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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2018−300410(T2018−300410/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5398157号商標(以下「本件商標」という。)は、「天使」の文字を標準文字で表してなり、平成22年10月22日に登録出願、第35類「飲食料品(「食餌療法用食品・食餌療法用飲料」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同23年3月11に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。

なお、本件審判の請求の登録日は、平成30年6月27日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同27年6月27日から同30年6月26日までを、以下「要証期間」という場合がある。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をしていないものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人は、本件商標は、その指定役務中「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「清涼飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について要証期間内に日本国内において、本件商標権者により使用されている旨主張しているが、以下のとおり、商標法第50条第2項で定める登録商標の使用を証明するに十分なものではないから、本件商標の登録は取り消しを免れないものである。 (1)被請求人のカタログ及びオンラインショップの画面について

乙第6号証及び乙第11号証について、これが、広告ならば、被請求人は、商標法上の「使用」というためには、標章を付して展示、頒布等をしなければならない(商標法第2条第3項第8号)が、被請求人は、その広告が掲示されていることのみを示すものの、展示、頒布等をしていることを証明してはいない。

また、乙第10号証及び乙第11号証の証拠説明書等によると2018年8月29日に印刷されたものとあり、要証期間内の使用を証明した書面ではない。また、乙第6号証ないし乙第9号証にはそれぞれ2017年11月・12月号(乙6)、2018年12月号(乙7)、2018年3・4月(乙8)及び2018年5・6月号(乙9)の記載があるが、要証期間前の日付の記載があるというだけで証明されるものではない。以上のとおり、乙第6号証ないし乙第11号証は、要証期間内にその広告を展示、頒布等をしていることが証明されておらず、本件商標の請求に係る指定役務について、商標法第2条第3項第8号における商標の使用を行っていることを客観的に証明したとはいえない。

(2)本件商標権者がカタログ等で使用する商標について

「社会通念上の同一と認められる商標」については、工業所有権法逐条解説[第20版]によると、「社会通念」は社会一般に通用する常識と解されており、すなわち社会一般の概念として同一の商標と解釈される範囲で使用が認められるとされる規定であって、判例及び審決において比較的緩やかに解されているとしても、商標類似の範囲に拡張されると判断されるべきものではなく、使用態様及びその他の状況を考慮して、登録商標と同一の取り扱いをされている範囲について商標の使用と認められるべきものである。

また、乙第6号証及び乙第11号証のカタログ等において示されている「天使のお菓子箱」については、構成される各文字がそれぞれ四角の図形中に統一感のあるデザインにて表示され、その文字の上には「お愛用者様から喜びのお声続々!」の記載があり、また下には、「−森永商品詰め合わせセット−」の記載が表示される等、全体が纏まり良く配置された構成となっており、また具体的な構成においても「天使」と「お菓子箱」の間に接続詞「の」によって接続された一連の語であって、両語が相まって「天使が提供するお菓子の箱」といった一体的な意味合いを想起させるものとなっているから、両語を分離して認識されることはない。

そして、乙第6号証及び乙第11号証に掲載の商品は、「森永商品詰め合わせセット」という単独のセット商品についてその商品価格と共に掲載されていることから、商品(菓子)の出所を表示する商品商標の使用としてのみ認識されることは明らかである。

さらに、乙第6号証及び乙第9号証のカタログに示されている「天使のポリフェノール」については、掲載ページにおいて本件商標権者が製造販売する「天使のポリフェノール『パセノール』」との特定の商品のみが掲載され、商品の包装用の瓶や箱に直接貼付されて使用されており、また、該広告記事中には「パセノールサプリメントで内側から美しく。」等の記載がなされている。これらを踏まえれば、乙第6号証及び乙第9号証に示されている「天使のポリフェノール」が記載されている内容は、清涼飲料ではなく、「サプリメント」(第5類)に相当する商品として表示されていることが明らかである。

