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Trademark Appeal Case

氏名商標の承諾要否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−1138(T2019−1138/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」の文字を標準文字で表してなり,第9類「サングラス,電子出版物」,第14類「ネックレス及びその他の身飾品(「カフスボタン」を除く。),宝玉及びその模造品,キーホルダー」,第18類「かばん類,袋物,傘,皮革」及び第25類「被服(「和服」を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」を指定商品として,平成29年9月21日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は,「本願商標は,『TAKAHIROMIYASHITA』の文字を構成中に有してなるところ,氏名をローマ字表記することが社会全般において広く行われており,また,インターネット記事によれば,『宮下孝広』,『宮下貴裕』等の他人が多数存在することが認められる。そうすると,本願商標は,他人の氏名をローマ字表記したものを含む商標であって,かつ,その他人の承諾を得ているものとは認められない。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知及びそれに対する請求人の対応

当審において,本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,令和元年9月30日付け証拠調べ通知書によって通知し,期間を指定してこれに対する意見を求めた。

しかしながら,請求人は,上記証拠調べ通知に対し,何ら意見を述べていない。

第4 当審の判断

1 本願商標について

(1)本願商標は,「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「TAKAHIROMIYASHITA」の文字部分はすべて欧文字の大文字で一連に書してなり,後半の「TheSoloist.」の文字部分は,親しまれた英語の定冠詞「The」,「独奏者」の意味を有する英単語「Soloist」及びピリオド「.」からなると容易に理解されるから,本願商標は,「TAKAHIROMIYASHITA」の文字部分と「TheSoloist.」の文字部分を組み合わせた結合商標であると理解されるものである。

そして,本願商標の構成中「TAKAHIROMIYASHITA」の文字部分は,無理なく一連にローマ字読みすることができ,「タカヒロミヤシタ」の称呼が自然に生じる。

(2)我が国では,パスポートやクレジットカードなどに本人の氏名がローマ字表記されるなど,氏名をローマ字表記することは少なくないこと,氏名をローマ字表記する場合に,「名」,「氏」の順で記載することが一般的であり,パスポートやクレジットカードのように,全ての文字を欧文字の大文字で記載することも少なくないこと,「ミヤシタ」を読みとする姓氏(「宮下」)及び「タカヒロ」を読みとする名前(「孝大,孝弘,貴弘,隆宏」等)は,日本人にとってありふれた氏名であることが認められる(別掲1,2)。

(3)以上によれば,本願商標は,その構成中「TAKAHIROMIYASHITA」の文字部分が,「ミヤシタ(氏)タカヒロ(名)」を読みとする人の氏名をローマ字表記したものと客観的に把握されるものであるから,人の「氏名」を含む商標であるといえる。

2 本願商標の商標法第4条第1項第8号該当性について

(1)本願商標は,上記1のとおり,人の「氏名」を含む商標である。

(2)別掲3によれば,「ミヤシタ タカヒロ」を読みとすると考えられる「宮下孝洋」という氏名の者が,新潟県妙高市に住所を有する者として,2018年12月版(掲載情報は2018年9月5日現在)及び2016年12月版(掲載情報は2016年9月7日現在)の「ハローページ(新潟県上越版)」に掲載され(別掲3(1)),「宮下隆寛」という氏名の者が,長野県下伊那郡高森町に住所を有する者として,2019年3月版(掲載情報は2018年11月28日現在)及び2017年3月版(掲載情報は2016年12月1日現在)の「ハローページ(長野県飯田版)」に掲載され(別掲3(2)),「宮下貴博」という氏名の者が,長野県松本市に住所を有する者として,2019年3月版(掲載情報は2018年11月28日現在)及び2017年3月版(掲載情報は2016年12月1日現在)の「ハローページ(長野県松本版)」に掲載され(別掲3(3)),「宮下孝弘」という氏名の者が,長野県木曽郡大桑村に住所を有する者として,2019年3月版(掲載情報は2018年11月28日現在)及び2017年3月版(掲載情報は2016年12月1日現在)の「ハローページ(長野県木曽版)」に掲載され(別掲3(4)),「宮下高広」という氏名の者が,長野県長野市に住所を有する者として,2019年9月版(掲載情報は2019年6月3日現在)及び2017年9月版(掲載情報は2017年6月5日現在)の「ハローページ(長野県長野版)」に掲載され(別掲3(5)),そのほかにも,「宮下高弘」又は「宮下貴浩」という氏名の者が,それぞれ2019年9月及び2017年9月に発行された他の地域の「ハローページ」(別掲3(6),(7))にも,当該地域に住所を有する者として掲載されていると認められる。

かかる事実によれば,これらの「宮下孝洋」,「宮下隆寛」,「宮下貴博」,「宮下孝弘」,「宮下高広」,「宮下高弘」,「宮下貴浩」という氏名の者は,いずれも本願商標の登録出願時から現在まで現存している者であると推認できる。

(3)請求人である「株式会社ソロイスト」(代表者「宮下貴裕」)と上記「宮下孝洋」,「宮下隆寛」,「宮下貴博」,「宮下孝弘」,「宮下高広」,「宮下高弘」,「宮下貴浩」という氏名の者は他人であると認められ,請求人は,上記他人の承諾を得ているものとは認められない。

(4)上記(1)ないし(3)によれば,本願商標は,その構成中に「他人の氏名」を含む商標であって,かつ,その他人の承諾を得ているものではない。

したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。

3 請求人の主張について

請求人は,本願商標はまとまりよく一連に表されており,その構成全体をもって一体不可分のものとして把握されるものであるから,かかる構成においては,これに接する取引者,需要者をして,直ちに,氏名を表したものと把握し,認識するとはいい難い旨主張する。

しかしながら,商標法第4条第1項第8号は,「他人の氏名・・・を含む商標」と規定するものであり,当該「氏名」の表記方法に特段限定を付すものではないところ,本願商標は,その構成上「TAKAHIROMIYASHITA」の文字部分と「TheSoloist.」の文字部分を組み合わせた結合商標であると理解されるものであり,「TAKAHIROMIYASHITA」の文字部分は「ミヤシタ(氏)タカヒロ(名)」を読みとする人の氏名をローマ字表記したものと客観的に把握されるものであることは,上記1のとおりであるから,本願商標は他人の「氏名」を含む商標として,商標法第4条第1項第8号に該当するものである。

したがって,請求人の上記主張は,採用できない。

4 まとめ

以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第8号に該当するものであるから,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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