Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−12477(T2019−12477/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,資格の認定及び資格の付与,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,会員制による教育・娯楽の提供」を指定役務として、平成30年4月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4971964号商標(以下「引用商標」という。)は、「ジェイエフエムエイ」の片仮名と「JFMA」の欧文字を二段に表してなり、平成18年1月5日に登録出願、別掲2のとおりの役務を指定役務として、同年7月21日に設定登録され、その後、同28年5月17日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、盾の紋章とおぼしき図形の右側に「フードビジネスコンサルタント」の片仮名を表示してなるものであり、その構成中、盾の紋章とおぼしき図形は、上部に「JFMA」の欧文字を配し、その下に月桂樹の図形に取り囲まれたナイフとフォークの図形を表し、盾の紋章とおぼしき図形の下部に重なるように判読不能な何らかの文字が記載されたリボンの図形を配した構成からなるものである。
ところで、本願商標の構成中、「フードビジネスコンサルタント」の文字は、「食品ビジネスのコンサルタント」の意味合いを認識させるものであるから、本願の指定役務との関係においては、さほど識別力の強い部分とはいえず、本願商標の構成中、盾の紋章とおぼしき図形部分が取引者、需要者に対し、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そこで、本願商標の図形部分について検討するに、その構成中、上部に記載された「JFMA」の欧文字は、目立つように大きく表されており、視覚上、明確に分離して把握されるものである。また、当該文字と盾の紋章とおぼしき図形との間には、これらを常に一体のものとみるべき密接な関連性があるとはいえず、一連一体となった何かしらの観念が生じるともいえない。
以上からすると、盾の紋章とおぼしき図形部分から「JFMA」の文字部分を分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないから、本願商標から図形部分を抽出し、その構成中の「JFMA」の欧文字だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標からは、その片仮名部分から生じる「フードビジネスコンサルタント」の称呼に加え、盾の紋章とおぼしき図形部分中の「JFMA」の文字に相応して、「ジェイエフエムエイ」の称呼を生じるものである。
また、「JFMA」の文字は、我が国の一般的な辞書等に載録がないものであって一種の造語とみるのが相当であり、当該文字からは特定の観念は生じない。
(2)引用商標
引用商標は、「ジェイエフエムエイ」の片仮名と「JFMA」の欧文字を二段に表してなるところ、その構成文字に相応して「ジェイエフエムエイ」の称呼を生じ、また、「JFMA」の文字は、我が国の一般的な辞書等に載録がないものであって一種の造語とみるのが相当であり、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、その構成全体の比較においては、区別し得ることを考慮したとしても、本願商標の構成中、役務の出所識別標識として機能し得る「JFMA」の文字部分と引用商標を比較した場合、「JFMA」の欧文字が共通していることから、外観において類似するものである。
また、本願商標と引用商標は、いずれも、「ジェイエフエムエイ」の称呼を生じるものであるから、両商標は、その称呼を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、外観において類似し、称呼を共通にするものであり、これら外観、称呼及び観念を総合して観察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務及び引用商標の指定役務は、前記1及び2のとおりであるところ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。
(5)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、図形と「フードビジネスコンサルタント」の文字の全体として認識されるものであり、ごく小さく表された一部の文字部分を分離、抽出して、その部分から生じる称呼、観念をもって商取引に資することはないというのが相当であるから、本願商標の図形内の一部の文字部分から役務の出所識別標識としての称呼、観念は生じない旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の構成中、「フードビジネスコンサルタント」の文字は、本願の指定役務との関係においては、さほど識別力の強い部分とはいえず、当該文字部分に比べると、その構成中の図形部分がより識別力を発揮する部分とみるのが相当であり、本願商標に接する取引者、需要者は、その図形部分に着目することが少なくないというべきである。
そして、上記(3)のとおり、図形部分と「JFMA」の文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない上、「JFMA」の欧文字は比較的小さく表されているものの、明確に認識できるものであるから、本願商標から当該文字部分を要部として抽出し、その部分の外観、称呼及び観念をもって、本願商標と引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、引用商標の指定役務と類似する役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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