以上のとおり、乙第6号証及び乙第11号証において主張されている「天使」の語からなる商標は、いずれも社会通念上の同一のものではなく、また表示されている態様から、いずれも商品に係る商標の使用であって、本件商標に係る指定役務についての使用を証明したということはできない。

したがって、乙第6号証及び乙第11号証で示されている各表示は、商標法第50条第2項で定める登録商標の使用を証明するに十分なものということはできない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第58号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 本件商標は、本件商標権者によって、本件審判の請求に係る指定役務中の「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用されており、これらはいずれも「飲食料品(「食餌療法用食品・食餌療法用飲料」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる。

2 本件商標権者等について

本件商標権者は、日本有数の菓子・食品の製造・販売を業とする会社であり、「天使(エンゼル)」を創業の精神を体現するシンボルとして、天使図形からなる標章を採用し、明治38年(1905年)以来1世紀以上の長きにわたって自社製品に使用し続けている。これは、裁判所においても認められており(乙1)、特許庁における審判事件においても、天使図形のみならず、「天使」、「てんし\天使」、又は、「てんし\天使\テンシ」等の語からなる商標については、強い出所識別能力を有していることが認定されている(乙2〜乙5)。

3 本件商標の使用について

本件商標権者は、「天使」の語からなる商標(以下、「使用商標」という。)を、以下のとおり、本件商標権者の業務に係る「菓子」及び「清涼飲料」(以下、順に「本件商品1」及び「本件商品2」といい、併せて「本件各商品」という場合がある。)に関連する役務について、要証期間内に使用している。

(1)本件各商品のカタログ及びオンラインショップ(ただし、資料は抜粋)

乙第6号証ないし乙第9号証は、本件商標権者の発行・配布に係る、2017年11月及び同年12月、2018年1月及び2月、同年3月及び4月、及び、同年5月及び6月の商品カタログであり、これらは、1か月毎に発行され、いわゆるカタログ販売(通販)用に配布されている。また、これらのカタログ(情報)と同内容の情報は、他FacebookやInstagramでも配信されている(乙10)。また、本件商標権者の開設するオンラインショップの他、「森永製菓アマゾン店」等も開設されている(乙11)。これら一連のカタログ等は、「各種商品をカタログに掲載し、該カタログの受取り手が好みの商品を選べる形式で商品を販売する事業であって、カタログギフトの受取り手、すなわち需要者は、各種の商品が取りそろえられ、掲載されたギフト用カタログを見るだけで商品の選択及び注文ができるようになっている」。したがって、「小売業者が顧客に対して行う便益の提供に該当する」(乙12〜乙14)。また、これらのカタログの発行日に明らかなように、使用商標は、要証期間中に使用されている。

(2)本件カタログ等中に使用されている商標

本件カタログ中には、「天使の\お菓子箱」というページが常設され、特に菓子商品の詰め合わせセットの販売が行われ、また、これらのカタログでは、本件商品2の販売も行われている。本件商品2は、常に「天使のポリフェノール」と紹介されている。

4 上記3の使用態様と第50条第1項に基づく審判における登録商標の使用について

使用商標は、上記のとおり、本件各商品の宣伝広告として、又は菓子商品に直接付して使用されている。需要者は、これらのカタログを見て商品の選択を行い、注文ができるようになっており、「小売業者が顧客に対して行う便益の提供に該当する」。したがって、本件商標がそのまま本件各商品の名称でなかったとしても、第50条第1項に基づく審判における登録商標の使用にあたることは、判決及び特許庁の審決(乙15〜乙18)においても、同様に判断されている。

