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Trademark Appeal Case

SAINTとSAINTSの称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−27(T2019−27/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「SAINT」の欧文字を標準文字で表してなり,第13類及び第28類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年5月10日に登録出願されたものである。

その後,指定商品については,当審における平成31年2月20日付けの手続補正書及び令和2年3月19日付けの手続補正書により,最終的に,第13類「弾倉・グリップ・火器用照準器(望遠照準器を除く。)・ホルスター・その他のレプリカの銃火器の付属品(武器),銃砲,銃砲弾,火薬,爆薬,火工品及びその補助器具」及び第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と補正されたものである。

第2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第4850856号商標(以下「引用商標1」という。)

・商標の構成:「Saints」(標準文字)

・指定商品:第9類「レコード,録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD−ROM・DVD−ROM及び光ディスク,電子出版物,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−I・CD−ROM及びDVD,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−I・CD−ROM及びDVD,ダウンロードもしくはインストール可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラム,ダウンロードもしくはインストール可能な携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用プログラム」

・登録出願日:平成15年9月11日

・設定登録日:平成17年3月25日

2 登録第5666305号商標(以下「引用商標2」という。)

・商標の構成:「SAINTS」(標準文字)

・指定商品及び指定役務:第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を含む第25類,第3類,第9類,第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品並びに第35類「被服・ガーター・靴下止め・ズボンつり・バンド・ベルト・履物・帽子・仮装用被服・運動用特殊衣服・運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

・登録出願日:平成25年6月18日

・設定登録日:平成26年4月25日

3 登録第5986653号商標(以下「引用商標3」という。)

・商標の構成:別掲のとおり

・指定商品:第27類「体操用マット」を含む第27類,第6類,第17類,第19類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品

・登録出願日:平成29年2月16日

・設定登録日:平成29年10月6日

第3 当審の判断

1 引用商標1に係る本願商標の拒絶の理由について

本願の指定商品は,上記第1のとおり補正された結果,引用商標1の指定商品と同一又は類似の商品はすべて削除され,本願の指定商品は,引用商標1の指定商品と類似しない商品になったものと認められる。

したがって,引用商標1に係る本願商標の拒絶の理由は解消した。

2 引用商標2及び引用商標3(以下,まとめて「引用商標」という場合がある。)に係る本願商標の拒絶の理由について

(1)本願商標

本願商標は,「SAINT」の欧文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,「聖人」等の意味を有する英語としてある程度親しまれたものであるから(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行),これよりは,その構成文字に相応して「セイント」の称呼を生じ,「聖人」等の観念を生じるものである。

(2)引用商標

ア 引用商標2は,「SAIN丁S」の欧文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,「聖人」等の意味を有する英語「Saint」の複数形といえるものであるから(前掲書),引用商標2は,その構成文字に相当して「セインツ」の称呼を生じ,「聖人」等の観念を生じるものである。

イ 引用商標3は,別掲のとおり,「SAINT」(Aの横線の左右が図案化されている。以下同じ。)の欧文字及び「セイント」の片仮名を横書きで上下2段に配置し,下段の片仮名は上段の欧文字に比してかなり小さく書してなるものであり,いずれの文字も,青色で書してなるものであるところ,その構成からして,下段の「セイント」の片仮名は,上段に横書きされた「SAINT」の欧文字の読みを示したものと理解するのが自然である。

そうすると,引用商標3の構成中,下段の「セイント」の片仮名は,取引者,需要者の注意をひく態様のものではなく,上段の「SAINT」の欧文字部分が,出所識別標識として機能を果たす主要な部分(要部)であるといえる。

また,「SAINT」の欧文字は,上記(1)のとおり,「聖人」等の意味を有する英語としてある程度親しまれたものであるから,当該文字からは,「聖人」等の観念を生じるものである。

してみれば,引用商標3は,その構成文字に相応して,「セイント」の称呼を生じ,「聖人」等の観念を生じるものである。

特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標2との類否

ア 本願商標と引用商標2との類否について検討するに,両者は,外観においては,いずれも標準文字で表され,「S」,「A」,「I」,「N」,「T」のつづりを共通にし,異なるところは,語尾における「S」の文字の有無にすぎないことから,両者は,外観上,近似した印象を与えるものである。

次に,称呼においては,本願商標から生じる「セイント」の称呼と,引用商標2から生じる「セインツ」の称呼とは,語頭の音を含む第1音から第3音までを共通にし,異なるところは,語尾の音における「ト」と「ツ」の音の差異にすぎないところ,両称呼は,いずれも語頭の音をアクセントとして強く発音されるものであるから,語尾の音は,明瞭に聴取しにくいものというのが相当あり,それぞれを称呼するときには,全体の語調,語感が近似したものとなり,両者は,称呼上,互いに紛らわしいものである。

さらに,観念においては,本願商標と引用商標2とは,いずれも「聖人」等の観念を生じるものであるから,両者は,観念上,同一である。

してみれば,本願商標と引用商標2とは,外観において,近似した印象を与えるものであり,称呼において,互いに紛らわしいものであり,観念において,同一であることから,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,両商標は,商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

イ 本願の指定商品と引用商標2の指定商品及び指定役務の類否

本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と,引用商標2の指定商品中,第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類「運動用特殊衣服・運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との類否について,以下検討する。

