Trademark Appeal Case
造語の観念・称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2020−900062(T2020−900062/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6203812号商標(以下「本件商標」という。)は,「やまとこすめ」の文字を標準文字で表してなり,平成31年1月10日に登録出願,第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,つけまつ毛用接着剤,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として,令和元年11月21日に登録査定され,同年12月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6202418号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成30年10月19日に登録出願,第3類「奈良県を産地とする植物のエキスを配合したせっけん類,奈良県を産地とする植物のエキスを配合した化粧品」を指定商品として,令和元年11月29日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標の指定商品中「化粧品,せっけん類」は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標
本件商標は「やまとこすめ」の平仮名よりなるところ,「ヤマトコスメ」,「ヤマト」及び「コスメ」の称呼が生ずる。そして,「こすめ」の文字は,「コスメ」の称呼から「コスメティック」の略語と認識される(甲3)。 よって,「やまとこすめ」の文字は,「ヤマトコスメ」の称呼から「奈良県産の化粧品関連商品(化粧品,せっけん類)」を意味するものである。本件商標の指定商品には「化粧品,せっけん類」が含まれる。
イ 引用商標
引用商標は,「やまと」の平仮名と「cosmetic」の欧文字を一連に横書きし,その下に七色の細い棒状の図形を配してなるところ,当該文字から「ヤマトコスメティック」,「ヤマト」,「コスメティック」の称呼を生ずるものである。
そして,「cosmetic」の欧文字は,その略語がコスメであることから,「コスメ」と認識されるものである。
引用商標の指定商品は,「奈良県を産地とする植物のエキスを配合したせっけん類,奈良県を産地とする植物のエキスを配合した化粧品」である。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は,ともに「奈良県産の化粧品関連商品」の観念が生じるから,観念において類似する商標であり,前記観念から,ともに「ヤマトコスメ」及び「ヤマトコスメティック」の称呼が生じるから,称呼において類似する商標である。また,本件商標と引用商標の指定商品は,同一又は類似するものである。
(2)むすび
本件商標と引用商標とは,類似する商標であり,その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,上記1のとおり,「やまとこすめ」の文字を標準文字で表してなり,その構成文字に相応して「ヤマトコスメ」の称呼を生じるものであり,当該文字は辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを有しない一種の造語として理解され,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,別掲のとおり,「やまとcosmetic」の文字を横書きし,その下部に8色からなる棒状の図形を配してなるところ,その構成文字に相応して「ヤマトコスメティック」の称呼を生じるものであり,当該文字は辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを有しない一種の造語として理解され,特定の観念を生じないものである。
また,8色の棒状の図形は,「やまとcosmetic」の文字部分を強調し装飾するための背景的図形として認識されるから,当該図形部分からは特定の称呼及び観念は生じないものといえる。
ウ 本件商標と引用商標との類否
(ア)外観について
本件商標と引用商標とは,上記ア及びイのとおりの構成からなるところ,両者は,「やまと」の文字を共通にするものの,「こすめ」と「cosmetic」の文字及び8色の棒状図形の有無に差異を有しており,当該差異が,両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,外観上,相紛れるおそれはないものである。
(イ)称呼について
本件商標から生ずる「ヤマトコスメ」の称呼と引用商標から生ずる「ヤマトコスメティック」の称呼とを比較すると,両者は語尾において「ティック」の音の有無という差異を有し,6音及び促音を含めても9音という比較的短い音構成においては,該差異の両称呼全体に及ぼす影響は大きく,両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には,語感,語調が相違し,称呼上,相紛れるおそれはない。
(ウ)観念について
本件商標と引用商標とは,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。
(エ)小括
上記(ア)ないし(ウ)を総合的に考察すると,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれはないものであるから,十分に区別することができる非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,申立てに係る商品について,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 引用商標(色彩については,原本参照。)
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