5 本件商標と使用商標の同一性

本件カタログに使用されている「天使の\お菓子箱」又は「天使のポリフェノール」等の商標は、「天使」の他に、「の」及び「お菓子箱」又は「ポリフェノール」の語が付記されている点で、本件商標とは態様が異なるが、「の」は格助詞であり、「お菓子箱」は、販売に係る商品である「菓子商品の詰合せセット(箱)」を直接的に意味し、「ポリフェノール」は、当該清涼飲料の含有成分の普通名称であるから、その要部は、「天使」の部分にあり、本件商標と社会通念上同一というべきである。すなわち、かかる表示に接した需要者は、「『天使』印のお菓子」又は「『天使』印の(ポリフェノール含有の)清涼飲料」であることを容易に認識する。商標法第50条の審判における使用証明については、登録商標と使用商標との完全同一までは要求されていないことはいうまでもない。そのため、「社会通念上同一と認められる商標」については、判決及び特許庁の審決(乙19〜乙31)のとおり、従前より比較的緩やかに解されてきた特許庁の審理実績に鑑みても、本件カタログに使用している「天使の\お菓子箱」は本件商標の使用と認められるべきである。

6 審尋に対する被請求人の意見

(1)乙第6号証ないし乙第9号証について

ア 乙第6号証について

乙第6号証は、本件商標権者の発行・配布に係る、2017年11・12月号のカタログであり、これは、表題に記載のとおり2017年11月ないし12月に配布された。このカタログの作成時期は、同年10月であり、納期は同年10月23日である(金額欄のみマスキングした:以下同じ)(乙32)。このカタログは、株式会社ゼネラルアサヒ(以下「ゼネラルアサヒ」という。)(乙33)に発注され、26万部が作製されて、被請求人に納入された。カタログには、その表紙の最下部に、「※価格は2017年10月現在、消費税8%で計算しています。」とも記載されている。乙第6号証のカタログは、通販商品に同梱して配布されている。

イ 乙第7号証について

乙第7号証も、本件商標権者の発行・配布に係る、2018年12月号のカタログである。制作は、上記乙第32号証同様、ゼネラルアサヒが行い、25万部が制作され、本件商標権者に納付された。納期は2017年12月20日である(乙34)。カタログには、その表紙の最下部に、「※価格は2017年11月現在、消費税8%で計算しています。」とも記載されている。

ウ 乙第8号証について

乙第8号証も、本件商標権者の発行・配布に係る、2018年3・4月号のカタログである。制作は、ゼネラルアサヒが行い、26万5千部が制作され、本件商標権者に納付された。納期は2018年2月23日である(乙35)。カタログには、その表紙の最下部に、「※価格は2018年2月現在、消費税8%で計算しています。」とも記載されている。

エ 乙第9号証について

乙第9号証も、本件商標権者の発行・配布に係る、2018年5・6月号のカタログである。制作は、ゼネラルアサヒであり、27万部が本件商標権者に納入された。納期は2018年4月23日である(乙36)カタログには、その表紙の最下部に、「※価格は208(審決注:2018の誤記と思料)年4月現在、消費税8%で計算しています。」とも記載されている。

オ 乙第6号証ないし乙第9号証のカタログ(以下、この項では「本件商品カタログ」という。)の配布について

本件商品カタログは、いずれも、本件商標権者が、ゼネラルアサヒに依頼して制作されており、制作部数、納期等は乙第32号証、乙第34号証ないし乙第36号証に明らかである。本件商品カタログは、ゼネラルアサヒから、本件商標権者の契約する、株式会社ダイワコーポレーションの平和島倉庫(乙37)に納入された。

そして、本件商品カタログは、同社内の倉庫において、各送付先別に仕分けされて、商品に同梱して配布される。乙第38号証は、本件商標権者から株式会社ダイワコーポレーションに対する、商品に同梱すべき書面等(以下、「ツール」という。)の指示書である。「ツール名」を一覧すれば明らかなように、商品の梱包には、個々の納品書やエンゼル通信等の広告物とともに、本件商品カタログも同梱されている。したがって、本件カタログは、ほぼ全数が顧客に送付されている。

以上のとおり、本件商標権者が配布する本件商品カタログは、制作者・制作時期や制作・配布部数等も明らかで、かつ、商品に同梱されて全ての商品購入先に配布されていて、これらの行為が要証期間内に行われていることも明らかである。

