Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−6087(T2020−6087/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「コンパクトでパワフル」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成30年10月9日に登録出願されたものである。
その後、原審における令和元年11月10日付けの手続補正書により、その指定商品は、第3類「入れ歯洗浄剤」及び第7類「家庭用超音波洗浄器」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「コンパクトでパワフル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「コンパクト」の文字は「小型で中身が充実しているさま。普通より形が小さいこと。」の意味を、「パワフル」の文字は「強力なさま」の意味を有する語として一般的に広く知られているから、全体として「小型で中身が充実していて強力」ほどの意味合いを容易に理解させる。
そして、本願商標の指定商品との関係において、形状がコンパクトで、パワフル(強力)に洗浄できることが、需要者の購買意欲を高める訴求力となっている実情があり、これを表すために「コンパクト」及び「パワフル」の語が使用されている。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「小形で強力」な商品であること、すなわち、商品の形状又は品質を認識するにとどまる。
したがって、本願商標は、商品の形状又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標について
ア 本願商標は、「コンパクトでパワフル」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「コンパクト」の文字は「小型でまとまっているさま。」(「大辞林 第三版」三省堂)の意味を、「パワフル」の文字は「力強いさま。強力なさま。」(前掲書)の意味を有する外来語として、いずれも我が国で親しまれている意味の理解が容易な語であるから、両文字を助詞「で」により接続することで、全体として「小型で、力強い又は強力」程度の意味合いを容易に認識させる。
イ そして、洗浄剤や洗浄機器を含む商品全般において、別掲のとおり、例えば「コンパクトで高性能な食器洗浄機。」、「コンパクトで高性能!」、「コンパクトでもパワフルな超音波洗浄機」、「コンパクトでパワフル洗浄」、「・・・パワフルでコンパクト。」、「・・・コンパクトでパワフル」などのように、「コンパクト」の語は商品やその包装の体積や重量、サイズが小さいこと、「パワフル」の語は商品の洗浄力や出力が高いことなど、いずれも商品の品質(サイズ、性能)を表すために取引上普通に使用されている実情がある。
ウ そうすると、本願商標は、「小型で、力強い又は強力」程度の意味を容易に認識させるもので、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、単に商品の品質(サイズ、性能)を表示するものと認識、理解されるにすぎない。
(2)請求人の主張に対し
請求人の主張は、以下に詳述するとおり、いずれも採択できない。
ア 請求人は、本願商標は、全体から明確な意味合いを直感的に想起させることはなく、暗示的に漠とした観念を想起させる一種の造語であり、原審が提示した事例も本願商標の構成文字の一部を使用するにすぎないものや、その指定商品とは非類似の商品に係る事例にすぎない旨を主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)アのとおり、意味の理解が極めて容易な語により構成されるもので、全体として「小型で、力強い又は強力」程度の意味合いを容易に認識させる記述的な表現にすぎず、上記(1)イのとおり、洗浄剤や洗浄機器を含む商品の取引と関連して、「コンパクト」及び「パワフル」のいずれの語も商品の品質(サイズ、性能)を表すために取引上普通に使用されている実情もあるから、本願商標は、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、単に商品の品質(サイズ、性能)を表示するものと直ちに認識、理解されるというべきである。
イ 請求人は、過去の登録例を掲げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張する。
しかしながら、商標登録出願された商標の登録適格性は、個別の商標や取引の実情を踏まえた上で判断すべきであるから、請求人の援用する過去の登録例は、本願商標の登録適格性に係る判断に影響しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商品の品質(サイズ、性能)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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