Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−10775(T2019−10775/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Tiger rack」の文字を標準文字で表してなり、第20類「金属製棚並びにその部品及び附属品,棚並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成30年4月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第2705700号商標、登録第4118901号商標、登録第4160466号商標、登録第4265879号商標、登録第4289713号商標及び登録第4528856号商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
そして、登録第4265879号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成8年12月25日に登録出願、「家具」を含む第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月23日に設定登録され、現在も有効に存続するものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「Tiger rack」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「Tiger」の文字は、「虎」の意味を有する平易な英単語(広辞苑第7版)として広く親しまれた語である。また、本願商標の構成中、「rack」の文字は、別掲2のとおり、「棚」の意味を有する英単語として広く親しまれた語であって、その指定商品である「金属製棚並びにその部品及び附属品,棚並びにその部品及び附属品」との関係においては、本願商標の指定商品そのものを意味するものと捉えられ、商品の出所識別標識としての称呼及び観念が生じない。
その結果として、本願商標の構成中、「Tiger」の文字は、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めることができるから、この部分を抽出して引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成全体から生じる「タイガーラック」の称呼に加え、「Tiger」の文字に相応して、「タイガー」の称呼及び「虎」の観念を生じる。
(2)引用商標
引用商標は、別掲1のとおり、「TIGER」の欧文字をややデザイン化して表してなるものであるが、容易に当該欧文字を表したものと看取される態様であるところ、その構成文字に相応して、「タイガー」の称呼及び「虎」の観念を生じる。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標の要部である「Tiger」の文字と引用商標の「TIGER」の文字とを対比する。
外観については、両者は、構成文字の一部が大文字か小文字か、及び書体の相違について差異を有するものの、同じ英単語「Tiger(TIGER)」を表したものであるから、近似した印象を与えるものである。
また、称呼及び観念については、両者は「タイガー」の称呼を同一にし、「虎」の観念も同一にするものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがあるといえるから、本願商標と引用商標とは類似の商標というべきである。
イ 本願商標の指定商品は第20類「金属製棚並びにその部品及び附属品,棚並びにその部品及び附属品」であるところ、別掲2のとおり、「棚」とは「物をのせたり掛けたり立てたりするための台や棚」を意味するものであり、引用商標の指定商品中、第20類「家具」に含まれる商品であるといえるから、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
ウ 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である。
(4)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の構成中、「rack」の文字部分は、「(物を掛ける)〜掛け、棚、等」、「《農業》飼葉格子、まぐさ棚」、「《ビリヤード》ラック(三角形の木枠)、(ラックに入れて並べた)球」、「《機械》ラック、(歯車の)歯板」、「(昔の)拷問台、(身体・心の)苦痛、等」など種々の意味を有する語であるから、「棚」を意味する場合があるとしても、どの意味を有する語であるかを直ちに特定することはできないから、当該文字部分は、商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものとはいい難いものであり、そうすると、本願商標の構成中の「Tiger」の文字部分のみが独立して認識されるとみるよりは、むしろ「Tiger rack」の構成文字全体をもって特定の意味を有しない一体不可分の一種の造語と認識されるものであるから、本願商標からはその構成に相応して「タイガーラック」の称呼のみが生じる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、一般に親しまれた成語である「Tiger」及び「rack」の文字からなるものと容易に認識、理解されるものであるところ、本願商標の構成中、「rack」の文字は、その指定商品との関係においては、「棚」を認識させるものであり、商品の出所識別標識としての称呼及び観念が生じないから、本願商標の構成中、「Tiger」の文字は、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めることができ、そうすると、本願商標は、「Tiger」の文字に相応して、「タイガー」の称呼を生じ、「虎」の観念を生じるというべきである。
イ 請求人は、「ラック」又は「Rack」の文字を右側に配した「○○Rack(ラック)」の構成の商標が登録されている例を挙げて、本願商標は引用商標と非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、請求人の主張する該登録例は、本願商標のそれとは別異のものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるところ、本願商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、類似の商標であるから、該登録例が存することをもって、それらが上記判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。なお、原査定においては、本願の拒絶の理由として上記引用商標以外の商標も引用しているが、本願商標は、他の商標との関係においては、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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