(2)天使のポリフェノール「パセノール」について

天使のポリフェノール「パセノール」は、本件商標権者の独自開発成分を原料とし、「天使の健康シリーズ」と総称される商品の一つとして、販売限定で販売されている。天使のポリフェノールとの商品は、粒状の「サプリメント」商品と、本件商品2(乙40)であるドリンク状の「清涼飲料」商品との2種がある(乙6〜乙9、乙39)。

7 弁駁書の主張に対する被請求人の意見

(1)乙第6号証ないし乙第11号証に関する「被請求人のカタログ及びオンラインショップの画面について」

ア 乙第6号証ないし乙第9号証は、前記6(1)オのとおり、購入者の別なく、全ての商品に同梱して配布された。

イ 乙第10号証及び乙第11号証は、要証期間内に表示されている

乙第10号証は、本件商標権者のオンラインショップであるから、常に最新の画面に切り替えられているが、本件商品2は、2014年7月15日より通販限定で販売が開始し、同時に広告も行われている(乙39)。また、乙第11号証に表された「天使のお菓子箱」シリーズのAmazon店では、その取り扱い開始日が2016年9月13日であることも明記されている。乙第41号証でも、本件商品2のAmazon店の取り扱い開始日も同日あることがわかる。乙第42号証は、被請求人が開設するYAHOO店のWEBページであるところ、同ショップでは本件商品2の広告及び販売が行われている。また、このページの口コミは2016年12月11日ないし2017年5月12日である。

したがって、本件商標の表示行為は、商標法第2条第3項第8号にあたる。

(2)本件商標と使用商標との社会通念上の同一性及び本件商標を指定役務に関する使用は、いずれも肯定されるべきである

ア 本件商標と使用商標との社会通念上の同一性は認められるべきである

請求人は、審判便覧の判断基準及びその事例に鑑み、本件商標と使用商標とは社会通念上同一とはいえないと主張する。しかしながら、同便覧においても、「登録商標の使用に当たるか否かの認定に当たっては、登録商標に係る指定商品及び指定役務の属する産業分野における取引の実情を十分に考慮し、個々具体的な事例に基づいて判断すべきものである」と特掲されている点にも考慮が払われるべきである。けだし、「通常の取引社会においては、常に登録商標と同一のものを使用するのではなく、当該商標を付する商品・役務の性質等に応じて、これに適宜変更を加えて使用するのが一般的であるという、実務上の要請に即」するべきだからである(乙43)。この点、本件カタログに使用されている「天使の\お菓子箱」又は「天使のポリフェノール」等の商標は、「の」は格助詞であり、「お菓子箱」は、販売に係る商品である「菓子商品の詰合せセット(箱)」を直接的に意味し、「ポリフェノール」は、当該清涼飲料の含有成分の普通名称であるから、その要部は、「天使」の部分にあり、本件商標の使用と判断されるべきことは、審判事件答弁書において既に述べた。なお、参考となる判決や特許庁の審決を追加する(乙44〜乙53)。

イ 本件商標は、小売等役務に使用されている

乙第6号証ないし乙第11号証並びに乙第41号証及び乙第42号証は、いずれも商品の販売を目的として、商品の品揃えや商品説明等を行うことで需要者の商品選択を容易にし、かつ、電話やインターネットを通じて商品の購入ができるといった「顧客に対する便益の提供」も行っている。かかる行為が、小売等役務に対する使用であることは、特許庁の審決に徴しても明らかである(乙55〜乙58)。

8 以上より、本件商標は、要証期間内に、商標権者によって、「菓子」及び「清涼飲料」についての「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されている。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第6号証は、商品カタログ(抜粋)であるところ、これには、その表紙に「Vol.8 商品カタログ/2017年11・12月号/天使の健康」の表示がある。

