結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2019−300041(T2019−300041/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第981758号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和46年3月15日に登録出願,第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同47年9月27日に設定登録され,その後,平成15年7月30日に,指定商品を第3類「せっけん類,歯みがき,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,平成31年2月4日であり,本件審判の請求の登録前3年以内の同28年2月4日から同31年2月3日までの期間を,以下「要証期間」という。
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
本件商標は,その指定商品中の第3類「せっけん類,歯みがき,化粧品」(以下「取消請求商品」という。)について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は,本件商標の一部を構成する「MAGIC MUD」を,化粧品の一種であるフェイスパック(以下「本件商品」という。)について,要証期間内に使用していると主張するが,本件商標は「MAGIC MUD」と「マジック マッド」の二段書きで構成されているのに対し,本件商品のラベルには「MAGIC MUD」の文字は表示されているものの,本件商標の下段に配された「マジック マッド」の片仮名の表示はない。
(2)乙第1号証によると,本件商品には薬草を原料とする成分や温熱療法や泥療法などのセラピーに使用される泥成分を含んでいるので,本件商品は「薬草を含む泥パック」であり,上記ラベルには「PROFESSIONAL USE」及び「業務用」と明記されているので,本件商品は業務用及びセラピー施術用であることは明らかである。また,同ラベルには「MEDICATED」及び「薬用」の記載があるので,特許庁及びニース分類の判断基準によれば,本件商品は,第5類に属する商品であり,第3類「化粧品」には属さない。
(3)被請求人は,株式会社ジュテームへ,発売元及び製造販売元が一致する,ジュテーム化粧品のウェブサイト(甲5)で示す商品も納品している。本件商品と甲第5号証の商品は同じ成分で構成され,「ジュテーム 薬用パックD 100g」の表示は共通するが,甲第5号証の商品には「MAGIC MUD」や「マジック マッド」,「業務用」や「PROFESSIONAL USE」の表示はない。被請求人が示す納品書(乙2)及び請求書(乙3)の商品名の欄には,「ジュテーム薬用パックD 100g」の記載があるが,当該記載は,本件商品と甲第5号証の商品とで,共通するものである。
したがって,納品書(乙2)及び請求書(乙3)に記載されている「ジュテーム 薬用パックD 100g」は,甲第5号証の商品である可能性もあり,納品書(乙2)及び請求書(乙3)は,本件商品が要証期間内に販売されていたことを証明するものとはいえない。
(4)以上から,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間内に,日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが,取消請求商品について本件商標の使用をしていたことは証明されていない。
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
「使用状態を示す写真」(乙1)には,「MAGIC MUD」の商品が記載され,本件商標の指定商品中,化粧品の一種である「フェイスパック」について本件商標を使用しているものである。
「納品書(控)」(乙2)には「伝票番号3377」が記載され,「2018/06/15」に,商標権者である「株式会社ピカソ美化学研究所」から「株式会社ジュテーム」に「ジュテーム 薬用パックD 100g」を納品したことが記載されている。「ジュテーム 薬用パックD」とは本件商品「MAGIC MUD」の販売名である。乙第1号証に販売名として「ジュテーム 薬用パックD」が記載されていることより,「MAGIC MUD」と「ジュテーム 薬用パックD」が同一商品であることを示すものである。また,前記納品に係る「請求書(控)」(乙3)には「18/06/30」に「株式会社ピカソ美化学研究所」が発行し,「株式会社ジュテーム」に,「伝票番号3377」「ジュテーム薬用パックD 100g」の費用を請求したことが示されている。「医薬部外品製造販売承認書」(乙4)は,本件商品が,医薬部外品であるため,本件商品の販売名,配合している成分名,分量,配合目的等を記載し,厚生労働大臣宛に申請し,承認されたことを証明するものであり,乙第1号証に記載されている「ジュテーム 薬用パックD」が販売名として記載されている。これにより本件商品が適法に販売されていたことを証明するものである。
以上のとおり,本件商標は,要証期間内に日本国内において商標権者により指定商品中,化粧品の一種である「フェイスパック」について使用していることが明らかである。
(1)商品写真(乙1)は,撮影日,撮影者及び撮影場所が不明であって,しかも,写真掲載商品が,「フェイスパック(化粧品)」であるか確認できない。
