Trademark Appeal Case
ZETA結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−8483(T2019−8483/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「ZETA92JP」の文字を標準文字で表してなり、第9類「測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム」、第38類「電気通信(「放送」を除く。),放送,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」、及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定商品及び指定役務として、平成30年8月16日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。
1 登録第2438943号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ゼータ」の片仮名及び「ZETA」の欧文字を上下二段に両端を揃えて横書きしてなり、平成元年7月10日登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同4年7月31日に設定登録、その後、同14年12月25日に指定商品を第7類、第8類、「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気磁気測定器」を含む第9類、第10類、第11類、第12類、第17類、及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録、その後、同24年3月21日に第9類について商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 登録第4524637号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ZETA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年9月5日登録出願、「電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守の助言,電子計算機通信網の設計・作成及び保守,電子計算機通信網の設計・作成及び保守の助言,電子計算機システム監査,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を含む第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として同13年11月22日に設定登録、その後、同23年8月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
以下、引用商標1ないし2をまとめていうときは、「引用商標」という。
第3 当審における証拠調べ通知
当審は、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、相当の期間を指定して令和2年3月27日付けで証拠調べの結果を通知して、これに対する意見の提出を求めた。
第4 職権証拠調べに対する請求人の意見
上記第3の証拠調べ通知に対して、請求人から何ら意見は提出されなかった。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「ZETA92JP」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、文字種の相違があることから、欧文字で表された「ZETA」と数字2桁で表された「92」と欧文字2文字で表された「JP」とを結合したものと看取されるものである。
「ZETA」の欧文字は、「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」(コンサイスカタカナ語辞典第4版(2010年2月10日、株式会社三省堂発行))を意味するものとして、我が国において親しまれた語であるから、その構成文字に相応して、「ゼータ」の称呼を生じ、「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。
他方、別掲で示した事実のとおり、本願商標の指定商品及びこれに関連する分野において、商品等の品番・形式等を表す記号、符号としての数字2桁と欧文字2文字との組み合わせが広く用いられていることからすれば、本願商標の第9類及び第42類の指定商品又は指定役務との関係においては、本願商標のうち「92」の数字及び「JP」の欧文字は、それらの組み合わせをもって、商品等の品番・形式等を表す記号、符号として認識、把握されるといえる。
また、本願商標は、「92」の数字を日本語読み又は我が国において親しまれた英語読みをすることにより、構成全体から「ゼータキューニージェーピー」、「ゼータキュウジュウニジェーピー」、「ゼータナインツージェーピー」、及び「ゼータナインティツージェーピー」の称呼を生じるが、いずれもやや冗長である。さらに、本願商標の構成中、「ZETA」の欧文字と、それ以外の部分「92JP」との間に、密接な観念的な関連性を見いだすことはできない。
そうすると、本願商標を、その第9類及び第42類の指定商品又は指定役務について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「92JP」の文字を商品等の品番・形式等を表す記号、符号として認識、把握し、それ以外の「ZETA」の欧文字に着目するとみるのが相当である。
したがって、本願商標のうち、「ZETA」の欧文字が、取引者、需要者に対し、商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができるから、当該欧文字を要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
よって、本願商標は、その要部である「ZETA」の欧文字に相応して「ゼータ」の称呼を生じ、「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、上記第2の1のとおり、「ゼータ」の片仮名及び「ZETA」の欧文字を上下二段に両端を揃えて横書きしてなるものであり、上段の「ゼータ」の片仮名は、下段の「ZETA」の欧文字の読みを示したものと理解するのが自然である。
したがって、引用商標1は、「ゼータ」の称呼を生じ、下段の「ZETA」の欧文字に相応して、「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。
イ 引用商標2は、上記第2の2のとおり、「ZETA」の欧文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ゼータ」の称呼を生じ、「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を生じるものと認められる。
なお、引用商標2の称呼について、請求人は、「ジータ」「ゼイタ」との称呼が生じる旨主張するが、「ZETA」の欧文字は、上記(1)のとおり、「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」を意味するものとして我が国において親しまれた語といえるから、引用商標2は、「ゼータ」の称呼のみが生じるというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 引用商標1について
(ア)本願商標の要部である「ZETA」の欧文字と引用商標1とを対比する。
外観については、両者は、片仮名部分の有無や欧文字の書体で相違するが、「ZETA」のつづり字を大文字小文字を含めて共通にするから、これら相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえない。
称呼及び観念については、両者は、「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を同一にするものである。
以上のとおり、本願商標の要部である「ZETA」の欧文字と引用商標1とは、称呼及び観念を同一にするものであって、外観における差異についても、称呼及び観念の同一性をしのぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないことから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、本願商標と引用商標1とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(イ)本願商標の指定商品中「電気磁気測定器,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム」は,引用商標1の指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気磁気測定器」とは、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途並びに需要者の範囲を共通にするものといえるから、両者は同一又は類似する商品である。
(ウ)以上によれば、本願商標は、引用商標1と類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
イ 引用商標2について
(ア)本願商標の要部である「ZETA」の欧文字と引用商標2とを対比する。
外観については、両者は、いずれも標準文字の「ZETA」からなるものであって、同一である。
称呼及び観念については、両者は、「ゼータ」の称呼及び「ギリシア文字のアルファベットで6番目の文字」の観念を同一にするものである。
以上のとおり、本願商標の要部である「ZETA」の欧文字と引用商標2とは、外観、称呼及び観念を同一にするものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、本願商標と引用商標2とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(イ)本願商標の指定役務「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」は、引用商標2の指定役務中「電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守,電子計算機を使用することにより機能するシステム(プログラムを含む)の設計・作成及び保守の助言,電子計算機通信網の設計・作成及び保守,電子計算機通信網の設計・作成及び保守の助言,電子計算機システム監査,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」とは、提供の手段・目的、提供に関連する物品、需要者の範囲等を共通にするものといえるから、両者は同一又は類似する役務である。
(ウ)以上によれば、本願商標は、引用商標2と類似の商標であり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標2の指定役務と同一又は類似する役務を含むものである。
(4)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似する商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、アルファベットと数字を組み合わせた8文字の英数字で構成され、一体化された商標であり、英字のみで構成される「ZETA」が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとは認められない旨主張するが、上記1(1)で認定判断したとおりである。
(2)請求人は、本願商標と引用商標1とは類似しない旨主張し、その根拠として、本願商標に「ゼータ」は含まれていない旨、引用商標1には「92JP」は含まれていない旨、本願商標には「ゼータ」が含まれていないため、称呼が全く異なる旨、本願商標と引用商標1は、いずれも特定の観念を想起させないため、観念において非類似である旨、を挙げるが、上記1で認定判断したとおりである。
(3)請求人は、本願商標と引用商標2とは類似しない旨主張し、その根拠として、引用商標2には「92JP」は含まれていない旨、引用商標2の称呼は「ジータ」又は「ゼイタ」となるが、本願商標には「ジータ」又は「ゼイタ」が含まれていないため、称呼が全く異なる旨、本願商標と引用商標2は、いずれも特定の観念を想起させないため、観念において非類似である旨、を挙げるが、上記1で認定判断したとおりである。
(4)よって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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