sokuhyo

Trademark Appeal Case

不使用取消と社会通念上の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2018−300642(T2018−300642/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5095589号商標(以下「本件商標」という。)は、「GREEN CARE」及び「グリーンケア」の文字を二段に書してなり、平成18年12月12日に登録出願、第1類「化学品,製造工程用洗浄剤(家庭用のもの及び医療用のものを除く。),スケール除去剤(家庭用のものを除く。),漂白剤(洗濯用のものを除く。)」、第3類「カーペット用洗浄剤・食器洗浄機用洗浄剤・その他の洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。)及びその他のせっけん類,つや出し剤用剥離剤,塗料用剥離剤,つや出し剤,カーペット用染み抜き剤,洗濯用漂白剤,洗濯用柔軟剤,染み抜きベンジン,さび除去剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」及び第21類「洗浄剤又は化学剤を染み込ませた雑巾,清掃用ブラシ,台所用磨きパッド,ワックス剥離用パッド,その他の清掃用具及び洗濯用具,せっけん用・脱臭剤用及び消毒剤用ディスペンサー」を指定商品として、同19年11月30日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、平成30年8月27日である。

なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成27年8月27日ないし同30年8月26日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第1類「全指定商品」、第3類「全指定商品」及び第21類「洗浄剤又は化学剤を染み込ませた雑巾,清掃用ブラシ,台所用磨きパッド,ワックス剥離用パッド,その他の清掃用具及び洗濯用具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第1類「全指定商品」、第3類「全指定商品」及び第21類「洗浄剤又は化学剤を染み込ませた雑巾,清掃用ブラシ,台所用磨きパッド,ワックス剥離用パッド,その他の清掃用具及び洗濯用具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

2 弁駁の理由

(1)乙第1号証について

請求人は、被請求人が自社ホームページ内で自己の業務内容として「業務用清掃洗浄剤,清掃用ワックス,衛生管理用除菌剤,業務用洗浄剤,飲料・食品工業用洗浄剤,清掃用機器,清掃用具等関連製品の製造・輸入・販売」などを記載している事実については、これを争わない。

(2)乙第2号証ないし乙第5号証について

乙第2号証の3枚目(以下「カタログ当該ページ」という。)には、「『GREEN CARE SOLUTION』の文字及び図形からなるロゴ」及び「グリーンケア」の語が用いられている。また、乙第3号証ないし乙第5号証にも同一の記載が認められる。

そして、「『GREEN CARE SOLUTION』の文字及び図形からなるロゴ」は、「GREEN CARE SOLUTION」の文字並びに葉、風の流れを示すと思われる1本の波線及びビルの壁面状の図形から構成されており、その外観構成は非常にまとまりがよく一体に表されている。このロゴから、本件指定商品との関係からは、「GREEN CARE」の文字のみを分離分断すべき理由はなく、むしろ全体として1つの標章と認識されるものである。

そうすると、当該ロゴは本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。

(3)商標としての使用について

被請求人は、答弁書において、本件商標を「環境に配慮したクリーニングシステム及びその製品の概念を表わす包括的な商標として使用している」と主張し、また、本件商標は「個別の商品についての商標としても機能していると考えられる。」と述べている。

しかし、「クリーニングシステム」は、被請求人が所有する本件商標と同一の商標(登録第5107883号)が指定している第37類に属する役務であるので、例え「クリーニングシステム」に本件商標を使用しているとしても、それをもって本件指定商品について使用しているとはいえない。

また、カタログ当該ページの左側上部には、上述のロゴとともに「シーバイエスでは、『人と環境へのやさしさ』を考え、共通の安全基準を満たした製品のラベルへ『J−GREEN』マークを添付しています。」との記載がある。これより、被請求人が人と環境に配慮した企業であることをアピールするための標章として上述のロゴを使用していることは明らかである。

さらに、「グリーンケアの3つの要素」の記載からは、本件商標がいかなる商品に具体的に使用されているかが全く不明である。

「GREEN CARE SOLUTIONの文字及び図形からなるロゴ」及び「グリーンケア」は商標法第2条第3項に掲げるいかなる標章の使用にも当たらない。

被請求人のホームページで検索したところ、「グリーンケア」又は「GREEN CARE」でヒットする商品はなかった(甲1の1)。

一方、カタログ当該ページの右側に記載の「ハードフロアケア製品」「カーペットケア製品」「レストルームケア製品」「ゲストルームケア製品」の各見出しの下に掲載の商品は、全てヒットした(甲1の2)。請求人が調べたところでは、被請求人商品には「J−GREEN」ロゴは付されているものの(甲2)、本件商標が付されている事実は確認できなかった。

