Trademark Appeal Case
上蓋形状の位置商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−17451(T2018−17451/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、商標法第5条第4項に基づく「商標の詳細な説明」を願書に記載のとおりとし、第20類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年5月23日に位置商標として登録出願されたものである。
そして、指定商品については、原審における平成30年1月30日受付の手続補正書により、第16類「チラシを配布する目的で屋外設置するプラスチック製の書類ホルダー(文房具)」と補正され、さらに、商標の詳細な説明については、原審における平成30年5月22日受付の手続補正書により「商標登録を受けようとする商標(以下「商標」という。)は、標章を付する位置が特定された位置商標であり、チラシを配布する目的で屋外設置するプラスチック製の書類ホルダー(文房具)本体上部の開口部を閉塞する無色透明の上蓋の立体的形状で構成される。上蓋は、前壁と上壁との成す角度が垂直で左右側壁を直角三角形とする概ね直角三角柱のカップで、周縁部がフランジ状に拡がっており、上端のフランジには横長の凸状突起が2個形成されている。なお、青色に着色された部分は、商品の形状の一例を示したものであり、商標を構成する要素ではない。」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、別掲1のとおりの構成からなる位置商標であり、本願の指定商品の分野においては、雨よけや内容把握などの効能、用途に応じて、上蓋部分に様々な形状を採用したものや、魅力向上等のため、無色透明のものが製造、販売されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、本願指定商品の機能等を発揮するために採用し得る本体上部の上蓋の立体的形状を表したものと理解、認識するにとどまるから、本願商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。また、提出された資料によっても、本願商標は、需要者において自他商品の識別標識として認識されているというのは困難であり、本願の指定商品に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っているものということができない(商標法第3条第2項による要件を具備していない)。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、横向きにした略直角三角柱のカップ状(空洞で1側面を有しないもの)の無色透明な立体的形状を、書類ホルダーの上部に表し、その立体的形状の縁部分は、一定の幅をもって外側に延伸されたものであって、上部の縁部分には、両端を円弧状にした略横長長方形の突起を2つ配した構成よりなるものである。そして、本願商標は、上記構成からなる無色透明の立体的形状(以下「本願形状」という。)が、書類ホルダーの上部の位置に特定された位置商標である。
イ 本願商標を構成する本願形状について
本願商標の補正後の指定商品「チラシを配布する目的で屋外設置するプラスチック製の書類ホルダー(文房具)」は、チラシを配布する目的で屋外に設置され、チラシを保管し、これを欲する者がいればチラシを取得することができる商品であって、市場で流通する同種商品の多くが、中身のチラシが見えるように無色透明な容器となっており、その上部には、雨、風及び埃の侵入を防ぐ目的で、上蓋を備えたものが採用されている(別掲2及び別掲3)。
また、指定商品である「チラシを配布する目的で屋外設置するプラスチック製の書類ホルダー(文房具)」に類する商品(以下、単に「チラシ配布用の書類ホルダー」という。)の上蓋は、材質の違いや、チラシの取りやすさ、雨、風及び埃の侵入をどれだけ防げるかといった商品の機能を追求することから、上蓋の取り付け方にバリエーションがあり、具体的には、例えば、蝶番で上蓋を取り付ける事例(別掲2の引用(4)及び引用(5))や、枢軸を利用して上蓋を回転させる事例などが見られるものである(別掲2の引用(6))。そして、プラスチックを材質とする容器において、上蓋を開閉する蓋を利用したものが広く一般に採用されており、書類ホルダーにおいても同様に広く一般に採用されている。また、請求人も別掲2の引用(4)ないし(5)を、「牛乳箱タイプ」と称しているように、「牛乳箱」、「郵便受け」、「新聞受け」など、屋外で商品をやり取りする際に使用する容器において、長年、上記したような蝶番等によって回動する上蓋が採用されている。
さらに、チラシ配布用の書類ホルダーは、上蓋の開閉機能を保持しつつ、雨や風にあおられないように上蓋を本体にしっかりと取り付ける必要があるところ、取り付け手段の一つとして、例えばプラスチックを材質とする容器において、蓋と本体とをしっかりと取り付けるために、凹凸の形状を利用する嵌合による取り付け手段が広く一般に採用されているものである。
