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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と観念の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−900082(T2020−900082/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6211292号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6211292号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成31年1月24日に登録出願,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,香料,薫料,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,洗濯用漂白剤,洗濯用柔軟剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,研磨紙,研磨布,つや出し紙」を指定商品として,令和元年12月13日に登録査定,同月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第904213号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,2006年1月23日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2006年(平成18年)5月3日に国際登録出願,別掲3のとおりの商品を指定商品として,平成20年7月11日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。

1 本件商標について

本件商標は,「Seventeen」の欧文字より,その文字に相応して,「セブンティーン」の称呼と「17」の観念が生ずるが,「セブンティー」の称呼と「70」の観念を生ずる場合もある。

2 引用商標について

引用商標は「SEVENTY」の欧文字よりなり,「セブンティー」の称呼が生じ,「70」の観念が生じる。

3 本件商標と引用商標との類否について

(1)外観について

本件商標と引用商標の外観においては,取引者,需要者の印象に残りやすい語頭の欧文字「SEVENT」の6文字が共通しており,一定程度の類似性が見て取れる。

(2)称呼について

本件商標の称呼「セブンティーン」と引用商標の称呼「セブンティー」とは,語頭の「セブンティー」の5音が共通し,末尾「ン」の有無にのみ差異を有するものであるが,鼻音の弱音である「ン」は,前音の母音に吸収されやすい上,明確に聴取し難い語尾に位置することに相まって,該差異が称呼全体に及ぼす影響は極めて小さく,両者は互いに聞き誤るおそれがあるというべきである。

(3)観念について

本件商標の称呼が「セブンティーン」と明瞭に聴取された場合は「17」との観念を生ずるであろうが,常に明瞭に聴取し得るものといえないことは前記のとおりであるから,そうとすると,本件商標を「セブンティー」と聞き誤った場合には,その称呼に相応して「70」との観念が生じ,本件商標と引用商標とは,観念においても,互いに相紛れるおそれがあるというべきである。

(4)なお,本件商標の指定商品中,口コミによる商品の評判の拡散などが起こりやすい「化粧品」などの分野においては,商標の称呼よりも,外観や観念を重視して取引される特殊事情があるとは見受けられず,そうすると,簡易,迅速を尊ぶ取引の実際においては,例えば通信販売のような電話を用いた口頭による取引を行う場合も少なくなく,取引者,需要者が商標の称呼を頼りに商品を特定することも普通に行われているものであるから,本件商標と引用商標とが,たとえ外観上語尾の部分に若干の相違点を有するからといって,それが称呼の類似性を凌駕し,商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがない,ということはできない。

(5)してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼,観念のいずれにおいても類似するものであるから,両者は,相紛らわしい類似する商標というべきである。

(6)指定商品の類否について

本件商標の指定商品中,少なくとも第3類「化粧品,つけづめ,つけまつ毛,香料,薫料」は,引用商標の指定商品中,第3類の全指定商品及び第18類「toiletry cases sold empty」(参考訳:携帯用化粧道具入れ)と同一又は類似することは明白である。

(7)まとめ

本件商標と引用商標とは類似のものであり,また,本件商標の指定商品中,第3類「化粧品,つけづめ,つけまつ毛,香料,薫料」は引用商標の指定商品中,第3類の全指定商品及び第18類「toiletry cases sold empty」と類似するものである。

したがって,本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断

1 本件商標について

本件商標は,別掲1のとおり,1文字目の「S」を顕著に大きく表した「Seventeen」の欧文字を横書きしてなるところ,当該文字は「17」等の意味を有する語(「ランダムハウス英和大辞典 第2版」 株式会社小学館発行)である。

したがって,本件商標は,「セブンティーン」の称呼を生じ,「17」の観念を生じるものである。

2 引用商標について

引用商標は,別掲2のとおり,黒色長方形の内部に,薄い灰色で,「SEVENTY」の欧文字を横書きしてなるところ,当該文字は「70」等の意味を有する語(前掲書)である。

したがって,引用商標は,「セブンティ」の称呼を生じ,「70」の観念を生じるものである。

3 本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標とを比較してみるに,外観においては,本件商標は1文字目の「S」の文字が大文字で表されるとともに,他の小文字の構成文字に比較して顕著に大きく書されているのに対し,引用商標の「SEVENTY」の文字部分は全ての構成文字が同じ大きさの大文字で表されていることに加え,黒色長方形の有無,構成文字の書体や色彩において異なるものである。そうすると,両者の外観は明らかに相違するものであるから見誤るおそれはなく,外観上,明確に区別し得るものである。

次に,称呼においては,本件商標から生じる「セブンティーン」の称呼と引用商標から生じる「セブンティ」の称呼とを比較すると,末尾の「ティ」と「ティーン」において,長音と「ン」の音の有無に差異を有するものであるところ,当該2音の差異が,それぞれの称呼全体に及ぼす影響は,決して小さいものとはいえないから,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには,語調,語感を異にし,十分に聴別し得るものである。

そして,観念においては,本件商標からは「17」の観念を生じるのに対し,引用商標からは「70」の観念を生じるから,両者の観念は明らかに相違する。

したがって,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似する場合があるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

4 まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく,その登録は,同条第1項の規定に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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