被請求人が本件商標を個別の商品について使用していない以上、「本件商標は個別の商品についての商標としても機能している」ことはない。

(4)本件商標が需要者及び取引者に認識されているかどうかについて

上述したように、被請求人自身が本件商標を商標として使用しておらず、また、化学品検索サイト「ケムeデータ」、業務用清掃用品・掃除用品専門サイト「おそうじモネッツ」及び掃除道具の販売サイト「リブライトオンラインショップ」においても本件商標はヒットしなかった(甲3〜甲5)。

以上より、本件商標を付した商品が一般に流通していないのであるから、本件商標が需要者及び取引者に認識されていないことは明白であり、市場において反復継続的に顧客を吸引する力を有しているとはいえない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

1 答弁の理由

(1)被請求人は、「業務用清掃洗浄剤、清掃用ワックス、衛生管理用除菌剤、業務用洗浄剤、飲料・食品工業用洗浄剤、清掃用機器、清掃用具等関連製品の製造・輸入・販売」などを業務とする企業である(乙1)。

本件商標は、被請求人が、環境に配慮したクリーニングシステム及びその製品の概念を表す商標として、継続して使用しているものである。

乙第2号証として、被請求人の総合カタログ(2018年7月版)のコピーを提出する。表紙を含めて3枚目に「環境対応」という項目の左右2ページがあり、いずれのページにも、右上に「GREEN CARE」が大きく読みやすく表されたロゴが使用されている。また、左ページの中央やや上に「グリーンケアの3つの要素」とあり、片仮名「グリーンケア」が使用され、その下に、3つの要素ごとの対応商品の種類が記載されている。さらに、右ページには、環境評価基準に準拠した製品群が記載されている。

このように、本件商標は、環境に配慮したクリーニングシステム及びその製品の概念を表す包括的な商標として使用されている。この商標は、被請求人の個別の商品について、上記システムに使用される若しくは上記概念に含まれる商品であることを表していると需要者及び取引者には認識され、個別の商品についての商標としても機能していると考えられる。つまり、乙第2号証の表紙を含めて3枚目右ページで列挙された環境評価基準に準拠した製品群の全てについて、本件商標が使用されていることになる。

この環境評価基準に準拠した製品群は、「ハードフロアケア製品」、「カーペットケア製品」、「レストルームケア製品」、「ゲストルームケア製品」と分類されており、具体的には、乙第2号証総合カタログ内の以下の商品が属する。

ア ハードフロアケア製品

「ハードフロア」とは、商業施設や工場などの木床、化学床、石床、コンクリート床などのことをいう(乙2の1ページ 目次)。

具体的製品としては、「ワックス」(乙2の3〜7ページ)、「床用クリーナー」(乙2の8ページ)、「はく離剤」(乙2の9ページ)、「鉱物油クリーナー」(乙2の10ページ)及び「自動床洗浄機用クリーナー」(乙2の12ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「つや出し剤,洗浄剤,つや出し剤用剥離剤」に属する商品である。

また、フロアケアアクセサリーとして、「モップ,バケツ,クロス」(乙2の21、22ページ)などがあり、これらは、本件指定商品中の「清掃用具」に属する商品である。

イ カーペットケア製品

「カーペットケア」とは、カーペット用の製品をいう(乙2の2ページ 目次)。

具体的製品としては、「スポットクリーナー」(乙2の15ページ)、「シャンプー」(乙2の15ページ)及び「タイルカーペット洗浄マシン専用洗浄剤」(乙2の16ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「洗浄剤,カーペット用染み抜き剤」に属する商品である。

ウ レストルームケア製品

「レストルームケア」とは、トイレ用の製品をいう(乙2の2ページ 目次)。

具体的製品としては、「トイレクリーナーシート」(乙2の23ページ)、「トイレクリーナー」(乙2の23ページ)、「尿石クリーナー」(乙2の24ページ)及び「中性マルチクリーナー」(乙2の24ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「洗浄剤又は化学剤を染み込ませた雑巾」及び「洗浄剤」に属する商品である。

また、バスルームケア製品として、「バスクリーナー,水垢除去剤」(乙2の25ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「洗浄剤」に属する商品である。

エ ゲストルームケア製品

「ゲストルームケア」とは、会議室、応接室及びホテルの客室用の製品をいう(乙2の2ページ 目次)。

具体的製品としては、「ガラス用洗浄剤」(乙2の27ページ)及び「クリーナー」(乙2の27ページ、28ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「洗浄剤」に属する商品である。

また、パーソナルケア製品として、「ハンドソープ,薬用せっけん,シャンプー,ボディソープ,油汚れ用洗浄剤」(乙2の30〜32ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「せっけん類,洗浄剤」に属する商品である。

さらに、フードハイジーンケア製品(厨房用製品)として、「クリーナー,除菌洗浄剤,ふきん用洗剤,漂白剤,中性洗剤」(乙2の33〜36ページ)があり、これらは、本件指定商品中の「洗浄剤」及び「漂白剤(洗濯用のものを除く。)」に属する商品である。