以上を踏まえると、本願商標を構成する本願形状は、その指定商品との関係においては、雨、風及び埃を防ぐ上蓋として機能するものと容易に理解できるもので、本願形状上部の2つの突起を有する縁部分も上蓋の取り付け方のバリエーションの一つであること明らかであって、いずれも無色透明であるのも、内容物を容易に視認できるという指定商品の機能から導かれるものというのが相当である。
さらに、本体上部に特定された本願商標の位置も、チラシ配布用の書類ホルダーからチラシを出し入れする際は、上部に蓋を設けるほうが簡便であるから、機能面からの合理的な要請があることは明らかで、本願指定商品の機能を果たす目的で特定されたにすぎないと、容易に理解できるものである。
そうすると、上記のような本願形状及び位置からなる本願商標は、その指定商品である「チラシを配布する目的で屋外設置するプラスチック製の書類ホルダー(文房具)」に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、その商品の機能を果たす目的で採用された形状及び位置と理解、認識されるにすぎないというのが相当であり、商品の出所を表示するものとして又は自他商品を識別するための標識として認識されるものではないというべきである。
ウ 以上のとおり、本願商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)本願商標の商標法第3条第2項該当性について
請求人は、「『本願商標を登録し保護することが法目的(商標法1条)にかなっている』事実及び『本願商標が使用をされた結果、需要者が本願出願人の業務に係る商品であることを認識することができるものである(商標法3条2項)』事実」の旨を主張し、証拠方法として、原審において、平成30年5月22日受付の意見書をもって資料2−1ないし資料2−6(枝番号を含む。)(資料1は欠番。)、同年6月25日受付の上申書をもって補足資料1ないし補足資料10(DVD−ROMは別途手続補足書)、及び同年8月23日受付の上申書をもって補足資料11ないし補足資料21を、また、当審において、同31年2月22日受付の手続補正書をもって審判資料1ないし審判資料10(枝番号を含む。)(サンプル請求と納品書控えを含む冊子及びDVD−ROMは別途物件提出書)(審判資料2は欠番。)、及び令和2年2月4日受付の上申書をもって審判上申1ないし審判上申11を、提出している。
なお、本審決では、資料2−1ないし資料2−6(資料1は欠番。)は甲第1号証ないし甲第6号証と、補足資料1ないし補足資料21は甲第7号証ないし甲第27号証と、審判資料1ないし審判資料10(審判資料2は欠番。)は甲第28号証ないし甲第36号証と、審判上申1ないし審判上申11は甲第37号証ないし甲第47号証と読み替え、また、枝番号のあるものについては、例えば資料2−1−1を甲第1号証の1のように、「−(ハイフン)」を「の」に読み替えるものとする。
以下、提出された証拠について検討する。
ア 請求人による本願商標の使用について
証拠及び請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人は、2004(平成16)年から、請求人のウェブサイトを通じて「インフォパック」又は「InFoPak」と称する米国インフォパック社製のチラシ配布用の書類ホルダー(以下「請求人商品」という。)を販売したところ、請求人商品には、A4サイズのものと、ジュニア(A4三つ折り)サイズのものとがあり、ジュニア(A4三つ折り)サイズと称し、「インフォパック」と「ジュニア(A4三つ折り、JR)」の文字を組み合わせた表示(「インフォパックジュニア」等)の下に販売される商品(以下「本件商品」という。)は、略縦長長方形の透明な書類ホルダーで、上部には、略直角三角柱のカップ状の蓋があり、最上部の縁部分には略横長長方形の突起を2つ有している。そして、本件商品は、遅くとも2005(平成17)年10月13日には、請求人のウェブサイトを通じて販売されており、2010(平成22)年11月には「amazon」のウェブサイトを通じても販売されている(甲第1号証の2及び甲第1号証の6)。その他、本件商品は、2008(平成20)年から、(株)日本ブイ・シー・エス(甲第6号証の1ないし6)(商品については、別掲2の引用(2)参照)を通じての販売があり、また、発行年月日は不明であるが、伊藤忠リーテイルリンク(株)による「ASKUL」のカタログ「2017年秋冬号」及び「2018年春夏号」(甲第6号証の10)を通じての販売があったものである。
(イ)本件商品は、請求人作成の「InFoPaK年度別売上個数」(甲第1号証の9)によれば、2006(平成18)年から2017(平成29)年の売上個数は、75,410個で、最も売上個数が多い年は、2014(平成26)年で、13,275個である。また、本件商品は、請求人のネットショップにおいて取得した9,000件以上の発注者情報として提出された「ネットショップ購入時顧客入力情報」(甲第30号証の3)によれば、「インフォパックジュニア」「【卸】ジュニア」の表示の下に販売された商品としては、2008(平成20)年10月27日から2019(平成31)年2月14日で、販売数(6個セットで数量1の場合、販売数を6として算出)が7,570個、顧客数は2,804人である。そして、当該情報の最も販売数が多い年は、2013(平成25)年で、1,328個であり、その内の最も販売数及び顧客数が多かった地域は東京都で、販売数は414個、顧客数は168人である。
