結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35509号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4065377号商標(以下、「本件商標」という。)は、「セルフ」の片仮名文字を横書きしてなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、平成7年8月30日登録出願、同9年10月3日設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)本件商標「セルフ」の語は、英語の「SELF」をカタカナ表記したものである。
この「セルフ」の語は本件商標の出願前より、国内では、「セルフサービス」の略として、「自分自身で行う。」等の意を表わす語として一般に用いられている。(甲第1号証)
特に、ガソリンステーション用装置を取扱う業界において、「セルフ」の語は、「自動車に顧客自身で給油する」ことを表わす言葉として普通に用いられている。
その証拠として、業界紙である「日刊燃料油脂新聞」(甲第2号証)や業界誌である「月刊ガソリンスタンド」(甲第3号証)には「セルフ」という語が「顧客自身が給油する」ことを意味する語として、多数使用されている。
また、一般紙である朝日新聞(甲第4号証)にも、「顧客自身が給油する」ことを「セルフ」と記載しており、業界内だけでなく、「セルフ」という語は、一般消費者にまで普通に使用されている。
(2)さらに、甲第5号証の消防庁が平成10年3月13日付で通達した「消防危第25号 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について」の記第2の1には『顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所にはその旨を当該給油取扱所へ進入する際見やすい箇所に「セルフ」「セルフサービス」等の記載、看板の掲示等を表示すること』が規定され、記第2の5には、『顧客用固定給油設備又は顧客用固定注油設備等にはその旨を顧客用固定給油設備又は顧客用固定注油設備、アイランドに設置されている支柱等へ「セルフ」、「セルフサービス」等の記載、看板の掲示等を表示すること』が規定されている。
これら「セルフ」の表示は、ガソリンスタンドの顧客(自動車のドライバー)が自分自身で給油しなければならないことを知らせるためのもので、消防庁が「セルフ」のみの表示をすることで顧客がその意を十分理解できると判断しているものである。してみれば、「セルフ」という語は、ガソリンステーションにおいて、「顧客自身で給油する」ことを示す語として、業界のみならず、一般消費者間でも普通に理解されるものである。
なお、この通達は平成10年3月13日付であり、本件商標の登録日よりも約5ヶ月程後ではあるが、この約5ヶ月程の間に「セルフ」が一般的になったとは到底考えられず、甲第1号証ないし甲第4号証を考慮すれば、本件商標の登録日である平成9年10月3日以前に十分理解されていたものである。
以上のように、本件商標「セルフ」の語は、ガソリンステーションに用いられる場合、「顧客自身が給油する」ことを意味する語として理解され用いられるものである。
(3)ガソリンステーションにおいて、業者が給油する装置と、顧客自身が給油する装置とは、その装置の構造、機能が異なるものがあり、この違いはガソリンステーション用装置の本来的な機能である。
すなわち、顧客自身が給油できるガソリンステーションの営業は、安全上の問題から、甲第5号証「消防危第25号」の記第5の1に記載されるように、単に業者(ガソリンステーションの従業員)が給油を行っていた従来の設備では行うことができず、「消防危第25号」の記第2の2及び第2の3によって規定されたガソリンステーション用装置に適合した機種が必要である。
顧客自身で給油することのできる機能を有するガソリンステーション用装置とそうでないものとは機能が異なり、この機能の違いによって、ガソリンステーションの経営者はガソリンステーション用装置を購入する際に「顧客自身が給油作業するもの」に使用するのか、「業者が給油作業をするもの」に使用するのかによって、自ずと購入機種が異なる。
したがって「ガソリンステーション用装置」について「セルフ」の語を表示することは、その商品の用途を単に示すこととなる。
(4)よって、本件商標「セルフ」を「ガソリンステーション装置」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質・用途等を表示した語と認識するに止まり、さらに、セルフ用以外の商品に使用した場合に商品の品質の誤認を生ずる虞があるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16項に該当し、商標登録を受けることのできないものであるから、本件商標は同法第46条第1項の規定に該当し、無効とされるべきである。
本件商標は、「セルフ」の文字よりなるところ、該語は、「セルフサービス」の略、又は、「自分自身で行う。」等の意を表わす外来語として普通一般に用いられていることは多言を要しない。(甲第1号証)
しかして、請求人の提出した甲第2号証ないし甲第4号証をみると、ガソリンスタンド若しくはガソリンステーション用装置を取扱う業界において、「セルフ」の語は、「自動車に顧客自身で給油する。」ことを表わす語として使用されている事実が認められる。
さらに、甲第5号証の消防庁が平成10年3月13日付で通達した、「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について」(消防危第25号)」をみると、この通達は、本件商標の登録日より約5ヶ月程の後のものであるが、記の第2の1に『顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所にはその旨を当該給油取扱所へ進入する際見やすい箇所に「セルフ」、「セルフサービス」等の記載、看板の掲示等を表示すること』、第2の5の(1)には、『顧客用固定給油設備又は顧客用固定注油設備等にはその旨を顧客用固定給油設備又は顧客用固定注油設備、アイランドに設置されている支柱等へ「セルフ」、「セルフサービス」等の記載、看板の掲示等を表示すること』等運用基準が示されている事実も認められる。
してみると、上記実情を総合勘案すれば、本件商標の登録前より、「セルフ」という語は、ガソリンステーションにおいて、「顧客自身で給油する」ことを示す語として、業界のみならず、一般需要者間でも理解されていたものというのが相当である。
さらに、該通達(甲第5号証)よりすると、顧客自身で給油するガソリンステーションは、業者(ガソリンステーションの従業員)が給油を行っていた従来の設備では行うことができず、「消防危第25号」の記第2の2及び第2の3によって規定されたガソリンステーション用装置に適合した機種が必要であり、業者が給油する装置と、顧客自身が給油する装置とは、その装置の構造、機能が異なることも認められる。
してみれば、本件商標を商品「ガソリンステーション用装置」について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、該商品が「顧客自身が自動車に給油するガソリンステーション装置」を表示したものと認識、理解するに止まるものといわざるを得ない。
そうとすれば、本件商標を商品「顧客自身が自動車に給油するガソリンステーション装置」に使用した場合、単に該商品の品質、機能、用途を表示するにすぎず、前記以外の「ガソリンステーション装置」に使用した場合には該商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品「ガソリンステーション用装置」については商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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