なお、被請求人の総合カタログは、定期的に更新されているが、内容に大きな変更はされていない。参考のため、2017年11月版、2016年3月版及び2015年9月版の抜粋コピーを提出する(乙3〜乙5)。これにより、被請求人が、本件商標を継続して使用していることが明らかである。

(2)以上より、本件商標が、審判請求前3年以内に日本国内において指定商品中、第1類「漂白剤(洗濯用のものを除く。)」、第3類「洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),せっけん類,つや出し剤用剥離剤,つや出し剤,カーペット用染み抜き剤」及び第21類「洗浄剤又は化学剤を染み込ませた雑巾,清掃用具」について使用されていたことが明らかである。

第4 当審の判断

1 本件商標の使用について

(1)被請求人の主張及び同人の提出に係る乙各号証によれば、以下のとおりである。

ア 本件商標権者(被請求人)は、事業内容を「業務用清掃洗浄剤、清掃用ワックス、衛生管理用除菌剤、業務用洗浄剤、飲料・食品工業用洗浄剤、清掃用機器、清掃用具等関連製品の製造・輸入・販売」などとする1962年に設立された企業である(乙1)。

イ 本件商標権者は、少なくとも2015年9月(乙5)、2016年3月(乙4)、2017年11月(乙3)及び2018年7月(乙2)に自己の取扱いに係る商品についての商品カタログ(総合カタログ)を制作した。

ウ 乙第2号証の総合カタログは、表裏の表紙以外を1枚に2ページずつ横に並べてコピーした全25葉からなり、表紙には「総合カタログ 2018年7月」、裏表紙には本件商標権者の名称及び住所の記載があり、その3葉目には、別掲のとおり、図形と「GREEN」及び「CARE」の文字とを組み合わせ、さらに、その下方に「SOLUTION」の文字を配してなる標章(以下「使用標章」という。)が表示されている。

エ 上記ウのカタログには、本件商標権者の取扱いに係る商品として、「ワックス」(5葉目)、「床用クリーナー」(7葉目)、「清掃用具」(14葉目)、「全身洗浄料・シャンプー」(19葉目)及び厨房用の「漂白剤」(20葉目)等が掲載されている。

(2)上記(1)によれば、本件商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内の2018年7月に、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「ワックス」、「床用クリーナー」、「清掃用具」、「シャンプー」、「厨房用漂白剤」が掲載されたカタログ(乙2)を制作したものといえる。

そして、本件商標権者による当該カタログは、内容が40ページ以上からなる商品の写真及び説明等により構成されているものであることから、顧客の商品選択のために販売する商品が掲載されたカタログといえ、また、2015年から毎年継続して制作されていることもあわせ考慮すれば、当該カタログは、本件商標権者が顧客に提供するために制作し、頒布したものと推認し得るものである。

また、当該カタログに表示されている使用標章は、いずれも、左側から右側に向かってやや大きくなるように「GREEN」と「CARE」の文字を黒字で上下二段に書し、その右側に青色の四角を縦横に多数並べたビルの壁面様の図形を配し、また、上記「GREEN」と「CARE」の文字の間に、緑色の細い波線及び葉様の図形を配し、さらに、上記「GREEN」と「CARE」の文字及び図形の下部に、これらと幅をそろえて、小さく「SOLUTION」の文字を青色で書した構成からなるものであるところ、その構成中、同じ書体で大きく太く、まとまりよく表された「GREEN」と「CARE」の文字部分が、一体のものとして看取されることから、当該文字部分が独立した要部として、これに接する取引者、需要者に、商品の出所識別標識として認識、理解されるといえるものである。

そこで、本件商標と使用標章とを比較すると、本件商標は、前記第1のとおり、「GREEN CARE」及び「グリーンケア」の文字を二段に書してなり、下段の「グリーンケア」の文字は、上段の「GREEN CARE」の欧文字の読みを特定するものとして認識されるとみるのが相当であり、「GREEN」と「CARE」の文字からなる使用商標の要部は、本件商標の欧文字部分とその構成文字を同じくするものであるから、本件商標と使用標章の要部とは、同じ称呼を生じ、観念において異なるものということもできないから、本件商標と社会通念上同一の商標と認めることができる。

してみれば、本件商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中、第1類「漂白剤(洗濯用のものを除く。)」に含まれる「厨房用漂白剤」、第3類「洗浄剤(製造工程用及び医療用のものを除く。),せっけん類,つや出し剤」に含まれる「床用クリーナー」、「シャンプー」、「ワックス」、第21類「清掃用具及び洗濯用具」に含まれる「清掃用具」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用(商標法第2条第3項第8号にいう使用)をしたものと認められる。

2 むすび

以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の第1類「全指定商品」、第3類「全指定商品」及び第21類「洗浄剤又は化学剤を染み込ませた雑巾,清掃用ブラシ,台所用磨きパッド,ワックス剥離用パッド,その他の清掃用具及び洗濯用具」について取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。