(ウ)請求人は、請求人商品について、ダイレクトメールを2005(平成17)年から2009(平成21)年までファクシミリにより送信し、希望者にはサンプル品を送付しており(甲第35号証の6)、また、送信ログが残っているものとしては、2006(平成18)年4月2日から2009(平成21)年7月22日で、8,894件を正常に送付している(甲第35号証の3)。上記ダイレクトメールには、請求人商品のイラストが記載されているところ、当該イラストと本願形状とを比較すると、例えば当該イラストにおける商品の上部には突起物がなく平板であることなどから、上部に2つの突起を有する本願形状とはその形状が異なるものである。
また、請求人は、請求人商品について、ヤマトプリントメール便によるダイレクトメールを2011(平成23)年7月8日に、兵庫県の不動産・建設事業者宛に799件を、2012(平成24)年4月2日に、全国展開する不動産・建設業を手がける1つの企業について、その全国にある店舗宛に292件を送付した(甲第35号証の9)。その他、請求人は、請求人商品について、2005(平成17)年4月からGoogle広告(旧「Google Adword」)の利用を開始(請求人の主張によれば2017(平成29)年11月で利用終了)、広告には請求人ウェブサイトへのリンクが提示されるところ、上記期間中の総クリック数は168,000回で、その広告料は、7,059,259円であった(甲第34号証の1ないし5)。
(エ)請求人は、プレスリリース配信サービスの「アットプレス」において、2017(平成29)年2月15日付け、2017(平成29)年3月6日付け、2017(平成29)年4月4日付けの3回、本件商品の販売について、プレスリリースし(甲第1号証の5)、また、請求人商品に関する記事が、2015(平成27)年11月18日付け北海道建築新聞(甲第31号証の2)及び2017(平成29)年2月25日付け東愛知新聞(甲第31号証の3)に掲載され、上記北海道建築新聞には、請求人商品の形状と思われる写真が掲載されている。
(オ)チラシ配布用の書類ホルダーについて、略縦長長方形の透明な本体に、上部には、略直角三角柱のカップ状の蓋があって、最上部の縁部分には略横長長方形の突起を2つ有している商品が、請求人以外の2者により製造販売されており(以下、これらの商品をまとめて「他社商品」という場合がある。)、他社商品のうち、1者の商品は、2017(平成29)年から販売されており(甲第2号証の2)、もう1者の商品は、甲8号証のウェブアーカイブによれば、遅くとも2016(平成28)年には販売されている(甲第2号証の6(3、4葉目)、甲8号証、甲第13号証及び甲第24号証)。
(カ)本件商品は、インターネットにおける販売においては、いずれも本件商品全体の写真が表示されているところ、当該商品は全体として無色透明であって、その全体的な形状は把握できるものの、例えば本願形状が上部に有する2つの突起があるか否かといった、請求人が主張する形状は具体的に把握することができない(甲第4号証の3)。さらに、請求人のウェブサイトにおける本件商品に係る個別の販売記事においても、本願形状を積極的に記述、広告するようなものは確認できない(甲第1号証の2)。
イ 以上認定した事実を総合すれば、次の点を指摘することができる。
(ア)本願商標と概ね共通する構成(上部の縁部分に2つの突起を有する無色透明な略直角三角柱のカップ状の立体的形状を、書類ホルダーの上部に配置した構成)を備える本件商品は、約15年前から販売されている。
(イ)本願商標の指定商品は、チラシ(広告のためにくばる刷物「株式会社岩波書店 広辞苑第六版」参照)を配布する目的で使用される商品であって、事業者が商品やサービス(役務)等に係る広告物を配布する際に利用するものであると理解するのが相当であるから、当該商品の主たる需要者は、事業者一般であるとみることができる。そして、本件商品の生産数や販売数を示す客観的な証拠は示されていないものの、仮に請求人作成の資料による「InFoPaK年度別売上個数」を前提としてみても、最も売上個数の多い年で年間2万個に満たない程度であるから、全国の事業者一般が需要者たり得る商品としては決して多いものとはいえない。また、本件商品の市場占有率が大きいものと認めることができる事実も見いだせない。
(ウ)請求人は、請求人商品について、ファクシミリによるダイレクトメールを約9千件、メール便によるダイレクトメールを約1千件送付しているが、地域、需要者、数量のいずれにおいても非常に限定的なものであるといえ、また、上記広告の対象商品(請求人商品)には本願形状と異なる形状からなる商品(本件商品とは異なる商品)を含むものである。さらに、Google広告による請求人のウェブサイトへのアクセス数についても、約12年間という期間を考慮すれば、それほど多くのアクセス数があったともいい難いものであり、インターネット上の請求人のプレスリリースも2017(平成29)年2月から2017(平成29)年4月までの間で3回に過ぎない。その他、新聞や雑誌への広告掲載、テレビやラジオによるコマーシャル放送は確認できない。