(2)納品書(乙2)及び請求書(乙3)は,本件商標権者の作成に係るものであって,本件商標の表示はなく,株式会社ジュテームとの取引を裏付ける注文書,領収書,物品受領書等の提出もない。また,納品書(乙2)及び請求書(乙3)に記載された商品と写真掲載商品が同一の商品であると直ちに認めることはできない。
(3)医薬部外品製造販売承認書(乙4)に記載され商品と写真掲載商品が同一の商品であると直ちに認めることはできない。
被請求人から,上記審尋に対する回答はなかった。
(1)商品写真(乙1)には,包装用容器の正面図と背面図が写されており,「正面図」のラベルには,「MAGIC MUD」,「MADICATED」,「PACK D」,「PROFESSIONAL USE」及び「JE T’AIME」の文字,「背面図」のラベルには,「MAGIC MUD」,「ジュテーム 薬用パックD」,「業務用」,「PROFESSIONAL」,「USE」,「医薬部外品」及び「100g」の文字,そして「ご使用方法」,「ご使用上の注意」及び「配合成分」について表示され,下部には「(発売元)株式会社ジュテーム東京都中央区銀座1−23−10 0120−10−4371」及び「(製造販売元)株式会社ピカソ美化学研究所 兵庫県西宮市池田町9−20」が表示されている。しかしながら,当該写真からは,「フェイスパック(化粧品)」である旨の記載は確認できない。
そして,「配合成分」の表示中には,例えば「ウワウルシ流エキス」のように,日本薬局方収載医薬品である成分の表示がある。
また,「J−PlatPat(特許情報プラットフォーム)」の「商品・役務名リスト」によれば,上記ラベルに記載の「薬用」又は「MUD」の文字を含む商品は,「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」の表示として,第5類「薬用泥(英語:medicinal mud)」(類似群01B01)があり,また,「WIPO Madrid Goods and Services Manager」の表示として,第5類「薬草を含む泥パック(治療用のもの)(英語:herbal mud packs for therapeutic purposes)」(類似群01B01)の表示がある(甲4)。
(2)本件商標権者と株式会社ジュテームとの取引について
ア 本件商標権者が株式会社ジュテームに宛てた平成30年6月15日付けの納品書(控)(乙2)には,商品名の項に「ジュテーム 薬用パックD 100g」,数量の項に「2977」の記載がある。
イ 本件商標権者が株式会社ジュテームに宛てた平成30年6月30日付けの請求書(控)(乙3)には,日付の項に「180615」,商品名の項に「ジュテーム 薬用パックD 100g」,個数数量の項に「2977」の記載がある。
(3)医薬部外品製造販売承認書(乙4)は,平成21年5月26日に,本件商標権者から販売名を「ジュテーム 薬用パックD」とする医薬部外品製造販売承認申請書に対して,同年10月27日に,厚生労働大臣が申請を承認したものである。
(1)商品写真(乙1)は,撮影日,撮影者及び撮影場所が不明であって,しかも,写真掲載商品が,商品「フェイスパック(化粧品)」であるかについても確認することができない。
上記1(1)よりすると,本件商品は,第3類の「化粧品」に属する商品というよりは,むしろ,第5類に属する「薬剤」の範ちゅうの商品とみるべきものである。
(2)本件商標権者と株式会社ジュテームとの取引について
上記1(2)よりすると,本件商標権者は,平成30年6月15日,株式会社ジュテームに,商品名「ジュテーム 薬用パックD 100g」を納品し,同月30日にその代金を請求したとしても,当該納品書(乙2)及び請求書(乙3)には本件商標の表示はなく,当該商品が商品写真(乙1)の商品であることを立証していないから,当該商品に本件商標が付されていたということはできない。
(3)医薬部外品製造販売承認書について
当該製造販売承認書(乙4)は,本件商標権者が「ジュテーム 薬用パックD」を製造販売するにあたり,厚生労働大臣が申請を承認したものにすぎず,商標の広告的使用を目的とした商品に関する取引書類(例えば,注文書,納品書,送り状,出荷案内書,物品領収書,カタログ等)でないことは明らかであるから,商標法第2条第3項第8号所定の「取引書類」には該当しない。
また,当該製造販売承認書には本件商標の表示はなく,当該商品が商品写真(乙1)の商品であることを立証していないから,当該商品に本件商標が付されていたということはできない。
(4)小括
以上(1)ないし(3)のとおり,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間内に,本件商標権者が,取消請求商品について,本件商標の使用をしたことを認めるに足る事実を見いだせない。
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが,取消請求商品のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができない。
また,被請求人は,取消請求商品について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中の「結論掲記の指定商品」について,商標法第50条第1項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 本件商標
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