(ア)本願の指定商品と引用商標2の指定商品の類否

本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」は,射撃競技に使用する空気銃等又はスポーツ競技としてのサバイバルゲームに用いられる空気銃やレプリカの銃砲弾等であり,それぞれ,射撃競技に使用する空気銃等の取扱い専門店やスポーツ競技としてのサバイバルゲーム用品の取扱い専門店により販売されるものであり,それらの需要者は,空気銃等による射撃競技やスポーツ競技としてのサバイバルゲームの運営事業者,競技選手又は愛好者等である。

他方,引用商標2の指定商品中,第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は,それぞれ,専らスポーツをする際に限って着用する特殊な衣服,専らスポーツをする際に限って使用する特殊な履物であり,例えば,専ら陸上競技に使用する「陸上競技用衣服」や「陸上競技用靴」等が該当する。

そしてこれらは,それぞれのスポーツ種目に応じた,専らスポーツをする際に限って着用又は使用する特殊な衣服・靴の専門メーカーによって生産され,当該運動用特殊衣服・靴を取扱う卸売り又は小売り業者により販売され,それらの需要者は,当該運動用特殊衣服・靴を必要とするスポーツ選手・団体等である。

そうすると,本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と,引用商標2の指定商品中,第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」とは,その生産部門,販売部門,用途及び需要者のいずれにおいても共通するところはなく,別異のものであり,また,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」を用いる射撃競技やサバイバルゲーム(スポーツ)において,専らそれら競技やゲームに限って使用する特殊な衣服・靴を用いる事実は見当たらないことから,これらの商品に同一又は類似の商標を使用した場合に,その需要者が商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものとは認められないものである。

したがって,本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と引用商標2の指定商品中,第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」とは,非類似の商品と判断するのが相当である。

(イ)本願の指定商品と引用商標2の指定役務の類否

本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と,引用商標2の指定役務中,第35類「運動用特殊衣服・運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の取扱商品である「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」とは,上記(ア)のとおり,非類似の商品である。

そして,上記(ア)の認定,判断と同様に,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」の製造,販売と第35類「運動用特殊衣服・運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とが,同一事業者により行われることが一般的であるとはいえないものであり,また,両者の用途,販売場所と提供場所についても,一致する点は見いだせない。

さらに,需要者の範囲が一致するかについても,上記(ア)の認定,判断と同様のことがいえ,共通するところはない。

そうすると,本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と,引用商標2の指定役務中,第35類「運動用特殊衣服・運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,その商品の製造及び販売と役務の提供を行う事業者,用途,商品の販売場所と役務の提供場所等からみて,別異のものであり,これらの商品及び役務に同一又は類似の商標を使用した場合に,その需要者が商品及び役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものとは認められないものである。

したがって,本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と引用商標2の指定役務中,第35類「運動用特殊衣服・運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,非類似の商品及び役務と判断するのが相当である。

ウ 小括

してみれば,本願商標と引用商標2とは,類似の商標であるとしても,その指定商品及び指定役務は類似しないものである。

(4)本願商標と引用商標3との類否

ア 本願商標と引用商標3との類否について検討するに,両者は,外観においては,全体の構成が1段書きと2段書きで異なり,文字の図案化や色彩の有無の差異を有するとしても,本願商標を構成する「SAINT」の文字と,引用商標3の要部である「SAINT」の文字とは,それらのつづりをすべて共通にすることから,本願商標と引用商標3とは,要部において,外観上,近似した印象を与えるものである。

次に,称呼においては,本願商標と引用商標3とは,いずれも「セイント」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一である。

さらに,観念においては,本願商標と引用商標3とは,いずれも「聖人」等の観念を生じるものであるから,両者は,観念上,同一である。

してみれば,本願商標と引用商標3とは,外観において,近似した印象を与えるものであり,称呼及び観念において,同一であることから,その外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,両商標は,商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

イ 本願の指定商品と引用商標3の指定商品の類否

本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と,引用商標3の指定商品中,第27類「体操用マット」との類否について,以下検討する。

本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」は,射撃競技に使用する空気銃等又はスポーツ競技としてのサバイバルゲームに用いられる空気銃やレプリカの銃砲弾等であり,それぞれ,射撃競技に使用する空気銃等の取扱い専門店やスポーツ競技としてのサバイバルゲーム用品の取扱い専門店により販売されるものであり,それらの需要者は,空気銃等による射撃競技やスポーツ競技としてのサバイバルゲームの運営事業者,競技選手又は愛好者等である。

他方,引用商標3の指定商品中,第27類「体操用マット」は,体操を安全に行うため床などに用いる厚い敷物であり,主に体操用具や学校体育器具の専門メーカーによって生産され,体操用具や学校体育教材の卸売り又は小売り業者により販売され,それらの需要者は,主に学校やスポーツ施設を運営する事業者等である。

そうすると,本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と,引用商標3の指定商品中,第27類「体操用マット」とは,その生産部門,販売部門,用途及び需要者のいずれにおいても共通するところはなく,別異のものであり,これらの商品に同一又は類似の商標を使用した場合に,その需要者が商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものとは認められないものである。

したがって,本願の指定商品中,第28類「スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム(スポーツ)用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾」と引用商標3の指定商品中,第27類「体操用マット」とは,非類似の商品と判断するのが相当である。

ウ 小括

してみれば,本願商標と引用商標3とは,類似の商標であるとしても,その指定商品は類似しないものである。

(5)まとめ

以上のとおり,本願商標と引用商標とは,類似の商標ではあるが,本願商標は,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品について使用をするものではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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