(エ)第三者による本件商品の紹介については、請求人商品に関する新聞報道は2件と僅かであり、その内、請求人商品の写真が掲載された新聞は1件にすぎず、その他、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットでの紹介は確認できない。
(オ)本願形状と類似する形状を有するチラシ配布用の書類ホルダーを、請求人以外の者が製造販売している。
(カ)前記(イ)のとおり、本願商標に係る主な需要者は、事業者一般といえるところ、本願指定商品はそれほど高価なものではなく、日常的に使用されるものであることを考慮すれば、需要者の注意力はそれほど高いものとはいえず、需要者が、全体として無色透明な本件商品に使用される無色透明な本願商標に接するときは、一見して、本件商品全体をもって透明なプラスチックケースと認識するにすぎないものといえるから、本願形状について、本件商品における蓋と認識する程度のものといえ、格別着目するとはいえない。
また、本件商品の販売及び広告は、「インフォパック」と「ジュニア(A4三つ折り、JR)」の文字を組み合わせた表示の下に行われているところ、本願形状及びこれを付す位置について積極的に記述、広告するものでもないから、本件商品は、「インフォパック」の文字(なお、「ジュニア(A4三つ折り、JR)」の文字は品質表示)で他人の業務に係る商品と区別されているとみるのが相当であって、本願商標を目印にして需要者が商品を選択するものとはいい難い。
ウ 上記に挙げた点に照らせば、本願商標は、使用商標と同一性があること、また、一定の使用期間及び使用数量(本願商標を使用した商品の売上数)があることは認められるものの、使用数量の販売シェアが大きいものと認めることができる事実も見いだせず、広告数も格別に多いとはいえず、また、本願形状について積極的に記述、広告されたものでもなく、さらに、第三者による紹介記事はほとんど確認できないうえ、請求人以外の者によって類似する形状の商品が販売されてもいる。
以上からすれば、本願商標は、それのみで独立して本願指定商品の取引者、需要者の間に広く認識されているとはいい難いものであり、その指定商品について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとはいえないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標が使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものであることを証明する資料」として、個人のブログ、請求人へ他社商品の発注があったこと及びインターネットオークションへの出品の事例をそれぞれ1件引用し、本願商標を付した商品と他社商品との間で現に出所の混同が起きていることから、本願商標は、使用の結果識別力が生じている旨、主張している。
しかしながら、本願商標は、前記(1)のとおり、商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものであるところ、上記事例は、何をもって本件商品と他社商品とを混同したといえるのかは判然としないものであるうえ、その数もわずか3件にすぎないから、これをもって、本願商標が自他商品の識別機能を有していると認め難いものである。
イ 請求人は、需要者は、ウェブサイト、カタログのみから本願商標部分に着目するわけではなく、他社商品が出現するまでは、「屋外用チラシケースというものが画期的であり、正面開口を常時閉塞するように付勢されたカップ状の蓋を上開きして取り出すタイプ」がなかったから、本願形状を有してさえいれば、需要者は本願形状に着目していた旨、主張している。
しかしながら、前述のとおり、本願商標は、商品の機能を果たす目的で採用されたものと理解されるにすぎないものであり、仮に、請求人主張のように、カップ状の上蓋を有する商品が過去になかったとしても、本願商標(本願形状)は、上蓋の形状の一類型と認識されるにすぎないものであるから、「本願形状を有してさえいれば、需要者は本願形状に着目していた」ということはできない。
ウ 請求人は、米国のInFoPaK社が1994(平成6)年に米国で販売開始した後6月経過して日本での意匠出願の機会を失っていること、及び、3年経過後に偶然にも模倣品が出てきてしまったことをもって、立体商標取得の機会は永久に失われ、需要者の利益が損なわれる事態を容認することは法目的に照らして適切でない旨、主張する。
しかしながら、本願商標が登録要件を満たすか否かについては、商標法の登録要件に従って判断すべきものであって、前記(1)のとおり、本願商標は、同法第3条第1項第3号の規定に該当するものであり、かつ、前記(2)のとおり、本願商標は、使用による自他商品の識別性を有するとは認められないため、同条第2項の要件を具備しないものであるから、本願商標を登録しないことが需要者の利益を損なうものとはいえない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備しないから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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