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Trademark Appeal Case

「香りはじける」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−13502(T2019−13502/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「香りはじける」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第5類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成30年3月12日に登録出願されたものである。

その後、原審における平成30年12月27日付けの手続補正書及び当審における令和2年6月23日付けの手続補正書により、その指定商品は、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,口中清涼剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,義歯洗浄剤,歯磨き,香料,薫料」、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,尿吸収用パッド,おりものシート,脱脂綿,綿棒,医療用接着テープ,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,失禁用パンツ,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。),コーヒー,ココア,口中清涼効果を有する菓子,口臭を消すための菓子,その他の菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,香辛料,即席菓子のもと」と補正された。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「香りはじける」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「香り」の文字は「よいにおい。香気。」の意味を有し、「はじける」の文字は「中身がいっぱいになって、裂けて割れる。勢いよく飛び散る。」の意味を有する。

そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、よいにおいが広がる種々商品が製造、販売されており、そのような商品であることを表すために「香りはじける」の文字が使用されている実情がある。

そのため、本願商標は、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単に「よいにおいが広がる商品、香りが勢いよく広がる商品」程の意味合いを表したものと認識するにすぎない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項6号に該当する。

3 当審による通知(令和2年5月11日付け証拠調べ通知書)

(1)本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項各号のいずれかに該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲の事例を発見したため、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、その結果を請求人に通知し、意見を求めた。

(2)当審における検討の結果、本願商標は、その指定商品との関係において、単に商品の品質(機能)又は効能を表示するにすぎないもので、商標法第3条第1項第3号に該当すると判断できる旨を請求人に通知し、意見を求めた。

4 請求人による回答

(1)別掲の事例は、本願商標の補正後の指定商品とは無関係の商品に関する事例であり、また、「香りはじける」の語を単独で使用する事例ではないから、本願商標についてその指定商品の品質や効能を表すことの根拠にならない。

(2)本願商標を構成する「香りはじける」の文字は、その指定商品の品質や効能を暗示するレベルにすぎないもので、それらを直接的に表すものではない。

5 当審の判断

(1)本願商標について

ア 本願商標は、「香りはじける」の文字を標準文字で表してなるところ、「香り」の文字は「よいにおい」(「広辞苑 第7版」岩波書店)の意味を、「はじける」の文字は「裂けて開く。はぜる。」(前掲書)の意味を有する語であって、全体として「香りがはじける」ことを記述してなると理解できる。

イ そして、香りを特徴とする商品には、別掲のとおり、カプセル状の香料がはじけることで香りが広がる仕組みの商品があることもあって、「香り(が)はじける」の表現は、日用品や食品を含む幅広い商品分野において、香りや香料がはじけること又は香りがそのように広がることを表すために慣用されている実情があり、例えば「香りはじける、瞬間発泡」(入浴剤)、「摩擦で香りはじける」(柔軟剤)、「フレッシュな香りはじける」(アロマティックミスト)、「ふれるたび香りはじける」(ハンドクリーム)、「香りはじけるスパークリング温浴」(入浴剤)、「真っ赤なベリーの香りはじける」(入浴剤)、「香りはじける、ジューシーなリップ」(リップクリーム)、「愛されオーラの香りがはじける」(育毛剤)、「香りはじけるペット用寝具」(ペット用具)、「香りはじける」(ペット用具)、「バラの香りはじける新食感サプリメント」(サプリメント)、「香りはじける」(麺類)、「香りはじける!」(菓子)、「香りはじける明太子」(食品)、「パイナップルの香りはじける無糖アイスティー」(茶)などのように使用されている。

ウ そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、「香りがはじける」こと、すなわち、香りや香料がはじけること又は香りがそのように広がることを表示するにすぎず、その需要者及び取引者をして、単に商品の品質(機能)又は効能を表示してなるものと認識、理解されるというべきで、自他商品の出所識別標識として機能するものではない。

(2)請求人の主張に対し

請求人の主張は、以下のとおり、いずれも採択できない。

ア 請求人は、本願商標の構成文字である「香り」と「はじける」をつなぎ合わせることは不自然で、本願商標は、そのような2語をつなげて造語化することで、香りが広範囲に勢いよく広がっていくことを比喩的、暗示的に示したものであり、両語の間に助詞「が」を配置しない点にも特異性があるから、自他商品識別力を有する旨を主張する。

しかしながら、上記(1)イのとおり、カプセル状の香料がはじけることで香りが広がる仕組みの商品があることもあって、「香りはじける」の語は、香りや香料がはじけること又は香りがそのように広がること、即ち商品の機能や効能を表すために慣用されている実情があるから、本願商標は、比喩的な表現であるとしても、商品の品質(機能)又は効能を暗示するにとどまらず、上記の意味合いに相応する商品の品質(機能)又は効能を表示するものであることを具体的に認識、理解させるというべきである。

イ 請求人は、原審及び当審が掲げる「香りはじける」の語の使用例は、本願商標の指定商品とは無関係の商品に関する事例であり、また、当該語を単独で使用する事例ではないから、本願商標についてその指定商品の品質や効能を表すことの根拠にならない旨を主張する。

しかしながら、本願商標に係る識別性の判断は、その指定商品に係る需要者における認識が基準となるところ、本願商標の指定商品の需要者は、日用品や食品などを購入する一般需要者であって、上記(1)イのとおり、日用品や食品などと関連する幅広い分野において本願商標に相当する「香りはじける」の表現が慣用的に使用されている実情がある中では、それら一般需要者は、本願商標をして単に商品の品質(機能)又は効能を表示するにとどまるというべきである。また、請求人以外にも「香りはじける」の語を使用する事業者が多数いる中では、本願商標の構成文字だけでは他の事業者に係る商品との間における出所識別標識としては事実上機能し得ないことは明らかである。

ウ 請求人は、過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨を主張する。

しかしながら、商標登録出願された商標の自他商品出所識別機能の有無は、査定時を基準として、個別の商標や取引の実情を踏まえた上で判断すべきだから、請求人の援用する過去の登録例は、本願商標に係る判断に影響しない。

(3)まとめ

以上を踏まえると、本願商標は、商品の品質(機能)又は効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎず、自他商品の出所識別標識として機能しないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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