえない。引用商標1及び2は欧文字を含むことから、当該欧文字から「にこにこした顔」又は「にこにこした」の観念、「スマイリーフェイス」又は「スマイリー」の称呼がそれぞれ生じる。引用商標5は、全体としてウィンクした人の顔を表現したとの印象を与えるものであるから、これより人のウィンク等に関連した観念が生じ得るといえるが、特定の称呼を生じるとまではいえない。

また、引用商標10は、「SMILE」の欧文字からなるものであるから、「スマイル」の称呼及び「笑顔」の観念を生じる。

ウ 本件商標と引用商標との類否

本件商標は、前記アのとおりの構成からなり、本件図形部分は、全体としては王冠をかぶった人の笑顔様の図形であって、上部に王冠を配してなる点に特徴があることから、単なる人の笑顔とは異なる印象を与えるものである。

他方、引用商標1〜9は、前記イのとおりの構成からなり、左右2つの略円形又は縦長楕円を上側に配するなどして人の笑顔を表現したとの印象を与える図形(引用商標1及び2の図形部分、3、4及び6〜9)、左上には縦長楕円を、右上には一端を接した2本の線を配するなどしてウィンク等をした人の顔を表現したとの印象を与える図形(引用商標5)である。

そして、本件商標の本件図形部分と引用商標1〜9(引用商標1及び2は、その図形部分)とを比較すると、本件図形部分は上部に王冠様の図形及び星形状の図形を有する特徴があり、この特徴は上記引用商標の図形にはないもので、簡潔に表現された図形であって、その形状の有無が両商標の図形部分ないし商標全体の印象に与える影響は大きいものといえ、両商標における上記形状の違いが明確に区別できるものであるから、両者は、外観上相紛れるおそれがないというべきである。

また、本件文字部分と引用商標1及び2の文字部分並びに引用商標10とを比較すると、その構成文字(つづり)や書体が明らかに異なるから、両者は、外観上相紛れるおそれがない。

次に、観念においては、本件商標の本件図形部分からは王冠をかぶった人の笑顔の観念を生じ、本件文字部分からは「笑顔と魔法」の観念を生じるのに対し、引用商標1〜9を構成する図形からは、人の笑顔等に関連した観念(引用商標1〜4及び6〜9)、又は人のウィンク等に関連した観念(引用商標5)が生じ得るといえ、また、引用商標1及び2を構成する欧文字からは「にこにこした顔」又は「にこにこした」の観念、引用商標10からは「笑顔」の観念が生じるといえるから、両者は、観念上相紛れるおそれはない。

また、称呼においては、本件商標からは、本件文字部分から「スマイルマジック」の称呼が生じるのに対し、引用商標1、2及び10からは、それぞれ「スマイリーフェイス」、「スマイリー」及び「スマイル」が生じるが、これらはいずれも明瞭に聴別できるものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないから、これらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、商品の出所について混同を生ずるおそれはない非類似の商標と判断するのが相当である。

以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務中、登録異議の申立てに係る指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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