Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2018−650054(T2018−650054/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「SplitFlow」の文字を普通に用いられる方法で書してなり,第6類,第7類及び第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,2016年12月15日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2017年(平成29年)3月2日に国際商標登録出願されたものである。
その後,指定商品については,原審における平成30年1月24日付けの手続補正書により,別掲1のとおりに補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『縦に(層状に)割る,断ち割る,裂く,そぐ』等の意味を有する英語『Split』と『〈川・水・液体が〉(・・・から)(・・・へ)流れる,(・・・に)流れ込む,注ぐ,流入[流出]する』等の意味を有する英語の『Flow』(いずれも「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行)とを結合した『SplitFlow』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ,ポンプを取り扱う業界において,2以上のポンプを必要とする場合のスペースの確保,効率化等を目的に,1台で2分割された流出(吐出)を可能とするタイプのポンプを『スプリットフロー』と称し,使用していることが確認できる。そうすると,本願商標は,第7類の指定商品との関係において,前記機能を備えたポンプであることを認識させるにとどまるというのが相当であり,これを前記機能に相応する商品について使用をしても,本願商標は商品の品質を表すにすぎない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において,平成31年2月18日付けで通知した審尋により,別掲2及び3に示すとおりの使用例等の事実を新たに示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の見解を示し,請求人に意見を求めた。
4 審尋に対する請求人の意見
請求人は上記審尋に対し,所定の期間を経過するも何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は,上記1のとおり,「SplitFlow」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものである。
そして,本願商標の構成中,前半の「Split」の文字は,「裂く,分割する」等の意味を有する語であり,また,後半の「Flow」の文字は,「流れ,流量」程の意味合いを有する語(いずれも「ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館発行)であるから,全体として,「分割した流れ」,「分離した流量」程の意味合いを認識させるものである。
そして,別掲2のとおり,書籍等においても,油圧式ポンプや真空ポンプにおいて「スプリットフローポンプ」の文字が,「1個のシリンダブロックから独立した2つの吐出流量が得られるタイプのポンプ」程の意味合いを有する語として使用されている事実がある。
さらに,別掲3のとおり,本願の指定商品に含まれる「真空ポンプ」の分野においても,「スプリットフロー」の文字が公開特許公報やインターネット情報で使用されている事実がある。
そうすると,「スプリットフロー」の文字が,油圧ポンプや真空ポンプ,いわゆるポンプの分野において,「1台で2分割された流出(吐出)を可能とするタイプのポンプ」程の品質(機能),用途を表す語として使用されている事実及び真空ポンプの分野において実際に使用されている事例を併せて考慮すれば,本願商標をその指定商品中の「真空ポンプ」又は「真空ポンプ用の商品」に使用しても,これに接する取引者及び需要者は,その商品が「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプ」又は「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプ用の商品」であることを理解するにとどまるものといわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商品の品質(機能),用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
また,「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプ」又は「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプ用の商品」以外の商品に使用するときは,「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプに関連する商品」であるかのごとく,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから,本願商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,真空ポンプは,油圧ポンプのような一般のポンプとは,その目的,用途,需要者が全く異なり,その需要者が属する業界も,真空ポンプが主に製造業や食品・飲料業であるのに対し,油圧ポンプは土木・荷役業や建設業であり,互いに全く異なる。よって,例え油圧ポンプを扱う業界で「スプリットフロー」の語が特定の機能を備えた商品を指すものとして一般に使われているとしても,真空ポンプを扱う業界ではそのような事情がないことから,本願商標に接する取引者,需要者が前記意味合いを理解することはなく,またそのような機能の商品でないときに商品の品質について誤認を生じさせるおそれはない旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標に係る各語の意味及び真空ポンプを取り扱う業界における取引の実情からすれば,本願商標がその指定商品に使用されるときは,その商品に接する取引者,需要者は,本願商標が「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプ」又は「スプリットフロー型式(タイプ)の真空ポンプ用の商品」であるという商品の品質(機能),用途を表したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ないから,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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