そして、2葉目の上方には、「天使のポリフェノール『パセノールTM(審決注:TMは「ル」の右上に小さく表示。以下同様。)』」と表示され、下方には、乙第40号証と同様の「パセノールドリンク」と称される商品(以下「使用商品1」という。)の包装容器の表面に「天使のポリフェノール」(以下「使用商標1」という。)(別掲1)と表示されて、その脇に商品説明が記載されている。

また、3葉目の上段には、別掲2に示したとおりの構成からなる「天使のお菓子箱」の文字(以下「使用商標2」という。)が表示され、その下には、「森永商品詰合せセット」の表示があり、クッキーやチョコレートなどの菓子(以下「使用商品2」という。)の写真が掲載されている。

さらに、4葉目には、商品の購入に関するQ&A、WEB会員への登録案内及び会員特典、並びに商品や注文についての問合せ先として、「森永製菓『天使の健康』お客さまセンター」の表示及び問合せ電話番号、ホームページアドレス等が表示され、「【お客様の個人情報について】」の見出しの下、その取り扱いについての説明が記載されている。

(2)乙第7号証は、商品カタログ(抜粋)であるところ、これには、その表紙に「Vol.9 商品カタログ/2018年1・2月号/天使の健康」の表示がある。

そして、2葉目の上方には、「天使のポリフェノール『パセノールTM』」と表示され、下方には、乙第40号証と同様の使用商品1の包装容器の表面に使用商標1が表示されて、その脇に商品説明が記載されている。

また、3葉目には、使用商標2が表示され、その下には、「森永商品詰合せセット」の表示があり、使用商品2の写真が掲載されている。

さらに、4葉目には、商品の購入に関するQ&A、WEB会員への登録案内及び会員特典等、乙第6号証の4葉目と同様の記載がある。

(3)乙第8号証は、商品カタログ(抜粋)であるところ、これには、その表紙に「Vol.10 商品カタログ/2018年3・4月号/天使の健康」の表示がある。

そして、2葉目の上方には、「天使のポリフェノール『パセノールTM』」と表示され、下方には、乙第40号証と同様の使用商品1の包装容器の表面に使用商標1が表示されて、その脇に商品説明が記載されている。

さらに、4葉目には、商品の購入に関するQ&A、WEB会員への登録案内及び会員特典等、乙第6号証の4葉目と同様の記載がある。

(4)乙第9号証は、商品カタログ(抜粋)であるところ、これには、その表紙に「Vol.11 商品カタログ/2018年5・6月号/天使の健康」の表示がある。

そして、2葉目の上方には、「天使のポリフェノール『パセノールTM』」と表示され、下方には、乙第40号証と同様の使用商品1の包装容器の表面に使用商標1が表示されて、その脇に商品説明が記載されている。

また、3葉目には、使用商標2が表示され、その下には、「森永商品詰合せセット」の表示があり、使用商品2の写真が掲載されている。

さらに、4葉目には、商品の購入に関するQ&A、WEB会員への登録案内及び会員特典等、乙第6号証の4葉目と同様の記載がある。

(5)乙第35号証は、平成30年1月26日付け商標権者からゼネラルアサヒへの発注書であり「商品カタログvol.10制作費」の記載がある。

(6)乙第36号証は、平成30年3月13日付け商標権者からゼネラルアサヒへの発注書であり「商品カタログvol.11制作費」の記載がある。

(7)乙第40号証は、本件商品2の画像の写しであるところ、これには、使用商品1の包装容器が掲載されていて、その表面に使用商標1が表示されており、側面には「●名称:清涼飲料水」との表示がある。

2 上記1において認定した事実によれば、以下のように判断できる。

(1)使用商標1及び使用商標2について

本件商標は、「天使」の文字を標準文字で表してなるものであるから、これより、「テンシ」の称呼及び「天使」の観念が生じるというべきである。

ア 使用商標1について

使用商標1は、上記1より、本件商標権者の取り扱いに係る使用商品1が掲載されている商品カタログに使用されていることが認められる。

そして、使用商標1は、別掲1のとおり「天使のポリフェノール」と横書きしてなるところ、その構成中の「ポリフェノール」の文字は、例えば使用商品1の原材料であるパッションフルーツなどといった、清涼飲料の原材料に含まれる成分であることから、当該文字部分は、使用商品1との関係では、識別標識として機能しないか、又は、極めて弱いというべきである。

