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Trademark Appeal Case

商品形状の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35038(T2000−35038/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4311658号の指定商品中「加工水産物」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は、成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4311658号商標(以下「本件商標」という。)は、「角天」の文字を標準文字により表してなり、平成10年6月18日登録出願、第29類「食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,油揚げ,こんにゃく」を指定商品として、同11年9月3日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録はこれを無効とするとの審決を求めると申し立て、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第6号証を提出している。

(1)「角天」は、特に、関西や西日本の需要者・取引者においては、「角型に成形されたさつま揚げ」を指称するものと認識することは明らかである以上、本件商標は、さつま揚げ等の「揚げかまぼこ」の原材料、形状或は加工方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当し、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)「角天」なる本件商標は、「角型に成形された揚げかまぼこ」なる商品の普通名称として一般需要者や取引者に認識されていることは明らかであり、商標法第3条第1項第1号の規定にも該当する商標でもある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号及び同第3号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

4 当審の判断

本件商標は、「角天」の文字を横書きしてなるものであるところ、請求人の提出にかかる各甲号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)「最新食品加工講座 水産加工(平成4年3月31日発行)」(甲第1号証)には、「さつまあげ(てんぷら、つけあげ)」の欄に、「魚肉すり身を揚げかまぼこ成形機に入れ、型金に応じて魚型、だ円型、小判型、梅型などに成形したのち油で揚げて製造する。関東、東北ではさつまあげ、関西、西日本ではてんぷら、鹿児島ではつけあげという。」と記載されていること

(2)「フライ食品の理論と実際(昭和51年2月20日発行)」(甲第2号証)には、「揚かまぼこ」の「製造法」の欄に「成形は自動成型機が広く使用され、口金をとりかえることによって、平角、平丸、小判、球などの種々の形に成型できる。」及び「さつま揚をてんぷらと呼ぶ地方もかなりある。」と記載されていること

(3)「増補 水産加工学(昭和46年7月25日発行)」(甲第3号証)の「さつま揚げ」欄には、「さつま揚げの形には色型、丸型、短冊形などがある。」と記載されていること

(4)「新・儲かるメニュー おでん・煮込み(昭和62年6月10日発行)」(甲第4号証)のメニュー欄には、「ひら天」「まる天」等の記載がされていること

(5)「食品と化学1968」(昭和43年8月5日発行)」(甲第5号証)の「天麩羅型成機の種類と特徴」の項には、「口金の取替えにより可能な製品の種類は、角天、丸平天、球天(串天)、小判天、棒天、木葉天、指天、『つけあげ』等々です。」と記載されていること

(6)「別冊毎日グラフ かまぼこ・練りものふるさとグルメ便(昭和63年4月30日発行)」(甲第6号証)には、「無澱粉蒲鉾・無澱粉はん平・無澱粉角天」について「自慢の無デンプン製法で、シコシコとした歯ごたえ」及び「“無澱粉蒲鉾”と同じ材料を良質の油で揚げた、“無澱粉角天”は、ひと味違う揚げかまぼこ」と記載されていること

以上の事実によれば、本件商標の指定商品中の加工水産物に属する商品「さつま揚げ」(関西、西日本では、てんぷらという。)には、種々の形のものがあり、その成形には自動成形機が広く使用され、口金をとりかえることによって、種々の形に成形できることが認められ、製品化されたさつま揚げは、それら種々の形に「天」の文字を付して、例えば、平丸形を丸平天、球形を球天(串天)、小判形を小判天と称されていることが認められる。そして、この他の形においても、さつま揚げの種類には、角天、棒天、木葉天、指天等があることも認められる。

してみれば、「角天」の文字を書してなる本件商標は、これをその指定商品中、「加工水産物」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、前記事情からして、「角型に成形されたさつま揚げ」を容易に認識し、商品の形状或いは加工方法を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第1号について判断するまでもなく、その指定商品中「加工水産物」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。

しかしながら、本件商標は、加工水産物以外の指定商品については、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められるから、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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