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Trademark Appeal Case

位置商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−14595(T2019−14595/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント,フルスルチアミンを主成分とする液体状・ゼリー状の加工食品」を指定商品とし,平成29年7月11日に位置商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標を構成する図形は,別掲1のとおりの構成からなるものであるが,本願の指定商品を取り扱う業界においては,商品の魅力向上や需要者の関心を引くなどといった目的のため,商品の包装容器に様々な図形や色彩を装飾的に付すことが一般に広く行われているものである。そして,同業界においては,その商品のパウチ容器の正面に表された商品名や原材料,効能等を示す文字を際立たせるための枠等として,例えば,四角形,略四角形,楕円形やこれらを組み合わせた図形等の様々な図形を用いることが一般に広く行われていることに加え,これらの図形に1又は2種類以上の色彩を付すことも一般に広く行われている。そうすると,本願商標をその指定商品に使用するときには,需要者をして,その商品のパウチ容器に通常採用され得る位置に付された枠図形の一類型として認識されるにとどまり,それ自体が単独で商品の出所を表示するための標識又は自他商品を識別する標識として認識されることはないとみるのが相当である。してみれば,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるといえる。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲1のとおり,パウチ容器の正面中央部やや下方に左端側より配置された横長長方形の白色部と当該白色部の右側角部に配置された逆L字状の赤色部によって構成される図形からなる位置商標であり,第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),サプリメント,フルスルチアミンを主成分とする液体状・ゼリー状の加工食品」を指定商品とするものである。

ところで,本願の指定商品を取り扱う業界においては,原審において示した別掲2の例に加え,別掲3に示す例のように,商品の魅力向上や需要者の関心を引くなどといった目的のため,商品の包装容器に様々な図形や色彩を装飾的に付すことに加え,商品のパウチ容器の正面に表された商品名や原材料,効能等を示す文字を際立たせるための枠等として,例えば,四角形,略四角形,楕円形やこれらを組み合わせた図形等の様々な図形を用いることが一般に広く行われていること,更には,それらの図形に白色や赤色等の1又は2種類以上の色彩を付すことが一般に広く行われていることが認められる。

そうすると,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,需要者をして,その商品の包装容器に通常採用され得る位置に付された(色彩を付した)枠図形の一類型として認識されるにとどまるものであり,それ自体が単独で商品の出所を表示する標識又は自他商品を識別する標識として認識されることはないとみるのが相当である。

してみれば,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は,原審で示された証拠は,配色,図形の形状,図形の配置等からみると,本願商標と同一類型といえるものではない旨主張している。

確かに,原審における引用情報を子細にみれば,本願商標を構成する図形の配色,形状,位置等とは異なる点があるとはいえる。しかしながら,上記(1)のとおり,商品の包装容器に付される枠図形等として様々な形状が用いられているうえに,これに色彩を付し,容器の正面に配置することも一般に行われている実情に鑑みると,それらの使用例を本願の指定商品を取り扱う業界の取引の実情とし,その実情を勘案した上で,本願商標をその指定商品に使用した場合における需要者の認識を推し量ることは合理的である。そうすると,上記(1)のとおり,本願商標に接する取引者・需要者は,商品の包装容器に通常採用され得る位置に付す枠図形の一類型として認識するにとどまり,商品の出所を表示するための標識又は自他商品を識別する標識として認識することはないとみるのが相当であるから,請求人の主張は採用できない。

イ 請求人は,自社で1964年から販売している「アリナミン」と称する商品について,その商標「アリナミン」が日本において著名な商標と認定されていること,及び長年にわたり赤と白を基調とした四角形を用いてきていることからも,一般の需要者若しくは取引者は,赤と白の四角形の図形の特徴によっても自他商品識別力を発揮するものとして捉えているものと推認できる旨主張している。

しかしながら,仮に,請求人が商品「アリナミン」に使用する商標「アリナミン」が著名であって,当該商品に赤と白を基調とした四角形を使用しているとしても,本願商標は,それとは構成態様を異にする位置商標であるから,同一視することはできず,さらに,事案を異にするものであることは明らかであるから,当該商品の存在が,本願商標の審理に影響を与えるものとは認められない。加えて,本願商標が赤と白の四角形の図形の特徴によってのみ,一般の需要者・取引者が自他商品識別力を発揮するものとして捉えていると認めるに足る事情はない。

したがって,請求人の主張は採用できない。

ウ 請求人は,包装の装飾から出所がわかる具体的事例は沢山あり,本願商標に係る色彩も長期にわたり使用しているのであるから,本願商標と同様のパウチタイプの包装がない限り,本願商標は,登録すべきものである旨主張している。

しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標は,商品の出所を表示する標識又は自他商品を識別する標識として認識されることはないものであるから,仮に,請求人が主張するような具体的事例が存在するとしても,上記判断は左右されないといわなければならない。

したがって,請求人の主張は採用できない。

(3)まとめ

以上によれば,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり,商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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