また、「天使の」の文字中の「の」文字は、格助詞にすぎないものであるから、使用商標1は、「天使」の文字部分が要部として理解されるというべきである。

そうすると、使用商標1の要部である「天使」の文字からは、「テンシ」の称呼及び「天使」の観念が生じる。

イ 使用商標2について

使用商標2は、上記1より、本件商標権者の取り扱いに係る使用商品2が掲載されている商品カタログに使用されていることが認められる。

使用商標2は、別掲2のとおり、上段の白い3つの四角の中に、いずれも赤色で「天」、「使」及び「の」の文字を配し、下段に、ピンクと緑の四角を交互に4個並べ、「お」「菓」「子」及び「箱」の文字を上段よりやや大きい白抜き文字で配した構成からなるものであり、構成文字全体として、何らかの意味合いを看取させるものではない。

そして、使用商標2の構成中、「お菓子箱」の文字は、その下に「森永商品詰合せセット」の文字が表示され、そのセット内容と理解されるクッキーやチョコレートなどの菓子(使用商品2)の写真が掲載されている(乙6、乙7、乙9)ことから、当該「お菓子箱」の文字は、「菓子」を詰め合わせたものであることを認識させるものであって、自他商品の識別標識として機能しないか、又は、極めて弱いというべきである。

また、「天使の」の文字中の「の」文字は、格助詞にすぎないものであるから、使用商標2は、上段の白い2つの四角の中に赤色で表示されている「天使」の文字部分が要部として理解されるというべきである。

そうすると、使用商標2の要部である「天使」の文字からも、「テンシ」の称呼及び「天使」の観念が生じる。

ウ 小括

以上によれば、本件商標と使用商標1及び使用商標2(以下「使用商標」という。)とは、外観上の相違はあるものの、使用商標の要部は、同一の称呼及び観念を生ずる本件商標と同一の文字であることから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるというべきである。

(2)使用者及び使用時期について

使用商標が表示されている、平成29年(2017年)11月頃から翌年5月頃までに発行された商品カタログには、「森永製菓」の表示があり、これは本件商標権者の略称といえることから、本件商標の使用者は本件商標権者と認められる。

また、当該商品カタログには、商品や注文の問い合わせ先、商品の購入に関するQ&Aや顧客の個人情報の取扱いについての説明などが掲載されていることに加えて、本件商標権者が遅くとも平成30年1月及び3月頃にゼネラルアサヒに対して、標題が「vol.10」及び「vol.11」の商品カタログの制作を発注していることがうかがえることから、本件商標権者が、顧客へ配布するために当該カタログを作成し、要証期間内に頒布したことが推認できる。

(3)使用役務について

使用商品1は、その包装容器の側面に「清涼飲料水」の表示が認められ、また、使用商品2は、クッキーやチョコレートなどの「菓子」である。

そうすると、本件商標権者は、本人が制作、頒布したことが推認できる、使用商標を付した商品カタログを使用して、「清涼飲料水」及び「菓子」の販売のための商品の品揃え、商品説明等を行っているものであり、当該行為は、「清涼飲料水及び菓子の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であって、本件審判の請求に係る指定役務「飲食料品(「食餌療法用食品・食餌療法用飲料」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる役務といえるものである。

(4)小括

以上(1)ないし(3)によれば、商標権者は、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務「飲食料品(「食餌療法用食品・食餌療法用飲料」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる役務「清涼飲料水及び菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のために本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したカタログを頒布したと認められる。

そして、上記使用行為は、商標法第2条第3項第8号にいう役務に関する広告に標章を付して頒布する行為に該当する。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その請求に係る指定役務中、「清涼飲料水及び菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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